マーズに続けてマーキュリーも連れ去られてしまった。
でも敵の目的の一つがRabbit、ちびうさである事がわかった。
重要な存在である事はわかったけど、俺達にとって味方かもわからない。
敵に渡すわけにもいかないな。
そう考えてるとつい咳き込んでしまう。
風邪かな…。
こんな時に…、体調管理がなってないな…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれから帰った後買い物を頼まれて強くなる雨の中で街を歩いているとちびうさを見かける。
少し沈んだ顔で傘を持ちながら小声で歌っている。
反対側からは同じ様に予備校が終わったのかちびうさに近づくまもちゃんがいた。
ちびうさがネックレスの鍵に触れた時だった。
遠くで鳴っていた雷が大きい音で落ちた音が聞こえた。
驚いて立ち止まってる間にまもちゃんがちびうさを抱きしめている。
私は2人近づいて声をかける。
「大丈夫だった?雷、怖かったね。」
2人は私に気づくとちびうさが私に抱きついてくる。
小さく、ママって呼んでたけど気にしないで背中をゆっくりと撫でて抱きしめる。
呆然としてるまもちゃんがこっちを見ながら驚いた顔をしている。
サイコメトリーで記憶が流れたのかな…。
まぁ私に今出来るのは、腕の中の小さなレディをあやす事かな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プリンス・デマンドは2人のセーラー戦士を捉え、ブラック・ムーンの仲間達との会話をしていた。
幻の銀水晶の力を借りている存在を認識する度に考える。
幻の銀水晶を壊し、愛する人間を殺したら彼女は一体どんな顔をするのだろう。
その事を考えていると自分を諌める弟の言葉も煩わしかった。
今後の計画について話し合うが心がざわつく。
「一人になりたい。席を外せ。」
静かになった部屋の中で彼女のホログラムを見つめる。
あの時、話した時の様な柔らかな微笑みを浮かべる彼女。
「欲しいものは全て手に入れる。全て だ。」
そう、どんな結果になっても、どんな犠牲を払おうとも。
手に入れてみせる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
徹夜で調べ物を続けた結果、体調を崩してしまった。
今、うさぎはレイと亜希がいなくなり不安定になっている。
少しでも何とかしたくて頑張ってみたけど進展はなかった。
男なのに可愛らしいモノが好きだった俺を受け入れてくれたうさぎ君に、セーラー戦士とか抜きにしても力になりたかった。
コレはジュピターの頃からそうだった。
熱のせいか、前世の頃を思い出す。
ジュピターの時、受け入れて褒めてくれたオリオネス。
それが嬉しくて、記憶がなくてもピンクの薔薇が好きだった。
最初は前世の様にピアスにしようとしたけど、男がピンクの薔薇のピアスは少し目立ってしまい教師に何度か注意された。
だから髪を伸ばし、ハーフアップにしてピンクの薔薇の髪ゴムを付ける。
からかってくる人もいたけど、俺は髪ゴムを付け続けた。
だってコレが俺だから。
プリンセスとオリオネスが認めてくれた、受け入れてくれた姿だから。
雨の中、家に戻る途中でリオちゃんと出会った。
「まこ君!大丈夫?家まで送るよ。」
「いーよいーよ、だいじょーぶだからー」
「フラついてるのに信用できません。送るから帰ろう?」
手を伸ばす彼女に少し寄りかかる。
暖かい、彼女が生きているだけで、それだけで何だか嬉しかった。
自分の家に着いてから、リオちゃんにお茶を入れる。
彼女はわかってるかの様に両親の事は聞いてこなかった。
不思議な所があるのもオリオネスに似ている。
止まらない咳に難儀しながらもリオちゃんが悩みがある様子がわかった。
すぐに顔に出てしまうのか、可愛いな。
少し強引に聞き出してみると、何も出来ない自分が悔しいと。
そんな事ないのにな。
俺達の側に変わらずにいてくれるだけで、どれだけ嬉しく思ってるか彼女はわかってなかった。
「俺達の事情を知って、正体を知って、変わらない対応でいてくれるリオちゃんは俺達の助けになってるよ。」
「まこ君……それでも私は我儘だけど皆の力になりたい。」
熱に浮かされた感覚のままで、リオちゃんをぎゅっと抱きしめる。
強張る体に優しく背中を叩き緊張が抜けるのを待つ。
「…オリオネスの時もそう思ってたのか?」
静かに聞くと彼女は何も言わずに頷く。
バカだなぁ〜。
「確かにセーラー戦士として物理的には守れないかもしれない。でもオリオネスもリオちゃんも精神的には何度も守ってくれてたんだ。」
誤解され続けていたジュピターを、うさぎの為とはいえ知らない人である俺に声をかけてくれた時。
それだけでも、俺は2回も救われた。
だから、そんなリオちゃんの事を俺達は……俺は…。
考えている内に熱が酷くなったのか、フラリと倒れ込んでしまう。
窓から見えた光がマーズとマーキュリーを連れてった光に見えた。
そこで、俺は熱に耐えきれず眠ってしまった。
「う…うぅ…!?」
呻き声が聴こえて目が覚めると、リオちゃんに俺が馬乗りになり首を締めていた!
直ぐに俺の姿をした敵を蹴り飛ばし、通信機を使う。
「ーうさぎ!敵だ…!すぐ来てくれ!」
息を吸いながら咳き込むリオちゃんを背後に守りながらセーラージュピターに変身する。
倒れ込んでいた敵をさらに投げ飛ばす。
よくも俺の姿でリオちゃんに酷い事を…!
すると光の円盤が近づいてきて新たな敵が現れる。
ペッツと名乗った敵に攻撃を撃ちながら近づく。
激しい光と共にあたし自身が風で身動きがとれなくなっていく。
駆けつけたセーラームーン達の声が聞こえる。
だけど周りにいる敵を倒している間に遠ざかるのがわかる。
このままだとあたしも連れ去られる…。
ペッツが吹き飛ばされるのと同時にあたしもセーラームーン達から素早く離れていく。
セーラームーンの叫びが遠く聞こえる。
そこであたしは意識を失った。
まこちゃんは元がカッコいい女の子だから男の子にしても違和感が…!