咳き込むのが止まり、駆けつけたルナとタキシード仮面と一緒にセーラームーンの元へ急ぐ。
そこにはジュピターの名前を呼びながら泣いているセーラームーンと慰めるヴィーナスの姿。
間に合わなかった。
それどころか、これじゃあ足手まといでは…?
血の気が引くのがわかる。
タキシード仮面とルナが邪黒水晶のピアスをサンプルとして採ってる間、セーラームーンにも近づけずに私は考えてしまう。
もしかして、私は未来を変えれると思い上がっていたのかな…?
そんな考えが頭から離れない。
私に気づいたヴィーナスが近づいてくる。
「リオちゃんも大丈夫?あたしがいながらごめんね」
「違う、違うの…。ヴィーナスは悪くない。私はすぐ近くにいたのに…。」
ヴィーナスは、真剣な顔をして私の締められた首を優しく撫でてくれる。
まるで、私を慰める様に。
司令室でアルテミスが敵の存在について説明をしてくれる。
ブラック・ムーンは円盤でTOKYOへ来てセーラームーン達を襲っている。
だけど、その目的がわからない。
私達を消そうと考えてるなら、連れ去るなんてまどろっこしい事はしない。
でも、だからこそマーズとマーキュリー、ジュピターの生存がわかる。
そして、ちびうさ自身が敵か味方かがわからない。
私には、ちびうさは敵ではないとわかっているがそれを説明する事ができない。
その事実はちびうさの口からでなければいけないから…。
ヴィーナスの提案で、ちびうさからブラック・ムーンの事を直接聞く事になった。
その間もルナとアルテミスは邪黒水晶のピアスを調べている。
あのピアスがちびうさにとって怖い物だと知ってても、見せなければ先には進めないのだろう。
誰もが暗い表情でうさぎの家に向かう事になった。
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うさぎの家に入ると、待っていたのか明るい顔のちびうさが出迎えてくれる。
「おかえんなさい!」
「……うん、ただいま」
ちびうさの言動に皆が言葉を出せない中で私は答える。
そのまま、育子ママとちびうさの友達の桃ちゃんがやって来る。
皆もちびうさ自身は敵ではないと判断したのか、邪黒水晶の保管をまもちゃんに任せる時になった時だった。
立っていた私達の隙間からピアスを見たちびうさが悲鳴をあげる。
「いやああ、来ないでっ…!!」
頭を抑えながら怯えているちびうさを抱きしめる。
震えながらしがみつく姿を確認しながらまもちゃんにピアスを隠す様に目線で合図する。
ハッとした顔でピアスを隠す姿を確認して、ちびうさに話しかける。
「…ごめんね、怖いね。ちびうさ、少しでもいいの。わかる事はある?」
少しずつ、落ち着いてきたちびうさが顔を上げてピアスをもう一度見る。
震えは治らないけれど頑張っているのがわかる。
「その石のせいで……ママとパパが……」
ママとパパ…?
また原作とは違うところがあるのか…。
美奈人君とうさぎがちびうさの言葉の続きを急かすと、責められたと思ったちびうさが反論する。
「知らない、あたしは。何にも悪くない!」
そう言い放つとまた抱きついて泣き始める。
怖い…そう言いながら。
「一度落ち着こう?今はもう無理だよ。」
「そうだな、止めよう。」
私が言うと、まもちゃんも同意してちびうさの頭を撫でる。
この時にうさぎがどうな顔してたのか、私は見ていなかった。
「……ちびうさ、最後に聞かせて。敵じゃないって、誓える?」
「っ!あたし違うの!敵なんかじゃ……!」
うさぎが質問すると勢いよく顔を上げて敵じゃない、と反論した。
だけどうさぎは真剣な表情で返答する。
「でも協力してくれないなら、僕、あんたとはやっぱり上手くやっていけない。」
そのままうさぎは、部屋に走って行って閉じこもってしまった。
呆然とする皆を落ち着かせてから、育子ママに今日お泊りさせて欲しいとお願いする。
嬉しそうにOKを出してくれた事に感謝してうさぎの部屋へ行く。
「うさぎ…?入っても大丈夫?」
小さな声で了承する声が聴こえて、扉を開けて中に入る。
ベッドの上で自己嫌悪してるうさぎの頭を撫でる。
「……ちびうさは…?」
枕に顔を押し付けながら私に聞いてくる。
やっぱりなんだかんだで優しいなぁ、うさぎは。
「今は泣き疲れて寝てるよ…。皆も一回帰るってさ」
「僕、最低だ。ちびうさに酷い事を言っちゃった…。」
ゆっくりと顔を上げて、深刻な顔で少しずつ弱音を吐き出す。
ふわふわな髪を変わらず撫でながら、私もいつも通りに答える。
「大事な人がいなくなって、その答えのヒントが近くにあってさ。手に入らない…なんてなったら誰でも冷静になれないよ。」
「リオちゃんも…?」
「3人の事考えると、今も駆け出したい位は焦ってるよ。」
落ち着いてきたうさぎはベッドから起き上がり、隣に座る。
よく、お互いが落ち込んでる時は一緒にいた。
リオの時も、…オリオネスの時も。
それが、当たり前だと思ってるのに。
いきなり、うさぎがいなくなったら、私はきっと冷静にはなれない。
その後は2人で手を繋ぎながら少し泣いた。
これから、頑張る為に今は休むんだ…。
リオちゃんの中には一応幻の銀水晶の力が残っています。
それをなんか技にしてみたい。