プリンセスとして、育ったあたしには幼い頃から一緒にいる従兄弟がいる。
名はオリオネス、ちょうど同い年の男の子。
彼には母親となる方が早くに亡くなって、お母様が引き取り家族となったの。
最初はお母様が取られてしまうと思って、酷い態度をとってしまったのだけど…
彼はいつでも笑顔でいたの、最愛のお母様が亡くなったのにどうして?って聞いた事があるのよ。
「母さんは、きっと泣いてる俺より笑ってる俺の方が好きだろうからな」
何処か遠いところを見ながら答える彼は誰よりも悲しそうで、彼に寄り添わなければ消えてしまうにでは、と思ってしまう程だったわ。
あたしはずっとオリオネスと一緒にいると決めたの。
それなのに、オリオネスったらひどいのよ!勝手に飛び出しては近くの星や少し離れた星に自分1人で行ってしまうのだから。
でも、そのお陰であたしのセーラー戦士達も決まったわ。
マーキュリー、マーズ、ジュピター、ヴィーナス。
彼女達はみんな、オリオネスと出会ってあたしと顔合わせが決まりお世話係や家庭教師、ヴィーナスは影武者も引き受けてくれた。
とても、言葉では表せない程感謝してるわ。
あたしがまだ会った事はないけど外部太陽系のセーラー戦士達もオリオネスは会った事があるらしいの、ずるいわ!
でもね本当は、本当はね。
あたしもオリオネスと一緒に色んな星に行ってみたかったの。
一緒に生活して、誰よりも側にいたと思うけどもっと、ずっと、隣にいたかったの。
エンディミオンと会って、彼もオリオネスの友だと話した時少しだけ嫉妬してしまったわ。どっちにも。
3人で一緒に話してる時はとても幸せだったわ。だけど少しだけ思ってしまうの。
あたしの方がエンディミオンの事を知っていたい、あたしの方がオリオネスの事を知っている。
だから、だからこんな…こんな、天罰が、あぁ………オリオネス…!
地球の民が攻めて来た時、セーラー戦士を始めにエンディミオンもあたしを庇ってくれた。
それでも、あたしに迫る剣にエンディミオンが前に立った時だった。
オリオネスが旅立つ時に乗っていた乗り物であたし達の前に降り立ったのです。
そのまま吸い込まれる様に剣はオリオネスを貫き……
目の前が真っ白になって気づいたらオリオネスを貫いた剣を持っていたわ。
そして、あたしは……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼は初めて会った時から、自由な男だった。
俺の婚約者を決める会議が続き、疲れて外に頭を冷やしていた時にオリオネスに出会った。
彼は俺の事を知ってるかの様に驚き、真摯に俺に向き合ってくれた。
婚約者も俺が力を付け、俺自身が婚約者を選べる そんな未来を教えてくれた。
アイツは当たり前に言ってたけど、それがどんなに想像のつかない未来かわからないのか?
「もちろん婚約者を選ぶ程の力をつけるのは大変だろうし、流されたままの方が楽だろうけどなぁ。
そこにお前の幸せはあるのか? 」
プリンスの立場として、自分の幸せなど二の次だった。
だけどそれを望んでくれる人が、オリオネスがいるのなら考えて生きたいと感じた。
プリンセス・セレニティと出会ったのもその頃だ。
彼女はとても素敵な女性だったし、好意を持たれていただろう。だが、彼女が本当に愛しているのはきっと…
おかしいと思ったのはそれからしばらく経ってからだった。
地球の民が月の民に対して敵意を抱いている。それも一般人だけではなく、俺の部下でもある四天王までもが敵意を感じ始めている。
このゴールデン・キングダムに不穏な影が近づいている。
こんな時オリオネスがいれば馬鹿馬鹿しいと笑ったのかな…。
赤い髪の女性を中心に人々がシルバー・ミレニアムに集う。
なんとか止める為、プリンセスを守る為に俺もシルバー・ミレニアムへ向かった。
守る筈だった。俺の親友の為にもここで争いを止めて、遅かったな と笑う未来を夢見てた。
プリンセスに迫る剣に俺自身で庇った時、オリオネスが降り立ちそしてその剣に貫かれた。
振り返る親友は痛みを耐える様に口元をひきつらして言葉を紡ぐ
逃げろ
そのまま、糸の切れた人形の様に崩れ落ちる。
駆け寄りたい衝動を耐え、プリンセスを連れて行かなければ!
そう思いプリンセスの手を掴もうと伸ばした瞬間、プリンセスはオリオネスの元に駆け寄り涙を零し、親友を貫いた剣でその身を刺し貫く。
止めたかった、時間が戻ったら、そうしたら必ず2人を助けて、そして…
気づいた時には2人に続く様に力尽きたセーラー戦士達と泣いているクイーン、迫り来る声。
クイーンに誓った、きっと生まれ変わったらプリンセスを…2人を守ると。
だからきっと、
プリンス・エンディミオンって王子だからきっと婚約者問題とかもあったと思うんですよね。
一応、オリオネスもクイーンの甥っ子なので血統からするとプリンスにもなれる可能性があったり?