前前世から君達のファンです。   作:メケ子

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美奈人はうさぎ以外では唯一リオちゃんの恋心を認めています。


愛野美奈人の恋情

情けない。

1人になって改めて、そう思う。

 

ヴィーナスとしてマーズ達を連れ去られ、セーラームーンの不安を取り除けず、ちびうさにもひどく責め立てた。

他のセーラー戦士より先輩である俺がしっかりしないといけないのに。

そこをいつも、リオちゃんに助けられている。

 

オリオネス…、ヴィーナスが守りたかった大切な人。

 

いつの間にか、俺にとってリオちゃんも同じ存在になっていた。

俺がリオちゃんを知ったのは、アルテミス経由で、会ったのはクイン・メタリアの事が終わった後。

 

初対面は可愛い女の子だな…って。

普通の女の子で、でもプリンセスであるうさぎとはオリオネスと同じ様な距離感で。

あぁ、俺の大切な人は今生きてる…そう実感したんだ。

きっとこの気持ちは…。

 

だからこそ、平穏を崩したブラック・ムーンを許せない。

ご丁寧にテレビで宣戦布告をしてきた、ミス・カラベラス。

黒い三日月が額にある女性、間違いないだろう。

 

果たして、鬼が出るか蛇が出るか。

罠であろうとも乗ってやるよ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「リオちゃんっ!!どうしよう!変身ブローチがないんだ!」

 

 

朝になって、うさぎの声で目が覚める。

しまった、すっかり忘れてた…!ちびうさを追いかけなくちゃ危ない!!

 

 

「とりあえず、美奈人君に連絡を入れてからちびうさを追いかけよう!!」

 

「ちびうさ……。やられた…。」

 

 

ショックを受けた様なうさぎに指示を出す。

連絡する為に部屋から出たうさぎを見て、急いで着替える。

今はカラベラスがチャネリングをする頃だよね…。

 

準備を終えてからうさぎと一緒にちびうさを追いかける。

一の橋公園へ向かうと、ちびうさがうさぎのブローチを持っているのが見えた。

うさぎが大きな声で、ちびうさの事を呼ぶ。

 

 

「返すんだ!そのブローチを。さあ、早く!」

 

 

その瞬間、ちびうさの足元にあったルナPが鳴り出す。

気づいたうさぎがさらに加速して、ちびうさを突き飛ばし、敵の攻撃を躱す。

降りてきた敵、ルベウス。

 

彼がさらに強い攻撃をちびうさとうさぎに放つのを見て、私も走り出す。

2人を守る様に抱き締めると、ルベウスの後ろからタキシード仮面が攻撃を繰り出し、ルベウスの頰が傷つくのが見えた。

 

 

「タキシード仮面っ!!」

 

「油断するなっ!敵はまだ向かってくるぞ!!」

 

 

タキシード仮面の言葉にハッとして、ルベウスを見ると先程より強い力を感じた。

やられる…。

このままだと私も3人もやられてしまう……。

 

そんな事はやらせる訳にはいかないっ!

そう感じた瞬間、胸の内から強い力を感じた。

コレは…、前にも感じた事がある。

そう、クイン・メタリアの時の幻の銀水晶の力…。

 

でも、うさぎもタキシード仮面も呆然としている。

この力は私…?

溢れる様な力のままに、言葉を叫ぶ。

 

 

「ミゼリコルド・クリスタル!!」

 

 

叫んだ瞬間にドーム型の結晶が私達を守る様に覆っている。

そのドームにルベウスの炎が当たるがビクともしない。

驚いた3人が私を見るけど、私自身も驚きながら結晶を維持し続ける。

 

 

「何だと!このわたしの真の炎の力を防ぐだとっ!?」

 

 

ルベウスが怯んだのを見た瞬間、タキシード仮面が前に出る。

手を前に出し、タキシード・ラ・スモーキング・ボンバーをルベウスに当てる。

 

攻撃が当たって傷ついたルベウスが撤退するのが見える。

そして、うさぎがちびうさからブローチを奪い返す。

 

セーラームーンに変身した後にヴィーナスの元へ走り出す。

どうか、間に合いますように…。

そう考えながら、タキシード仮面と目を合わせた後にちびうさに駆け寄る。

 

 

「大丈夫だよ、セーラームーンがヴィーナスを必ず助けるから…。」

 

「……どうして、リオちゃんは怒らないの…?」

 

 

恐る恐る、ちびうさが聞いてくる。

仕方ないなぁ、なんて考えながらちびうさと目を合わせる。

 

 

「怒ってるよ、…狙われてるってわかってるのに。危険な事して…心配した。」

 

「………ママ…」

 

 

すごく小さな声で呟くちびうさに気づかないフリをして、セーラームーン達を待つ。

しばらくして、ヴィーナスと一緒にセーラームーンが戻ってくる。

 

深刻な表情で逃がさない様に、ちびうさに今回の行動を問い詰めるとちびうさも覚悟を決めて話し始める。

過去の幻の銀水晶と未来の幻の銀水晶の話。

その2つを同時に持つ事の危険性。

 

 

「っ助けて、セーラームーン……!!……三十世紀の…未来の地球を!助けて……!」

 

 

泣き叫ぶちびうさに、嘘を言ってる様には見えない。

詳しく話を聞く。

 

三十世紀の未来からやってきた、ちびうさは皆を助けてほしくて、でも何が起きたのかわからなくて…。

ルナとアルテミスがちびうさの話を聞いて、敵が三十世紀から来てる事に気がつく。

ヴィーナスがルナとアルテミスを抱き上げてちびうさに言う。

 

 

「あたし達を三十世紀へ連れていって!」

 

 

その言葉にちびうさは震え出す。

一歩下がって、苦しそうな顔をしたちびうさを抱きしめる。

 

 

「まあ、この辺でおしまいにしよ。」

 

「…ちびうさはオレ達は力になりたいし、仲間を助けたい。」

 

 

まもちゃんが近づいて、目を合わせながらちびうさに語りかける。

それを見ていた、うさぎもちびうさに一緒に帰ろう、と言うと私とまもちゃんの服を掴みながらまもちゃんの家にお泊りする宣言をする。

 

アレ、この後のまもちゃんとうさぎの修羅場はどうなるの?

ヴィーナスと別れて、まもちゃんの家に向かいながら私は混乱し始める。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

何とか敵を倒し、俺も連れ去られるのを阻止できたけど…。

まさか、三十世紀に敵がいたとはな。

 

これでマーズ、マーキュリーとジュピターが無事な可能性が高くなった。

うさぎとリオちゃん達と別れて、ルナとアルテミスを連れて家に帰る。

 

 

「なぁ、アルテミス、ルナ。…リオちゃんの使った力って何なんだ?」

 

 

話だけ聞いたけど、オリオネスの時はそんな力は無かったはずだった。

それなのに、敵の攻撃を防ぐ程の力…。一体どこから?

 

 

「それなんだけど、多分。幻の銀水晶の力じゃないかしら。」

 

「リオは一度、幻の銀水晶の力を体に入れているから、その力が残ってもおかしくはないんだ。」

 

 

そうか、一度死んでしまった中で幻の銀水晶で生き返ってるんだ。

しかも俺達と違って、直接入れられて入れ物扱いされたな。

 

リオちゃんにはできる事なら平凡な人生を歩んでほしかった。

それが、難しくなってしまった。

 

それでも俺の役目は変わりない、うさぎとリオちゃんを守る。

それが俺の全てだ。

例え、俺の永い、永い恋が叶わなくても…。

 

 

 




新・リオちゃんの護り技、ミゼリコルド・クリスタルでした!

フランス語で慈悲・水晶って言ってるだけなんですけどねー。
多分、他に技出ても同じような名前になりますね
個人的に弓矢は出したい!
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