扉を超えた先、月が近く重く垂れ込めている。
静かな都市、三十世紀のクリスタル・トーキョー。
周りを見渡すと、建物は溶けた様になり、霧が濃くなっていく。
人を見つけてもまるでミイラの様になり倒れている。
遠くに黒いクリスタルが見える。
まもちゃんからここから離れる事を提案されて、離れる事になった。
その間にちびうさから、三十世紀の事情を話される。
大きな爆発の後に黒いクリスタルが現れ、建物も人も霧も突然そうなったと。
「ママとパパに会って、2人の所へ!パレスへ、クリスタル・パレスへ!」
しばらく皆でちびうさの後ろを追っていると、ちびうさがダイアナの名前を呼び振り返る。
しかし、振り向いた方向には何もなく、シンっとしている。
キラキラ光るクリスタルを見て、ヴィーナスがパレスの中にいるのか聞くが、ちびうさは否定する。
気づいた時には出入り口が何処にもなく、閉じ込められた事になっていた。
その瞬間に、敵が出てくる。ブラック・ムーンのキラルとアキラル。
慣れない場所、分裂する敵に翻弄される中で、セーラームーンがロッドで攻撃しようとした。
だが、ロッドからはムーン・プリンセス・ハレーションは出ず何も起こらない。
混乱の中で人工クリスタルに囲まれて、動けなくなった。
絶体絶命の中で、現れたエスメロードにちびうさは叫ぶ。
「パレスは壊れることはないわ。だって中に、あたしのパパとママがいるもの!ゼッタイ壊れないし、あんた達に倒されることも、ない!!」
ちびうさの叫びに対して、余裕の表情のまま私達に攻撃を続ける。
ミゼリコルド・クリスタルを展開して防ぎ続けるが、いつまで保つかわからない。
「あわれな最後ね。キラルとアキラルの化学反応の爆発で全員、原子のチリと消えるのよ。」
あー、悔しい!なんて考えるけど、確かに防いでるだけでは勝てない…。
どうする?
そう考えていると、タキシード仮面を中心に足元の人工クリスタルが砕ける。
そのまま、指示を受けて体を伏せると強い力が外から加わり、覆っていたクリスタルが砕け散る。
敵が何が起こったか混乱してる間に、ヴィーナスとタキシード仮面が攻撃を放ち、キラルとアキラルに当たる。
エスメロードは惜しくも逃げられる中で、2人は消滅する。
外から放たれた力の方向を向くと、水晶の塔が見えてきた。
クリスタル・パレス。
入り口を探そうとすると、ちびうさが前に立つと扉が現れる。
中に入って奥に進んで行くと、巨大な水晶が鎮座していた。
その中に2人の人影が見える。
2人…。
それも眠っている様な姿ではなく、前に立っている人が倒れているのを後ろからもう1人が抱き止めている形で。
その姿を見える様になっていくにつれて、今まで浮かんでも認めなかった事実が目に入る。
「ちびうさ、あの水晶の中にいる。あれは誰?」
「…ネオ・キングセレニティとクイーン・オリオネスよ」
息が止まる。
だって、それじゃあ、ちびうさはうさぎと……。
猫の鳴き声でちびうさは反応する。
ダイアナだ。
一度ちびうさが抱き上げた後に、降りてから進んだ先に人がいた。
ラベンダー色のタキシード仮面。
その姿を見た、ちびうさとうさぎ、まもちゃんが驚いている。
「……キング・エンディミオン様…!?」
…パパじゃない。
駆け寄るちびうさを見ながら、私の混乱が深まる。
通り抜ける姿でキング・エンディミオンは説明を始める。
亡霊のの様な存在である事、三十世紀のクリスタル・トーキョー。
宮殿、クリスタル・パレス。
未来のタキシード仮面、キング・エンディミオン。
皆が驚く顔の中で、ちびうさに挨拶を促す。
うさぎ・SL・セレニティ。ネオ・キングセレニティとクイーン・オリオネスの娘。
シルバー・ミレニアムの第一王女。
「…あの、キング・エンディミオン。クイーン・オリオネスって、まさか……」
ダイアナを再び抱き上げて、キング・エンディミオンの側に立つちびうさを見ながら私はつい聞いてしまう。
キング・エンディミオンは可笑しそうに笑って、答えてくれる。
「この子は、セーラームーン、折本 リオ、君達の娘だよ。」
やっ……ぱりかぁああ!!
パパとママと言ってたりしたもんね!
未来、変わってるじゃんかよぉお!?
「そして、もう1人紹介したい人がいる。」
そう言い出したかと思うと、キング・エンディミオンの掌から二頭身の女の子が現れる。
ディフォルメされた様な私と似てる顔。だけど着ている服が小さくてもわかる位に端麗な姿。
「わたしと同じ亡霊の様になってる。クイーン・オリオネスだ」
「お初にお目にかかります。私はクイーン・オリオネス。未来の折本 リオです。今はこの様な姿で申し訳ありません。」
情報量が多い……!
顔色が変化する私を見て、イタズラそうな顔で笑う彼女は確かに私自身なのだろう。
未来は一体どうなってるんだぁ!!!
まぁ、ちびうさはリオちゃんとうさぎの子供でした〜。