日が昇る前にまもちゃんの家を出て、1人で三十世紀の未来へ帰る。
わかってた…、過去の世界にあたしの居場所なんてないって。
うさぎがあたしのせいで、怒っちゃったから。
全部、…全部あたしのせいだから。
「…スモール・レディ!?」
扉の近くまで来ると、プルートがあたしを心配してくれる。
ルナPを抱えながらあたしは近づく。
平気、プルートがあたしの友達でいてくれるなら、1人でも平気なの。
プルートは素直なあたしが好きだって…。
あたし、ちっとも素直なんじゃないよ……。
クリスタル・パレスに入り、キング・エンディミオンとママを呼んでも出てきてくれない。
皆の体が眠っている場所へ行っても誰もが眠ったままで。
ダイアナも、ルナとアルテミスの側で寝ている。
素直なのはきっとダイアナの事を言うのよ。
パパとママ思いの優しい子。
最後にパパとママがいる部屋に行く。
2人とも庇いあって、眠ったままだ。
「パパ、ママ、お願い目を開けて。」
そんな事を言って水晶に縋り付いても、静かなまま。
どうしたら…、目を開けてくれるの?
いつまでそうしてたかわからないけど、ずっとこのままではいけないと考えて動き出す。
クリスタル・パレスから少し離れたふとした時、ぞくりと感じた。
その瞬間にルナPが鳴り出して、あたしの首がいきなり現れた手に締め付けられた。
苦しいっ!!
現れたエスメロードがあたしを挑発する様に、ネオ・キングセレニティの事を言う。
そして首を締める手が強くなっていく。
ネオ・キングセレニティの血をひくあたしの力……!
あたしだって、力があったら!!
言い返したくて仕方なかった時、セーラームーン達が来てあたしを呼ぶ。
ヴィーナスがエスメロードに対して攻撃をして、あたしは解放される。
地面に向かって落ちていくあたしをタキシード仮面が抱きとめてくれた。
そして、素早く後ろに立っていたリオちゃんにあたしを預ける。
「あぶない!避けろ!!」
キング・エンディミオンの声が聞こえたかと思うと、邪黒水晶から力が放たれる。
避けたセーラームーンがロッドを向けて叫ぶがハレーションが起こらない。
その隙にエスメロードの手がセーラームーン達の首にかかる。
あたしの時みたいにセーラームーンが苦しんでる…!
どうしたら…。
「タキシード!!ラ・スモーキング・ボンバーッ!」
タキシード仮面が必殺技を出して、エスメロードが消滅した。
解放されたセーラームーンが悔しそうに力を使えない事に叫んでいる。
エスメロードを倒して油断していた瞬間、背後から新たな敵が2人現われる。
「エスメロードの手を吹き飛ばすとはな」
『だが、「幻の銀水晶」の力、思ったほどではない』
皆が振り向く中であたしは怖くてリオちゃんに抱きつく。
そんなあたしを守る様に、リオちゃんも強く抱き締めてくれる。
ママみたいに…。
「変わり果てた三十世紀はお気に召したかな、セーラームーン。そしてヴィーナス、タキシード仮面。……オリオネス。」
あたしを守ってくれてるリオちゃんは、現れた敵に対して厳しい様に目をしながらも複雑な表情をしてる。
どうして…?
仲間を連れ去って、この星をこんなにした敵なのに。
「君たち次第で未来は、いくらでも変わるぞ。くくっ。」
「…ブラック・ムーン。君たちの望みはこの星を滅ぼして叶うのかな…?」
リオちゃんが対話する様に敵に話しかける。
それを、無言で見ながらも何も返事をしない。
見つめ合っている2人を、引き離す様にセーラームーンがブラック・ムーンに対して叫ぶ。
「……ブラック・ムーン!あんた達は何が望みなの!?この星をこんなにして……!あたしの仲間はどこ!?これ以上、何をしようっていうの!?」
セーラームーンを見つめ直す敵の額の黒い三日月が目に変わる。
その目を見たセーラームーンの体が強張る。
「その目を見てはダメだ!!セーラームーン!」
キング・エンディミオンの声が聞こえてすぐに額の目が光りだす。
目を伏せたあたし達は無事だったけど、セーラームーンが見てしまった。
そして、セーラームーンは敵と一緒に消えていく。
「セーラームーン!!」
リオちゃんが手を伸ばすが、届かずに消えてしまった。
セーラームーンのロッドが乾いた音を立てて落ちる。
「うさぎっ!!」
「嘘……!!セーラームーン、いやああっ!!セーラームーン!!」
リオちゃんがロッドに駆け寄り叫び、ヴィーナスも悲鳴をあげる。
嘘……。
うさぎが、セーラームーンが…連れ去られた…。
セーラームーン!!
囚われないとセーラー戦士助けられないので…。