2つ目の邪黒水晶が地球に打ち込まれた時だった。
地球が弱っていく中であたしは、クリスタル・パレスへと入る。
そして、ネオ・キングセレニティとクイーン・オリオネスの眠るクリスタルの元へ行く。
「キング。ネオ・キングセレニティ、クイーン・オリオネス。目覚めて、あたしよ。」
反応のないクリスタルに近づく中で、キング・エンディミオンが走り込んでくる。
ああ、きっと彼もあたしの事がわからないわ。
だって、成長する事ができたんだもの。
「そこにいるのは誰だ!?」
振り向くと驚いた顔のキング・エンディミオン。
小さかったあたしの面影に混乱している様に見える。
少し可笑しいわね。
「あたしよ。ネオ・キングとクイーンの娘。うさぎ・SL・セレニティよ。」
「その姿は……一体……!」
「あたし、成長することが出来たの。あたしに力を与えてくれて、目覚めさせて下さった方がいるの。」
そうよ、あたしは成長したの。
だから、貴方もあたしだけを見て。キング・エンディミオン。
未来のあたしの愛しい人。
そっ、と手を伸ばしたら置いてきたはずのルナPがあり、音が鳴り響く。
驚いてしまって、身を引くと次の瞬間セーラームーンがやってくる。
「…誰!?」
誰、だって。可笑しくて笑ってしまう。
過去の幻の銀水晶もあるなんて、好都合よ。
「あたしのこと忘れちゃったの?」
そう聞いた時には素早く動き、セーラームーンの手を掴みコンパクトに手を伸ばす。
掴んだ!
そう思ったら、強い力で引き離されて、気づいたらパレスの外へ放り出されてた。
そうやって、相応しくない者を排除して、あたしはパレスに入る資格もないってわけね。
望むところだわ!シルバー・ミレニアムなどこっちから断ち切ってやるわ!!
「スモール・レディ……!?」
外に出されたあたしを追ってきた、キング・エンディミオンが呼ぶ。
いいえ、あたしはそんなちっぽけな名前じゃないわ。
ワイズマンを呼び寄せる。
「あたしは暗黒の王女、ブラック・レディ。暗黒の支配者、ワイズマンに選ばれ、暗黒の星「ネメシス」の女王として生まれ変わったのよ。」
セーラームーンもキング・エンディミオンも言葉にならない程に驚いている。
そうよね、シルバー・ミレニアムの王族がブラック・ムーンの女王になったんですもの。
「ちびうさ!?嘘でしょ!?自分が何を言ってるかわかっているの!?」
セーラームーンが叫ぶのと同時にあたしの周りをルナPが飛び回り、スモール・レディと呼ぶ。
うるさいオモチャに、つい手が出て壊してしまった。
周りの人が騒いでいるのを見て、プリンス・デマンドとサフィールを呼ぶ。
もう、皆いなくなっても構わない。
2人に攻撃されて苦しんでいるセーラー戦士を見ても何も感じなかった。
この星について言われても、2つ目の邪黒水晶はあたしが打ち込んだ。
滅んでしまってもどうなってもいいの。
あたしのものになった2人を呼び出す。
「エンディミオン、ママ。」
「リオちゃん!?まもちゃん!?」
「あたしのものよ。ずうっと一人占めしたかったの。あたしだけのものよ。」
2人を呼ぶセーラームーンに見せつける為に抱きしめる様に側に寄る。
セーラームーンはあたしが、あたしだけのものだと言っても聞かずに、ずっと2人の名前を叫ぶ。
だから、もっとも大切な人に傷つけさせる為にママに命令する。
「痛めつけて…。」
ママはあたしの命令通りに、呆然としたセーラームーンをロッドで殴る。
倒れるセーラームーンを笑いながら、エンディミオンとママを呼ぶ。
「あたし、この人達がいればいいわ。」
そのまま近寄ってきたエンディミオンにキスして、ママを抱きしめる。
その姿を見たセーラームーンは間違った愛し方だと言う。
「目を覚まして、ちびうさ……!……わかるの、ただ好きなだけ。その気持ちをどう形にしていいか分からなくて、持て余してるだけ……。」
…うるさい。
「ちびうさ……!あたし達、皆そう。不器用なの。ホントは、こんなにあんたが大切なの。必要としてる。どうしてこんな風に争わなくちゃいけないの!?」
その言葉にプルートの言葉を思い出す。
うるさい!うるさい、うるさい!!
「知った風な口を利かないで!あたしのことなど知らない癖に!」
言い返して、セーラームーンに攻撃を放ち、プリンス・デマンドを呼ぶ。
セーラームーンとプリンス・デマンドが睨み合っている間に3つ目の邪黒水晶を用意する。
これで、……終わりよ!!
爆発音の様な音と衝撃と共に邪黒水晶が地球に突き刺さる。
くくくっ、月の王国のパレスなど、この星など
皆、暗黒に飲み込まれて消えてしまえばいいわ。
あたしの言葉を肯定するワイズマンの言葉が響き渡る。
強い力を手にしたものが、この世を自在に操れるのだ。
父親の様に偉大な王族になれと言われてるけど、力が目覚めないちびうさの中で全てを受け入れ、誰よりも愛してくれる母親には依存している感じですかね。