プリンス・デマンドの手によって、過去と未来の幻の銀水晶が触れ合う瞬間だった。
ーーーダメ!!
誰もが間に合わない。
全てが消滅する、その一時。
ーーー止まれ!
時間よ、止まれーー!!
プルートのガーネット・ロッドが光り輝く。
過去、クイーン・セレニティに教えられていた。3つ目のタブー。
時間が止まった世界。
その中でキング・エンディミオンやセーラー戦士が動き出す。
「みんな……静止している……!!何も動いてない……!」
時間が止まっている光景に皆が混乱していた。
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重苦しい空気がなくなって、自由に動く体と心で手に持っていたロッドを見つめる。
私は、一体。
「……うさ……ぎ……」
私の呟きと一緒に、ブラック・レディとタキシード仮面が動き出す。
ブラック・レディは力が抜けた様に跪く。
「プルート!?」
「しっかりして!プルート!」
プルート…。
時間を止めたのか!!
急いで、私もプルートの元へ走る。
「リオちゃっ……!」
「うさぎ、ごめん!覚えてないけど、私酷いことしたよね!?」
「いいんだよ!!それより、プルートが!!」
倒れたプルートは息が荒く、顔色もどんどん悪くなっていく。
キング・エンディミオンは、最大の禁忌について話す。
苦しそうに呻くプルートに膝枕をして少しでも楽な状態にする。
最大の禁忌を犯した、その時は…。
自ら、滅びるでしょう。
「……時間が止まったままのこの状態は……長くは……持ちません。セーラームーン……。」
苦しそうにしながらも、プルートはうさぎに幻の銀水晶を取り戻す様に言う。
うさぎはそれを聞いて、そっと2つの幻の銀水晶を取り戻す。
そして、それをプルートに見せる。
「プルート、幻の銀水晶を取り戻したよ。見てくれ。」
「良かった…。」
皆が側にいる中でプルートは安心した様に笑う。
苦しいはずなのに…。
思わず涙ぐんでいると、プルートが手を握ってくれる。
「わたし……、ずっとあなた達の、役に立ちたかった……。一緒に戦えたらってずっと……、……思ってたの……。」
セーラー戦士を見てから、うさぎを見つめ言葉を続ける。
ずっと、憧れだった、と。
「セーラームーン……どうか、スモール・レディを救ってあげて……!!」
プルートは言葉を紡ぐだけでも苦しい中で、スモール・レディの事を思い語りかける。
その言葉は体がうまく動かせずにいたブラック・レディにも届いていた。
苦しそうに咳をするプルートに、うさぎとキング・エンディミオンが声をかける。
しかし、プルートは罪を償わなければならない、と返事をする。
そのままロッドに手を伸ばし、力を使いダイアナを呼ぶ。
運ばれてきたダイアナは、プルートの姿に混乱しながらも涙を流して駆け寄る。
ダイアナと会話をした後に、プルートはずっと黙って側にいた小さなクイーン・オリオネスに顔を向ける。
「……わたし……、自分の使命にとても誇りを……持っていました……。……オリオネス…。」
「…プルート、ありがとう。大好きよっ……。」
耐えきれなかったのか、涙をポロポロ溢しながらプルートに近寄るクイーン・オリオネス。
これで、…これで終わっちゃうの?
プルート……。
「スモール・レディ……。」
プルートは最後の力を振り絞り、鍵をブラック・レディに差し出す。
しかし、手の力が抜けて鍵が地面へと転がる。
「プルート!!目を開けてくれ!!」
「プルート!!」
私とうさぎが叫ぶ様にプルートの名前を呼んでも、プルートの目は閉じられたまま。
セーラープルートは……死んだ。
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「プルート!!」
セーラー戦士達の叫ぶ声が響く。
『スモール・レディ』
……あたしは、……ブラック・レディよ。
あたしには、仲間や友達などいない。
あたしは、一人よ。
だけど、プルートが差し出し、地面に転がる鍵を見ると思い出す。
プルートとの思い出。
あたしの、スモール・レディのたった一人の友達。
『遠くからそっと思うだけの、見守る愛の形だってあるの。』
……溢れてくる。
……この感情は何!?
気づけば、涙が出ていた。
プルート、プルートプルート!!
あたしの、一番、大切な友達……。
「プルート……プルート!!」
あたしはなんて事をっ!!
プルート!ああ、あたしの大切な人がっ!!
邪黒水晶のピアスが砕け散る中、あたしの涙が光り輝いた。
ちびうさの幻の銀水晶、爆誕!