光り輝く涙の中で、ブラック・レディは元のちびうさの姿へ戻っていく。
プルートが亡くなり、力の効果が切れて時間が動き出す。
その誰もが、新たな誕生を見た。
セーラーちびムーン。
ちびうさが変身した姿だ。
「ちびうさ!」
「……うさぎ……あたし……!」
自分の変身した姿にちびうさ自身も驚いている。
まもちゃんも正気に戻り、ようやくちびうさは皆と再会できた。
「プルート……あたし……、……見て、変身できたの。あたしを見てよ、プルート。」
ちびうさの声に反応しないプルートを見て、ちびうさは泣き崩れる。
「せっかく、変身できたのに……。ちっとも嬉しくないよ!目を覚ましてよ!プルート!」
ちびうさの姿を見た、うさぎが拳を握りしめる。
「人の純粋な心を操ったり、弄んだり、戦わずに済むはずだった人を巻き込んだり……!許せない!」
ネメシスを睨みつけ、幻の銀水晶を高く掲げる。
「ムーン・クリスタル・パワー、メイクアップ!!」
うさぎの姿がセーラームーンへと変身する。
ネメシスに指を指して叫ぶ
「このあたし、セーラームーンが、月にかわってお仕置きするわ!ネメシス!!」
宣言と同時にロッドを持ち周りの邪気を跳ね除ける。
力強くネメシスを睨みつけるセーラームーン。
セーラームーンを見つめる私に、クイーン・オリオネスが話しかけてくる。
「リオ、貴方にお願いがあります。」
「……改まって、どうしました?」
その姿は小さな姿でありながら、クイーンとしての責務を背負って立っている知らない私の姿だった。
正直、今するお願いに疑問はあったけど聞いてみる。
「貴方の力を私が補佐します。どうかプリンス・デマンドを殺さないでください。」
……は…?
予想外のお願いに思考が少しの間、止まる。
批判的な目をしていたのか、私の事を悲しそうな目で見つめるクイーン・オリオネス。
「言いたい事は分かります。これは、私の…、ただのオリオネスとしての我儘です。ファントム、今のネメシスとは分かり合えない。でも、彼はネメシスの行動に反抗した。どうかお願いします!」
「そ、…れは。」
確かに、私は原作を読んでいた時からネメシスに完全に賛同せず、洗脳も解いた彼なら、なんて…。
でも、セーラームーンへの愛情から無理だと思ったけど、今の彼なら。
「ああーー!!もう!」
考えがグルグル巡って纏まらないから叫んでみる。
周りがいきなり叫んだ私に驚く中で、クイーン・オリオネスを指差して言葉を続ける。
「やるだけ、やってみるけど手伝ってよね!」
「っ……はい!」
戸惑っている皆を放って、クイーン・オリオネスが私の近くに寄る。
手を握り、力の使い方を教え始める。
前にも言われた、大切なのはイメージする事。
ミゼリコルド・クリスタルでは受け身過ぎる。
祈りが遠い、遠い相手にも届く様に。
「アルク」
力が形になり、手の中に光り輝く弓が現れる。
そのまま、集中を切らさずに。
祈りを届けるには、弓だけでは足りない。
「フレッシュ」
矢が現れ、私は構える。
しかし、傷つける為の鏃はいらない。
届けたいのは、願いを込めた祈りだ。
クイーン・オリオネスの願い、そして私の願いだ。
「プリエール」
静かに唱えた後、矢の先は一段と光り輝く。
プリンス・デマンド、どうか君にも幸せを…。
ネメシスとセーラームーンの攻防を見て動くプリンス・デマンド。
こちらに攻撃を放とうとする、プリンス・デマンドを真っ直ぐに見据えて弓を引く。
「リオちゃん!」
私を、信じる様に見つめてくれるうさぎに笑顔を向ける。
うさぎの様に全てを受け止めるなんて、できない。
それでも、分かり合えるまで君とぶつかり合うのも悪くないと思うんだよね。
プリンス・デマンド。
彼に狙いをつけて、矢を放つ。
新たな技はアルクで弓、フレッシュで矢、プリエールで祈りの意味で考えました。
「アルク・フレッシュ・プリエール」って感じですね。
コレを元に、プリエールの部分を変えてみる技も考えてみたいですけど、出るかは未定です。