前前世から君達のファンです。   作:メケ子

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まこちゃんの乙女は可愛らしい。美奈子ちゃんは可愛くて面白くて大好き!


セーラージュピターの憧れ/セーラーヴィーナスの恋着

ピンクの薔薇が好きだった。

似合わないのはあたしが誰よりも知っていたけど、それでも可愛い物や綺麗な物が大好きだった。

 

あたしは背が高くて、力も強いから男の人だって遠慮してしまうし、女の人には怯えられた。

でもあたしが悪いんじゃない、力だって少し強い位で悪い事をした事なんてない。

植物が好きで、自分で言うのもなんだけど家庭的な方だと思う。

 

誰もあたしをわかってくれない。

そんな中で月の国シルバー・ミレニアムからオリオネスがやってきた。

月の国の王子様、女の子にとって憧れの人って事か。

 

 

「初めまして、俺はオリオネス。視察に来たんだが案内は君かい?」

 

 

軽い男だ、そう思った。

案内を頼まれたからには、あたしはこの男を接待しなければならない。

憂鬱だ。

 

木星の案内を続ける中であたしの噂話をしている人達がいた。

あたし達には気づいていない。思わず足が竦んだ。

 

曰く、あたしが喧嘩をして男の人を殴り倒した。

曰く、あたしが女の子を睨んで泣かせた。

 

そんな事してない。覚えもない。

どうして、あたしの事をよく知らないのにそんな噂が流れるの?

どうして…

 

 

「失礼ながら、貴方達はジュピターの事をよく知っているのか?

違うのなら、あまり信憑性のない噂を広げるのは感心しないね」

 

 

どうして、彼はあたしの事をそう言ってくれたのだろう?

嬉しかった、初対面だからこそ色眼鏡で見ない言葉が何よりも。

噂話をしていた知らない人に対しても怖気付く事なく意見するその姿に憧れを覚えた。

 

あたしもオリオネスを色眼鏡で見て軽薄な男だと思っていた。

あの人達と何が違うのだろう。

彼の様になりたい。彼の様に強く格好よくなりたい。そう素直に思えた。

 

オリオネスは帰る前にあたしにピンクの薔薇のピアスをくれた。

きっと似合うと思って、なんて照れた顔して贈ってくれたピアスはいつでもあたしに勇気をくれた。

 

オリオネスが帰ってからあたしは木星のセーラー戦士として選ばれた。

プリンセス・セレニティを守る誇りある立場に。

 

プリンセスはあたし相手にも優しくみんなと等しく接してくれた。嬉しかった。

あたしの憧れは親しくなるに連れて色んな姿を見せてくれた。

だらしなく、頼りなるけど、出たとこ勝負な所がある。

プリンセスとの仲も気になるかな。きっと2人は…2人は……。

 

2人は血だらけで倒れている。

あたし、プリンセスのセーラー戦士なのに何もできなかった。

シルバー・ミレニアムもこのままならきっと守る事ができない。

なら、この命で2人の死後でも守ってみようかな…。それでもいいよね?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あたしの生き方は産まれた瞬間から決まっていた。

月のプリンセスと同い年で容姿も似ていたあたしはプリンセス・セレニティの影武者としての役目を与えられていた。

 

でも、あたしだって金星のプリンセスでか弱い女の子なのに、どうしてセレニティだけ守られなくちゃいけないの?

あたしはセレニティじゃない、ヴィーナスよ!!

 

影武者としてのプリンセス教育から逃げて、泣いていたあたしを見つけてくれたのはオリオネスだった。

整えられてた髪もくしゃくしゃ、服も汚れて、顔には汗だってかいていた。

嬉しかったけど、その時のあたしはオリオネスに逆ギレしていた。

 

プリンセスの影武者だから、逃げたら大変だから探しに来たんでしょう!?

あたし戻らない!影武者なんてやらないんだから!!

 

 

「ヴィーナス、君がセレニティの影武者に選ばれたのは事実だ。でもね、君はセレニティにならなくていいんだよ

月並みな言葉だけどヴィーナスはセレニティになれないし、セレニティはヴィーナスになれない。

大丈夫、ヴィーナスはヴィーナスだ。君だけの早さで歩きなさい。」

 

 

気づいたら、オリオネスに抱きついて泣いていた。

そうよ、あたしはヴィーナス。どんな立場になってもそれだけは変わらないのよ。

 

立場を受け入れる事が出来てからプリンセスのセーラー戦士に選ばれた。

1番始めのセーラー戦士、あたしがリーダーね。

嬉しくて、決まった瞬間に駆け出してオリオネスに報告に行った程よ。

 

あたしのプリンセス、彼女と過ごす時間が増える度に敬愛する気持ちが強くなる。

それと同時にオリオネスとの関係が気になり始めた。

 

プリンセスはよく地球へ行きプリンス・エンディミオンに会いに行くけど、オリオネスにいいの?って聞くの。

だってきっとプリンセスの気持ちは恋に近い憧れよ。

月のプリンセスとしては問題じゃない。

 

 

「でもさ、きっとこれは運命なんだよな。」

 

 

苦笑いしながら、嬉しそうに言うオリオネスにあたしは息を飲む。

もし、もしもあたしが例えば、そうクンツァイトに恋しても貴方はそういう顔をして受け入れるの?

そう言えたらよかったのになぁ。

 

地球の民が攻めてきた時にセーラー戦士で1番近くでプリンセスを守っていたのに…。

赤い髪の女性、彼女が剣を振りかぶった時にオリオネスが貫かれる姿を見た。

プリンセスが後を追う様に剣で自害する姿を見た。

 

許せなかった。彼女がいなければ、彼がもっと自分を大事にしてたら、あたしがもっと強ければ。

次があるならきっとあたし間違えないわ。

オリオネスもプリンセスもあたしが守るから。だから…。

 

 




美奈子ちゃんの鋼鉄精神大好きなんですよね。
ピュアな心を抱えてダッシュした瞬間笑いが止まらなかったです。
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