プリンス・エンディミオン。私が愛した男性の名だ。
ずっと彼の事を見ていた。例え彼が私を見てくれなくてもそれだけで幸せだった。
それなのに、月の王族オリオネスが来てから変わってしまった。
今まで見た事のない王子の顔、それを引き出したのは私じゃなくオリオネス。
そして私を見つけてくれたのもオリオネスだった。
いつも見てたのに気づいていたらしい私に話しかけてきた。
しかも王子がいる時に…。
「やぁ、ダーク・キングダムの女王 クイン・ベリル様。ご機嫌いかが?」
本当に腹が立った瞬間だった。だけど、エンディミオンに認識された。
それだけで、とても嬉しかったの。
エンディミオン、愛しい貴方。
貴方の為ならオリオネスが隣にいても構わないわ。
そして、オリオネス。私を見つけてくれて感謝しているわ。
本当に、感謝していたのよ。
プリンセス・セレニティが来るまでは。
月のプリンセス、彼女はオリオネスの従兄弟でありながらエンディミオンに恋をした。
月と地球の住人は通じ合ってはならないのに。
戻りたい、3人で笑いあって話せたあの頃に。
戻れないなら、壊してしまいたい。全てを、私の手で。
願いが通じた。クイン・メタリア。
大いなる支配者。
このお方の力を借りて、月を滅ぼす。
そうすればきっと、またエンディミオンは私を見てくれる。オリオネスが私を気づいてくれる。
どうしてかしら。
どうして、エンディミオンはセレニティを庇い、2人をオリオネスが庇うのかしら。
嬉しい/悲しい
愛しい/苦しい
エンディミオン/オリオネス
私は一体オリオネスをどう思っていたのだろう。
セーラーヴィーナスに倒されながら考える。
憎らしいけど、確かに好意もあった。きっと愛憎の念でもあったのね。
次があったらきっと殺して/愛して あげる。
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同じ星のルナがプリンセス・セレニティのお守り役に決まった。
きっと優秀な彼女なら責任を持って役目を全うするだろう。
それと同時期に僕の役目も決まった。
プリンセスの従兄弟オリオネスのお守り役。
プリンセスはお転婆だと言われているけど、オリオネスに比べれば可愛いものだ。
彼は目を話すとすぐに何処かに行ってしまう。
この前なんか時空の扉近くで見つかった位だ。
でも誰よりも、周りを見て頑張れる優しい人だ。
プリンセスのセーラー戦士もオリオネスが見に行った星々で出会った女の子達だった。
「知ってるか、アルテミス。未来の地球ではアルテミスという名の月の女神がいるんだ。」
オリオネスが可笑しな事を言う時は沢山あったし、言動も可笑しい時がある。
だけど、多分彼は嘘をついてはいない。
そんな時はいつも遠い場所を見ていて、気配がいつもより柔らかいんだ。
だから、僕がヴィーナスの相棒としてセーラー戦士を補佐する事になったのも知っていたんだろうな。
提案したのはオリオネスだった。
プリンセスにルナがいるのなら、影武者であるヴィーナスにも僕を、と。
最初はただそれだけの理由、でも手の回らない所を補佐していけばいつの間にかそんな立ち位置にいた。
オリオネス、君が色んな星に行くのも何かの為なんだろう。
だけど、その先に君の幸せはあるのだろうか。
その答えが、この光景なんだろう。
滅びゆくシルバー・ミレニアム、倒れているオリオネスとプリンセス。
そして、僕とルナはクイーンによって長い眠りについて未来の地球へ降り立つ。
オリオネス、僕のご主人。
君もこの時代のこの地球にいるのだろうか。
アルテミスはイケ猫ですよね〜。