待っていてくださった方お待たせしてしまい申し訳ございません…
今回はすごく短いですが少しずつ更新していきますのでよろしくお願いいたします。
昼下がりの道を、ルノとリトは並んで歩いていた。
朝ほどではないが、風はまだ冷たい。ルノはリトの少し後ろを歩き、時々周囲をきょろきょろと見回している。
「疲れてないか?無理だったら言えよ」
「ん、大丈夫」
そう答える声は小さいが、足取りはしっかりしている。
それを見てリトは少し安心したように微笑んだ。
「もうすぐ着くからな。親父の家」
「……おとうさん?」
「ああ。俺の父さん。ちょっと変わってるけど、悪い人じゃないから」
しばらく歩くと、手入れの行き届いた3階建てのマンションが見えてくる。
「ここだ。親父のところ」
「……ここ?」
「ああ」
階段を上り3階の一室へ。
リトがインターホンを鳴らすと、すぐに中から声がした。
「おおー!来たかリト!」
中から出てきたのは無精ひげにラフな服装、頭には赤い鉢巻。
どこか豪快で、第一印象から“只者ではない”空気を放っている。
「よう、親父」
「おおお、久しぶりだな!で、その子が例の…」
男――結城才培は、視線をルノへと向ける。
「……ルノです」
リトが言うより先に、ルノが一歩前に出て、ぺこりと頭を下げた。
「……ほう」
才培は一瞬目を見開き、次の瞬間、破顔した。
「ははは!いい子じゃねえか!よしよし!」
「ちょ、親父、いきなり撫でるなって」
「いいじゃねえか、減るもんじゃあるまいし」
そう言いながらも、才培の手つきは意外なほど優しい。
ルノは少し驚いた顔をしたが、嫌がる様子はなかった。
「寒くないか?」
「……ちょっと」
「そうかそうか。中に入ろう。話はそれからだ」
才培に促され、三人は家の中へ入る。
⸻
仕事部屋に通されると、小さな机と座布団が用意されており、その上にはすでにお菓子が置かれていた。
「さ、座りな。菓子も好きに食べていい」
「……うん」
ルノは言われた通り正座をする。
するとさっそく机の上のお菓子を食べ始めた。
空腹だったのか味が気に入ったのか食べる速度が速い。
その様子を見て、才培はますます目を細めた。
「……リト、お前本当に面白い縁を拾ってきたな」
「拾ったって言うな」
「事実だろう?」
そう言ってから、才培は真剣な表情になる。
「さて。リトから大体の話は聞いてる」
場の空気が少し変わる。
リトもルノもそれを感じ取ったようだった。
「身寄りがなくて、姉を探してる。そうだな?」
「……うん」
「いつから一人だ?」
「……よく、おぼえてなくて」
才培は頷き、ルノをじっと見る。
「……年の割に、落ち着きすぎだ」
「親父……」
「いや、悪い意味じゃねえ」
才培は真剣な表情で続けて話し始める。
「寒がりで、よく腹が減る。疲れやすいってのもあるか…?」
「……」
「でも、病気って感じじゃない」
その言葉に、リトの目がわずかに見開かれる。
「……気づいてたのか」
「漫画家なめんな」
才培はニヤリと笑う。
「人間観察が仕事みたいなもんだ。
それに――」
ルノを見る目が、少しだけ鋭くなる。
「この子、普通の環境で育ってねえ」
「……」
「だがな」
才培は一度、空気を緩めるようにニヤリと笑う。
「だからって、厄介事とは限らねえ」
「親父……?」
「面白い縁だって話だ」
そう言って、才培はルノに向き直る。
「なあ、ルノ」
「…ん」
「ここにいたいか?」
「うん」
「リトたちと?」
「うん」
即答だった。
「姉ちゃん、探したいか?」
「……うん」
「なら、いい」
才培は大きく頷いた。
「細かいことは、今はいい」
「親父……」
「この子は、考えすぎると壊れるタイプだ」
その言葉に、リトの表情がわずかに引き締まる。
「……だから」
才培は続ける。
「今は“居場所”だけあればいい」
「……ああ」
短く、確かな返事。
⸻
帰り道。
マンションを出ると、風が少し冷たかった。
ルノは無言で歩き、ふと立ち止まる。
「……あのひと」
「ん?」
「……こわくない」
「だろ?」
「……あったかかった」
「そっか」
リトはそう答え、歩き出す。
ルノもそれに続いた。
この町で。
この人たちと。
ルノの居場所は、少しずつ形を持ち始めていた。
実はPCを変えた際に書いてたデータや設定がぶっ飛びまして…
そのせいで書くモチベが長い間0になっていました。
ただ、ここ数ヶ月?くらいで面白いToLOVEるの作品が出てきましてそれを読んでるうちに再開したい気持ちが出てきてしまいました。
リアルの方も忙しいのでなんとも言えませんが完結できるように、自分も満足できるように頑張ります。