荒くれもの人生 侍 活動中止   作:(´・ω・`)しょんぼりくん

17 / 31
FGOも後二年ちょいで終わるとなると少し寂しい。かなり思い入れがある物だからもう少し続けてほしいなぁ(涙)


笠の男

井上「ここだ…」

 

そう井上に案内された場所は事件現場、つまり道場だった。広さは大きさは二十坪とやや広く床は木で敷き詰められその上には机と座布団が置かれていた。入口から見て奥の右には技を学ぶための道具、左には軽い本棚が置かれておりトイレは入口から見て直ぐ右手にあった。そして道場の近くには物置があり井上の友人はその道場と物置の倉庫の間で殺されていたようだ。

 

和也「結構使ってんなここ…」

 

汚れで床が色濃くなっている、こう言うのを年季が入っていると言うのだろうか、机の方も墨が目立ちかなり使われている。次に庭、道場が大きく敷地のほとんどを占めており空き地は少ししかない。その間で殺されておりまだ調査中のためか血痕の方もそのままだった。

 

和也(死因は首を切られた事により血が肺に溜っての窒息死か怪我による出血多量のどちらか、死体は道場の方に向いていた。)

 

森田と言う人間は幼い子に学問を、成人には武術の両方を教えていた。ただ年々数が減り門下生も両手で数えるぐらいしかいなかった時に道場を畳むと決めその準備中であった。日課は街の散歩と人と会話をする事、人柄は悪くないが知っている人は少なくそのだいたいが井上のような老人ばかり、特にトラブルはなく平穏に過ごしていた。

 

和也(確かにおっさんの言う通り殺される原因が無い、俺が知らないだけなのかもしれないが井上のおっさんが心当たりがないのが引っ掛かる。)

 

井上は会う回数が少なかったとはいえ殺される前に何度か井上と会っている、井上の洞察力は高いし経験の事もあってか恐らく新選組の中で一番の筈だ。人と言うのは友人の前では弱みを見せやすい筈なのに井上が気づかないのは少しおかしい。

 

和也「調査って二回目なんだっけ?」

 

井上「そうだ、ここはあらかた調べた、道場の方を少し探るか」

 

和也「へ~い」

 

現場での残された状況証拠は血痕と死体だけ、死体の方は井上が見ているのでここには残っていないだろう。次に二人が向かったのは道場の中だった。

 

和也「ゴホッ!何だここほこりだらけじゃねぇか」

 

道場にある右の物置の方を調べていた、長い木の棒や木刀などが置かれておりどうやら剣術だけではなく槍術もやっていたようだ。

 

井上「ここまでほこりがあるとここにはなさそうだな。」

 

井上の推測では二年ここは使用されていない、ならここにあるとは少し考えずらい。殺された動機があるのだとしたらここに一度訪れている筈だ。二人は次に左にある蔵書を探る。

 

井上「ここは…最近使われたな」

 

和也「あぁ、埃は少しあるがさっきのと違ってそんなに充満してない、何かあるかもな。」

 

蔵書は意外と多彩なため多く換気をする窓が一つと左右に綺麗に並んである本棚が左右に二つずつ並んでいる。そしてその本棚を見て井上が気づいたのか左の奥の本棚の前に移動する。

 

和也「どうした?」

 

井上「ここだけ雑に抜けているな。」

 

和也「どっちも抜けてるぞ?」

 

和也の言う通り左右の本棚は所々抜けている、無くしたかあるいは腐敗して使えなくなったかのどちらかだろう。そこまで気にかかる事ではない筈だが…

 

井上「あいつの性格はよく知っている、几帳面で整理整頓はしっかりしていた。本は抜くにしても本を倒しはしない。」

 

確かに右の方は抜けているにしても一つだけしか抜けておらずどれも倒れていない、なのに井上が指している場所は同じく三つだが本が横に倒れている。

 

井上「ここは武術に関する物だな。」

 

和也「何処に何が置かれてるのかわかんの?」

 

井上「いやワシはここには訪れた事はない。ただ綺麗に整理されているからな、何処に何の種類が置かれているのかがわかりやすい、教え子も使うからな。」

 

先生だったためか何処になにが置かれているのかがわかりやすい。

 

和也「けどそれじゃ俺らわかんないぞ?」

 

井上「…森田の教え子に聞いてみるか」

 

和也「知ってんの?」

 

井上「あぁ…ワシが指南した時もある。」

 

和也「そうなのか」

 

井上は小さく頷く。

 

井上「随分前に剣術の指南を軽くな」

 

和也「あんたで軽くって…ぜってぇ軽くないだろ。」

 

沖田の話では井上はかなり厳しい、木刀素振り千回、基礎体感および筋肉トレーニング二百回等かなり厳しめだ。

 

和也(と言うかあそこの奴全員厳しすぎんだよ。)

 

いや時代が時代だからこうなるのも仕方がない、一番怖いのは副長だが…

 

井上「では行くか」

 

和也「おう」

 

次は証拠探しに繋がる聞き込み調査だ、まずあそこに何が置かれていたのかを確認せねば。井上に誰かを聞き二手に分かれて探す事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森田の元教え子は三年前に道場を出た後上士になり今は内政関係の仕事をしているようだ。ただ思想が志士派に近くあまり他の上士にはよく思われていない。そのため家は上士のように立派ではなくただの普通の一軒家のようだ。

 

和也「まあ意外と積極的な奴のようだが」

 

どうやら志士と同じように今の体制を思っていないらしく中から変えようと動いていたらしい。剣術の方も井上の指南を受けており腕も立つようだ。

 

和也「あった」

 

人が歩く整地された歩道に並ぶように続く家、そこにある少しさびれた一軒家があった。年代を感じさせる物ではあるが少し改装した跡があった。

 

和也「…取り敢えず叩くか」

 

取り敢えず入口の戸を叩く、木の乾いた音が響く、だが声は返ってこず静寂が周りを包み込む。

 

和也「流石に上士が昼間にいる訳ないか、しかも内政だし」

 

この時の上士と言えば自分も一度見た事はあるのだがかなりうざい、いちいち上士が道を通る時一般の人は道の端によって頭を下げると言うよくわからない風習があるようだ。しかも仕事関係で関わった時も守ってもらった癖に偉そうにしてて一回ぶん殴りそうになったがバレないように軽く梃子の原理で股間をやった時がある。

 

和也「けど俺たちが上士の仕事場に入れる訳ないからな、かと言って待つのは嫌だし……適当に聞きまわって何処で働いてるのか聞くか。」

 

上士ともなれば多分城の中だろうが城と言っても複数ある。現代でも京都にはその城が残っておりそれが世界遺産になったりしているのだが城の中に入れるかどうかは知らないし興味もなかったが今は人が使用しているので入りにくいだろう。

 

和也「ちょっといいか?」

 

女「は、はい」

 

隣の家を訪ねる、戸越しにこちらに視線をやるだけだが話は聞いてくれるようだ。

 

和也「お隣さんの上士の人何処で働いてるかわかる?」

 

女「お隣…あぁ、その人でしたら多分…」

 

事前に写していた地図を出しそれを女性に見せる、そして女性がその地図にある所に指をさした。ここから少し遠いが歩けば三十分ぐらいだろう。

 

和也「あんがとさん」

 

そう言い残し目的の場所に向かって移動する。まだ日も高いので時間はそう気にしなくてもいいだろう。移動しながら他にもないか聞きながら続けたが特に目新しい情報はなかった。どうやら他者との接触はあまりしていないようで気の良い人にも挨拶だけ返していたようだ。

 

和也「相変わらず無駄にでかいこと…まああの城よりは小さいけど。」

 

確か二条城だっけか?おかしいぐらい広かったが…確か何個か焼け落ちていると聞いたが…まあ今ではわからないか。

 

和也「…こうなるんだったら修学旅行、さぼらなきゃよかったな」

 

中学旅行の時京都に行く機会があったのだが別段興味もなかったし友人もいなかったので行かなかったがこうなるのだったら行っとけばよかった。

 

和也「…今思えば何で俺こんな目にあってるんだ?」

 

自分は確かに普通の人間じゃないがそれでも魔術師としては三流以下だ。ダ・ヴィンチ曰く魔力の質と量はいいが魔術に対する技術が無さすぎる。色んな時代に行きそういう魔術に関する事も学び続けたがどうにも使いにくい。そのため自分のオリジナルを作っては見た者の所詮は素人の真似事にすぎないただのまがい物、ただの人間には効くが魔術師相手ではまるで役にたたない。

 

シャーロック『宮本武蔵のように別次元の者と言う訳でもない、それでも君が放浪者と言うのは十分に考えられるがそうなると君がそうなる何かがある筈だ。だが飛ばされる前君は何の力もなかったただの一般人、調べた結果家柄も別段特殊と言う訳でもない。でもそれが飛ばされない理由にはならない…情報が少なすぎるな』

 

あの怖い程頭が切れるシャーロックでも結論には至らなかったが憶測上の推理なら二つ上げられた

 

シャーロック『ただ単に巻き込まれた、もあるが少し考えずらい。それだったら君はもう死んでいる筈だ。二つ目は選ばれたか、それの方が少ししっくり来る。だが何故君が選ばれたのかの理由がわからない。何にしても君はこれからもこの旅を続けなくてはいけない。幸い君にはレイシフト適正もサーヴァントを召喚する資格もある、聖杯関係に巻き込まれたら召喚して戦うのもいいだろう。』

 

とは言うものの適正は藤丸よりも高いぐらいと言う訳で他の魔術師と比べると凡人レベルだろう、と言うか他の連中がおかしすぎるんだ。一般の奴でもかなり強いし魔道元帥に至っては下手したらサーヴァントに勝つとか言う人間なのに化け物みたいなやつがいる。

 

シャーロック『魔術を極めると言うのはそういう事だ。自分が目指す根源に辿り着くために何世代をもかけて作り上げる。それを引き継がせるために魔術刻印なのだが君にはそれが無い、君が基礎的な魔術を使い接近戦を仕掛けるのは正解だろう。それに君は戦況の見極め方と判断力も高い上に格闘技における汎用性の幅も広い、まさにふさわしい戦い方だ。』

 

流石にセイバー等の三銃士は援護がなければ無理だがアサシンやキャスター位なら場所さえ良ければ勝った事がある。とはいえ近づければだが

 

和也「あれから一年近く…これほど長くいるのは初めてだな。」

 

今まではここまで長くはいる事はなかった、それにここもいずれ離れるとなると…

 

和也「…どうにか留まれないものか。」

 

その時はいつになるのかわからない、飛ばされる条件もわからないのでどうしようもないがいつ飛ばされるかは体が教えてくれる。

 

和也「おっと、着いたか。」

 

どうやら考えている間に着いてしまったようだ、周りはいつものように塀に囲まれているようだがその城の大きさは隠せていなかった、恐らく二階建てで広さもあり門もありその前には門番がいる。頭を掻きながらめんどくさそうに仕草をするが取り敢えず門番に話しかけて見た

 

和也「あの~少しいいか?」

 

門番「……何だ?」

 

よかった、無視されなかった。たまに新選組だからと言って門前払いどころか話しかけて無視される時があるのだがどうやら大丈夫のようだ。

 

和也「…ここに亜寿沙って人いるか?」

 

門番「…いるが、何か問題でも?」

 

和也「少しある事件が起きてな、それでその事について話を聞きたいんだけど」

 

門番「今は全員仕事をしている、日を改めよ。」

 

和也「そりゃそうか…んじゃ俺が来たって言っといてくれ。」

 

それを聞いた門番は何も言葉を返さなかったがその場で一礼をして返した、和也もそれに対して礼をして返しその場を後にした。

 

和也(あー言ったものの上士となるといつ帰ってくるか…次の手がかりでも見つけておくか…)

 

教え子は二人、後一人である平良と言う人物にあたるのもいいかも知れない。

 

和也「えっと六角通ってその次車屋町の下行ってその次はんで次は綾小路で…えっと、次は何だっけ?」

 

あまりにも通りの名が多すぎる、いや別に全部覚える必要はないのだがたまに迷子とかに道を教える事があるので一応は覚えているのだが流石に全部覚えるのは難しい、担当地区なら覚えているのだが流石に全部は覚えられない。

 

和也「まあ何とかなるんだけど…」

 

とは言えこっちには地図があるので問題はない、相変わらず基盤の目のような地図で見間違えそうだが

 

和也「全体図じゃなくて地区事に別れた拡大地図を買うんだった。」

 

いやさだって最初に行った店にはこれしかなかったし別の店で拡大地図みつけたけどもう買った後だったしその時金が無かったし(酒代で潰した)仕方ない。

 

和也「次を右でその左の三番目の家…あった。」

 

平良と呼ばれる人物は教えを受ける前はホームレスのような生活をしていたようでその時に拾われたようだ。今は小さな豆腐屋をやっているようでここにいなくともお隣から話を聞けば店の場所もわかるだろう。

 

和也「それじゃ…」

 

家の戸を叩こうとしたその手が止まった、めんどくさそうにしていたたるんだ目が鋭くなり目の前の戸を睨みだした。

 

和也「…まさか」

 

戸を開き中に入る、木のきしむ音が響き明かりが無い薄暗い通路を通っていく、そしてある場所に出た。恐らく食事をするための机と椅子が置かれており広さは一間(2mぐらい)ほどの大きさだった。そしてそこには、青く冷めきった腐敗した死体があった。

 

和也(死後一週間過ぎ、死因は…まあ左斜めから右にかけての袈裟切り…かなり綺麗に切ってあるな)

 

豆腐屋の従業員はおらず一人営業であったため不思議に思う人は少なかったのだろう、だからと言って時間が経ち過ぎなような気がするが…

 

和也(にしても不味いな…この様子だと上士の人が危ないかもしれない、だが仕事場にいるのなら大丈夫だろうし井上に報告するか)

 

森田、亜寿沙、いずれも関係者だ、なら恐らくこのままでは亜寿沙が殺されるかもしれない。それに見つけた以上事件として処理しなければいけない、どちらにせよ放って置くわけには行かないので早く動いた方がいいだろう。そう判断し和也はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

井上「まさか殺されていたとはな…」

 

無事に合流できた二人は和也の報告を受け頭を抱えていた、井上の方は何の収穫も無かったようで先に屯所で待っていたようだ。

 

和也「どうする?見つけちまった以上俺があの現場預からないと…」

 

見つけたのは和也なので第一発見者である一番隊が行かなければならない、今では担当が振り分けられるがこっちにはそんな細かい事はせず見つけた隊がやらなければいけない事になっている。

 

井上「そうだな、こっちは既に終わっている。その亜寿沙と言う人はワシが引き受けよう。」

 

和也「頼むわ」

 

その後和也は現場の調査に向かう、一番隊は沖田に無理をさせないように働かせてるから今回は自分一人だ。基本的な事は沖田から叩き込まれている。まず死体の確認と現場の状況の収集を終えた後近辺で聞き込みを始めそれを繰り返した、そしてある情報が出て来た。

 

和也「笠をした薄茶色の羽織を着た男がいた?」

 

男「あぁいたぜ、丁度一週間前ぐらいだったかな、志士にしては中々いい物着てるなって。顔は見えなかったけど刀の方に変な紋章があったぜ。」

 

和也「どんな紋章?」

 

男「う~んとそれがな見た事がない紋章でな、何か"子"って字があったような。」

 

和也「子か…他に何かないか?」

 

男「それぐらいだな、珍しいと言っても最近物騒だからさ。あんまり目を合わしたくなかったし…」

 

和也「そうか、あんがとさん」

 

男「おう」

 

そう別れを告げ集めた情報を整理する、この近辺は志士の姿も警察の姿もあまり見かけない上に雨も降っていないのに笠を被っているのは臭すぎる。いや女性の場合だとありそうだが腰に刀を差している時点でうさんくさい。それにこれはさっきの人から聞いたわけじゃないがその似たような背格好をした人物を見た時傘を深く被り直したと言うのも聞いたので恐らく犯人はそいつだろう。なら後は簡単だ、一度現場に戻る。

 

和也「さてこういうのは地道にやった方がいいんだろうけどせっかく魔術があるんだ、使わない手はない。」

 

今から和也が行うのは魔術だ、魔術に関しては基本的な事しか知らないがそれでも基本の幅が広すぎる。探索系探知系などでも細かく分けるともはや目もあてられない。

 

和也「それに沖田も待ってるだろうし、早めに終わらせるか」

 

魔法陣を生成、外輪と間輪で方式を作り後は中輪を通して心輪に流し込み起動、後は安定させればオッケー。

 

和也(構造理念構築、魔術式展開、基礎式第一第二展開、応用式で補助…発動)

 

≪追跡≫

 

魔術が発動しそれが周りに青い波動が広がる、それがどんどん広がっていくとその誰もいな背景だけが残る波動の中ある一つの影が現れた

 

和也(見っけ)

 

和也の目に映っているのはその切った人物の残留因子だ。和也はそれを魔術で見る事ができだいたい探し物はこれを使ってきた。追跡するのは”人を切った人物”と言う風に今回は探し出した。一応物探しでも使用できるが結びつきが強くないと姿も映し出さないので中々使いずらくさらに姿は映すが一瞬しか移さず後は自分の足で探す必要がある。

 

和也(と言ってもまあ服装とかは絞れてるしな)

 

和也は追跡で一度場所を把握しそして目撃証言で得た容姿と照らし合わせながら探していくのだ。自分の技術が足りない時は工夫で補う。それが彼のやり方だった。

 

和也(さて、お目当ての奴は…)

 

急いでその場に向かい前聞いた怪しい身元の人間と合致しそうな奴を目で探す。一応刀の柄にも目を配り文様と一致する物を探し続ける。すると

 

和也(…見つけた。)

 

流石に服装は同じではなかったが頭に被っている雨傘と刀の柄にはしっかりと”子”と言う文字があった。その男は特にこちらを気にする事はなくただ静かに歩いている。取り敢えず最初は声を掛ける。

 

和也「あ~ちょっとそこの笠被ってるやつ止まってくんない?」

 

すると目的の人間はぴたりと脚を止めた、和也は若干距離を保ちながらそのまま喋り続ける。

 

和也「ちょっと聞きたい事があるからさ…屯所まで来てくんないかな?」

 

?「……」

 

雨傘の男はただ立ち尽くし背中を向けていた。

 

和也(目安で170ちょっと、服の上からじゃ体格はわからないが何か寒気がするな。)

 

不味ったな一人や二人ぐらい連れてくればよかった、とは言っても声をかけた以上捕まえなきゃな…

 

?「…!」

 

和也「!やろ」

 

案の定相手はそのまま走り出し和也はそのまま追いかける、表で目立つ路上でチェイスが始まった。相手は和也と違い周りの障害物を倒してきたりはしないが普通に屋根の上に乗ったりするので身体能力はかなり高い。

 

≪身体強化≫

 

とは言えこちらは魔術で水差しできる、回路を起動させ体を強化し相手を追い越すと同時に刀に手をかける。

 

和也「これ以上逃げたら脚叩き落とすぞ!!止まりやがれ!!」

 

だが相手は止まらず相手は刀に手をかける、それを見た和也はその刀を抜かれる前に手で掴み押して抜けないようにしてそのまま服を掴んで後ろに投げる。だが相手の方は身を捻り着地しまた刀に手を掛ける、だがそれを抜かせまいと腕を抑え捻り上げまた後ろに投げる。次は切り返しが早かったため受け身を取るしかなく地面に叩きつけられそのまま押さえつける。

 

和也「さて喋ってもらうぞ、それか屯所に連れられた方がいいか?」

 

?「っ!」

 

雨傘のせいで顔が見えないが男なのは確かだ、それに力の方も強く少し抑えるのが難しいが捻っているのでそんなに動けないだろう。だが相手の方は喋る事すらせず口を閉ざしている。

 

和也(仕方ない、このまま…)

 

腕を逆の方に捻り続け骨を外そうとする、相手の方は口元しか見えないが歯ぎしりをしている所を見るとあっちも辛いようだがこのまま外して連れて行くしかない。それにこれは井上にやらせるべきだ。だからこのまま屯所まで…そう決め腕を外そうと思って力を込めた途端自分の背中に何かが当たった。

 

和也「あ?」

 

何故かその事で思考が止まりしばらくその場で止まってしまう、それと同時に体が寒気で覆われ胸に残っている違和感を覚えそこに視線を移すとそこには銀色の刀身が血を纏いながら出ていた。

 

和也「っ!」

 

そしてそのまま後ろから誰かに押され刀が自分の体から出て行く、そしてそのまま背中を切られ背中に謎の熱が走る。

 

和也「ゴフッ!」

 

そのまま何も出来ず血を吐きながら前に倒れそうになるが手で何とか支える、そして少し間を空け後ろを振り向こうとした瞬間、銀色の光が見えた。

 

和也「っ!」

 

すぐさま身体強化を行い鞘から刀を抜きそれを防いだが相手の力が強くてそのまま裏路地に落ちてしまった。眩しい日差しを放つ太陽が見える。

 

和也(く、くそ、気づかなか…)

 

すると急にその太陽が何かに隠された、その影はそのままこちらに落ちていきそのまま刀を突きさしてきた。

 

和也「ぎぃ…くそ…が」

 

そのまま視界が霞んでいく、相手の方は刀を抜きこちらの喉元の前に突き立てる。そしてそのまま喉に突き立てようとした途端、和也の手から光が発生した。すると刀を突き立てようとした奴はその謎の光とともにあった爆発に巻き込まれる。だが威力はそんなになかったためか軽傷で済み後ろに下がる事でやり過ごした。

 

?「…音か」

 

ほぼ至近距離で起こったと言うのに相手も和也も傷を負っていない、自爆技かと思い離れたがどうやらそうではなく音を響かせここに視線を向かせる事が目的だったようだ。

 

?「…妖術師だったか…まあよい、帰るぞ。」

 

?「は、はい」

 

するといつの間にか降りていた森田を切ったであろう犯人はその背中を突き刺した人物に頭を下げていた、そして相手はそのままその場から消えていった。

 

和也(な、治らねぇ、普通の傷じゃない。よりにもよって妖刀の類かよ、は、早く、塞がねぇ…と)

 

人混みは作った、後は運に任せるだけ。

 

和也(沖田には…叱られるなぁ。)

 

もはや体はピクリとも動かず体の保持だけを行い和也はそのまま意識を手放した。




かなりの重傷を負ってしまった和也君、まあ今回は沖田と結ばれて浮かれてたもんね。相手が悪かったと言うのもあるけど。

ちなみに沖田ちゃんの18禁欲しい?

  • 書いてくれ!
  • いらないです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。