荒くれもの人生 侍 活動中止   作:(´・ω・`)しょんぼりくん

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明けましておめでとうございます。今年もよろしく~


割れた新選組と傷ついた恋人

日差しがあり明るく春に入ったこの季節、綺麗な桜は咲き鳥も元気よく泣き始め街の人たちも新しい春の訪れに活気が増し笑顔が咲いていた。だがある組織は違った。春の訪れだと言うのに笑顔が咲いておらず逆に不安の表情を浮かべていた。その屯所の方も雰囲気が暗くその中にいた沖田の方も同じだった、ただ違いと言えば彼女と彼らの不安は違うと言う話だった。沖田は静かに縁側の方を歩きながら手に木でできたランチプレートの上におかゆを持ちながら歩いて行く。そして部屋の戸を開き中に入って行った。

 

「副隊長まだ起きないのか…」

 

「仕方ねぇよだって背中に大きな刀傷に胸と腹に穴空いてんだぜ?普通死ぬだろ。」

 

「ここに運び込まれた時もかなりやばかったもんな、沖田隊長とか今日で介護何回目だよ。」

 

「荒川さんが寝込んでまる一か月、それからずっと傍で荒川さんの所に来てた。」

 

「隊長と荒川さん仲良かったもんな、目を覚ましてくれればいいんだけど…」

 

「家も今やばいからな…」

 

そう庭で不安の声を上げる隊士たち、いい年だと言うのに新選組の方でも不安があった。新選組にいた伊東甲子太郎、藤堂平助、斎藤一たちを合わせた13人が御陵衛士となり新選組を抜けたためだ。

 

「ほんとどうすんだよ、荒川さんから”来年忙しくなるから覚悟しとけよ”って言われてたのに。」

 

「荒川さんこの事ずっと気にしてたもんな…」

 

確かに新選組から抜けたこの事件もそうだった。だが和也が気にしていたのは今年から起こり始める改革の影響で変わっていく新選組の事を気にしていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沖田「……」

 

沖田は中に入ったが何も喋らずただ目の前で寝ている和也の傍に座り手に持っていた物を置く、そして沖田は静かに和也に声を掛けた。

 

沖田「和也さん、起きてますか?」

 

和也「っ…ぁ?」

 

それを聞いて寝ていた和也が目を覚ました、だがいつものような元気がなく目を開けるのも辛そうにしており目の周りにもクマが出来ている。和也が起き上がろうとした時沖田が背中を押してあげた。

 

和也「よお沖田、今日もありがとな」

 

沖田「はい、調子はどうですか?」

 

和也「まだ体は動きそうにねぇな、と言うか今もだるい。」

 

沖田「おかゆ持ってきましたけど、食べれますか?」

 

和也はそれに小さく頷き沖田から渡されたおかゆを食べ始める、沖田は静かにその光景を見続けた。

 

和也「…そんなに見つめられちゃ食べずらいよ。」

 

沖田「…すみません。」

 

和也がそう言うと沖田は目を下にやり反らした、和也はおかゆを食べ終わるとそれをプレートの上に置きそのまま沖田に話かける。

 

和也「そう辛そうな顔しないでくれ、お前がそんな顔だと俺も辛い。」

 

沖田「…だって、あなたのこんな姿を見るの…」

 

和也「俺が油断してたせいだ。自業自得だよ。」

 

そう指をいじりながら笑い飛ばす、だが沖田の方は曇った顔が消えずただ顔を下げていた。

 

和也「まぁ大丈夫だよ。最初よりは調子いいしちゃんと養生してるからそのうち戦線復帰できるって…」

 

沖田「…私は別に復帰してほしいんじゃなくて…あなたが元気になってほしいんです。」

 

それを聞いた和也は少し呆気にとられたが直ぐに笑みを浮かべ沖田を抱き寄せようとするが力が入らず前に倒れそうになる。それを沖田は急いで支えた。

 

和也「っ…わりぃな、力が入んなくて…」

 

沖田「横になってください、それから…」

 

和也「いや、お前が来ているのならせめて起きていたい。」

 

そう言いながら最初と同じ体勢に戻し話を続ける。

 

和也「そっちは大変なんだろ?大丈夫なのか?」

 

沖田「…伊藤さんらが離反するのは会議の雰囲気で分かっていましたから、こうなった以上敵対する関係になるでしょう。」

 

和也「辛いか?」

 

沖田「伊東さんは会議の時でしか会いませんでしたけど恐らく新選組を私物化できなかったのが嫌だったのでしょうね。あまり考えなくはたくはありませんでしたが…」

 

伊東の方でもそう言った動きはあったが別の理由もある。近藤の思想は佐幕派、幕府も朝廷も敬いながら外国から日本を守ろうという考え方で伊藤の方も最初は近藤の思想と似通っていたのだが京都での治安維持をしていて幕府側にそんな動きもなくさらに幕府の政治も維持できなくなってきた。そのため治安維持をするよりも新選組を離れ動いた方がいいと思ったのだろう。

 

和也「まぁ局長も副長もその話には頭捻ってたしな、やっぱり割れちまったか。」

 

沖田「ですがわからなくもありません。今の幕府の動きは控えめに言っても酷いですから。」

 

やはり長い年月の支配が響いているのか政治自体の中が固まってきて腐ってきたのだろう。上士の中では権力に物を言わせ日本の中では偉そうにしていた割には外国にはこびへつらうような態度だ。そりゃ幕府ではなく天皇を立てようと言う考えも悪くはない。

 

沖田「正直辛いですよ、昔の私ならそこまで考える暇がなくて割り切っていたでしょうけど、今こうして考えてみると…」

 

和也「やっぱり仲間だった奴と戦うのは辛いよな…」

 

沖田の容体が良くなり前のような焦りが無くなったためか元仲間を相手にするのは少し引っ掛かるようだ。和也は日が浅くそれに新選組の知り合いと言えば指で数えるぐらいしかいないのでそこまで辛くはないが昔からの付き合いをしている彼女にとっては辛すぎる話だ。

 

和也「…なあ沖田、お前はどうしたい?」

 

沖田「…私は今でも新選組と共にあります、だから彼らと会ったその時は切るのみです。それに…」

 

目が釣り上がり鋭くなった、手に力が入り隊服にシワが出来る程握りしめた。

 

沖田「あなたを殺そうとした奴も見つけなくてはありません。それがもし彼らだったら…」

 

その次の言葉を言おうとした時沖田の額に和也のデコピンが炸裂した。

 

沖田「いっ!?」

 

和也「怖い顔はすんなって言ったろ。そんな顔見たくもないし怒っている顔なんて…」

 

沖田「…和也さんだって同じ事があったらする癖に。」

 

和也「うっ」

 

確かにそうかも知れない、もし沖田がこんな目にあったら…多分抑えめで顔の原型無くした後全身ボコ殴りにするかも…

 

沖田「反省してくださいね、和也さんが重傷を負ったって聞いて心臓止まりそうだったんですから…まだ恋人らしい事できてないのに…」

 

そう可愛く頬を膨らませプイっと顔を反らした、どうやら最後の嫌味は聞こえるように言ったようだ。そこも可愛らしい。

 

和也「す、すまん。」

 

沖田「ホントですよ!和也さんに言われた通り大人しくしていたら殺されかけたって聞いて叫びそうだったのに実際に見て膝崩れたんですから!あの地獄の一週間あなたが起きるまでどれだけ心配した事か!」

 

和也「そ、それ言ったらお前だって前までこんな感じだったんだぞ!現場で血反吐吐くはぶっ倒れるはで毎日胃が痛かったんだからな!」

 

沖田「だ、だからと言って和也さんがそんな目に合ったら私の事いえませんよね!?ならお口は閉じててください今回は私が説教する番です!」

 

和也「ふざけんな!そもそもお前だって俺の説教なんてほぼ聞いてなかったろうが!偉そうに言える立場か!」

 

そこからは緊張がほぐれたのか溜ったうっぷんの言い合いになった、前との違いと言えば今回はギスギスしてはなく素直ではない二人が負けたくないための揚げ足取り合戦なのでどちらかと言うとほんわかしている。

 

沖田「和也さんのばーかばーか!」

 

和也「言ったなこのぉ!」

 

そう何故か取っ組み合いになり意味のわからない喧嘩が始まる、すると和也が沖田を捕まえようとしそれを沖田が避けようとしたが和也の方が早かった、だがぶつかる位置が悪くそのまま押し倒すような形になった。

 

「「……」」

 

沖田が下に、和也が上からお互いに見つめ合うようになる。沖田の方は目を緩め頬が赤くなり少し弱々しい感じを出し和也の方も顔が少し赤くなっている。そして和也が顔を近づけて行き沖田と唇を合わせた。

 

沖田「んっ…んん。」

 

沖田の方はそれを受けとめ手を首に回しさらに深くキスをする。そして少し経つと唇を離したが和也が直ぐに合わせて行った。

 

沖田「ちょっっん!」

 

沖田の方はそれに驚いていたがまんざらでもないのかそれを受け止める。そしてまたしばらくすると和也が唇を離した。

 

沖田「はぁっ!?、いきなり、激しいですよ?」

 

和也「いやよ、溜ってたからさ。」

 

沖田「だからと言って飛ばしすぎです。まったく…」

 

そう肩で息をしながらとろけたような目で和也を見る。和也の方も体を沖田に預けていた。そのためか沖田が何か異変に気付きさらに顔を赤らめた。

 

沖田「あの…何か当たってるんですけど。」

 

和也「あ、わりぃ。」

 

そう言うと和也は沖田から離れる、沖田の方は少し名残惜しそうにしたが起き上がり顔を伏せた。

 

沖田「えっと、その…やっぱり溜ってるんですか。」

 

和也「ま、まあ、そうだが…まあ別に困る事じゃないし…」

 

そう恥ずかしそうに沖田の方から目を反らした、和也は頬を掻き反らし続け沖田は顔を伏せたまま顔を赤らめている。

 

和也(にしても俺ここまで浮かれるとはな…今まで遊びでしかやった事なかったのに。)

 

今まで色恋沙汰など無かったと言うか興味もなかったのでそこまで気にはしてなかったのだが最近になって恋人ができた和也にとってはそんな雰囲気になる前にヒヨって緊張し過ぎてそこまで行くのができない。いやそれは恋人出来始めた人にとっては当たりまえなのだが…

 

和也「い、いや悪い、久々にしたからよ。それに仕方ないだろ…好きな奴とこうしてイチャつく何てやった事なかったんだから…」

 

沖田「…あまりそう言う事言わないでください、まともに見る事もできないじゃないですか…」

 

和也「お、おう。」

 

お互い意識のし過ぎでもはや目を合わせる事も出来ずにおり長い沈黙が訪れる、和也の方は沖田よりも歳を取って多少の経験はあるがそれはあくまで遊びであって恋人とこうやってやりとりをするのはなれていないのだ。和也の方はどうしようかと頭を捻っていると沖田が切り出した。

 

沖田「和也さん…」

 

和也「な、なに?」

 

沖田「そ、そういうのに、その…困ってるのなら、私が…しましょうか?」

 

和也「…ふぁ!?」

 

それに思わず驚き大声を上げてしまった、沖田の方は顔が髪で隠れてはいるが顔の方はかなり赤かった。やはり口に出すのが恥ずかしいのか正座している脚の上で指をいじっている。

 

沖田「ち、違いますよ!?ただ、ただ私はその…そう!!あまり貯めすぎるのは毒だから仕方なく、仕方なく提案をしているだけです!」

 

そう誤魔化すように人差し指を立てながら和也にまくしたてる、和也の方は顔を反らして頬を掻く。そしてもういちど沖田の方を見た。

 

和也「…まあ、お願いしようかな。」

 

沖田「ぇ?…あ、いや!し、仕方ないですね!そこまでお願いするのでしたらやってあげましょう!!」

 

沖田の方は目の方が渦巻きのように回っており何故か腰に手を置きドヤ顔をしている。多分自分が何をしているのかわからずさらに勢いで言ったのだが相手が了承してしまったので取り消せずどうしていいのかわからないので取り敢えずもうなるようにな~れと言う感じなんだろう。それを見て和也の方も笑みを浮かべると沖田がそれを見て腕を上下に勢いよく振り目の方はさらに回っていた。

 

沖田「な、何ですかその顔は!?私は真面目に言ってるんですよ!?こ、こら~笑うのやめろー!!」

 

和也「い、いや悪い、嬉しくってさ。」

 

笑いが堪えきれないのか和也は腹を抑えながら爆笑をしていた。純粋にこうやってやりとりが出来るのは嬉しいのだろう。こうやって笑い合うのも最近出来ていなかったので和也は楽しかった。沖田の方も心の中では嬉しいのだろう、最後の方では笑顔が咲いていた。

 

 

 

だからだろう、沖田に傷の話が出来なかったのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和也「っ!やっぱり辛いな…」

 

沖田がいなくなった部屋で和也は自分の胸を抑える、あの時受けた傷はただの傷ではなく妖刀で受けた呪詛だ。しかもかなり強い呪詛の方で治そうにも治せない、軽い呪い位なら手持ちの奴で何とかなるが今回は無理だ。今は何とか進行を止めているが次深い傷を受けたらまずいかも知れない。

 

和也「まあ抑えたまま沈静化させる事はできるがそれでも時間稼ぎだな、医者のおっさんには口裏合わせて貰っているから何とかバレずに済んでいるけど…油断した。」

 

これが呪いの力、信仰系等の浄化技じゃないと解けない特殊なもの。ラーマの方は相手が相手だったからあの治し方だったが自分にはそんな事できない、かと言ってマルタやジャンヌのような奴だったら行けるのだが…

 

和也「ここに聖杯はない、疑似的な召喚何て俺にはできないし。はぁ…」

 

聖杯があれば手持ちのあるジャンヌから受け取ったお守りで召喚が出来るのだが今回はそんな事件に巻き込まれてはいない。となると現地にいる人に頼むしかないが自分はそこまでこの時代の事を調べてはいない。それにそう言った人間は大抵隠れている場合が多いので見つけようにも見つからない、それに新選組は今年から忙しくなる。

 

和也「沖田はこのままいけば無事完治だが、俺の方は無理そうだな。」

 

俺が飛ばされた理由も俺に呪いをかけた奴が誰なのかわからないがそんなの関係ない、俺は自分が出来ることを、沖田を助けると決めたんだ。なら動く事が出来るうちに動かなければならない。たとえ俺が後先短いからと言ってようやっとできた人の生き様は見届けたい。

 

和也(とは言えずっと隠し続けるのは…話す事も考えとかないとな。俺が死ぬ時も考えて…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沖田「…無理しちゃって。」

 

そう沖田は自分の部屋で呟いた、沖田自身も和也がどういった状態なんかはよくわからないが普通の怪我でない事はなんとなくわかっていた。だが沖田はそれにどうしてもイラついてしまう。自分の怪我の事を話さなかったわけではない、その事に何もできない自分にイラついてしまう。

 

沖田「…彼のおかげでこうやって動けているのにっ」

 

私のわがままに付き合いさらには私の病気までも治してくれた大恩人なのにいざって言う時になにもできないなんて…何故私は剣を振るう事しかできない!私に楽しさを、そして人としての愛を、生き方を与えてくれたあの人を何故私は助けてあげられない!

 

沖田「ホントに…情けない。」

 

歯ぎしりをしさらに自分の隊服を握りしめる、だがここでうじうじはしていられない。自分は新選組として動くが第一優先は和也さんの治療だ、とは言え自分にはそのような知識は無い。だがもしかしたら和也さんを切った奴なら何か知っているかもしれない。和也さんの方は自分の怪我の事についてどういうのかは知っており治療法も知っているが和也さんが出来ないので手詰まりなのだろう。

 

沖田(笠の男、そして柄に”子”と言う字を刻んだ刀…どういった流派なのかは知らないが私のものに手を出したんだ…絶対に殺す。)

 

御陵衛士とはどうせ必ずぶつかり合って殺し合いになる。なら私はそれが始まるまでに好きにやらせてもらおう。

 

沖田「待っててくださいね和也さん…今度は私が助けますから。」

 

そう自分の菊一文字を持ち上げ腰に差す、もう大切な人を殺すのも失うのもいやだ。私はあの時から後悔してばっかだ、そんな自分は嫌いだ、後悔する自分は嫌いだ、私を導いてくれた恩人であり恋人なのだ。絶対に死なせはしない。そう心に決め沖田は和也の事件を追う事にした。




和也が知っているのは新選組がどんな物かと言うのと維新に何が起こったのかの触り程度なので新選組がどうなるのかはよく知らないよ。(と言うか忘れてる。)

ちなみに沖田ちゃんの18禁欲しい?

  • 書いてくれ!
  • いらないです。
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