荒くれもの人生 侍 活動中止   作:(´・ω・`)しょんぼりくん

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今回は忠実の軽い裏話。


油小路事件 裏側

仰「そうか…荒川が襲われたか。」

 

それをどうでもよさそうに聞きながら手に持っている資料に目を通しながらそう呟く、仰にとって正直どうせもいい、その人物が死のうが何されようが別に関係ない。

 

近衛「今も寝込んでいるようです。犯人は不明で今一番隊が血眼になって探しているようです。」

 

仰「あんまり桂たちの邪魔はしないでくれると助かるんだがな…」

 

近衛「どうします?止めますか?」

 

仰「やめとけ、ああいう奴の機嫌損ねたら何されるかわからんぞ。」

 

ただの女性ならまだしもある程度立場を持っている上に今暴走気味の奴を敵に回すのは少々怖い、今は志士の連中を纏めさせるために裏でバレないようになっているので今警察側に警戒されるのは不味い。最近来なくなったとは言えまた変にちょっかいを出すのは嫌だ。

 

仰(まあこれに乗じて荒川を殺すのもありだが…)

 

にしてもあの荒川をよくやれたものだ、その人物の事をよく知っておきたいが恐らく自分の知り合いは殺されないだろう。似たような事件を見つけ狙われそうな人物は絞れるがそれでも不安だ。あまり後ろを気にしないようにしたいのだが正体がわからないのではどうしようもない。

 

仰(荒川は下手に殺るより放置していた方がいいな。)

 

仰「それより上手く新選組の注意は引けそうか?」

 

近衛「しばらくの間は伊東の相手をするしかありません。近藤の方もあからさまに敵対しそうな奴をほっとけないでしょうし。」

 

仰「とは言え新選組は正直残ってて欲しくないからな…後一押し必要だな。」

 

徳川派は正直残して置きたくはない、徳川の世が崩れようやっとチャンスが巡って来たんだ。できれば新選組は潰しておきたいが今の状況は少し手が出しずらい。やるとしたらあれが起こった後でいいだろう。けど…

 

仰「何か長生きしそうなんだよな~あいつら…」

 

近衛「どうしました?」

 

仰「いや何も…あれが成功すれば天皇様の時代が来る。そしたら来年忙しくなるぞ、旧幕派と新幕府派に別れる事になるぞ。」

 

徳川の体勢が崩れると必然的に旧幕府側の人間が反発するだろう。元々徳川の体制が気に入らない連中の集まりだし恐らく今の政権の連中を追い出すだろう。改革とは新しい世の中に変わる事はいいのだがそれを引きづって出て来た古い奴らが邪魔してくるのが少々面倒だ。

 

近衛「仰様、例の人物を連れて来ました。」

 

仰「お?見つけたか。」

 

となると俺の推測は当たってたのか、政治の方もいいが探偵を目指すのを悪くない。新政府が作られた時も腐った連中を叩き出す事もして中を洗うのもいいかも知れない。とは言え今は地盤固めが先だが…そんな事を考えていると目の前の襖が開き自分の近衛と一緒に場に似合わない古びた着物を着た人物が入って来た。

 

仰「君か、あの荒川をやったのは…」

 

そう不気味な笑みを浮かべながらその人物を見る、その人物の方は表情を変えずただ仰の方を見ていた。

 

仰「いやいや別にその事について審議するつもりはない安心してくれ…あの荒川をやった人物に興味があってな。君だろ?最近影で人殺し事件を起こしているのは…」

 

?「……」

 

仰「答えなくていい、その事を口外するつもりはないし詮索もしない。」

 

一度目を閉じ顔を下に落とす。

 

仰ぎ「…君に頼みたい事があってな?」

 

そう見上げるようにその人物の方を見る。その表情からでもわかる不気味な笑みをその人物は無表情で受け止めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永倉「…やるのか。」

 

屯所の庭でそう呟く、冷たい風が当たっていると言うのに今日やる事に何故か眠れなかった。

 

今日、伊東甲子太郎が死んだ。

理由は簡単だ御陵衛士に忍び込ませている斎藤から連絡があったのだ、『伊藤らに近藤局長暗殺の動きあり』と、それが発覚した時点で動きは早かった。宴に伊東を呼び殺害、その死体をさらして他の御陵衛士を呼び込み誘き出すと言う作戦だ。

 

だが永倉はこの作戦にはあまり乗り気じゃなかった、幾ら敵に回ったとは言えかつての仲間、試衛館以来の友人を殺すのは嫌だった。

 

永倉「藤堂だけは逃がせんもんやろうか…」

 

深いため息をつきながら上を見上げる、綺麗な月がこちらを向いていると言うのに気分が最悪だ。しかもやり方もそんなにいいもんじゃない、最近になってため息ばかりついている。

 

沖田「どうしました永倉さん?」

 

そこに沖田が話かけて来た、そんなに珍しくもない事だが永倉が沖田を見た時思わず目を見張った。雰囲気が違うのだ、最近になって優しい雰囲気に包まれていたのに今は違う、暗くそして寒気が走っている、沖田の目には光が無く笑っているのに笑っている感じがしない。

 

沖田「…ホントにどうしました?」

 

永倉「あぁすまん、その…前と雰囲気が違うから…」

 

沖田「あぁすみませんねちょっと…仕事をしていまして。」

 

何処か深みのある言い方をしながら永倉の隣に立つ、沖田の方もほぼ病気は完治済みであり仕事にも復帰していた。その事について永倉は喜んでいた、そして和也と良い仲だと言う事もあり少し心苦しかった。永倉としては沖田にはそのまま引退して欲しかった。だがそれも和也が襲われてから変わった。

 

あれから仕事の報告で聞いた限りだが沖田が前の容赦ない性格に戻った。とは言え和也の前では優しい笑みを浮かべているが最近では隊士の前でもあの様子だ。

 

永倉「荒川はどうや…容体は?」

 

沖田「…日に日に弱くなっています。表面上は偽ってもあの人隠すの下手だから…」

 

永倉「だから殺して回っとるんか?そんな事しても荒川の傷は治らん。」

 

沖田「違う私はただ探しているだけ、犯人を…そうすれば傷の原因がわかる。」

 

永倉「刀傷による後遺症や、どうやっても治らん。」

 

沖田「いや治せる。」

 

それを聞いて永倉は頭を抱えた、だが沖田には和也から言われたある知識があった。

 

和也『物理学的に確かに後遺症は存在する、現代の医療学では細胞のダメージが酷い場合それが残った状態で残る方が多い、今の技術じゃそこまで細かい処置は出来ないが、魔術ならその幅を広げれる。』

 

さらに今回和也が追ったのはどちらかと言うと妖刀による呪いだ、後遺症と似ているがこれは聖堂協会などの専門的な知識を持っているものなら直す事が可能、魔術の方でもそれに対する対応ができるが和也は魔術師と言うか魔術使い、そのためそんな専門的な事は出来ないのだ。

 

沖田「ともかく私は見つけてみせる。」

 

永倉「…長くないんか?」

 

沖田「……」

 

その言葉には沖田は何も返さなかった、だが早いうちに死ぬ事は何となくわかっていた。自分がそうだったのだ、日に日に弱くなっていく体、見るからに弱くなって行くと言う眼差しも死ぬほど見られた。それに焦りも見えた、必死に隠していたがバレバレだった。

 

永倉「沖田悪い事は言わん今はあいつの傍にいてやれ…表面上は誤魔化しているがあいつも一人でいるのは寂しい筈や…」

 

沖田「…そんな筈はない。…………仕事に差し支えますので、失礼します。」

 

永倉「おい沖田!」

 

永倉の静止も聞かず沖田は逃げるように去った、沖田はまだ若く自分の事については幾らでも我慢できるが自分の大切な人が死にそうになっているから焦っているのだ。それのせいで今は和也の事以外盲目的になっている。

 

永倉「…はぁ。」

 

永倉は大きなため息を吐きその場で屈む、身内同士での殺し合い、友人の暴走、永倉はこの現状に疑問を感じていた。

 

永倉「どうしたものか…」

 

試衛館以来で集まっていたあの新選組が懐かしい、家族のように息が合い笑い合いそしてその場で生きていく事に嬉しさもあった、だが今はそうでは無くなってしまった。時代ごとに求められていく姿、それには個人差があり枝分かれが起こり今の現状だ。自分の頭の中ではどうやって藤堂を逃がそうかを考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー--慶応3年 12月7日ー--

 

斎藤一の密告により近藤暗殺を企てていた伊東を酒宴に招きこれを大石鍬次郎が暗殺、その死体を油小路七条に放置し残りの御陵衛士を誘き寄せ襲撃した、この戦闘時に元隊長であった藤堂が死亡を合わせて約四名が死亡、その他の者は逃げ延び19日午前4時過ぎに今出川薩摩藩邸に匿われた。その戦闘の際に永倉と原田が藤堂を逃がそうとしたが他の隊士により切られ殺された。荒川将吾も志士に襲われた傷が治っておらず屯所で養生していた。




永倉さん忠実の事見ていると本当に甘い人のような気がするんですよね、藤堂の事逃がそうとしてたしこの頃の新選組は少し内部がガタガタしてきてましたし、時間が経てば組織がこうなるのはわかるけどそれでも辛いだろうな…と言う感じで今回の永倉を書きました。後少し忠実を変え一人多く死亡しています。今回沖田絶好調だしね。

ちなみに沖田ちゃんの18禁欲しい?

  • 書いてくれ!
  • いらないです。
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