荒くれもの人生 侍 活動中止 作:(´・ω・`)しょんぼりくん
和也「おっちゃん、ありがとな。」
夜の大阪、現代とは言え明かりが少ないがそれでも綺麗な明かりで照らされた街並みがあった。そしてそこには綺麗な川が引かれており自由に行き来できるように船の貸し出しがされていた。今現在和也と沖田はそれを今借りた後で船の上には沖田がぽつんと座っている。
男「何、別に構わへんよ。ほんじゃ良い船旅を。」
和也「おう。」
和也は船のおじさんと別れ船に乗った。漕ぎ方は言わずもがな旅で覚えたので別に問題はなく漕ぐ事ができる。
和也「取り敢えず適当に行くか。」
沖田「は、はい。」
さっきから沖田の様子がおかしい。と言うより顔を上げずずっと顔を赤らめ伏せたままで様子がおかしい。別に船に乗って漕ぐだけだからおかしい話ではないし恥ずかしくもないと思うのだが…
和也「…どうした?もしかして気分がわりぃのか?」
沖田「あ、いえ別にそう言う訳ではないのでき、気にしなくていいですよ。」
和也「顔はそう言ってないぞ。」
沖田「い、いいですから、取り敢えず行きましょう!時間が減っちゃいますよ!」
沖田は誤魔化すように話を進める。和也はそれに顔を捻るが取り敢えず言われた通り進ことにした。櫂を持ち取り敢えず川に沿って進んで行く。この時はまだ電気と言うのが引かれていない。そのため明かりは提灯と松明のような物だけだがそれでもかなりの着けられているため街の様子ははっきりとわかる。電気とは違い少し薄暗い明かりが広がっており暗めの街並みができあがっていた。川の方にもその明かりが来ており所々にある橋にもつけられている。和也たちはそんな中をゆっくりと進んでいた。
和也「……」
沖田「……」
お互いに沈黙が訪れる、沖田の雰囲気もあって何故だか和也も切り出すのが恥ずかしかった。とは言え沖田からしてきた事なのでてっきり沖田から何か話があると思って話題を用意していなかったので話が出しずらいのもある。
和也「…こうして見ると綺麗だな、大阪も。」
沖田「…そうですね。」
和也「京都の方でもあったよな、川。」
沖田「ありましたね。別にあまり興味はなかったですが…」
和也「まあそんな暇も無かったもんな。」
警察だった立場もあったが沖田とこういう関係になったのはそんなに経っていない上に自分が大けがしたものだからろくに何も出来なかった。それに関しては沖田に申し訳なく謝った事もあったが沖田はそんな事を気にしていなかった。
和也「色々あったな、本当に…」
沖田「…えぇ、色々ありました。」
和也「あぁ、それを踏まえてお前と出会えてよかったよ。」
沖田「またそんな事言って…」
和也「いいじゃねぇか、ホントの事だったんだから…そんな事より、何か俺に言う事あるんじゃないのか?さっきから待ってるんだけど…」
沖田「!」
それを聞いた沖田は再び顔を赤らめて俯いてしまったが人差し指を合わせながら呟き始めた。
沖田「あの話したじゃないですか…ほらさっきした恋愛の話です。」
和也「あぁだから今船に乗ってるんだろ?」
沖田「そ、その…その話には続き合ってですね。じ、実はその船に乗ってこうやって夜景を見ながら話しが続くんですけど…」
それで?と和也が返すと沖田がまた黙り込んでしまった。明かりに照らされた沖田の顔が夜の暗さもあり少し色っぽい、少し焦らせたいが本人が言うまで待つことにした。
喋らなくなり川の波が船に当たる音が聞こえそれによって小さく揺られる船が二人の体を揺らす。こうして見ると日本人なのに金髪と言うのは何故なのだろうか?親の一人が外国人とかそんな理由だろうか?あまり親の話しは振りたくないし自分もしたくないのでしなかったがやっぱり気になるな。
沖田「…じろじろ見ないでください。恥ずかしいです。」
和也「あ、わりぃ。」
沖田「それでその…その夜景を背景にその二人は船の上で
キスしたんです。」
それを聞いた和也は思わず呆気にとられ沖田はこっちの方を向いた。何かを覚悟したような目をしているが少し弱々しい感じもしている。
沖田「そ、それでですね。………してくれませんか?」
和也「……」
沖田「……嫌ですか?」
和也「いや、お前からそんな事提案されるなんて思ってみなくて…」
少し照れ臭いと言うか何故か恥ずかしい。12月の中頃なので冷たい風が熱くなった顔に当たり冷ましていく。沖田の提案もそうだが今に思えば自分はガツガツ行き過ぎた気がして思い返してまた顔が熱くなって目を反らしてしまった。
また沖田の方を見る、沖田の方は顔は隠さなくなったがこっちの方はもう向いておらず綺麗な横顔があった。金髪の髪が冬風に撫でられその魅力が際立つ。
和也(あの沖田がな…)
随分女の子らしくなったと思う、前のような焦りも無くなり永倉が言っていた前のような優しい沖田に戻ったと言っていた。自分も今の沖田が好きだ。厳しくだけどちゃんと人の事を見ている優しさが自分も好きだ。それにこんなに素直に好意をぶつけてくれるのも好きだ。こいつといると好きな所が増えてくる。
和也「いいよ、ほら、早くしないと遅くなるぜ。」
沖田「そ、そうですね。」
二人が近づきお互いの背中に手を回す、沖田の顔は真っ赤に染まり和也も若干頬を染めお互いに見つめ合う。そして沖田が怯えるように目を瞑る。それを見て少し笑みを浮かべ沖田の顔を寄せる。その時沖田の方から声が聞こえたがそれを気にせず唇を重ねた。和也はムードを考えて唇を合わせる程度だったのだが沖田の方から舌を入れて来た。それに応じる。それを何回か繰り返し気が済んだのか離した。夜の街並みからくる光と弱々しい表情を浮かべる沖田に思わず見惚れてしまった。
そして沖田は顔にシワをよせ和也の胸に顔を当て腕に力を込め顔を胸に押し当てる。和也はそれを不思議に思い頭を撫でながら声をかける。
和也「どうした?」
沖田「……」
和也「どうしたんだ沖田、ちょっと強いぞ?」
そう声をかけるが沖田は何も喋らなかった、ただ時間だけが過ぎしばらくすると沖田が喋り出す。
沖田「…普通の生活ってこんなのなんでしょうね。」
和也「沖田?」
沖田「こうやって普通に過ごして、普通に出かけて、途中で何か食べてそして…血もみないような生活を続けて過ごしていく…こんな普通の生活がこれほど良いだ何て、知らなかった。」
和也「…あぁ、俺も知らなかった。」
今のいままでただ戦い続けてただ振り回されるような人生だった。飛ばされる前はただのチンピラ、飛ばされた後はただの放浪者、自分が何をしているのかもわからずただ生きていくだけの人生だった。だが今は違う、自分の中で初めて生きる理由が見つかった。それがまさか恋とは知らなかったが…
沖田「…ねぇ和也さん、あなたは普通の生活を送ってみたいと…思った事はありますか?」
和也「昔は考えられなかったが、今は思ってる。」
沖田「それじゃ……私とそれを送りませんか?」
和也は思わず沖田の方を見る。沖田はただ顔に埋めていた顔を横に向け続ける。
沖田「一緒にここから逃げるんです、幕府のためとか新選組のためとかそんなの全部捨てて何処か遠くへ逃げるんです。そしてそこで普通に過ごすんです。そして!………私と二人で過ごすんです。」
和也「沖田…」
沖田は顔を上げる、和也の返答を待たず言葉を続けていく。和也はそれを辛そうに見ている、そしてゆっくりと沖田を抱きしめる。髪が和也の頬を擽り沖田の方は
和也「…ありがとう、俺のために、嬉しい事を言ってくれて、けど駄目だそんな事。」
沖田「どうして!?だって、だってこれが一番いいんです!こうすれば二人とも幸せなんです!」
和也「けどそれじゃ皆はどうするんだ?今まで一緒に戦ってきた皆を置いて、俺たちだけで逃げるのか?」
沖田「…皆なら納得してくれるはずです。それにいいじゃないですか、刀もいらず力もいらずただただ老いて行くだけの人生、とても良い事で幸せな事じゃないですか。」
和也「んじゃお前は皆を置いて幸せになって納得するのか?」
それを聞いた沖田は苦虫を嚙み潰したような顔をし何とも言えなくなる。和也は沖田がどんな人間なのかも知っている、今まで新選組と共に生きてきたような人物がそんな簡単に捨てられる訳がない。だが和也と一緒にいたいと言う理由は本心だろう。和也だってそうしたいのは山々だが和也には謎の転移がありそれに自分につけられた呪いがある。例え逃げた所で和也は自分が長くはないと悟っているのだろう。それは沖田の方も察しているからこんな事を言っているのだ。
和也「沖田、これは俺の経験談だ。自分も騙せないような嘘はつくな、それを行動に移したら一生引きずって生きる事になる。お前にはそうしてほしくない。」
沖田「だって、だって好きな人と一緒に生きたいと思う事がこんなに嬉しいとは思わなかったんです!今まで知らなかった、ただ切るだけの人生でも局長たちと生きる事は嬉しかった、あの人たちと行けば私は、ただ死ぬだけじゃなく何かを残せるかと思って…
けど私は知らなかった、好きな人と一緒にいる事がこんなに嬉しい何て知らなかった、今まで普通の生活何てくだらないと思って、縁の無い物だと思ってだから私、私それを知ってあなたと一緒にいたいと思ったんです!!」
最初は興味がなかっただけ、それに病人だった自分を見てくれる人もいなかった。だから自分がいるのかどうかもわからなかった、だから自分が生きたと言う証を残したかったんだ。だけど現実は甘かった、こんな自分でも見てくれう人はいた、こんなわがままな人を好きになってくれる人がいた。だから自分はそんな甘さに毒されて、心地よくて一緒に行きたいと思ったんだ。
沖田「ここであなたを一人にしたら私は絶対に後悔する!だから私は一緒にいたいんです!いつ消えるかもわからない人を一人にさせたくないんです!!」
和也「沖田…」
沖田「お願いですから一緒にいてください…わがままなのはわかってるんですだけど私はそれでも
あなたと一緒にいたいんです。」
もっと一緒にいたい、二人で色んな所を見て回りたい。何もせずだらだら家にいたり遊んだりしたい。ただ一緒にいたい。今まで不幸だった部分をこの人と一緒に埋めたい、そのためなら私は、今まであった証を捨てれる。
和也は沖田の本気に戸惑っていた、純粋な好意の押し付け、和也にとっては跳ね上がりたい程嬉しい事だった。けど自分は謎の転移がある、いつ起こるかはそれが起きる前にわかるがその転移に沖田を連れて行く事はできないのだ。和也だって一緒に行ける方法は探そうとした、その矢先にこの呪いを受けた。だからどうしようもなかった、死ぬ事は避けられなかった、だから沖田にはせめて女の子として生きた事を後悔して欲しくなくて、それを次に生かしてほしくて続けて来たのだ。
和也「…ありがとうな沖田、お前からそれを聞けて嬉しいよ。」
沖田「なら私と一緒に行きましょう。そしたら…」
和也「けどごめんな、俺は特殊だからお前を連れて行く事も、死にかけだから一緒に行く事もできないんだ。わかってるだろ、ここで逃げたら今まで恨みを買ってきた連中の良い的になっちまう。」
沖田「そんなの私が切り伏せます。」
和也「駄目だ、俺たちは新選組として生きた以上それを片付けないかぎり俺たち二人は一生幸せに生きる事ができない。だから…この騒動が片付いたら一緒に考えよう。」
沖田「けど…その間にあなたが死んだら。」
和也「大丈夫俺そんな簡単に死なないからさ、その間にこの呪いを解く方法を探すよ。お前はその間に、新選組としての最後の仕事を終わらせてきてくれないか?」
沖田「けどそれじゃあなたが心配です。」
和也「俺は大丈夫だよいつも普通に死にそうな場所なのに何故か生きている事が多いからよ。それに俺が呪いを受けたまま死なないのはちゃんと治療を続けているから無事なんだ。そこまで心配はしなくていいよ。」
沖田が新選組でやり残したことを片付け和也はその間に治療法を探す、もし探しきれなくても一緒に探せばいい。多少時間はかかるがこっちの方が後腐れも残らない。本当は一緒に逃げた方がいいのかもしれないが今は不味い、政府が割れた現状でそんな事をしたら恨みを持った連中から狙われて終わる可能性がある。だが現状逃げなければ生き残れない、ならせめて新選組でやり残したことがないようにしてほしいと言うのが本音だった。
沖田「…わかりました。ならちょっと待っててください。やる事やったら帰ってきますから。」
和也「それまでゆっくり待ってるよ。」
沖田「…うん。」
そう子供のように頷き顔を胸に埋める沖田、そんな頭を優しく撫でる和也。その顔はとても嬉しそうでそして街の明かりで照らされた薄暗い中、また二つの影が重なった。
沖田「それじゃ…私もう行きますね。」
和也「あぁ。」
その翌日沖田は伏見に戻る事にした。和也はこのまま大阪で養生し沖田の帰りを待つ事になる。今の所何も起こってないが敵がいる以上油断はできない、とは言え一応病人なので後回しになる可能性があるがそれでも念のための準備は必要だ。
沖田「ぱぱっと、ぱぱっとやって帰って来ますから…それまで大人しくしといてくださいね。」
和也「わかってるよ、お前も伏見に行く時は気をつけろよ。」
そう優しく沖田の頬に手を置く、沖田はその手を自分の手で掴み笑みを浮かべお互いに見つめ合う。今は外にいて人もいるので流石にキスはしないがそれでもかなり目立っている。それを知らない二人は名残惜しそうに離れて行く、和也は沖田の背中を見つめながら気落ちした気持ちを切り替え宿に戻る事にした。
現在 慶応3年 12月14日
と言う訳で二人の少しシリアスな話しでした。(ちなみに後に歴史でも語られる所で和也は地味に女性からも人気があるので新選組特有のイケメン枠に入っております。)それと彼が沖田を治した話は永倉の日記に書かれており性格も相まって『新選組の荒医者』と後の歴史で語られています。
そして最後の日付ですが多分歴史知っている人ならこれから何が起こるのか知っているんじゃないでしょうか。和也君その事覚えておけばよかったんですがねぇ。
ちなみに沖田ちゃんの18禁欲しい?
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書いてくれ!
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いらないです。