荒くれもの人生 侍 活動中止 作:(´・ω・`)しょんぼりくん
和也「ほら治ったぞ。」
子供「ありがとうおじさん!」
和也「困った事があったらまた来いよ~。」
治療を終えた子供を見送る和也、あの後和也は情報集めと一緒に身近にいる人の治療を行っていた。と言っても子供の軽い傷やお金の払えない人にしか処置をしない。あまり手広くやり過ぎると本職の人の不満を買う上に今現段階で敵を作るのはよくない。
とは言え自分の治療をするための金は必要なので多少の仕事はするがそれでも副業みたいなものをしている。
呪いを解くのは洗礼詠唱等の魔術などで呪いを払うのが一般的だが恐らくここにはまだいない、第五次聖杯戦争時に間桐たちの魔術師がこの日本に来ているのは知っているが何処にいるのかもわからないしそれに例え会ったとしても歓迎されないような気がする(特に間桐とは話が合う訳がない)
となると手段的に一度海外に行く必要がある。聖堂協会に頼めば何とかしてくれそうな気がするが何分自分が会った聖堂協会の関係者でまともな人間に会った事がない。言峰は信仰心は本物だったが結局和也と反りが合わなかった。だがもしかしたらこの傷を治してくれるかもしれない。そのために金が必要になるかもしれないため少し多めに稼いでいる。
和也(俺が習って来た魔術とはかなり違う、信仰心なんて俺にはねぇしな…)
洗礼詠唱には信仰心が必要なので和也は別の魔術を探そうとしたが修験道と言う似たような物はあるらしいが何処にあるのか見当がつかない。動こうにも今の旧幕と新政府の騒動があって動けない。
和也(沖田が帰って来るまで缶詰かぁ、大阪に目立った人物がいない。)
やはり神秘の事もあるため秘密にされているためかかなり探すのが難しい、自分が見つけきれていないだけかもしれないが…
和也「…少し歩くか。」
少し気分を紛らわしたい。外に出よう。
外は相変わらずいつも通りだったが少し騒がしくなっている。やはり旧幕府と新政府での戦いが起こるためかなりピリピリしている。ここに来て少し知り合いが出来て色々聞いてみたがやはり新政府側の意見が多い。やはり徳川の政治に不満がある人は多かったようだ。
和也「まあ伏見が近いからピリピリすんのは当然か、まあ俺もどっちかと言うと…新選組の俺がそんな事いっちゃ駄目か。」
やはり現代の生活を送っていた身としては新政府の方が良いと言うのが本音だ、とは言え今は新選組としては自重させてはもらうが…
和也「何か変わった事とかあったか?」
店主「変わったも何も最近怖い話しか入ってこないよ。人殺しなど二つの勢力がぶつかりあうなど嫌な事ばっかりさ。」
和也「ちなみにあんたはどっち派?」
店主「まあムカつく上士の連中に頭を下げる事が無くなるのが嬉しいね。」
と言う事は新政府派か、とは言えどっちが勝つのかはわからない、新選組の強さは知っているがそんなの探せば幾らでもいる。それに人間の力は数とそれをいかした知略だ。神や妖精であれば話は変わってくるが人間が一人でやれること何てたかがしれている。
和也(沖田は大丈夫だろうか…あまり無茶してなきゃいいんだが…)
和也「…歴史の内容、覚えておけばよかったなぁ。」
とは言え和也の今までを見ていれば忘れるのは仕方ないとも言える。だが確かに和也が学校で習った知識を覚えておけば多少はマシになっただろうがそもそもこんな目に合うとは誰も思わないだろう。だがこの二つがいずれぶつかるのは目に見えている、そして現代の生活を見ていると恐らく…
和也「…この戦いの後新選組がどうなるのかまったくわからない。沖田は恐らくここら辺で病気でまともに動けなくなる筈だから戦死じゃないが…皆無事だといいんだが。」
そう空を見上げる、こういう時は何故か空を見上げてしまう。それが何故かはわからない、けどこうしていたらただ下を見ているよりはいい。下を見ているより気持ちが落ち着く。
それに景色も綺麗だ、だから空は好きだ。
和也「…少し変わった所に行くかな。」
街ぐらいしか歩いた事がない、ちょっと外れにでも行ってみるか…
天下の台所とは言え外れになってくると少し貧相な場所はあると言うより存在する。家の方も随分昔に建てられた物で天候や時間による風化でかなり崩れかけている。現代でもたまに見かける放置された欠陥住宅だ。京都の方でもみかけてよく志士の隠れ家になっていたがここでは本当に貧相な人たちしか住んでいない。
和也(この人たちはどうなるんだ?)
疑問が浮かぶがあまりいい予感がしない、何故かと言うとこの人たちが例え新しい世の中になってもそれについてこれる気がしないのだ。今現代でも起きている事なのだが大抵人間社会は知識に疎い人は付いてこれず結果的につまはじきにされる事が多いからだ。
和也(人の社会って今も昔も変わっていないのかも知れないな…)
人の社会を作るのは知識と言う名の知力、そして人自身を守るための純粋な力、そして運。人が生きて行くためには力が必要になる。和也自身もその力を持つ事で生存し運があったからこそ残れた。だが和也が一番強く感じたのは運だ。
人では到底立ち向かう事ができない神秘、サーヴァントと言ったそもそも人が相手をする事も出来ないような存在、そんな奴らを相手にして生きて来れたのは藤丸たちがいたおかげでもあったが一人の時はほぼ運だ。
和也(この人たちにも運があれば…)
チャンスはあったんじゃないか?とは言え自分にも余裕がない、歴史を覚えて立ち回ればそんな事もできたかもしれないが自分はそもそも政治何てことは興味はない。気に入らない事は片付けて人を助け一時的な施しはした事はあるが、あるがそれでも本気で変えたい人間の手伝いぐらいしか本当の意味で助けた事がない。
和也「人を助けるって難しいよな…士郎。」
そう今は遠くに行ってしまった友人に投げかける、当然それは返ってこない。ただ一人の病人の声が響くだけだった。そう勝手に悲観的になっていると視界にふと倒れている子供が目に入った。腹を抑えその場でうずくまっている上に口から吐血している。その周りには男性がおり心配そうに倒れている子供に声をかけている。
和也「どうした?何があった?」
男「じ、実は息子が河豚なんて食べちまって。」
和也「まさかそこら辺い捨てられたやつ?」
男「そうなんだ、食べるなって言ったのに!」
それを聞き直ぐに容体を確認する。
和也(食べてから数分か…子供だから体に回るのが早いのか。)
本来解毒処理をしていない河豚を食べた場合四~六時間程で死ぬ。フグの毒はテトロドトキシン、神経と筋肉に作用して身体の麻痺を起こし熱に強く、酸にも強いため、普通の調理ぐらいでは分解されない。 水さらししても無毒化することは出来ない、本来であればこうなってしまった時は専門の医者に見せる必要があるのだが今の時代にそんな医者は存在しない。
取り敢えず吐かせる、子供に嘔吐をさせ中身を吐き出させる。その後治療魔術で多少の解毒処理をする。和也では確実に抜く事はできないがそれでも体から七割程は抜く事はできる。そしてその後は薬を持ってきて安静にさせる。
男「本当にありがとうございます!」
和也「気にすんな子供が死ぬとこは見たくないからな、それより一応無理矢理吐かせたけど体に吸収した分が残ってる。排泄は頻繁にさせるように、あと薬もやっとくから朝昼夜飲ませるよに、それから免疫力…取り敢えず毒に負けないように腹に入る分だけ絶対に食わせろ。後で何か持ってきてやる。」
男「す、すみません。ほんと何って言ったらいいのか…」
和也「だから気にすんなって、あんたはあの子の親なんだ。こう言う時しっかりしなきゃ駄目だぞ。」
男「は、はい。本当にありがとうございました。」
そう深々と頭を下げる。和也は取り敢えず一度食材を買ったら夜までこの親子の家でいることにした。一応の処置はしたが急に容体が変わるかもしれないので夜まではここにいる事にした。家の方はかなり痛んでいるがそれでも台所はあるのでそこで料理はできる。父親にどんな食事をしていたか聞いた所まともな食事はできていないので取り敢えず軽めの物を出す。あまり栄養価の高い物を出すと胃がびっくりして容体が急変するかもしれない。
男「う、美味い。すみませんこんな物まで出してもらって…」
和也「いいって助けた以上最後まで面倒みなきゃな。それより何でフグなんて物に手を出したんだ。」
男「他に食う物がなくて…それで食べ物探してたら偶然息子が…」
和也「見つけちゃった訳か…いつもこんな食べ物探してる状態なのか?」
男「…はい。綾香と結婚しあの子を授かりました。でも俺の宿が原因不明の火災に襲われ全焼してからこんな生活を続けてます。そのせいで綾香は病死して…」
和也「…悪い事を聞いたな。」
男「いえもう昔の話ですから…それからこの家で暮らしています。にしても驚きました、まさか大阪にこんなにすごい医者がいる何て。」
和也「医者ね…まあそんなんじゃないんだけど、まあ礼は受け取っとくよ。」
いつからだろうか、こうやって人助けをするようになったのは…
昔はただ喧嘩だけをして生きていた、気に入らない事はただ殴り飛ばしそして格闘技術だけがつき力だけが備わり続けた。だが何故か心だけは何も感じなかった、人を殴りとばしても何も感じない。自分が何処にいるのかもわからない。きっとこのままただ野垂れ死ぬだけの人生なのだと受け入れて…だがあの時、謎の転移に巻き込まれた事によってすべてが変わった。士郎と出会ってからかな、人を信じるようになったのは…
最初は驚いていた、前住んでいた時とは違う寒い空間にいきなり投げ出されたのだ。驚きもするし戸惑いもした。だがやる事は変わらなった、前の世界で奪った金を使い路上で寝転がっていた、そんなときに士郎と出会った。とは言え第一印象は最悪であまりにもしつこいようだからボコ殴りにしたが…だがそれでもしつこく来るので仕方なく折れるように居候になる事になった。士郎はいわゆる度が過ぎたお人好しと言う奴だ、困ってる人と言うかそれよりも誰かのためにやるのが生きがいみたいな人で相手がかなりのやばい奴でもない限り手を出す事も文句を言うこともない。
その時の士郎は学生だったのもあって案の定そのお世話係「自称」の大河とかなり言い合っていて自分も大河からはよく思われていなかった。その後自分は家が手に入った事もあり好き勝手いき金も惜しみなく使っていた。だがそれでも士郎は俺を見捨てる事はなかった。例え金が足りなくなっても自分のバイト代を貸してくれたり、変わりに自分の欲しい物を買ってくれたりした。そんな士郎を見ていると今の自分の在り方が情けなく思えて来た。
それからは自分も働く事にした、多分その時の自分は情けないと言う事には気付かずただ借りがあるのが癪だから返すと言う意味で働いていたような気がする。最初は馴染めずよくやめることがあったが士郎から無理しなくていいと言われて負けじとやっていた、それから士郎とは話すようになり大河とも仲良くなった。
最初の話題と言えば士郎の人助けの事についてだ、自分に金を貸してくれた時もそうだが何の嫌味もなくむしろ笑みで貸してくれたのがどうにも不気味だった。その事について本人と話した事があった。
士郎『別に誰かが助かったらそれでいいじゃないか。』
和也『いやよくねぇだろ、それで自分が無理して倒れたらどうするんだ?』
士郎『それは自分のせいさ、だけど俺はそれでもやめないと思う。俺は正義の味方になるのが夢なんだから…』
和也『…重症だな。』
士郎は善人ではあったが少しまともでもなかった、自分の命が危機に瀕しようとも他人の命を優先ししかもそれを迷いなく実行するタイプだ。その正確には大河も呆れており士郎の心配していた、自分はその時ろくでなしだったから変な奴だと思っていた。だが彼の優しさは本物であれだけひねくれていた筈の自分が少しはまじめに生きていけるように、しかも人を助けるようになっていた。最初は近寄りすらしなかった桜も話しかけてくれるようになった。しかもその時士郎から料理ぐらいは出来るようになった方がいいと一応一緒に習っていた。そんな時セイバーと出会った。
セイバーとはかなり凄い出会いだった、最初は士郎が通っている学校の裏方作業をしていてそして慎二の雑務を押し付けられた時にそれを手伝っていたら何故か聖杯戦争に巻き込まれた。そして命からがら家に逃げ延びたが追いかけられそして土蔵に押し込められた時に士郎がセイバーを召喚した。
セイバーとは何故か気が合う事が多かった、と言うのも士郎の行動について意見が合う事が多かったのだ。戦争だと言うのにそれも構わず命投げ出す行動にセイバーその他が忠告したのだがそれでも士郎はそれを曲げなかった。だがそれが彼の一番の強さだと思った。
セイバー『まったく士郎には困ったものです。』
和也『まあいつもの事だけどよもう少し自重してくんねぇかね。』
セイバー『和也からも何とか言ってください。あれでは早死にしてしまいます。』
和也『いやあれがあいつらしいって言うか、あいつ自分の考え曲げない奴だから無理。』
結局戦争の終わりまでその考えは貫き通した、セイバーは消えその後士郎はどうしているのかはわからない。けどきっと桜と元気に暮らしているだろう。俺はその時はほとんど何もできなかった、士郎たちのように魔術も使えなかったのでお留守番が多かったがそこまで気にはしなかった、色々あり死人も出たが士郎たちはちゃんと帰って来てくれた。その後は俺も自立するために色々やり始めていた時に藤丸たちの所に飛ばされた。
正直自分のような人間がこんなに甘くなったのは士郎と出会ったおかげだ。自分がここまで変わった原因、士郎の甘すぎる性格のおかげのようなものだった。士郎のあの異常とも言えるお人好しのおかげで和也はここまで変化したのだ。それを懐かしそうに思い出す、やはり友人の事を思うと一番最初に士郎が思い浮かんでしまう。
和也「……」
男「あの、どうかしました?」
和也「あぁ気にしないでくれ。なああんたは今の時代をどう思う?」
男「そうですね、少し怖くはありますが時代の変わり目に立った、みたいな感じがします。
ずっと変わらないと思っていたこんな時代がまさか変わる日が来るとは思っていませんでした、ですがそれと同時にこの先どう変わるのか怖くはあります。」
和也「んじゃ今新政府と旧幕府の事、どう思う?」
男「歴史を見ればわかる通り人の時代は変わっていくものです。その変わり目には常に革命の心を持っている新しい人がたちその前には常に今まで作り上げた事を守っていた人がいます。その人たちにも譲れない部分がある、だからこそ戦うんだと思います。」
和也「話し合いで済ませるって言うのはないのかな。」
男「まあそれが一番ですけどけどこれは人の社会、歴史が変わるその瞬間です。人の歴史は戦いの中にあり平和はその戦いを作り上げるための時間だと思います。それが今何です。」
和也「確かに、こうしてみると人は戦闘民族なのか。」
男「けどだからこそ人の歴史が出来上がっていくのかと思います。戦いの末に行き着いた答えでもそれでも人は受け入れていく、そして変わり続けて人の生きていける世界が出来上がるのじゃないでしょうか。」
和也「戦いの末にか…そうなのかもな。」
人の歴史は戦いだけだ、革命、革新を続け人がどう生きるのかと変え続け現代の社会が出来上がった。ジャンヌもセイバーも今まで会い続けてきた英雄たち今の社会を作るきっかけになった人たちだ。だが現代の社会もまだその途中なのだろう、それがどういう形で変わるのかはわからない。それが俺が生きているうちなのかそれとも終わった後なのかは戻ってみないとわからない。けどきっとそれは悪い意味でもいい意味でも価値のある事なのかもしれない。
和也(藩や新選組の皆がそうなのかもな…)
彼らは今の時代で生きそして自分の生き方の答えを出そうとしている。だからこそ現代でも語り継がれる程名を刻まれたのだ。
和也「あんたは変わった後どうするんだ?」
男「そうですね…息子が一人で生きられるように出来るように育てようと思います。そのためにも頑張らないといけませんね。」
和也「…良い父親だよあんたは…」
そう呟き少し男と離れ子供の容体を見るとどうやら安定してきたようだ、食べた所が薄い所だったのかも知れない。とは言え今日はこのまま泊まり込み子供の様子を見守る事にした。
その後数日特に問題もなく子供の容体が治ったのを確認した夜に引き上げた。
和也はその後自分の宿に戻っていた。部屋の窓を開けその月を眺めながらヒレ酒を一杯飲む。いつもなら怪我のせいでそこまで元気がなく酒はあまり飲みたくなかったのだが今日は何故だか飲みたくなった。熱い酒が喉を通り冷めている体が暖められる。こう言う時昔はタバコをしていたのだがいつもまにかやめてしまっていた。一応作成方法は知っているのだが自分で作ろうとは思わない。
和也「…士郎と会うまではかなり吸ってたんだがな…」
今ではもう懐かしい記憶だ、士郎の時も吸っていたのだがジャンヌ以降吸うと言うよりも吸える機会がなくなったので自然と吸わなくなったと言うのが理由だ、一応行く先には似たような物はあったがそこまで愛好家と言う訳でもなかったのでいつの間にか吸わなくなっていた。
和也「まあ今吸ってたら沖田に怒られそうだけど…」
そう沖田の名前を呟いた時何故か心に穴が空いたような感覚に襲われた、まだ数日離れただけだと言うのに何故か隣が寂しく感じてしまう。それと同時に傷の痛みが酷くなる。
和也「っ」
時々痛くなる、思い出したかのように痛みが腹から来る。腹を抑え顔が青くなる、一応汚染の進行は止めているのでこれ以上は酷くはならないがそれでも痛みはくるのでそれには慣れない。ちゃぶ台に乗せてあった痛み止めを飲みその場で深呼吸をする。熱くなった息を吐き台に腕を乗せ体を支える。
和也「…ふぅ…」
その体勢から数分後いつの間にか下がっていた頭を上げる、自分はそのまま部屋の隅で体を預ける。
和也「…ちょっと厠に行くか。」
少し気分紛れに行く事にした、部屋の戸を開き出る。暗い廊下が続き少し危ないので目を魔術で保護して進む。脚はふらついていないのでそのままゆっくり歩いて行く。やはり12月と言うのもあるのでかなり寒い、酒を飲んだ事もあって暖かくなったのか当たる風がより冷たく感じる。
部屋は二階にあり厠は基本的に一階にある。そのため階段を下りる必要があるので階段に向かう。器の軋む音が響きその音に少し不安を感じる、まるでここに一人だけのような気分になる。階段に着きそのまま下りて行く、この宿の階段は玄関、つまり入口近くにあるため入口付近を一望でき窓から入ってきた月日が中を照らし多少青に染められた空間が広がっている。
階段を下りて行く、歩くよりも大きい音が響きそれがリズムを刻み段々下がっていく。そしてその最後の段を下り一回に降りる。そして厠に行き用を済ませ二階に戻ろうと玄関前に来た時少し疑問が漏れた。
和也「…何か嫌に静かだな。」
夜が静かなのは当然だ、人は寝る時は基本的に騒音を嫌う。だからこそ寝室と言う部屋があるのだがここは玄関近くだ。さらに言えばここは大阪、天下の台所と呼ばれる場所で夜に騒がしい時は多い筈。ここの宿は市場より少し離れた程度の場所なので部屋には音が来ないが玄関ら辺ではよく市場の音が入ってくる事がある。
とは言えそこまで大きな音は入ってこない、せいぜい市場がにぎわっていると言う事がわかるような小さな音がくるだけだ。だが今はそれが聞こえてこない。
和也「……」
少し不安になりながらも二階に上がっていく、呪いにかかってからも上がる足が重く感じたが今回は何故だか別の意味で重く感じる。そして自分の部屋の方に歩いて行く。暗く包まれた廊下を歩いて行くと異様に長く感じる。そのまま歩いて行く、すると和也の足が止まった。
目の前に何かがいた、背景に溶け込んでいるが若干緑色の皮膚が見えた。顔は人のような形をしておらず虎の顔に植物の葉のような血管が見えている。手には鋭い爪があり足にも異様に長い爪が生えている。そしてその爪には赤い液体が垂れていた。
和也は意味がわからなかった、ここは人の里の筈だ。本来このような異種はいない筈なのにどうしてここにいる?それは完璧な油断でもあったがそれでも予想外なのは本当の事だった。そしてその異種はゆっくりとこちらに近づいて来る。
?「よ”こ”せ”ぇ” よ”こ”せ”ぇ”ぇ”ぇ”!"!"!"!"」
そう片手を上げこちらに声を出す異種、そんな事を気にせず戦闘態勢に入る。呪いをかけられ戦うのは辛いが無理矢理体を動かすのは今に始まった事じゃない。今の現状を把握する、廊下ではあるが多少空間が広い、相手の爪は手の方が短く足の方は爪先が当たる程長い。そして自分は流石に異種とは戦闘しないだろうと思って道具はすべて部屋にある。人の形をしているので対人格闘は出来るが自分の容体を考えて道具は確保しておきたい。そして異種の方は下げていた顔を上げた。
?「よ”こ”せ”ぇ”!"!"!"!"」
そう腕を振り上げこちらに振り下ろしてきた、懐に入り相手の腕の方に手を当てそれを止めそのまま腕を掴む。そして自分の肩を土台に相手の腕をへし折ろうとするがそれを感じたのか相手の方はそのままの状態で投げ飛ばした。和也はそのまま隣にあった部屋の戸を貫き中に投げ飛ばされる。
和也「くそ今のやれたのに、やっぱ体が動かねぇな。」
瓦礫を押しのけ立ち上がる。どうやらここには人がいないようだ。相手の方は追撃の攻撃をしようとこちらに近づいて来る。和也はその場にあったちゃぶ台を持ちそのまま相手にぶつける。そして脚の方を持ちちゃぶ台をヌンチャクの要領で回し相手の顎目掛けてちゃぶ台を下からぶつける。そのままちゃぶだいの脚を回し相手にぶつけようとするが相手はそのちゃぶ台を叩き割った。
和也「ち!」
すぐさま反撃が来るので横に向けて大きく避ける。相手はそのまま奇声を上げ和也に迫って来る、和也はその場に掛けてあった掛け軸を持ち相手の爪を防ぐ、爪は貫通し押され気味になるがそのまま掛け軸を相手の腕に巻き付けそのまま捻る上げる。そしてそのままもう片方の腕に巻き付けそれを相手の背面に持っていき固定する。そしてそのまま蹴飛ばす。
この間に自分の部屋に向かう、一応かなりほどきにくいようにしたので無理に外そうとすると関節が外れるようになっている。自分の部屋に着き置いてあった刀を持つ、そして他に置いてあった魔術礼装を持ち部屋を出る。そして廊下の方に目を向けるとさっきの怪物が走って来た。
礼装を持ち構える、両腕には黒いガントレットが付いており手の甲からは刺突剣のような物が夜光に当たり銀色の刃を光らせている。ガントレットを使用するのはこのような日本刀は完全に人間用のような物なのでこの相手には相性が悪い可能性がある。それならいつも使い慣れている物で対応した方がいい、相手の攻撃を捌き攻撃を入れていく。
和也(隙作ってアルタイルの全力突きを決める。)
今現段階で出せる最大火力、礼装、強化、魔術を使用した物理攻撃。前サーヴァントと戦って倒す程なので威力は信用できる。そのためにはまず相手を倒すか隙を作る必要がある、この技にはためがいるため使えるタイミングが少ない。最低でも相手の骨に響くほどの一撃を入れて怯ませる必要がある。
和也(攻撃捌くのは楽だが体が重くなってきている。あまり時間はかけていられない。)
和也の何十年と言う経験から学んだ事をいかしその場で戦法を建てる、まさに怪奇現象と言ってもいい程の事でも驚かず生き残るための戦法をする。
相手の攻撃を防ぐ、その後短刀を抜き相手の顎にをぶつけそれに膝蹴りを入れ追撃する。顎に深く刀が突き刺さる。そしてその隙に腰に差してある刀を抜きそれを相手の足に突き刺しそれに下段突きを入れ深く刺し固定する。
もはや言葉にならない悲鳴が上がりそれを止めようと腕を上げ振り下ろす、だが和也はそれに構わず拳を真っ直ぐ構えている。不気味な腕が和也を挟もうと迫っていきだがそれに表情を一つも変えずただ相手の胸の方を見ている。そしてその腕が和也に当たろうとした時、その腕が止まった。
?「!?」
怪物の方も驚いていた、怪物の手には何か固い感触があった。少し滑らかな透明な物体がある、感触が岩と言うよりガラスのように少し冷たかった。
その正体は魔術防護壁、和也の礼装から発動する防御手段である。半円形に展開する透明な防護壁で強度はチタン壁とほぼ同等である。サーヴァントからしたら大した事ではないだろうがそれでも並大抵の攻撃では突破はできない。それに和也は本職ではないのでそこまで長くは展開できず基本的に避けを専念している。
和也(今だな。)
全身を最大強化、そして《アルタイル》の礼装も起動させ空手の正拳突きの構えを取る。怪物の方はそれを見て腕を戻そうとする、だがその前に和也の突きが突き刺さった。鷲のような残像が緑色の稲妻の軌跡を描きながら怪物に襲い掛かる。
和也(追撃!)
そしてアルタイルをガントレットの中にしまわれ変わりに黒い剣が飛び出す。そしてそのまま礼装を起動、紫色の炎を上げながら怪物目掛けてその剣を振り下ろした。燃え上がる炎とともに怪物はそのまま包まれその辺り一帯が不気味な紫色に染めれていった。
≪偽
和也の使用しているガントレット、様々な武器が内蔵してあり和也の意思によって変形をおこない形を変える。
≪偽
和也が使用する礼装の一つ、貫通力に特化しており和也のガントレットの中に格納されている
≪偽
和也が使用する黒剣、紫の炎を放つ事ができる。
まあ多分察しが良い人はアルタイルと言うのが何なので最後に出た剣もなんとなくわかるんじゃないだろうか。
ちなみに沖田ちゃんの18禁欲しい?
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書いてくれ!
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いらないです。