荒くれもの人生 侍 活動中止   作:(´・ω・`)しょんぼりくん

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荒川将吾(佐藤和也)の歴史

周りや焼け焦げ紫の炎が各地に散らばっている、ゆらゆらと不気味に揺れそれに照らされるようにその中心には疲れたように座りながら荒い息を溢している和也がいた。腕を前に起き出た汗を指で拭き取る。

 

和也「くそがぁ…やっぱりこんな体で使うにしては重すぎたか。」

 

体が重い、ガントレットの重さもあるのだろうがあまり腕が上がらない。それに重いと言うより全身に上手く力が入らない感じがする、やはり呪いを受けた状態でやるには少し無理をし過ぎた。和也の礼装自体は未完成なのでそこまで強い物ではないがそれでも上には大きな穴が空いており辺り一面は更地になっていた。

 

和也「二階にいるのが俺だけでよかったぁ…」

 

実は怪物と戦っている間周りの事をサーチしていた、そして人がいない事を確認し安全を考慮して止めをさした。そう言えばここで泊っている間二階に人がいたのを見かけた事があまりない。女将とその若手の人、そしてたまに話す友人としかいなかったような気がする。

 

和也「女将さんに何て言おうかと言うか生きてるのかな…と言うかこれを沖田が知ったら飛んできそうだな……どうしよ。」

 

幾ら緊急事態とは言え流石にやり過ぎた、目の前には焼け焦げそして強化して残っている刀が二本ある。アルタイルの突きで絶命していたのでそこでやめるべきだった。とは言え体貫いて生きていたの何か腐る程見かけたのでその不安要素を排除したかったのだ。

 

だが女将の方も騒ぎを聞きつけこっちに来るだろう、それに大阪の警察機関も来る筈、なのでかなりめんどくさい状況になるので逃げだした方が早い気がする。

 

和也「けど…」

 

自分の部屋をチラッと見る、自分の部屋は比較的無傷、壁に穴が空いてもいなければ部屋の中は特に何も問題はなかった。それを見た和也は少し頷きながらこうつぶやく。

 

和也「…寝てた事にすればいけるか?」

 

そうこの事は何も知らずただ寝ていた事にすれば何も問題は無い筈だ(大有り)。普通の人間だったらこんな事人のせいだと思わない筈なので俺が寝ていた事になっていてもそれほど不思議な話ではない筈だ。少し気は引けるし女将にはかなり申し訳ないが今は状況が悪いので許してほしい。

 

和也「ごめん、俺の体治したら絶対に返すから…」

 

そう目の前にある死体を片付けながら心の中で謝罪する。何かこういった事をこんな生活をする前の自分がやっていたような気がするがそれをスルーしておく。

 

和也「にしても…何だこいつ?」

 

そう自分の部屋に移動した死体を眺めるように見る。顔の方は人ではない、皮膚も違ければ髪も生えていない。目の方も形状は人に近いが瞳孔の方は肉食獣のように細かった。それに全身に広がっているように見える緑色の血管、刀を引く抜くとそこから緑色の血がついていた。

 

和也「後で調べてみるか…」

 

それを適当な紙で拭き取り適当な場所に置く、そしてもう一本引き抜き手入れを済ませた後鞘の中にしまい。部屋から廊下を覗くように見回す。本来なら誰もいない筈の場所に傘を被った男がぽつんと立っていた。

 

和也「…なるほど。」

 

そして部屋からゆっくりと出る、ガントレットの調子を確かめながらその男に近づいて行く。

 

和也「こんな人里に何であんなのが来たのか不思議だったんだが、お前がいるのなら少し納得はできるかな。」

 

?「……」

 

和也「お前何かしってるんだろ?さっきの奴の事について…」

 

相手は何も喋らない、ただ何も言わずただ無言だけが返ってくる。

 

?「やはり何も知らないのか。」

 

和也「何が?」

 

?「何も知らずただ生きて行く、凡人であれば想像を超えた旅であっただろ。現代の人間が思っている程楽なものではなかったであろうな。」

 

和也「おいお前まさかこの転移の原因知ってんのか?」

 

?「人が望む未知、個々で変わる未知を見る(知る)ために犠牲にした物、君は何を犠牲にしてきた?」

 

和也「何を言ってる?」

 

?「君が知りたがっている事もいずれ知る事になる。そのためにも…」

 

?「死ぬ事になる。」

 

その言葉と共に体に重圧(殺意)が降りかかる、目の前にいるのは人の皮を被った何かだった。相手が抜いた刀が光そして鋭く見える眼光は赤くくすんでいる。眺めていると相手の体に変化が起きる、黒の羽織を着ていたその容姿が変化し紫色の鎧が現れる。そしてこちらに向けられた刀、その姿はまさに武士の姿とも言える。

 

和也は落ち着いて自身の礼装を発動、謎の転移の事、そしてまるで自分を見透かしたような言い方、その色々知ってそうな顔に聞いてみたいが今はそんな雰囲気ではない。相手がその気なら自分はそれを殴り飛ばすだけだ。

 

銀色の光線が真っ直ぐに光り出す、芸術的な光景だろうがそれを向けられる自分にとってはたまったものではなかった。一つを避けてもさらにその軌跡が無数に増え襲い掛かる。それをガントレットで受け流しながら下がっていく。そうやって廊下を下がっていくとついあるものが見えてしまった。

 

そこにはここの女将と子供が倒れていた、そして今下がって行ったこの廊下はさっき倒した怪物が通ったであろう廊下だった、血の池溜りを作り子供を守るように覆いかぶさっているその姿を見て女将がどのような行動を取ったのか用意に想像ができた。そしてそれと同時に申し訳ない気持ちになってしまった。理由はどうであれ巻き込んでしまった。

 

?「甘な奴だ。」

 

そう何の圧も感じない優しい声とは裏腹に刀の突きが和也の左腕に突き刺さる。一瞬の油断、和也らしいとも言える油断であった。すぐさま下がり肩を抑えながら血を抑える。だが相手はそれを見逃してはくれなかった。その上がった姿勢の隙間を狙って脚に刀が振られる。

 

それを防ぐためにアルタイルを出しそれを防ぐ、左に付けているガントレットを(スクトゥム)を出す。そして次の攻撃に盾で防ぐすると相手はその盾をなぞるように盾を抜けるとそのまま顔に刀を持っていく。冷たい刃が命を刈り取るために迫って来る。

 

何とか顔を反らしその刃を避ける。だが相手はそれを見越してすぐさま切り返してくる、それをアルタイルで弾きこちらも攻撃をするが相手はそれを受け流す。

 

和也(宮本や小次郎みたいな事しやがって!)

 

下手に重い攻撃はせず最小限の攻撃だけで済ませる。和也の容態が悪いのもあるがそれにしても強い、まるで一流の剣士の如き剣裁き、そして鎧の方も若干日本の物とは違う。大袖は無くさらに籠手の方も一枚一枚の装甲を重ねてサメ肌のようになっている。それに兜の方も西洋のようなフェイスだ、だが顔の方は空いている筈なのにその表情が見えない、まるでそこだけ暗闇で包まれているようでそのため相手の顔が見えずただ黄眼がこちらを覗かせている。

 

今の時代では考えらない完全鎧、日本風ではあるが日本にはない形状、さらに顔を晒している筈なのに見えない顔、気になる事が多すぎる。

 

和也「てめぇはなにもんだ!何で俺を狙う!?」

 

?「……」

 

和也の攻撃だけ防がれ相手の攻撃だけが当たりダメージが蓄積されていく、そうこうしているうちに廊下の窓を突き破り外に出る。外は月日がある薄暗い世界が広がっていた。転がるように出て来た和也を追いかけて来た謎の人物はゆっくりと出てきた、和也が蹲っている間相手は月日を眺めていた。

 

?「半月に近い形、と言う事は今日は20日ぐらいか。」

 

そう呑気な事を呟いていた、和也の方は全身が切り傷だらけだった。そしてその言葉を聞いて和也は気に入らず相手を睨みつける。だが相手の方はそれを気にせず刀を下げたまま月を眺めていた。

 

和也「余裕じゃねぇかこの野郎、調子乗りやがって…」

 

?「こうやって眺めるのも最後になるかも知れん。今のうちに納めておきたい。」

 

和也「余裕ぶっこきやがって、そのムカつく顔ぶん殴ってやる。」

 

?「嘘つき鴉(コーヴァス)全能神からの使い(アルタイル)、星座が好きなのか?」

 

和也「生憎様こんな事しかないもんでね。」

 

?「龍は使わんのか?それとも使えないのか?」

 

和也「…何処まで知ってやがる。」

 

?「私の目はある程度見通せる、お前の礼装も例外ではない。君の行動もある程度予想できる、だが精神が歳を取り過ぎている割には少し浮かれ過ぎだな。」

 

気味の悪いほど見透かされその言葉を聞き苦虫を嚙み潰したような顔になる、不気味な鎧はそれを見て笑いある事を呟く。

 

?「柳の手回し意外とも使える物だな。」

 

和也「何?」

 

?「宿の手回し、人払い。権力を手に入れた人間は人を操る事もできる。傲慢な奴ではあったな。」

 

和也「…なるほど、まんまと嵌められた訳だ…柳の野郎。と言う事はてめぇを差し向けたのは柳の奴だな?」

 

?「いやどのみち殺す予定であった、別に柳は関係ない。だがあまり騒がれるのは嫌いだ、せめてお前を殺すための場所づくりはしてもらうように頼みはしたがな。」

 

それを聞いて和也は周りを見渡す。こんな大騒ぎが起こっていると言うのに誰一人出てきてすらいない。和也は大きなため息をつきながら立ち上がり礼装を構える。

 

?「にしても随分古臭い物を使っている。この世界は古風な物が多いな。」

 

和也「そりゃ江戸時代だから古いに決まってんだろ何言ってんだ。もしかして時差ボケ起こしてるんじゃないのか?ならそのまま上でも見て頭でも冷やしてろよ。」

 

?「…やはり何も知らんのか。」

 

和也「一人で納得してんじゃねぇよ。」

 

相手はこちらをただ眺め和也が睨み返すだけだった、和也は相手から受けた呪いの傷もある上に肩の刺し傷もある。下手に動けずただ相手からの攻撃を受けるだけだった。だが流石に和也も熱くなり過ぎたのか少し頭を冷やす。

 

和也「教えろ、これは何なんだ?何で俺がこんな転移を…」

 

?「…君の身に起きている転移は人為的な物だ。とは言え選ばれたっと言う訳でもない。これはその選定を決めるための物だ。」

 

和也「選定?選定の剣(カリバーン)か?」

 

重い当たる節と言えばそれぐらいしかない。アーサー王が抜いたとされる選定の剣、後の約束された勝利の剣(エクスカリバー)、だが奴は首を横に振り否定した。

 

?「そんな古臭い物に選ばれるための物ではない。とは言え少し惜しい事ではある。」

 

和也「んじゃ何だ神様か?」

 

?「否、だがある意味でそれに近いかもしれんな。」

 

和也「どういう事だ?」

 

?「それは君の目で見た方がいいだろうな。そもそも私では説明できない。」

 

そして相手は刀をこちらに向ける、和也の方も構え直しお互いに距離を空け睨みあう状態が続いた。だが状況は圧倒的に和也が不利だった。例え待っていても誰も来ない、それだけじゃなく逆に待っていたら柳の手が回って来る可能性がある。

 

なら目の前にいる奴を倒す必要があるのだがそれが一番難しい可能性がある、一般の相手なら幾らでも逃げ出せる。だが目の前にいる奴だけは違う、妖刀を使う紫色の不思議な鎧を着た男、こいつだけは俺と同じ感じがする。俺と同じだからこそ俺を逃がしてはくれない。

 

傷だらけの体を起こす、ここまで不味い状況になったのは久しぶりだ。いやむしろよくこんな状況に陥らなかったものだ。今までは誰かがいた、藤丸や士郎そしてサーヴァントたちがいた。今までの脅威は味方がいてくれたから何とかなったが今は一人だ。しかも恐らく腕からして格上が相手、それを俺だけで相手しなければならない。

 

和也(今になって士郎たちがどんな気持ちだったのかわかるな……最悪使うかもしれない。)

 

ガントレットの調子を確かめ相手を睨みつける。これが相手に効くのかどうかわからないがそれでも今はこれぐらいしか手が無い。だがこれを使うには狭すぎる、その他にも奥の手はあるがどれも市街地で使うには少し問題がある。

そのため使う手は結果的に絞られるのだ。

 

和也「…!」

 

ガントレットからの何かが射出される。相手はそれを易々と切り落とす、するとその落とされた物から光が出た。それに周りが白一色に染まり視界が隠される、そして鎧の男の視界が開けた頃には和也はいなかった。

 

?「…こっちか。」

 

地面には血痕が残っておりそれが続いている、どうやら逃げたようだ。性格に似合わず意外と逃げる時には逃げるようだ。その場を駆け出しジャンプする、影で出来た暗い世界から一変し月明かりで広がっている世界があった。冷たい風に当てられ空から下の様子を確認していると和也を発見した。身体強化を行いながら移動しているようだ。

 

?(あれだけ切ってまだ動けるか…)

 

屋根の上で自分の刀を見る、赤い血が付いている。そしてさっきの場所にも血痕が残っている、かなりの重傷な筈なのによく動くものだ。とは言え時間の問題だ、相手の手はわかっている(見えた)、後は終わらせるだけだ。

 

追跡を開始する、屋根を伝いながら移動して行く、念のため視界に納めながら追っていく。和也の方はこちらに何かを射出しながら撃ってきている。移動先を予測射撃したものだがそんなの関係ない。最小限の動きさえしていればまず当たる事がない。そしてそのまま追いつき相手に向けて刀を振り下ろす。だがその前にガントレットがこちらを向きそこから雷が出る。それを見た鎧の男はそれを気にせず刀を振り下ろした、襲い掛かる稲妻の嵐を刀を振りながら防ぐ、刀の鉄の部分を利用して自分に当たらないようにしているのだ。

 

だが和也の方はそれを気にせず左のガントレットを地面に向けると礼装から光が発し地面が爆発した。一瞬視界が防がれるがそれを振り払い煙をはらう。そして和也の方はアルタイルを展開していた、さっきの槍の根本部分に横方向に緑色の光の線がある。和也はそれに手をかけ自分の方向に引っ張るとそれが三日月のようにその月から弦が出て来た。

 

和也「アルタイル!」

 

そう引き絞られたその弦が離れ弓から光の矢が放たれる。それが真っ直ぐ進んで行き鎧の男に迫る。男はそれを切り落とす。和也はそれを気にせず弓を乱射する。ここはさっきの場所から離れた位置にある森だ、和也は移動しながらなるべく自分の礼装が使用できる場所に誘いこんだ。ここなら多少は使用できる。

 

和也が使用しているアルタイルは槍と弓に変形する礼装、どちらも貫通力が強く槍が一番強い威力があるが弓は連射ができる上にこっちの方が速度が速い、これで高速で動き回る鳥を落とした事がある。それにためる事もでき多少の融通が利く。

 

?(少し流しずらいが…)

 

それでも刀を巧みに使い接近して行くが和也は拡散に変更し手数を増やす。そして間にためを入れた矢を放つ。鎧の男はそれをかき分けながら接近していき和也の方に振り下ろす。それを槍で受け止め対処するが接近戦は圧倒的に不利だ。

 

槍で防ぎながら致命傷は避けて行くがそれでも完璧には防げない、どんどん追い込まれていき近くにあった木に背中が当たる。

 

和也(やばい!!)

 

振られた刀から逃れるためその場に屈むと木に斜めの線が入る。まるでフィクションのような切られ方をした木が落ちていきそこに縦の兜割りがくる、それを横にあった木に槍を突き刺してその木を相手に向けてぶつけようとする。

 

和也「お"ら"ぁ"!!」

 

叫びとともにその横から迫る大木、だが相手はその木を飛び越えそのまま和也の方に攻撃をしかけようと刀を向ける、だが和也の方はアルタイルの弓をこっちに向けていた。そしてまた矢が放たれる、だが相手はそれを避けた、至近距離でサーヴァントでも中距離では避けづらいこのアルタイルをだ。

 

そして和也の胸に刀が刺さった。

 

和也「っ!」

 

さらに奥に突き刺していく、深く刺されていくその刀を和也は苦しそうな表情で見ている。そしてその目をこちらに向けた、その刀を強く握りその奥に刺していく刀を止めた。

 

?「惜しかったな。」

 

和也「まったくアルタイルの矢を弾きやがって、お前人間じゃねぇのかよ。」

 

?「いや君と同じ人さ。」

 

和也「…なあ死ぬ前に教えてくれないか?これが何なのか?」

 

?「…まあヒントをやろう。

 

これは君の世界が原因で起こった現象だ、ある者がある目的で行った計画に君が選ばれた。とは言えここで終わるかもしれんがな。」

 

和也「死ぬのに教えてくれないのか…」

 

?「それは君が弱い事が招いた結果だ。君が私よりも強ければ私から聞き出せたのにな。」

 

和也「…へー、そうなのか。」

 

?「死ぬ前なのに随分とリラックスしているな。」

 

和也「そりゃ良い事が聞けたからな。」

 

?「……?」

 

それに構わず深く刺していくのだがそこで鎧の男は何か疑問に思った事があった。人体に刀を刺しているのにさっきから血が出ていない。その変わりに小さな光の粒子が出ている。

 

?「これは?」

 

和也「お前の目はどっちかと言うと先読みに近い目だ。お前は俺が見せた槍のアルタイルには完璧に対処していたが弓の方は少し対処が遅かった。あの雷や拡散の方も俺の礼装を理解している割には少し手が雑だった。どっちも普通に化け物みたいな対処されてたがな。」

 

?「…何が言いたい?」

 

和也「これを見れてなかった時点でお前は負けだって言ってんだよ。」

 

その言葉と共に和也はその刀を深く突き刺していき背中を貫通した。そして相手の腕を掴みもう片方の腕でアルタイルを展開した。

 

?「これだけでは私は殺せんぞ。」

 

和也「誰も一人でやるとは言ってないぞ?」

 

その言葉を聞き鋭くなった六感が感じたのは後ろだ。後ろの上空を見るとそこには、もう一人の和也が全身に紫火の翼を生やして上空を飛んでいた。

 

和也「これが俺の礼装真体偽体(ジェミニ)。」

 

?「分身体だったのか。」

 

和也『今更気づいてもおせぇよ!』

 

そう上空にいる和也が紫の炎を礼装に纏わせてこちらを睨んでいる、そして今男がさしている分身体の和也の方もアルタイルが緑雷が男の方を向いていた。

 

和也「「喰らえ!!!!アルタイル・ザ・コーヴァス(二星鳥の襲撃)!!!」」

 

その言葉と同時に男に向かって二つの技が降り注ぐ、雷の轟音と炎の眩しい明かりがその場に発生する。雷と炎は拡散し周りを焦がし(燃やし)ながら広がっていった。和也の分身体と本体は鎧の男にそれが当たろうとしているのをしっかりと見ていた、その場に発生しているのはエネルギーの余波がぶつかり合ってできたものだ。そしてその二つは確実に相手の命を奪うものだった。その二つに相手が取った行動は刀を抜く事だった、今更逃げようとしても間に合わない、だが相手はゆっくりと構え軽く微笑んでいた。まるでこの状況を楽しむように…

 

 

 

 

 

 

 

そしてその二つの間に一筋の白い筋が入った、そしてそれが鎧の男から複数発生した。そしてそれが二つ(雷と炎)を切り裂いた。

 

和也「…………は?」

 

その斬撃波に分身体は切り裂かれ消滅し和也の方はその斬撃を受けながら吹っ飛ばされていった。体の至る所から血飛沫を上げて地面に転がる。受け身を取ろうとした時に何故か左で着地ができなかった、いや何故か地面に向かって腕を振り下ろしたのに何故か空を切ったのだ。そのまま受け身を取れず転がって行き勢いが収まって止まる。

 

和也「ゴフッ!!」

 

口から赤い物が出て視界がくらむ、そして立ち上がろうとした時手を地面に付けようとした時左手が見えなかった。その疑問に思い左腕の方を見るとそこには左腕が綺麗に切断されていた。

 

和也「ぐぅぅ!!」

 

それに気づいた途端左腕から激痛が発生する。急いで左腕を手で抑えるが今更遅い、そんな事をしてもなくなった腕は戻らない。

 

?「惜しかったな、思わず本気を出してしまった。」

 

そう前から声がかけられる。その方に顔を向けるとさっきの鎧の男がいた。

 

?「私に技を使わせたのは君が初めてだ、やはり旅はするものだな。」

 

そうまるでこちらを褒めるように顎に手を当てながらこちらを見下ろしている。和也の方は反撃はしたいが思ったように体が動かない。それに腕が礼装ごと切り裂かれているので反撃しようにもできない。止血左腕の止血を止めているだけで精一杯だ。

 

?「そう落ち込むな、君はよくやった。何も恥じる事はない。」

 

和也「負ければ…それまでだろうが。」

 

悪意のない声を怒りの言葉で返す、だが結局負ければすべて終わりだ。生き物が命を内包している殻を壊されればそれは死だ。殻が無ければ人は生きていく事はできない。

 

和也(や、やばい、目が…霞んできた。)

 

殻が死に絶えていくことで覚める事のない眠りに誘われてしまう。そこで目を閉じればただ冷たい体が残る。それをさせまいと必死に意識を保つ、そしてもう目の前にはあいつはいなかった。

 

和也(いやだ…だってまだ俺は…)

 

ようやっと自分にもできた優しい人、可愛くてそれでしっかりしている愛しい人、自分はその人の帰りを待っている。なら自分は待たなければいけない。彼女を迎えなければいけない、まだ自分は彼女と何もしていない。なにに体は眠りを求めて行く。

 

ここで死ぬのか?こんな所で?待っている奴がいるのに?死ぬ恐怖と同時に沖田の顔を思い出す。

立てない、喋れない、ただ下を見る事しかできない。血が床を染めて行く、感覚がなくなっていく。

 

ただその場に座る事しかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---慶応3年 12月21日---

 

 

新選組 一番隊副隊長 荒川将吾が滞在していた神間屋で謎の爆発が発生した。付近の住民は市場で新政府からの道具や料理、そして新しい食品等の流入があった。『柳商店の披露会』に行っていたためこの騒動の事は知らなかったもよう。

 

死傷者32人、負傷者は無し。宿の二階中央廊下付近から爆発痕が広がっており八部屋が焼け焦げて消滅していたが幸いにも二階は荒川を含め小数しかおらずその焼け焦げた部屋には誰もいなかった。しかし死体の方は焼け焦げた跡はなくまるで獣の爪痕のような傷痕があったと言われている。日本刀による惨殺なども考えられたがとても日本刀でつけられる深い傷ではなかったため大坂町奉行の警察課はこれは爆発は人が起こした物ではあるが死体の方は人が殺した物ではないという発言した。

 

 

---慶応3年 12月24日---

 

大阪付近の山で冬眠に失敗した熊が発見された、ある藩がクマを密輸しようとした時捕獲用の檻の強度が足らず脱走し、藩士三人を殺害して12月19日に脱走した。この熊は神間屋付近にもいたようでその屋の中に入っており死体を食べたという事も判明した。大坂町奉行の警察課はこの事件を『神間屋事件』と呼びこの熊を捕獲し元の生息地に返した。だが荒川 将吾の遺体だけは何処にもない上に爆発の原因が判明していないためこの事件の捜索は続いた。この事件には新選組の沖田総司も介入していたようで一番隊から小数のみで隠れながら捜索をしていた。

 

 

---慶応3年 12月28日---

 

高安山で登山をしていた男性が謎の焼け焦げた爆心地を発見した、中心から700~800m程広がっていた。木々にはまるで雷に打たれたような痕それによって着火して燃えた痕のようになっていた。しかしここ最近雷が落ちるような気候は来ておらずさらに雷が落ちただけでここまで広範囲に広がっているのはおかしい、人々はこの事件の事を不気味がっていた、現代でもその爆心地の観光スポットが存在しており木々は多少生えたもののその焼け焦げた跡が地面に残り木も残っている。

 

 

 

 

 

 

そしてここから数m程離れた場所に荒川 将吾の死体を発見した、死体には無数の刀傷があり左腕が切断されていた。死後7日程たっており新選組の沖田総司が『神間屋事件』の爆発痕と高安山の爆心地を起こしたのが人物が荒川を殺害するために使用したのではないかと推測し独自で捜索を開始、大坂町奉行の警察課は荒川が起こしたもでではないかと判断したが、本人は刀傷による後遺症で休養していたため事件は起こせないと判断し直し捜索を始めた。だがこの捜索は1カ月程行われたがめぼしい証拠は見つからず迷宮入りし現代でも考古学者たちがこの事件にあらゆる推測を飛ばしている。

 

 

 

 

荒川 将吾 21歳

 

生年月日 不明

 

死亡日 1867年12月21日

 

埋葬地 東京都 東京 浄土宗 一向山 専称寺

 

 

 

 

 

新選組一番隊副隊長を務めていた男性、出身は不明、親および親戚関係も不明であった。しかし独自の流派を持っておりしかも医学にも精通していた、沖田総司が患っていた肺結核を治したのが彼であり同じ病状を患っていた病人も彼に治療を受け完治させていた。彼が止まっていた宿にそれ医療に関する本がありその時から肺結核の治療が広まり死の病気ではなくなった。沖田総司とはその時から仲良くなり一番隊の隊士の日記にはよく縁側で一緒にお茶を飲んでいたと言うような事が記載されていた。

 

新選組での評判は好評のようで隊士からも信頼されていた、永倉の日記にも彼との関係が書かれていたようでよく二人で居酒屋に行っていたようだ。性格は自由気ままな人であり短気な人間でありそのせいかよく揉め事を起こしていたようだ。だが京都の人々の評判も悪くなく本人も迷子を見つけては親を見つけて届けたり悩み事や頼み事などがあった時によく頼られたようで京都では万事屋のような立ち位置だった事が多かった。しかしその時の上士たちからはよく思われていなかったようで彼自身も上士たちが気に入らなかったようだ、このことから彼は志士側の人間だったのではないか?と言う一説も存在している。

 

彼を殺害した人物は不明で彼との関係を持っている人物が限られておりさらに出身やその他の詳しい部分がわからないため彼を殺害した人物に関してはまだわかっていない。怪我も左腕、上腕部分を骨ごと切断されていた。しかも切断痕が刀による物であったが人の腕を切断できる力など人間技ではないため誰に殺されたのかわからなかった。




まさかの主人公がぶっ殺されると言う事態、まあ人が殺される時はほんとにさっさり死ぬ時もあるけどもうちょい引っ張た方がいいかな?と少し後悔している。(柳の殺意が高いのが悪い。)

そして事件の考察ですが一般の考古学者の視点から書かれております。なに言ってんだこいつと思われるかもしれませんが魔術で起こった事件何て一般視点から見たらこんな感じかな?と思って書いています。

ちなみに沖田ちゃんの18禁欲しい?

  • 書いてくれ!
  • いらないです。
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