荒くれもの人生 侍 活動中止 作:(´・ω・`)しょんぼりくん
---22日---
柳「終わらせてくれたか…」
自分の部屋で言葉を漏らす柳、彼の部下からの報告を聞いていた。その内容は荒川の死だ。
柳「にしても不思議な奴だな。報酬はいらないからただ戦える場を用意してくれか…しかもあいつを殺した後消息はわからなくなるとはな…一応かなり厚い網は貼っていた筈なんだが一つも引っ掛からないとは。」
柳の陽動のおかげで住民はほとんど市場に行った、あの宿の近くにある家はほとんど店の上に大抵新店舗や新しく住み始めた住民だったため簡単に引っ掛かった。こちらの方も収集は上出来だった。大阪の方にも手を広げてもよさそうだ。
柳「にしても一番厄介な奴が死んだ筈なのに何か呆気ないな。」
障害があると何故だか不安であったがこう言葉で知らされていると何だか呆気なく感じるのだろうか、とは言えやる事が多いしそれに終わった事なのでもうどうでもいいが…
男「…あの一つ聞いていいですか?」
柳「なんだ?」
男「何故荒川を殺したのですか?」
疑問に思った言葉を柳に向けた、柳の方はそれを聞き男の方を見た、顎をかき少し迷っていたが視線は前に戻し声だけを返す事にした。
「まあ厄介な奴だったからだ。」
「でも荒川と会ったのは数回なんですよね?何がどう厄介だったんですか?」
「まああまり詳しい事は聞くな。ただそうだな…きっかけはあの交渉の時だな。それ以上は聞くな。」
男の方はまだ納得するまではいかなかったがそう言われた以上引き下がるしかなかった。そして柳の方はそのきっかけの方を思い出していた。
柳『まさか君が訪ねてくる何てな、何かあったのか?』
荒川『…頼みたい事があってきました。』
最初はただの馬鹿だと思った、新選組の問題児から来ただけのアホ、そう思っていた。頼みたい事もあると聞いて正直自分は受ける気はしなかった。何故なら新選組である以上気が合う訳ないのに取引する気にもなれないしそもそも得になるような話何て持ってこれる訳がない。そう思っていた。
荒川『実は、用意してもらいたい物があるのです。』
柳『用意して欲しい物か…それは何だ?』
荒川『こちらです。』
そう渡された紙に目を通す、すると驚いた事にすべて新しく外国から入った物を中心としたものだった。しかもかなり細かく書かれていた。柳は別にこの紙に驚いた訳ではない、この紙に書かれている物の個数や細かく書いている事に注目していた事だった。
人は欲しい物を買う時はほとんどそこまで考えず買う事が多い、料理をする時の材料や食器などがそうだ。そこまではいらないのに個数を多く買い最後に残る事が多い、柳はその無駄な事が嫌いだ。使わないのならそこまで買わず使うのならきっちり計算をして購入する。ただし先の事を考えて倉庫に使いそうな物、商談に使いそうな物を入れて置く。そしてそれはすべて予想した通り使われていく。
そしてこれは自分と同じと言うより荒川の書き方が専門職を扱う人が材料を頼む時の書類と酷似していたのだ。それにしっかりとわかりやすく書かれている、よく部下の資料作りの下手さに指摘する事が多い、知識を学びわかりやすい資料を作るのは当たり前だ。そしてこの紙はまさしく学を学んだ人間が書いた物だ。
柳『…どうして用意して欲しいんだ?』
荒川『そりゃ使うからですけど…』
柳『詳細を教えてくれないかな?自分が取引した人間が悪事を働いた何て広まったらたまった物ではないからな。それに君はそんな事を言える立場でもない筈だが?』
荒川『…わかりました。理由はその……ある人を助けたいんです。』
柳『ほう、その人物とは?』
荒川『沖田総司。』
柳はその言葉を聞き不思議に思った、確かに沖田は病気を患っている。だがだからと言って荒川が助ける理由が見当たらない。と言うよりかあんな先のない奴を助けて意味などあるのだろうか?
柳『君は確か新選組に入って間もない筈だがどうして彼を助けたいのだ?』
荒川『…俺は色んな奴を見て来ました、数えられない程の友人を見送っていきそしてそれを眺めていた自分がいました。俺はそんな何もできない自分が嫌なんです。だから…』
柳『助けたいと?だが彼が患っているのは病気だ、それに不治の病と聞く。君ができる事なんてないと思うが?』
荒川『それなら大丈夫です。俺ならあいつを治せます。』
柳『なに?』
柳は思わず素が出るがそれに構わず荒川は治療方を述べた、中身は現代の治し方とただ説明しただけだが柳にはその言っている事がよくわからなかった。微生物や菌の説明など外国の情報でも聞いた事がない事やさらに使用する薬も今使われている物とは全然違う。ここで柳は彼の事を怖がった、自分よりも知恵は無い人間だが知識だけは自分よりも格上だと悟ったからだ。柳はそれを黙って聞いた、だが…
柳『今の所私の得になる話が無いが君は何を用意してくれるんだ?』
今までの話はただの世間話のような物だ、ただ相手と話しているだけの茶番。今の所柳の得になる話は一つも無い。だが柳はそれを聞いて特に驚いていない荒川を見て何かを用意していると言う事だけは理解した。そして荒川が提示した物が規格外の物だった。
荒川『俺はあんたに…魔術を教える。』
柳『……は?』
柳もその事については聞いた事はあった。外国に伝わるおまじないあるいは逸話の中だけで存在すただの幻のような存在。柳はそれを聞いて大きなため息をついた、だが荒川が見せた魔術陣を見て驚愕した。
荒川『これが魔術だ、人が作り出した神秘の結晶。それをあんたに教える、とは言っても俺が教えられるのは基礎ぐらいなもんだがな。』
柳は自分の目の前で見せられている物を見て固まっていた。おとぎ話で聞く妖術のような物を実際に見せられ自分の視野の狭さに驚かされた。日の国の知識はすべて自分の所にあると思っていた、なかったとしてもそれに類似する物を知っていてそこまでの驚きはなかった。
だが今目の前にある物はまったく未知の物だ、今まで知らない常識、自分が持っていた哲学や常識が崩れて行く。だが不思議と心と頭は落ち着き荒川から与えられた本を受け取り目を通していく。そしてそれから始まった、荒川から魔術を教わっていき2日で基礎を身に着けた、そして柳が特に目を引いたのが礼装作成だった。その頃から自分で研究し開発していった。自分の友人そして部下に魔術の基礎を教え使える人間を増やした、覚えれそうな人間はだいたいわかるので特に問題なく進んだ。荒川はまだその時自分はすべて学べなかったと思っていただろうがもうその時にはすべて学習を終えていた。
魔術を教わったおかげで何もかも変わった、例え夜中に襲撃が来ようとも不可視の罠が発動し殺される心配がなくなりさらに道具関係に置いては革新的と言っていい程向上し貿易関係はほとんど自分に話が来るようになった。
柳はすぐさま荒川を自分の所に取り入れようとして彼の有利の条件をある程度飲む事にした。最初はまず誘いの話はせず深く観察した上で行う事にした。魔術の方もまだ基礎ができていない振りをして彼との関係を続けた。そしてその誘いの話をあの秘密の会合の時に行った。
荒川『わるいけどその話は乗れねぇな、俺はあいつを助けるためにあんたと取引しただけだ。』
柳はその言葉を聞き落胆と同時に彼の扱いに困ってしまった。沖田の方でゆすりをかけた場合激怒させる可能性もあったので触れなかった、そのためただ単に彼の有利になる条件を飲むと言ったのに彼は断ってしまった。この時点で彼は新選組側の人間になってしまった。柳は彼が人との繋がりを大事にする人間と言う事はわかっていたが魔術の驚きのせいでそこまで頭が回らなかったのだ、そのせいで柳は荒川の扱いに困ってしまった。新選組は恐らく自分の敵になる組織と言う事を予想していたのでその敵対した時までに荒川が残っていたら不味い事になる。自分はまだ魔術を知って日が浅いので荒川一人に完封される可能性があるのだ。
そのため今まで敵対か中立か迷っていた。荒川が殺されかけると言う話を聞くまでは…
柳『君に頼みたい事があってな?』
?『……』
柳『君が殺しかけた荒川と言う人物を始末して欲しい、だがこの京都でやるな、やるとしたら京都外でやって欲しい。』
柳は特に師弟関係と言うのは関係ない、邪魔と思った人間は排除し自分と同じ人間には協力する。特にやる事に罪悪感など感じない、むしろそれを取り除いた時には逆に安堵を感じるのが柳と言う男だ。
本当は今すぐにでも荒川を排除したかったがまだこの時点で証拠隠滅ができる程地位が固まっていない、さらに新選組、特に今の沖田総司を刺激したら何をされるかわかったものではない。さらに相手の実力が未知数なため下手に敵対する訳にはいかなかった、そのため京都にいる間は彼を放置する必要があったと言うより手が出せなかった。だがその荒川を殺し損ねたと言う人物を聞いて柳はチャンスだと思った。これで最大の障害を消す事が出来る。
?『随分と上から目線だな。』
柳『すまない何分こういう性格なので、それに君が簡単にここに来てくれたのにも引っ掛かる。もしかして最初っからここに来る気ではなかったのか?』
?『…流石に単純であったか、それじゃ君に頼みたい事があるのだ。
その荒川と言う男を殺すための場を用意して欲しい。私の要求はそれだけだ。』
柳『…それだけ?もっと他には?』
?『無い、私はただ殺してくれる場を用意してくれるだけでいい。元々私が殺し損ねた獲物だからな。』
柳『荒川に何か個人的な恨みでも?』
?『いやない、ただ殺し損ねたと言うのが気に入らないだけだ。』
ただの狂人か、柳の心にはその一言が浮かんだ。自分に恨みを植え付けた人間と言うものでもなければ好敵手と言う訳でもない、ただ殺し損ねたから殺すと言う殺し屋を生業としている人間が言いそうなことだった。だがただの狂人ではないのは確かだ、あの荒川を殺し損ねたと言う時点で普通ではなかった。
?『どうしたのかな?』
柳『いや何も、荒川も厄介な奴に目を付けられたと思ってな。』
?『人を殺すと言う時点で厄介も何もなかろう。それで答えは?』
柳『まあこちらとしては助かるがせめて金は受け取ってくれ、ただでやるのは後が怖い。』
?『商人としての性か?』
柳『まあそんな所だ。』
そうして取引はあっさりと終わった、後は裏で荒川の宿を用意してやり陽動もしかけておく。荒川のおかげで多くなった科学や物資を見せつければあの大阪の住人の事だ、あっさり引っ掛かると思っていた。そして隠蔽工作だがこれは特にする事がなかった。と言うよりもしてもほぼ意味がないと悟っていた。
そして柳の予想通りに事が進んで行った。予想よりも宿の被害が大きかったのが驚きだったがそれの隠蔽工作は途中で熊を密輸しようとしていた所を離してやってすぐに片付いた。自分の所には何一つ怪しい噂は来ずに無事に荒川を殺す事ができた。
柳「さて後は邪魔な奴らを片付けるだけか…」
新政府の方も大分整ってきた、新選組の方は何故か荒川の騒動で少し崩れている。特に一番隊、沖田の方が独断で動く事が多くなった。これなら排除は容易い、何故なら人は基本的に団体行動だ。そして中で一人絵も乱した人物がいれば人は連鎖的に崩れて行く。そして一番の欠点がある、近藤勇が御陵衛士に撃たれたのだ、もうこの時点で新選組は崩れたと言っていいだろう。
柳「とは言え忙しくはなるだろうがな。」
そう呟きながら空を見る。今日は珍しく青空が広がっている。
柳 概兊
維新の時代にて新政府側でもっとも力を持っていた人物、現代の貿易関係や商業関係の基礎を築いた人物である。漁船関係の船や輸送に使う道具などに革新的な技術をもたらし変えて行った。
魔術会の歴史では日本三大魔術師(間桐、アインツベルン、遠坂)に近い人物と呼ばれていた。礼装関係の資料や強化魔術での教本にている。
没年 明治17年(1884)54歳
沖田総司
新選組一番隊隊長、慶応4年4月12日頃に新選組を抜けて消息が不明になった。
没年 明治11年(1878) 38歳 荒川の墓の隣で亡くなっていた。
死因は左肩から右の腰に目掛けての袈裟切り、恐らく新幕府側の追ってだと思われるが沖田が新政府側の人間と敵対する理由がないため私怨を理由に襲われたと思われる。
まあ沖田が新選組を抜けた後何をしていたかはある程度想像できると思います。柳の方はまあただの恩知らずのクソ野郎なんですが頭良いから全部うまくいってるんですよね(というかまさか柳がここまで殺意が高いだなんて予想できない。)
ちなみに続編は近いうちに出します。その時に沖田が何をしていたのかの回想をするので待っていてください。
ちなみに沖田ちゃんの18禁欲しい?
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書いてくれ!
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いらないです。