紫炎の転生者   作:12月の雹

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初めまして。12月の雹と申します。今回初投稿です。亀更新になるかと思いますが読んでくだされば幸いです。


1章 原作前
1話 俺、死んで生き返ります!?


 気が付いた時、俺の目の前には到底この世のものとは思えない光景が広がっていた。あたりは太陽が出ていないにもかかわらず、昼の様に明るい。だがまぁ、そんなことは些細なこと。それよりも重大なのは、その下に広がるのは大地ではなく蓮の葉だということだ。大小さまざまな蓮が見渡す限り、あたり一面に広がっていた。

 

 

「……何ここ? まるで仏教の宗教画に出てくる極楽浄土じゃん。で、俺が立っているのは……河原か?」

 

 

 見たところ俺の立っている場所は河原のようだった。先ほど、俺の目の前に広がった光景は、俺の立っている河原とはそこそこ広い川で分断されていた。その川の色がもう……なんて言うか、鉄さび色というか、血の色というかで……。ああ、これも宗教画で見たなぁ……てか俺のイメージそのまんまじゃないか……ここはひょっとして

 

 

「彼岸ってやつですかねぇ……」

 

 

 俺の辿りついた結論は向こう側が極楽浄土、で彼岸。俺の立っている河原が賽の河原でギリギリ此岸。この二つを隔てる川がみなさんご存知、三途の川。じゃないかなぁ……ということ。うん、よくよく見たら河原にいくつもの石の塔がたってるし、なんか存在感が希薄な方(影が薄いって意味じゃない。断じて違う)が着物着たばあさん(脱衣婆かな)のところに並んでるし、河を渡るための舟もあるし、不気味な船頭さんもいるし。確定しちゃっていいんじゃないでしょうか。

 

 

「俺、ひょっとして……死んだ?」

 

「さよう。お前は死んだ。ほんの少し前にな」

 

「!?」

 

 

 返事が返ってくるとは思ってなかったので声のした方に勢いよく振り向く。痛っ! 首ひねりすぎた! 仕方ないから体ごと振り向いて、って足首ひねったぁ! 砂利ばかりでバランスがとりにくい!

 

 

「何やっとるか、お前は」

 

 

 やっとこさ声の主のほうを向いた時には呆れた声が飛んできた。そこにいたのは大きな椅子に座った威厳たっぷりの……

 

 

「鬼?」

 

「閻魔だ、小童。そこまで自力でたどり着いといてなぜ閻魔が出てこんのだ。このうつけが」

 

 なんかこき下ろされた! ひでぇ言い草だ……。って閻魔ぁ!?

 

 

「閻魔って、あの死者を裁く地獄の裁判長?」

 

「それ以外に閻魔があるか?」

 

 

 いや、ないけどね。

 

 

「まぁいい。とりあえずここにお前が来た理由を話そう。先ほど言った通りお前は死んだ。祖母の葬式の帰りに道路で、車に轢かれそうになった猫の身代わりになって死んだ。ちなみにアレルギーも出とるぞ」

 

 

 いや、死んでなお猫アレルギーとかいいですから。よく考えたら家族も災難だよなぁ。短期間に葬式二回か……葬式の代金って高いんだよなぁ……大丈夫かな。うち片親だし、香典集まるんかなぁ……。

 

 

 

「心配するところが違う気がするのだが……とにかく! お前の生前の行いが非常に立派であったので、極楽行きだ、と言いたいところなのだが。どうやらお前の人生は不幸なことばかりが起きたようだな」

 

 

 ああ、言われてみればそうかも。本当の両親は俺を生んですぐに蒸発。孤児院に預けられることになった。その孤児院でも物心がついたらハブられていることに気が付き。その孤児院も放火で焼かれて、その時中にいた俺だけが大やけどを負い。せっかく拾ってくれた里親は父親が不倫をして出て行って母親が酒浸り。虐待こそなかったものの食うのにも困る具合だったよ。とまぁ、こんな感じのが大学受験まで続いた。極めつけは猫を助けて車に轢かれて死亡。確かについてない。

 

 

「なんというか、それはこちらのミスでな。この私が持っている閻魔帳は特別性のものでな。転生した者を管理するための閻魔帳であるのだが、最近忙しくてなぁ……」

 

 

 いかにも申し訳なさそうにする閻魔。口調は変わらず偉そうなのは閻魔故なのか、どうでもいいのだが、説明が要領を得ない。

 

 

「つまり、どういうことなんですか? あなたが忙しいのと、俺の死との関係性は?」

「単刀直入に言おう。お前は死ぬ定めではなかった」

 

 

 ……は? どういうことで?

 

 

「忙しすぎた私は、お前の閻魔帳を書いているときにうたた寝をしてしまってな。無意識下で書いてしまっていたようなのだ。それも一生分。そのため本来均等にすべき幸運と不運のバランスが崩れ、不運のみな人生になってしまったというわけだ。それに気が付いた私は左遷を恐れて急いで改ざんしようとしたが」

 

「ちょっと待て閻魔。左遷とか、改ざんとかなんかひどくねぇ!?」

 

 閻魔って役人だったのか。ってか左遷ってどこに?

 

 

「焦っていて間違えてお前の未来を消してしまったのだ。本来ならばゆっくりと違うレールに乗せねばならないのだがな。まぁ、それも過ぎたことだ。結果的に私は証拠隠滅が出来て、お前は転生できる。それでいいだろう」

 

 

 さらっと流されたし! ってかなに。俺の人生って単純に閻魔のミスかよ……。だめっぽい発言がちらほら見えている気がするがそんなことよりも、

 

 

「転生ってあの? 六道を回ってどうたらこうたらとかいうやつですか?」

 

「お望みならばそうしてやるぞ? 次は畜生道か?」

 

「俺の人生ひでぇ!?」

 

 そう俺が言うと閻魔はため息をついて、

 

 

「普通の転生をさせたのでは私のミスがばれるのでな。お前には別の世界に行ってもらう。ほら、たしかお前の世界にあった二次創作と呼ばれるファン小説のよくあるパターンだ。よかったな」

 

「よくねぇよ! せめて感情をこめて言ってよ! 棒読みで言われちゃ、喜べるものも喜べないわ!」

 

「まぁ、落ち着け。ここからいわゆる‘テンプレート’と呼ばれるパターンだ」

 

「メタい!」

 

「とりあえずチートと呼ばれる物語破壊要素は一つまでな。そこ、けち臭いとかいう目で見るな。ほかの閻魔にばれない範囲ではこれしかしてやれんのだ。その代りお前の気に入ってるキャラをサポート要員にしてやるから」

 

 へ? んなことできるの? 閻魔スゲー! ってか好きなキャラねぇ……

 

「ん? 如何した? もしいないならこちらで選ばせてもらうが?」

 

「いやいやいやいや。いすぎて困ってるんですよ! 具体的に名前を挙げて行ったら日が暮れるくらいに!」

 

 

 そう。俺はオタク気質の人間だった。高校の友人の家に行ってはライトノベルを読み漁り、ゲームもやりこんだ。おかげで好きなキャラには事欠かないぜ! でも、待てよ。どこに行くか聞いていない……ここで間違えて戦闘能力皆無の人を連れて死亡フラグ満載の場所に行ったら……。俺のチート次第では原作に巻き込まれるしなぁ。

 そう思った俺はとにもかくにも聞いてみるべきと判断して軽く深呼吸して興奮を抑えてから、

 

 

「そういえば聞いてなかったんですけど、俺はどこの世界に行くことになるんですか?」

 

「ああ、そういえばそうだな。お前には私の隠蔽工作のためにほかの閻魔の手が届きにくい、神仏のたくさん出てくるライトノベル、ハイスクールD×Dの世界に行ってもらうことになる」

 

 聞いといて大正解。これで下手に戦闘能力のない人は選べなくなったな。さて、どうするか……。

 ドラゴン○ラッドから殺人鬼……抑えが利かないな。

 

 同じく代行者……保留。

 

 101番目の○物語から魔女食い……能力が把握できないので却下。あっちにロアいるのかわからんし、もしロア以外取り込めるなら最強かもだけどね。

 

 ○殻のレギオスからサイドテールの武芸者……保留。

 

 ストラ○ク・ザ・ブラッドからゴスロリ教師……年齢……?

 

 デート・○・ライブから三番目……狂気により断念。

 

 どうしようかな……。そう思ってる俺だったがふと閃いた。人生を楽しむためだし、どちらかというと楽しい性格のほうがいいよね、と。だったらこの方!

 

 

「インフィニット・ストラトスから更識楯無さんってできます?」

 

 

 そう、この方。学園最強。ISなしの素手で強い。性格も一緒にいると疲れそうだけど、楽しそうだしね。

 

 

「ああ、可能だぞ。しかしまた……珍しいな。なかなか御しにくい性格だと思うのだが? まぁいいか。それでチートはどうするのかね。よくあるのだと直死の魔眼とかかね」

 

「この際なんでもいいんですけど、『夢』を操る能力ってできますか?」

 

 

 そう俺が問うと、閻魔は不思議そうな顔をして

 

 

「むう? できるが……大した能力ではないのでは……ああ、『夢』か。なるほど、あいわかった。あっちの世界では神器《セイクリッドギア》扱いになるぞ?」

 

「それで構わないです。じゃ、そういうことでお願いします」

 

 

 何とか通じたみたいだな。夢ってのは起きてても見れるからね。それを操れれば……。

 

 

「準備ができたぞ。この扉をくぐるといい。そうすればお前は新たな人生を歩むこととなる」

 

 

 閻魔帳に様々な事柄を書いていたであろう閻魔がそういった瞬間に河原にはに使わない大きな洋風の扉が現れた。その扉はかってに開き、中から光が溢れだした。

 

 

「ほれ、さっさと行け。ほかの閻魔にばれる。あ、ついでにアレルギーは一切なくしておいたから感謝するように」

 

 

「わかりました。じゃ、いろいろお世話になりました? それでは行ってきます、で合ってるのかな……」

 

 

 さまざまな疑問に包まれながら、保身のためにとせかす閻魔の声を背中に聞いて俺はその扉をくぐった。

 

 

 

 

 

「ふう、やっと行ったか。駄々をこねるような奴じゃなくてよかったわい。後はこちらの隠ぺいだけだが……ついでだ。あいつの能力をちょいと書き足してやる。前回は散々な人生だったからな。今回は楽しい人生になるように……容姿は……上の中位だろう。基礎体力も高めに設定してやって……魔力はそこそこ多めに……才能はカンスト……あとは神器を追加で一つ入れてやろう。ふむ……原作では名前しか出とらんがいいだろう。『紫炎祭主による磔台《インシネレート・アンセム》』追加。こんなもんだろう。後はサポートを送って……これでよし。少年よ、人生を楽しみたまえ!」

 三途の川にはしばらく閻魔の楽しそうな笑い声が響いていた。

 




いかがでしたでしょうか、って一切原作入ってないのに感想もありませんよね。すいません。次回こそは入ります。
そういえば主人公の能力って開示した方がいいでしょうか。開示した方がいいなら1巻終了時にキャラ説明と同時にいたします。
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。

次の作品は今日中に投稿します。
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