紫炎の転生者   作:12月の雹

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後篇です。


 今度から一括で投稿しようかな……。


11話 1-4 親友、悪魔の下っ端です。 後篇

「縁、ちょっと買い物に付き合ってくれない?」

 

 いきなり俺の家にきた櫛名は俺の姿を確認するなりそんなことを言った。

 

「いきなりなんだよ。買い物なら一人で行けばいい……ああ、荷物持ちか」

 

「そういうこと。よろしくね?」

 

 

そう言って扇子を広げる。他力本願の字。おいこら。

 

 

 

 

「で? この後はどうするんだ?」

 

 結局買い物に付き合わされ大量の荷物を持たされた俺は公園で休憩しながら櫛名に聞いた。

 

「そうね……。さすがにそれだけの荷物を持っているのはきついでしょう? だから帰りましょうか……ん?」

 

 最後に何かに気が付いたようにチラリと視線を横に移す櫛名。その方向を見てみると、

 

「何やってんだ、あいつは」

 

 

 イッセーがいた。しかもかなりの美少女と連れ立って。そこはいい。問題は、その女の子がシスターだってことだ。シスター。悪魔の天敵である天使や神を主にもつ聖なるすべを持つ人。つまり、

 

「天敵と一緒じゃねぇか……」

 

 相手は気が付いていないようだが、かなり危ない状況だ。下手をしたら光の槍で貫かれるかもしれない。と見ているとそのシスターは泣いている男の子を見つけると駆け寄っていって、何かをした。というのも遠くて見えないからだ。緑色の光が見えただけなんだが……あれは、神器、だろうな。さて、だいぶ原作知識が薄れてきているんだが、この後どうなるんだったかな。

 

「どうするの? あれ、危なくないかしら?」

 

「そうだな……軽く後をつけてみるか。いざってときには対応できるようにな」

 

 櫛名はその言葉に反応を占めさずすぐに尾行の体制に移る。こういう時に裏の世界の人っていいよな。そう思いながら俺も重い荷物を持ち、イッセーとシスターの尾行を開始したのだった。が、打ち捨てられた教会のそばまで来たときにシスターと別れたのでただの案内だったのか、という方に二人で納得して元来た道を家まで戻るのだった。とりあえず、あいつは教会の危険性を知らないみたいだからな。リアス先輩に連絡させてもらうか。

 

 

 

 

「教会には二度と近づいちゃ駄目よ。いつ光の矢が飛んでくるかわからないのだから」

 

 その翌日、イッセーはリアス先輩に説教を受けていた。リアス先輩曰く、悪魔は光によって死ぬと完全に消滅するらしい。おっかねぇ……。

 

「今回は、相手を送っていった、というあなたの厚意を素直に受け取ってくれたけど、もし曲解されたら戦争になってもおかしくなかったのよ。そこをしっかり理解して、反省して頂戴」

 

「はい……すみませんでした」

 

 落ち込んだ様子で頭を垂れるイッセーを見て、先輩ははっとした表情を浮かべ、

 

「それだけ、あなたのことが大事なのよ。わかって、イッセー」

 

と付け足した。ずいぶんと大事にするね。……念のため、監視してたけど、これなら別にイッセーを雑に扱うことはないだろう。あまりにも弱すぎて雑に扱うようなら、と思ってたが杞憂だったようだな。

 

「お説教は終わりましたか?」

 

 いつの間にか先輩の近くにいた朱乃さんから、全員に向けてこう告げられる。

 

 

「大公からはぐれ悪魔の討伐依頼が届きましたわ」

 

 

 

 

「はぐれ悪魔、ってのは主人を殺したり裏切ったりして、指名手配された悪魔のことだな。俺が今までやってきたのは主に異形が多かったな。なんでも割と自由に姿を買えられるから自分が一番強い、と思う姿に変わるんだと」

 

 俺ははぐれ悪魔のもとに向かう最中イッセーに説明していた。あんまりいい記憶はないがな。過去のSS級はある意味トラウマだ。気持ち悪い方で。

 

「そんなことってあるのか? 俺は部長に感謝してるんだけど……」

 

「イッセーの場合はそうだろうな。だけど、強引に眷属にされたり、待遇が悪かったりして、結構出てるらしいぞ。もっとも、俺たちみたいなのに回ってくるのは弱いってことだがな」

 

「ふーん……」

 

「ま、今回イッセーは悪魔の戦いを観察するだけだろうがな。駒の特性ってのをよく見解け? 将来ゲームで活躍するなら否が応でも覚えなきゃいけない」

 

 

 と言っている間についたようだ。小猫が顔をしかめている。

 

「……血の臭いがします」

 

「相変わらず鼻がいいな。俺は殺気以外感じんぞ?」

 

「私も同上ね」

 

 え? 何も感じないのは俺だけ? といった表情を浮かべるイッセー。まだ慣れてないからだよ。

 

「なんかいろいろなにおいがするぞ? おいしいのかな? まずいのかな?」

 

 ぞろぞろと小さな何か(小さいといっても人間サイズ)が出てくる。それに続いて大きな化け物が出てくる。……はぐれってのはどうしてこう、美しくないのかね。上半身こそ女だけど、ほかがひどい。いろいろ台無しだよ。

 

「はぐれ悪魔バイサー! あなたを魔王の名のもとに消滅させるわ。周りの憐れな傀儡も一緒にね」

 

「小賢しいぃぃぃ! 小娘が! 貴様ら全員お前の髪の様に真紅に染めてやるわ……行け!」

 

 ……雑魚こそしゃれたセリフを言うものだな。さて、お手並み拝見と行こうか。

 

「祐斗!」

 

「はい、部長」

 

 そう言って飛び出した木場が一瞬のうちに数多の傀儡を切り捨てる。もとは人間だったのかな、あれも。今や小さいバイサーみたいになってるけどな。なんかかわいそうだ。

 

「騎士の特性はスピード。神速よ。そして祐斗の1番の武器は剣よ」

 

 リアス先輩が驚くイッセーに説明する。確かに木場は強いからな。イッセーの驚きもわかるよ。

 

「ごみ虫が!」

 バイサーが小猫を踏みつぶそうとする。

「小猫ちゃん!」

 

 イッセーが叫ぶ。だけどな、あの程度で小猫がやられるわけないだろ。なんたって小猫は

「小猫は戦車。その力はシンプル。圧倒的な攻撃力と防御力よ」

 その解説をしている最中に足の裏から小猫がバイサーを持ち上げてひっくり返した。

 

「そして最後が朱乃。魔力に特化した僧侶も含めて今までのすべてを兼ね備えた最強の駒、女王よ」

「あらあら。仕方ありませんわね。覚悟してくださいね?」

 そう微笑んだ瞬間落雷。朱乃さんの魔法攻撃だ。

 

「相変わらず、容赦ない威力よね……あれ」

「いや、あれ、たぶん加減してるぞ。だってあっさり逝ってしまったらサドのあの人が楽しめないだろ?」

「それもそうか。……兵藤君がおびえてるんだけど……」

 

 イッセーを見るとぶるぶると震えてた。笑いながら魔法を撃つ朱乃さんは怖いからなぁ……

 

「大丈夫よ。朱乃は味方には優しいから。今度甘えてごらんなさい。きっと優しくしてくれるわ」

 

 そう言いながらリアス先輩はバイサーに近づく。

 

「遺言はあるかしら?」

 

「…………殺せ」

 バイサーは先輩の放った滅びの魔力により跡形もなく消し飛んだ。

 

「そういえば、俺の駒ってなんですか?」

 そうイッセーが問う。それに対してリアス先輩が答えようとしたとき、何かが暗闇から飛び出してきた。

 

 

「っ!?」

「ほう、バイサーがやられたか。なかなかの実力者のようだな」

 

 そう言って暗がりの中から出てきたのは、黒いローブをまとった壮年の男性。ただし、年齢にそぐわない巨大な剣を持っている上に腕が何本もあった。纏う殺気は……少なくともS級ってところかな。なんでこんなところにそんな強大な存在がいるんだよ……。

 

「あなたは……?」

 

 リアス先輩が緊張した面持ちでそのはぐれ悪魔に問う。彼我の実力差がわかっているのだろう。確かにリアス先輩は若手の中では優秀だが、それは若手という括りの中でだけ。こういう明らかな歴戦の猛者を相手取っては流石に分が悪い。

「俺ははぐれ悪魔、(ぜん)。ここにいたのはただの偶然だよ、グレモリーの姫君」

 

 そう言って男……漸は武器を構える。

 

「君たちが俺を見逃せないことは重々承知。だが、俺はまだやることがあるのでな。押し通らせてもらうぞ!」

 

 その瞬間、漸から圧倒的なまでの殺気が放たれる。慣れてないイッセーはすでに引け腰になっている。ほかの眷属も程度はさまざまだが、勝てないのを理解しているのか、表情は硬い。……仕方ないか。今回はただの様子見のつもりだったんだけどな。そう思って櫛名を見ると彼女も頷いていた。どうやら俺たちが出るしかなさそうだな。

 

「ちょっと待ってもらおうか、漸とやら。さすがに友人がやられるのを黙って見ていられるほど俺は薄情じゃない。つーわけで俺と一戦交えてもらうぞ」

 

 リアス先輩の前に出ながらそう言う。当然すでに居合刀は展開済みだ。

 

「ふ、貴殿はただの人間であろう? 俺のような悪魔と戦って勝てると思ってるのか?」

 

 あからさまにバカにした表情でこっちを見る漸。まぁ、下に見られるのは嫌いだが都合がいい。櫛名のほうもすでに臨戦態勢だ。と言っても、俺の戦いは基本的に1対1か1対多を主軸とする。それ故に櫛名がいては全力を出し切れないのだ。もっとも、彼女の方もそれは織り込み済み。すでに先輩たちの護衛のために準備している。

 

「さてな。やって見ないと、わからんだろうが、よ!」

 

 まずは様子見の一閃。一切の身体強化をしないで突っ込んで鞘から剣を抜かないまま打ち据える。当然防がれるだろうと思っていたのだが、

 

 

 

「ぶべらぁぁぁぁ!」

 防御も何もない。どてっぱらに俺の全力で打ち込んだ居合刀によって壁に叩きつけられる漸。は? あんた、強いんじゃないの!? そう困惑をあらわにする俺たちだったが、

 

「お、おれは……ただの見かけ倒し……だよ……」

 

 そう言って気絶した。その場に流れる微妙な空気。どうすんだこれ。

 

「え、えっと……」

 困惑する気持ちもわかりますが先輩。やることやっちゃってくださいな。じゃないとどうしようもないじゃないですか。結局その後、滅ぼす気力もわかず、冥界に転送することで、その一件は終わった。……なんなんだかなぁ。

 




これで更新終了です。次はいつ投稿になるかわかりません。
まだクリアしてないゲー……なんでもないです。

出来るだけ早めに上げる予定ではいます。曜日は決定していません。守れないのが目に見えてますので。それでは、次の更新まで。

追記 
 改訂しました。久々に書いたためずれが生じている可能性があります。ご注意ください。
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