紫炎の転生者   作:12月の雹

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長らくお待たせいたしました。12話です。

なんていうか、筆が進まなくて……。


少し短めかもしれないです。


12話 親友、殺されかけました。3回目じゃん。

はぐれ悪魔を討伐した翌日、イッセーはいつもの通りチャリを漕いで依頼主のもとに向かっていた。俺はその時、いつものようにオカルト研究部の部室にいた……わけではなく。

 

 

「いいのですか? 確か、リアスの新しい眷属はあなたの友人と聞きましたが?」

 

 

「ああ、自分の目で見てわかりました。リアス先輩はあいつを雑に扱うような人じゃないみたいなので、いつも通りの暮らしを送らせてもらうことにしますよ。さすがにずっとあいつについているほど過保護じゃないですよ」

 

 

 生徒会室でソーナ会長と会話していた。前日のはぐれ悪魔の件で確信したことは、リアス先輩はとにかく、下僕を大事にする人だということ。あのような状況だったら、何人かをおとりにして、リアス先輩か、朱乃さんがでかいのをぶちかませばよかった。イッセーに見せるためとはいえ、あんな面倒くさいことをした、さらに適材適所の用兵、その前にイッセーを心配して叱ったことなどから、信頼のおける人物だと判断した。

 

 

 

「納得していただけたようで何よりです。それで、今日はどうするのですか? 特に私たち生徒会が何とかしなければならない案件はないのですが?」

 

「そうですか……。だったら適当にゆっくりさせていただきますよ。イッセーが仕事から戻ってくるような時間になったらお暇させていただきますけどね」

 

 

 

 なんか、今日ヤバいことがイッセーの身に起こったような気がするんだが……。どうだったかな。

 

 

「といっても、特に出せるようなものはないですよ? いつも通りの紅茶になりますけど」

 

 

 多少申し訳なさそうに会長が言う。律儀だなぁ。

 

 

 

「気にしないでいいですよ。最近はこっちには来てませんでしたから」

 

 

「そうですか。それならいいのですが……椿姫にでも買ってこさせようかと思っていたのですけどね」

 

 

 

 そんなことに女王を使ってやるなよ……。そう思いながら出された紅茶を飲む。うん、今日もおいしい、が

 

 

 

 

「紅茶、種類変えましたか? 先日来たときはアールグレイだったと思うんですけど……これ、フレーバーティーですね? リンゴですか……」

 

「お嫌いでしたか? 最近違うものが飲みたいと思って変えたのですが」

 

「いえ、おいしいですよ。変わっていたから驚いただけです」

 

 おいしいことはおいしいのだが、俺はやっぱりアールグレイかな……。昔っからダージリンよりアールグレイを飲んできたからなぁ……。顔にも言葉にも出さないけどさ。

 

 

 

「それだったらよかったです。……リアスは、櫛名さんをあきらめたようですね?」

 いきなり話題が変わった。唐突に変えられるもんだから驚いてむせそうになったよ。

 

 

「いきなり、話題を変えるんですね……。ちょっとびっくりしました」

 

「失礼しました。少し気になったもので。それで、あきらめる原因とも言える兵藤君、でしたか? 彼はどうして駒を8つも消費したのですか? 調べてもあまりいい情報が入ってこなかったのですが……」

 

 

 

 

 そう言って苦い顔をする会長。だろうなぁ……。あいつのうわさと言ったら、十中八九エロ方面しか出てこないだろう。そんな人間が8つも使ったと聞いたら不思議なものだろう。

 

 

「えーと……。あんまり大きな声では言いたくないのですけど、彼の持っている神器に秘密がありまして」

 

 話すことにした。リアス先輩にも先日言ってあるし、大した問題ではないだろう。

 

「あいつの持ってる神器は、神滅具『赤龍帝の籠手』です。と言っても未だ目覚めていないようで、今の段階ですと『龍の手』と対して変わりないと思います」

 

 

 

「リアスは、とんでもない子を眷属にしたものですね……。彼で駒が8つ消費となると、あなた方はもともと転生できなかったのかもしれませんね」

 

 聞いた直後こそ驚いた顔をしたものの、すぐに冷静になって、そう言った。

 

 

「意外と冷静ですね。てっきりもっと取り乱すものかと思いましたよ。だって、この学校に神滅具持ちが3人もいた、っていうんですから」

 

 

「それもそうなのですが、大体覚悟はできてましたので。あのリアスが8つも駒を消費したという時点でおかしいと思ったものですから」

 

 そりゃそうか。とんでもないものが出てくるのは予想済み。それだけの覚悟をしてても多少表情に出てしまった、それが異常なんだな。

 

 

「そうですか……。とりあえず、あいつが今のところ問題を起こすようなことは無いと思いま……」

「先輩! いますか?」

 

 途中で言葉を遮って入室してきたのは小猫。妙に焦っているような気がするが、さて?

 

 

「どうした、小猫。焦ってるみたいだが……」

「どうした、じゃないです! 早く来てください!」

 

 

 焦った小猫に引っ張られながら生徒会室を退出する。会長に帰りのあいさつできなかったなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

「イッセーの契約者のところに悪魔狩りだと?」

 

 廊下を急いで移動している最中、俺は小猫から事情を聞いていた。なるほど、切羽詰まるのもよくわかる。それより、あいつ、どれだけ死に近いんだよ! この短期間で3回だぞ!? 異常じゃないか!? やっぱ赤龍帝の力なのかねぇ……。

 

 

「今、部長が門を開いてますけど、眷属以外は通れないんです」

「じゃ、なんで呼ばれたんだよ!?」

「座標がわかれば先輩は移動できるでしょう?」

 

 

 確かに、できるけど……。間に合うとは限らないうえに、そんな状態なら、行ったところで先輩たちが方をつけてるだろう。つまり、俺たちが急ぐわけはないってわけだが……。

 

 

「一応、だそうですよ? とりあえず、ついてきてください」

 

 

 そう言って小猫は部室に入る。そこには魔方陣の上に立っている部員と、取り残されている櫛名がいた。……だよなぁ。

 

 

「やっと来たわね。まったく、タイミングが悪いんだから……」

「愚痴は後で聞きますから。で、場所は?」

 

 

 そう言って早めに先輩から場所を聞き出す。割と、近いな。これなら神器を使ってターボかければ間に合うか……?

 

「私たちは先に転移してるから、早めに来て。何かあって増援と戦うことになったら私たちじゃ持たないから」

 

 

「わかりました。できるだけ急ぎます。だけど、間に合わない可能性が高いので、その時は、ちゃんと守ってやってくださいね?」

 

 

「当然よ。彼は私の下僕だもの」

 言葉はあれだが、信頼は出来るな。じゃ行くか。櫛名に目で合図をして、急いで部室を出る。廊下を走ることになるが仕方ない。緊急事態だ。というか、夜だし。

 

 

 

「縁! これじゃ、間に合わないんじゃないの!?」

 そう櫛名が言ってくる。

「間に合わなくても大丈夫。あいつらがいる。俺たちは後づめ。間に合えばいいが、な。たぶん俺たちの役目は敵の援軍の相手、といったところだろうな。天使の相手かもしれないが、覚悟はいいか?」

 そう俺が問うと、櫛名はため息をついて、

 

 

「どうせ今から引き返す、なんてできないんだから、聞かないでよ。覚悟を決めろ、でいいじゃない」

 それもそうか、と笑う。と校舎の外に出られたな。ここからは、

 

「櫛名。できる限り急ぐぞ。神器を発動してでも加速する。という訳でちょっと失礼」

 

 

「え、ちょ、ちょっと!?」

 足元に紫炎を発動させて加速させるため、櫛名を抱える。当然の様にお姫様抱っこなわけだが、かなり気恥ずかしいが気にしない。なんか最近多いな、こういうの。

 

 

「じゃ、行くぞ!」

 

「だからちょっと待ってってばぁ!」

 

 

 櫛名のいうことは気にしないで加速する。気にしてたら遅れる一方だからな。人通りが少ない通りを一気に駆け抜ける、と一軒だけ異様な雰囲気を纏った家があった。

 

 そこで櫛名を降ろし、窓を覗く。あまり趣味のいい行動じゃないがな。と、見えたのは、

 

 

「イッセーがいた。けがをしてるな。ついでに先輩たちもいる。どうやら間に合ったみたいだぞ。ただ……」

「ただ?」

 

 

「あの時に見たシスターもいる。服が破かれているようだが……」

「そんなことはどうでもいいでしょ! とにかく、助けに行くわよ!」

 

 

 そう言って窓ガラスを割って侵入する櫛名。……もう少し状況を見ようぜ? ったく。と思いながらも俺も侵入する。

 

 

「櫛名さん……縁!?」

 さらなる人物の登場に驚くイッセー。それとは別に、

 

 

「さらに増援かよ! 俺様ピーンチ!? そんなことよりあの人間に1撃目! いやっほう!」

 

 

 やたらと高いテンションで櫛名に切りかかる白い髪の少年神父。ここまで戦闘狂ならはぐれたやつか? でも、櫛名に挑んだのが間違いだな。たとえ光の剣でも、あいつに1撃入れるのは、至難の業だぞ。

 

 

「あはっ。元気がいいわね。でも……」

 切りかかってきた神父の剣を持っていた鉄扇で受け止める。……鉄扇、持ってたんだな。そのあと少し外側に鉄扇を傾けて相手の力を逃がし、受け流す。

 

「んなぁ!? なんで俺の剣がそんなに簡単にぃ!?」

 

 

「自信過剰。もう少し世間を見た方がいいわよ?」

 

「このクソアマ……! ぜってぇ殺す!」

 

 

 怒りのままに振るわれる剣をひょいひょいとかわす。その表情からは余裕が見て取れた。この分なら任せて大丈夫そうだな。イッセーたちは……、

 

 

「華鳥君! 堕天使の気配が近づいています! 私たちは先に退散しますから、適当なところで逃げてください。さすがに4人の堕天使を相手にはできないでしょう?」 

 そう叫んだ朱乃さんに続いて、

 

「縁! アーシアを、その子を助けてやってくれ! 頼む! お前ならできるだろう!?」

 

 

 必死に懇願するイッセー。その瞬間魔方陣が輝き、グレモリー眷属は消えた。とはいってもシスターなんだよなぁ……。そこまであっちに肩入れしてるわけでもなさそうだし、俺としても助けてやりたいんだが……。まずは俺たちが逃げないことには、どうしようもない。

 

 

「櫛名! とにかく逃げるぞ。その狂った神父の相手はもういいから、できるだけ早めに逃げる! あと、そこのシスター! アーシアとか言ったか? イッセーはあんたを助けてやってくれ、って言ってたが悪い。この状況だと無理そうだ」

 

 

 そう語りかけると、シスター・アーシアは、

「私はいいですから。イッセーさんが助かったならそれで……」

 

 

 いい子だな。……っとさすがにまずい! 異様な気配が近づいてるな。櫛名も気が付いたみたいだな。なら、

 

 

「じゃあな、白髪神父! 次は俺も相手してやるから首を洗って待ってろ!」

「もう少し、修行したらどうかしら? そんなんじゃ、私たちには勝てないわよ?」

 

 

 結局櫛名に1撃も入れられず、しまいには思いっきりカウンターを撃たれて、まだふらついている神父にそう言い残し、急いでその場を離れる。チラリと見えたシスターの顔がやさしそうな笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま、戻りましたよ、っと」

「ただいま~」

 

 

 その後、俺たちはわかれて逃走し、駒王学園に戻ってきた。別れた理由? 2人が一緒にいると狙われやすいだろ?

 

 

 

「縁! アーシアは!?」

 帰ってくるなり、俺に詰め寄るイッセー。その表情はかなり真剣で、

 

 

「すまない。あの状況だと、逃げるので精いっぱいだった。さすがに5人同時に戦うとなるときついものがある」

 

 何を言っても言い訳にしか聞こえないだろうけどな、そう最後に言って俺は深くソファに腰を下ろした。イッセーは愕然とした顔をしていた。

 

 

「……お疲れ様です」

 

 小猫のいたわりの言葉。しかし、俺は、別れ際に見せたシスターの優しそうな笑みが気になっていた。なぜ、あんな表情ができるのだろうか。見捨てられたというのにな。

 

 

 

「縁。あの子のことなら気に病むことは無いと思うわ。あの状況で無理に助けたとして、堕天使からの妨害がひどかったはず。そうなったら私たちが無事にここまで逃げれた、という保証はないもの。また、機会があったら助けに行きましょう? だって、あの子のいるところは知っているもの、ね?」

 

 

 最後の言葉は俺だけに聞こえるように言ったようだった。というのも、走り通しで結構疲れていたことと、考え事のせいで注意力が散漫になっていた、というだけのことなのだが。

 

 

「……そうだな。先輩。今日は俺たちは失礼します。ちょっと考えたいこともあるんで」

 

「ええ、わかったわ。……あのシスターを助けに行く、なんて言わないでね? 堕天使側を刺激して、戦争になったらたまらないもの」

 

 

 リアス先輩からの念押し。ま、今のところは動く気がないんだけどね。

 

 

「わかってますよ。……それじゃ、また後日」

「じゃあね~」

 

 

 櫛名は全員に手をふって、俺はひらひらと後ろ手を振りながらオカルト研究部を後にしたのだった。




という訳でした。

最近side変えてないなぁ。

次回は変えるつもりでいます。

今回も変えた方がよかったのかも……



前回の話、いつか大幅変更かけたいですね。
自分で読んでてこりゃあひどい、ってなっちゃったので。

それでは次回更新まで。
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