紫炎の転生者   作:12月の雹

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IP制限のおかげで投稿が遅れました……。

とりあえず、文字数がかなり多いのは、申し訳ないです。


……書いてる最中に別の人を選べばよかったと思いました……。
楯無さん難しいです。


4話 転生者華蝶縁の日常 休日篇

今日は待ちに待った休日である。ゆっくり夢の世界を旅したいところだが……そんなことをしたら永遠に帰ってこれなくなる可能性がある。その理由は、

 

 

 

「ふっ!」

 

 

 

 ばふん、とさっきまで俺が頭を載せていた枕が両脇から羽毛を飛び散らせてその生(無生物だけど)を終えた。この枕に変えてから通算50回目の奇襲である。

 

 

 犯人はわかっている。ってか俺の寝室にずかずかと入り込んでこれる人物は1人である。その人物は思いっきりかかと落としを決めた体制でこちらに猫のような笑いを向けてきていた。言うまでもない。トラブルメーカーの櫛名である。今回は早朝バズーカと書かれた扇子。……まさか手作りか? 時計を見ると朝4時……確かに早朝だ。

 

 

 

「おはよう。今日も目覚めはさっぱりね」

 

 

「いつも言ってるがそれ、避け損ねたらひどいことになるだろ? 頭がトマトみたいにクシャリとかいやだぜ、そんなスプラッタ」

 

 

「だから手加減してるじゃない」

 

 

 あれのどこが手加減している威力なのだか小一時間問い詰めたいが、そんな無益なことはしない。1回やったら次の休みから俺のベッドで添い寝し始めたのだ。……まぁ、役得かな。

 

 

「はぁ……まぁいいや、ちょっと待ってな。今枕を直すから」

 

 

 

 ここからが閻魔にもらった力の見せ所。櫛名にはすでにこの力ともう一つの力のことは伝えてある。

 

 なんか知らないが櫛名は櫛名で神滅具《ロンギヌス》を持ってるみたいだが……まだ発現してないようだ。ここは一誠とお揃いかな。

 

 

 左手を枕にかざす。そうすると枕の境界線が曖昧になる。ついでに枕の周りもなんだかよくわからない色の空間に変わっていく。これが閻魔からもらった『夢』の支配の力。神器で言うと『眠りの王(ヒュプノーシス)』とか言うらしい。

 

 眠ってる時の夢だけじゃなくてその気になったら子供の夢とかをかなえることも出来るんだけどね。もちろん常識から外れていないことが大前提だが。

 

 

 

 そうこうしてるうちに枕が完全にその形を失う。夢の世界に現実が溶け込んだのだ。今度はその逆。夢の世界で枕を作成する……大きさは、これぐらい。硬さは、こんなもんだろう。これで確定させて……ゆっくりと現実に引きずり出す。

 

 

 

 そうして枕の像が結ばさると同時に能力を解除。これで枕作成は完了……手順が長い? まだゆっくりやらないとぐちゃぐちゃになるんだよ。将来的には一瞬で武器を作成するのが目標かな。

 

 

 

「お見事。にしてもいつみても不思議な術よね、それ」

 

 

 櫛名が拍手で返してくれる。

 

 

「ん~。まぁ、な。それよりも、今日も訓練か?」

 

 

 

「そうね……といっても今日は出かけたいから少なめにするわ」

 

 

 

 そうか、と言って立つと目で櫛名に出て行けという。

 

 ここは幼馴染。うまく伝わったのか部屋を出てくれる。俺は急いで寝間着からジャージに着替える。急がないと櫛名からの逆セクハラが待ってる。

 

 

 着替え終わったら櫛名がいるはずの台所へ。今日も今日とて朝食を作ってくれるようだ。

 

 

 

 夏場に水着エプロンでやられた日はびっくりしたなぁ……目のやり場に困ったんだよな。しかもその時に限って起きてきた父さんが、すごくうれしそうな顔をして、母さんに思いっきり頬をひっぱられていたのを鮮明に覚えているよ。しばらく父さんはその時間に起きてくるようになったんだけど……櫛名もさすがに恥ずかしかったのか、あの後は1回もやってないなぁ……。

 

 

「はい、簡単なものだけどね。どうぞ」

 

 

 

 と言って出てきたのはちょうどいい焼き加減の目玉焼き、ベーコン、トーストだった。

 

 

 さて、みなさん、ここで問題です。目玉焼きには何をかけますか? うちの家族はそれでもめた。俺が醤油派、父さんがソース派、母さんが塩派だったのだ。そんなんで一家離散しそうになったのは冗談じゃなかった。

 

 

 あの時更識一家がとりなしてくれなければ、本当に危なかった。ちなみに櫛名も醤油派だった。

 

 と考えながら食べていると俺の前にさらに3つの同じメニューが並ぶ。別に俺に食えと言ってるわけではなくて、櫛名の分とうちの両親の分だ。大体朝食は櫛名が作る。早朝から俺の家に来ることが許可されてるのもそれが理由だ。

 

 

 櫛名より早めに食べ終わった俺は両親の分の皿にラップをかけて、テーブルの上に口を切っていない食パン1斤おいておく。これであとは櫛名が食べ終わるのを待つだけだ。

 

 

 

 

 

 のんびりと櫛名が食べ終わるのを待っていたら結構時間が過ぎてしまった。

 

 

「そろそろいかないとまずくないか?」

 

 

 

 そう? と時計を見た櫛名は頷いて残っていたコーヒーを飲みほして食器を洗い場に片づけた。

 

 

 

「じゃ、行きましょうか」

 

 

 

 そういって俺たちが向かうのは近くにある山。ここの山を俺特製の結界で覆う。もちろん神器を使っているので、悪魔に感知される心配はそこまでしなくていい。

 

 

 

 

 

「さて、今日こそは寝坊助な櫛名の神器を起こすとしますか」

 

 

 

 これから行うのは櫛名の神滅具を目覚めさせる特訓である。当然俺も神滅具を使うわけで……さすがに山が吹っ飛ぶので結界で保護してるってわけ。

 

 

 

「その言い方だとまるで私が寝坊助みたいじゃない……」

 

 

 

 不満そうな櫛名はさておき、俺も閻魔が特別に付け足してくれた神滅具を発現させるために、深呼吸……

 

 

 来い、『紫炎祭主による磔台』! 心の中で俺がその神滅具の名を呼ぶ。すると俺を中心に紫の豪炎が立ち上る。山でやったら大火事確定だな。

 

 

 

「あっつぅ……相変わらず馬鹿げた火力ね……。私もあんなの持ってるのかしら……。それじゃ、行くわよ!」

 

 

 そういって櫛名は紫の炎の中を突き進んでくる。殺さない程度の火力を保ちながらも生命の危機を感じるレベルの炎、という矛盾を乗り越えながら紫炎を操り櫛名を追いつめる。

 

 

 純粋な体術だとギリギリ負けるんだが、こと武器を持ったりすれば俺と櫛名の勝敗は逆転する。ランスや銃器の扱いはうまいのだが、それ以上に小回りの利く俺相手には厳しいのだ。

 

 と、思っていると櫛名が紫炎に囲まれていた。うまくはまってくれたようで何より。

 

 

 

「さて、これで櫛名は逃げられないわけだが……発現しそうか?」

 

 

 

「ぜ~んぜん。うんともすんとも言わないわ」

 

 

 首を振る櫛名。仕方ない。ここは日ごろの恨み……もとい櫛名のこれからの安全のために心を鬼にして!

 

 

 

「ふ~ん……そう……じゃ、思いっきり行くしかないか!」

 

 

「え!? ちょ、ちょっとま「焼き尽くせ、『紫炎祭主による磔台』!」

 

 

 その言葉を皮切りに櫛名の周りの紫炎がより大きく燃え盛る。

 

 

 

「大丈夫! ここは夢と現の境。死ぬようなことはないはずさ! ……たぶん」

 

 

 

 櫛名は聞こえたのだろうか。さて、どうなったかな。これで発現しなければ櫛名は灰すら残さず焼けてるかもなぁ……ちょっとヤバい?

 

 

 

 

 

 

 そんな思考をしてすぐ。

 

 櫛名の周りを囲んでいた紫炎に異変が起きた。ピキピキと音を立てて炎が凍っていく。へ? 炎、しかも神滅具の火炎だぞ!? そう簡単に凍るわけは……。

 

そう考えて思い出した。13種類ある神滅具。その中で氷に関するものがあったことを。

 

 

「櫛名は氷で俺は炎か……どこまでも正反対だな」

 

 

 その言葉をつぶやいた瞬間炎ごと氷が砕け散った。その中にいたのはほかでもない。氷の結晶が粉々になって降り注ぐ中に悠然と立つ櫛名は、なんていうか、とてもきれいだった。

 

 

「できた……」

 

 

 俺のところに駆け寄ってきた櫛名は開口一番そうつぶやいた。

 

 

「おめでとさん。……たしかにそりゃ神滅具の一つだな」

 

 

 

 まじまじと櫛名の腕についたブレスレットを見ながら言う。

 

 

「そう……これで、ようやく縁と同じ舞台に立てたわけね……! それで? この神滅具の名前はなんていうのかしら?」

 

 

「たぶんだけど、それは『永遠の氷姫(アブソリュート・ディマイズ)』だな。いくら抑えたとはいえ俺の神滅具の炎を凍らせるなんて芸当は、おんなじ神滅具にしかできないだろうしな」

 

 

 そういうと得心した顔で頷きながら

 

 

「そういえば、私が神器に目覚めたらこの力の説明をしてくれるって約束じゃなかったかしら?」

 

 

 と真面目な顔で言う。仕方ない。目覚めさせた以上は責任を持って説明しますよ。

 

 

 

「長くなるうえに対して面白くない話だってことは頭に入れておいてな。まず神器ってのは文字通り神が作った、人間にしか宿らないすさまじい力のことだな。

 歴史上の有名人は大方この神器を持っていた、って言われてる。例を挙げるんなら……そうだな、聖女ジャンヌとか、三国志の劉備とかになるのかもしれんな。んで、神滅具っていうのはその神器の中でも神をも屠れるほどの力を持ったものなんだ。これが全部で13種類あってな? ……聞きたいか?」

 

 

 

 そう櫛名に問いかけると頷きが返ってきたので

 

 

「まず、上位神滅具からだな。初めはやっぱりこれだろう。『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』。神滅具の呼び名のもととなった槍で、唯一実際にキリストという神を貫いてる最強の神滅具だな。

 次、『魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)』。無数にどんな魔獣でもつくりだせる神滅具だな。ほら、昔映画で見たキング○ドラとかもつくれるんだってさ」

 

 

 いったん言葉を切って水分を口に含む。その際に櫛名の顔を見たが、あまりのスケールにポカーンとした顔をしてんなぁ……

 

 

「大丈夫か? だめっぽいならここでやめるけど……」

 

 

「いや、大丈夫。ちょっと認めるのが難しかっただけだから。続きどうぞ?」

 

 

 櫛名に先を促されたのでさらに続ける。

 

 

「んじゃ行くぜ。次は『絶霧(ディメンション・ロスト)』。これは霧によって隔絶された結界を作り出す神滅具だな。その気になったら国まるまんま一つ消し去ることも出来るんだと。

 上位神滅具最後は『煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)』。天候を意のままに操ることが出来る神滅具」

 

 

 ここまでで一息をつく。はなしが途切れたとみて櫛名が

 

 

「なんかスケールが大きすぎてついていくので精いっぱいよ……まだこんなのあるの?」

 

 

 

「ここまでひどいのはないよ。後は結構単調かな。

 じゃ、続けていきます。『獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)』。これは機能が多すぎてなぁ……。馬鹿げたパワーを誇る神滅具で所有者に飛び道具に対する耐性をつけるのが大きなところなのかな? 

 次『幽世の聖杯(セフィロと・グラール)』。詳しい効果は不明。たぶん回復系かとも思うんだけど……よくわからん。

 次『黒刃の狗神(ケイニス・リュカオン)』。これも不明。たぶん切断系の能力。

 んで『蒼き革新の箱庭(イノベート・クリア)』。これも俺はわかんない。結界系じゃないかな。名称的にさ。

 そして俺の『紫炎祭主による磔台(インシネレート・アンセム)』。能力はわかってると思うけど超高温の炎を操ること、そして焼き殺した相手の力を奪うこと。所有者は俺。

 次。これが一番わかりやすいか。なんたって自分の神滅具だしね。『永遠の氷姫(アブソリュート・ディマイズ)』。絶対零度による氷結と……もう一つあるはずなんだけど、俺はわからないや」

 

 

 やり遂げた~。という表情をする俺とは対照的に指折り数えながら疑問そうな顔をする櫛名。ま、わざと2つほど言ってないからな。いやでも関わる者だろうし……ね。

 

 

 

 

「いや、満足そうな顔をするのはちゃんと説明を終えてからにしてくれない? まだ2つ残ってるでしょう?」

 

 

「…………どうしても聞きたいの?」

 

 

「え? ええ、まぁ。ここまで来たら2つ増えたぐらいどうってことないわ」

 

 

「これから先いやってほど関わってくもののはずだから知らなくてもいいんじゃない?」

 

 

 

「いや、その理屈はおかしい。普通は逆! しっかり教えてよね。セ・ン・セ?」

 

 

 

 いたずらのような顔でこちらを見てくるが目は笑ってない。……ここまで来て教えないのは往生際が悪いか。まだ俺は原作の事件から遠ざかろうとしているらしい。……腹くくるか。

 

 

 

「わかった、わかった。教えるよ。ただ……あんまり関わりたくない神滅具だってことは覚えといて。

 最後から二つ目は『白龍皇の光翼(ディバイン・デバイディング)』。能力は触れた対象の力を10秒おきに半減し、自分の力とすること。

 最後が『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』。所有者の力を10秒おきに倍加していく力の権化。増加させた力を誰かに譲渡することも可能らしいな。

 この二つは龍を封じた神滅具でな。かかわった人間はロクな死に方をしないらしい。だから関わりたくないんだよ。

 ……もう無駄かもだけどな」

 

 

 最後の言葉を聞きとがめた櫛名が言葉を発する前に

 

 

 

「『赤龍帝の籠手』の所有者は、兵藤一誠だよ……。」

 

 

 櫛名のびっくりした顔が忘れられない日になった。

 

 

 

 

 

 

「そういえばさっき人間にしか使えない力って言ったじゃない? やっぱりなんかいるの?」

 

 

 

 意外と鋭い櫛名さん。やっぱりIS学園生徒会長は違うねぇ。……この世界では違うけどさ。

 

 

 

「いるよ。悪魔、堕天使、天使に神仏。魔獣に妖怪なんでもござれさ。ちなみに俺たちの身近にも木場っていう悪魔の眷属がいるがな」

 

 

 

「……冗談でしょ?」

 

 

「いやまじまじ。今度気配探ってみ。人間じゃないってわかるからさ」

 

 

 

 意外と身近に悪魔っているのねぇと変なところで感心した櫛名であった。

 

 

 

 

 

 

「そういえば」

「ん?」

 

 

 下山中に櫛名が話しかけてきた。

 

 

「さっき、本気で私を殺そうとしなかったかしら?」

 

 

 ……まずい……。これは……本気でまずい。

 

 

 

「い、いや、それは……その~。ほら! ああでもしないと目覚めそうになかったってことで……だめ?」

 

 

 

「ダ・メ。後で覚えてなさい……」

 

 俺、笑い死ぬかも……。

 

 

 

 

 

 

 櫛名が買いたいものがあるというので、今晩来るであろう死刑を少しでも軽くしようと荷物持ちをかってでたのだ。汗をシャワーで流した後に家の前で櫛名を待つ。

 

 しばらくしてから櫛名が出てきた。見慣れたような私服だが……どこか気合が入っているように見える。まぁ、いくら幼馴染とはいえ、女性が私服を着ているときには褒めないと失礼だよな。

 

 

「櫛名、その服、新調したのか?」

 

 

「え? ええ、まぁね。どうかしら? 似合う?」

 

 

 

 ふむ……なんて言うか、いつもの櫛名のつかみどころのないイメージとは違ってきちっとしてる気がするな。櫛名の特異な青っぽい髪ともしっかりマッチしてるし。

 

 

 

「いいと思うぞ。個人的には前回の服装よりも好みかな。あ、髪形も少し変えてきたのか? それで少し雰囲気が違うんだな」

 

 

 

 納得納得。ふと櫛名のほうを見ると顔を真っ赤にしていた。幼馴染なんだから、今更恥ずかしがることもないだろうに。

 

 

 

「ほれ、行くぞ。そんなところで突っ立ってたら日が暮れる」

 

 

 そういって先に歩く。そうするとパタパタと半歩後ろに櫛名の気配。まだ真っ赤でうつむいてるのか。やれやれ。

 

 

 

 

 

≪櫛名side≫

 

 

 

 うう、まさかあんな些細な服装の変化にも気が付くなんて……髪形まで気が付かれちゃったし……幼馴染だからよく見てるって言うんでしょうね。彼は。

 

 でも、普通幼馴染の変化になんか気が付かないものなのよ? 世の中の男性には恋人が髪形を変えても気が付かない人がたくさんいるんだから。

 

 こんなのを天然でやってるんだったら本当にいつか私の知らないところに行っちゃうんじゃないだろうか。今回の神器のことだってそうだ。彼のいる世界に少しでも近づきたくて頑張った。学校もそう。私が彼に向ける感情はきっと幼馴染としてじゃない。もっと別の……。

 

 

 

 とにかく! 私の目の黒いうちは変な女がよりつかないように見張ってなくちゃ!      

     Sideout……。

 

≪縁side≫

 

 

 

 やってきました繁華街。ここまで来たらそろわないものはないだろう。櫛名も機嫌を直してすでに買い物先に向かっている。その後ろを俺が半歩離れて歩く、といった状態。……周りの視線は痛いけどな!

 

 

 

 

 櫛名が入ったのはアクセサリーショップ。やっぱり女の子だよなぁ、と思いながら財布を確認。よし、大丈夫。櫛名がじーっと見ているものをチェック。

 

 機嫌取りじゃなくて、なんか、こう、頑張ったご褒美みたいなのを上げたいじゃん。そういうやつ!

 

 

 

「それ、ほしいのか?」

 

 

 

 櫛名がずっと見ていたのは髪留め。櫛名は外跳ねのくせっ毛でさらにショートだから、いらないんじゃないか、と思いながらも口には出さない。んなデリカシーがないことは言わないよ。

 

 

 

「い、いや。みてただけよ。私に髪留めなんて似合わないし……」

 

 

 

 とか言いながらちらちらと視線を髪留めに移す櫛名。……わかりやすいことで。

 

 

 

「そう? あ、悪い、櫛名。ちょっと、トイレ行ってくるわ」

 

 

 

「ああ、はい。わかったわ。私は向かいのCDショップにいるから。終わったら来てね」

 

 

 

「はいよ」

 

 

 

 そういいながら俺はその場を離れる。櫛名は少し名残惜しそうな顔をしてCDショップに行った。

 

     今がチャンス! 

 

さっそく櫛名が見ていた髪留めを店員に注文。するとイニシャルを掘ってくれる、とのことなのでK・Sと頼んでおいた。

 

 

 うん、櫛名・更識、だからな。

 

 待ってる間中店員の生暖かい目が少々不快だったが我慢我慢。出来上がった際にプレゼント用の包装をしてもらって完成。後は渡すタイミングだな。

 

 

 そんなことを考えながら俺は目の前のCDショップに行くのだった。

 

 

 

 その後、書店、服飾店、電気屋などを見て回った俺たちは、休憩するべく喫茶店に向かっていた。大分櫛名の機嫌はいいらしく鼻歌なんかを歌っている。

 

 

 

 

「あら? あなたたちは……ちょっといいかしら?」

 

 

 

 いきなり三人組の女性に呼び止められた。

 

 誰だよ、と思いながら振り向けば、そこにいたのは駒王学園の昼の支配者の生徒会役員、支取蒼那先輩と裏の支配者である、リアス・グレモリー先輩と姫島朱乃先輩がいらっしゃった。

 

 

 ……うわぁ―お。超VIPじゃん。




そういえば、自分の作品に出てきたラノベ全部わかる人っているんですかね……。
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