紫炎の転生者   作:12月の雹

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原作に入れない~……。
一体いつになったら一誠が活躍できるんだ……。


今回はくーちゃん(楯無さん)置き去り回。

ヒロインなのに……。


5話 悪魔との邂逅は突然に

 結局先輩たちに押し切られる形で喫茶店に来てしまった。……こんなところを一誠に見られたらどんな反応するんだろうな……。ちょっと楽しみかも。

 

 何せ学園の人気ランキング上位5人がここに集結してるからな。1位は言わずもがな、リアス先輩。2位は朱乃さん、3位は蒼那さんで4位が櫛名。で女子の圧倒的な評価をもってして5位が俺だそうだ(新聞部の友人調べ)。嬉しいのか恥ずかしいのか、って感じだな。

 

 

 

「それで? どういったご用件でしょうか?」

 

 

 櫛名……一気に不機嫌になったなぁ……気づいてるのかね。目の前の三人が悪魔だってことにさ。

 

 

 

「そう硬くならないで。私たちはただ後輩とお話がしたいだけなのだから」

 

 

 とリアス先輩。嘘だな。ほんの少し目が揺れた。

 

 あれかな。木場を完膚なきまでに負かしたことを知っている……とかか? んで眷属に誘いに来たとか……ありそうだな。

 

 

 

 櫛名も強いってことは評判になってるし……確か、現在リアス先輩の残りの駒は……《騎士》1つ。《戦車》が1つ。《僧侶》が1つに《兵士》が8つか……転生不可、なんてオチはないな、こりゃ。

 

 

 

 蒼那さんの手持ちは……似たり寄ったりってところかな。どちらにせよ、俺は悪魔になるつもりはさらさらない。人間として人生を生きていくつもりだからな。

 

 

 

「そういえば、木場君を倒したんですってね。ふふ、すごいですわね」

 

 

「それはどうもありがとうございます。でも木場君も強かったですよ?」

 

 

 

 朱乃さんに褒められたので表面上は穏やかにお礼を言っておく。もちろんつくり笑顔だってばれないようにね。

 

 その際、隣にいる櫛名の手に見えないところでアクマ、サンニンとカタカナで書く。これで櫛名にも伝わったはず。現に手を握り返してくれたしな。

 

 

 

「あれだけ簡単に勝っておいてよく言いますね。かなり実力の開きがあるのではありませんか?」

 

 

 これは蒼那さん。なんか詰問っぽいなぁ……堅そうな雰囲気と相まって威圧感があるな。

 

 

 

「そんなことはないですよ……って言ったら堂々巡りになりますね……」

 

 

 

 そこでくすりと笑っておく。さて、そろそろ、やるか。この手の連中はずっと話してると秘密を全部しゃべりそうになっちゃうからな。

 

 そう思いながら俺は神器『眠りの王』を発動させる。周囲の風景がぐにゃりと歪み、目に悪そうな極彩色の空間に変わる。これで、何をしゃべっても問題はないはず。

 

 

 目の前の3人も警戒してるし……ここは簡潔に行こうか。

 

 

 

 

「で? 何が目的ですか? 言っておきますが、ここに俺たち以外の人はいませんし、入ってこれません。これ以上茶番に付き合う気はないんですよ。俺は」

 

 

 

 そういってさらに夢の世界へと引き込む……8割がた入ったか。これでいいだろう。

 

 

 

「あなた、いったい……?」

「その質問にお答えしましょう。リアス先輩。これは俺の神器『眠りの王』。聞いたことぐらいあるでしょう? 悪魔なら……ね」

 

 

 

 ピシリと空気が張り詰める音が聞こえた気がした。3人とも臨戦態勢だな。でも、争う気は、ないんだなぁ、これが。

 

 

 

「まぁ、楽にしてくださいな。別にあなた方と戦う気はないんです。戦ったら後が怖い。子供の喧嘩に親が出る……じゃなくて姉と兄が出るのか? まぁいいや。ここに引き込んだのはてっとり早く会話がしたかったから。俺は回りくどいのは嫌いなんですよ」

 

 

 

 そうは言ったものの、3人は警戒態勢を解かない。当然のことだな。ここで警戒を解くのはバカのすることだ。ならば……

 

 

「ご安心してください。俺は別に堕天使サイドの人間でも天界サイドの人間でもありません。ただ、少々特殊な事情を持っているただの人間ですよ。人間ごとき、あなた方なら簡単に殺せるでしょう? ほら、そんな物騒な魔力はしまってしまって」

 

 

 その言葉にしぶしぶながら魔力を収める3人。ここで納めなければ人間を畏怖する悪魔、という何とも恥ずかしいレッテルが貼られるからな。プライドの高い貴族サマには効果抜群だろう。

 

 

 

「櫛名も殺気を出さない。よっぽどのことがない限り、この空間で俺たちが負けることはないよ。ほら、穏便に行こうぜ」

 

 

 

 こそりと櫛名に耳打ち。そうするとようやく、こちらもしぶしぶながらも殺気をしまった。

 

 

 ……あぶねぇな……いくらこの空間で俺たちに負けはないとはいえ、さすがに手の内を晒しすぎる。

 

 

 

 それじゃまずいんだ。櫛名も神滅具は目覚めたばかりで安定してないし、いざ戦いになると俺の『眠りの王』だけじゃ戦力不足だ。

 

 

 そうなると今度は俺の『紫炎祭主による磔台』を出さなきゃいけないんだが、複数の神器を所持している、さらに神滅具持ち、となったらどんな刺客が来るかわかったもんじゃない。

 

 

 俺のあの力は加減がしにくいから勢いで燃やしちまうかもしれないしな。そうなったらアウト。シスコンの魔王二人とその眷属+堕天使の幹部なんて相手にできない。

 

 つまりここは多少手の内を見せながらできる限り友好的に接するのが正解だろう……。

 

 

 

「それで? 何が、目的ですか?」

 

 

 

 結構怒りを抑えたような声で櫛名が問う。それに対し

 

 

 

「簡潔に言うわ。あなた方に私かソーナの眷属になってほしいのよ」

 

 

 

 ふむ、やはりな。んなことだろうと思ったよ。櫛名はちょっと訳が分からないという顔をしてるが今はそれどころじゃない。

 

 

 

「申し訳ないですが、そのお誘いは断らせていただきます。俺は、俺たちは人間であることに満足してますので」

 

 

 

「本当にそう? たとえば……更識さん。あなた、好きな人とずっと一緒にいたいと思わない?」

 

 

 

 

 ちっ。櫛名に話を振ったか。さて、どうなるかな……ここからは賭けだ……。

 

 

 

 櫛名はしばらく考えて口を切った。

 

 

 

「確かに、好きな人とはずっと一緒にいたいです。でも……その人が望まない形で一緒にいる、なんてことはしたくありません」

 

 そこで櫛名は言葉を切る。そして強い決意を持ってこう言い放った。

 

  

 

 

    「だから、私は、私たちは、悪魔には転生しません」

 

 

 

 

 ふぅ……とりあえずはセーフだな……軽い告白になってるのは櫛名、気づいてんのかな?

 

 

  まぁいい。これで、俺たちの意思は伝えた。この二人は俺たちの意思を無視して無理やり眷属にするようなことはないだろう。そう考えて気を緩めた俺だったが、

 

 

 

「わかりました。では、眷属にすることは諦めます。……ですが、私たち3人に一切気づかれることなく一瞬でこのような結界を作る人を野放し、というのも危険です。なので、どうでしょう? 私たちの外部協力者として協力してくれませんか?」

 

 

 

 やられた……さすが蒼那さん……。抜け目がない。ここで了承しなければ俺たちが危険分子、か。仕方ない。最大限譲歩してくれたんだ。俺たちも歩みよらないとな。

 

 

 

「はぁ……わかりました。こちらの負けです。外部協力者、ということでよろしくお願いします。櫛名は、どうする? さっきの条件だと俺だけが当てはまるんだが?」

 

 

 

 そう問いかけると櫛名は頷いて、

 

 

「私もそれでいいです。むしろお願いします。ちょっと私の神器は特別みたいなので詳しい人の協力が欲しかったんです」

 

 

 

 

 フム。一石二鳥だな。櫛名は修業ができる、俺は魔王という強力な後ろ盾ができる。

 

 この際、俺たちの神滅具を隠しておくのはマイナスになりそうだな。

 

 

 

「へぇ、あなたも神器持ちなのね? 神器の名前を教えてもらってもいいかしら?」

 

む、それはまずい。できるなら持った後にばらしたい。ここは、

 

 

「その前に、自己紹介といきましょう。いつまでも又聞きの名前で呼び合うのもなんでしょう?」

 

 

 

「うふふ、そうですわね。では私から。私はリアス・グレモリーの《女王》姫島朱乃ですわ。よろしくお願いしますね、お二方。」

 

「私はリアス・グレモリーよ。爵位は侯爵。よろしくね」

 

「私はソーナ・シトリ―です。同じく爵位は侯爵。……リアスとは幼馴染なの。よろしく」

 

 

 

 これで悪魔勢の自己紹介は終了。次は俺たちだな。と思って櫛名を促す。櫛名は頷いて、

 

 

 

「私は更識櫛名です。気軽に櫛名って呼んでください……くーちゃんでもいいですよ?」

 

 

 

 その言葉で少し場の空気が和む。そして続けて、

 

 

「所持神器は……」

 

 

 

 そこで俺の方を見る。頷いてゴーサインを出す。後は、なるようになるさ!

 

 

 

 

「所持神器は、13個の神滅具の一つ、『永遠の氷姫』です」

 

 

 

 先輩たちの目が丸くなる。そりゃそうだ。ただの神器かと思ったら規格外も規格外、神滅具だもんな。

 

 

 

 

「先輩方。驚いて、質問したい気持ちもわかりますが、俺の自己紹介が終わってからにしてくれませんか?」

 

 

 

「そ、そうね。ごめんなさい。急に神滅具の名前が出たものだからびっくりしちゃって……ごめんなさい。どうぞ?」

 

 

「では。俺は華蝶縁。きれいな方の華、という字に飛び回る蝶、そして人の縁と書いて華蝶縁です。この出会いが良い縁であればいいですね。

 ……失礼しました。話がそれました。櫛名とは幼馴染で、神器、悪魔について教えたのも俺です」

 

 

 

 そこでいったん言葉を切る、さて、どんな反応が来るのかな。きっと今の俺の顔はいつもの櫛名の様にいたずらな顔なのだろう。

 

 

 

「所持神器は『眠りの王』」

 

 

 うんそうよね。と先輩たちが納得して終わらせようとするのを遮って、

 

 

「そしてもう1つ。13個の神滅具のうちの1つ『紫炎祭主による磔台』です」

 

 

 

 

 

 

先輩たちが驚く顔を尻目に、俺たちはまるでいたずらが成功した子供の様に笑うのだった。




もう少しで原作前も終了……できるんでしょうか。

6話目を執筆中ですがなんかもう1話原作前の話になりそうです……。
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