紫炎の転生者   作:12月の雹

6 / 18
今度こそ、次の話で原作前終了です。

原作に入って1話を上げると同時に亀更新になると思います。


6話 こうして原作に介入しなければいけなくなった

縁side

 

「まったく、前代未聞よ。いくら神滅具が宿るのはランダムとはいえ、まさか幼馴染に、しかもあなた方っていう超ド級の実力者に宿るなんて……」

 

 

「そうね。もし転生させる、なんて言ったらいったいどれぐらいの駒を使ったかわからないわね」

 

 

「本当に驚きですわ……」

 

 

 リアス先輩、ソーナさん、朱乃さんの順での発言である。

 

 

 

「まぁ……そうでしょうね。俺に至っては二つも神器持ってますしね」

 

 

 

 そういった俺に対してリアス先輩は、

 

 

「そう、それが聞きたかったのよ。あなた、誰から、どっちの神器を奪ったの?」

 

 

 

 

 それを聞いて櫛名が不思議そうな顔をする。ついでだから、悪魔の現在の状況について説明してもらおうか。俺が説明してまた詰問されてもめんどくさいしな。……今の状況下で櫛名に詰問されてないのがすでに奇跡的だし。

 

 

 

「俺の神器2つは先天的ですよ。どうやら特異体質みたいです」

 

 

 

 

 

「……。どこまでも規格外の人ですね。私たちのことを知っていたことも、騎士の力を使った木場君を圧倒したことも。先ほどの言葉からとるに……私たちの家族のことも知っているみたいですし……。あなた、本当に何者ですか?」

 

 

 

 

 

まずい……調子に乗りすぎた……。どう誤魔化そう……。櫛名もなんか聞きたそうな顔してるし……。転生者だってことを伝えてもいいのだろうか……だー! わからん!

 

 

 

 

「そういえば私も聞きたかったのよね~。私も知らない裏世界の事情を知ってたりするし、どういうことか、幼馴染の私に説明がないのはねぇ~」

 

 

 

 

口調は軽いけど目が……笑ってない……。櫛名さえいなければ適当に誤魔化せたものを……。

 

 あ、更識家はやっぱり裏世界の人でした。現在は父さんが当主よ、とは本人談。

 

 

 

 

「あ~……えっと……これは……」

 

 

 

「ずいぶんと口ごもるんですわね。これはぜひとも聞き出さなくてはなりませんわね」

 

 

 

 

 うっわ……朱乃さんまで乗ってきちゃった……しかもサディスティックな笑みを浮かべて! 

 こうなりゃリアス先輩に……なんか期待感丸出しでこっち見てるし! 俺にどうしろっていうんだよ! ここで俺が取れる行動は3つ。

 

 

 

1 苦しい言い訳で誤魔化す。……ないな。下手なことを言ったら櫛名が指摘してくる。

 

 

 

2 真実を話す。……できたらばらしたくないので最終手段。

 

 

 

3 強引に話題を変える。……無理だ。ソーナさんと櫛名が許してくれそうにない。

 

 

 

 こんな八方ふさがりの状態の俺にふっと名案が浮かんだ。

 

 そうだ、そうだよ。原作の9巻で初代が言ってたセリフ! あれから考えるに神器、少なくとも神滅具には先代の意思があるはず。これなら!

 

 

 

 

「実は、ですね。俺の神滅具に残っていた所有者の思念を『眠りの王』で覗いたんですよ。それで、いろいろな知識が入ったんです。……これ、秘密ですよ?」

 

 

 

 

これでいい。これなら事実確認が取れないから俺の言うことを信じるしかないはず! 俺、ナイス。

 

 

「そうなの? そんなことってあるのねぇ……」

 

「なるほど。そういうことでしたか。納得しました」

 

「あら、意外と普通でしたわね……つまらないですわ」

 

 

よし、問題なし。先輩たちは誤魔化されてくれたようだ。

 

 

 櫛名は……だめか。あいつは俺のくせを見抜いてるからな……。嘘だってわかったんだろう……。

 

 

 

「そうなのね? なら、私の神滅具にも宿ってるのかしら?」

 

 

 

ありがたい。だまされたふりをしてくれたみたいだ。……櫛名には、いずれしっかり話さないとな……。

 

 

 

「どうだろうね。俺がそれを覗けたのは偶然だったし……。神滅具の中には会話ができるくらいにはっきりとした意思を持ってるのもあるみたいだから、いつか会話できるようになるかもね。

 

 ……それより、リアス先輩。さっきの眷属云々について説明してもらっていいですか? 櫛名も俺もよく理解してないんですよ」

 

 

 

これでいいだろう。神器については俺が説明することになるかもしれないけど。

 

 

 

「え? そうなの? てっきりそこまで詳しいから理解しているものとばかり思っていたわ。……じゃ、今の悪魔の状況について説明するわね」

 

 

 

 コホン、と咳払いをして話し始めるリアス先輩。

 

 

「昔、悪魔と天使と堕天使の間で大きな戦いがあったの。それこそ3大勢力すべてに大きな打撃を与えるぐらいの、ね。天使や堕天使もたくさんの数が死んだけれど、悪魔も大勢死んだわ。その戦いで4大魔王様も全員亡くなって……。

 今は役職名としてその名前が残るのみね。

 その上72柱と呼ばれる名家もいくつも断絶して、大きな軍団を持てなくなったの。悪魔の中で軍団を補充するには長い時間がかかるわ。

 悪魔の出生率はかなり低いの。そこをほかの勢力に攻められたらたまったものじゃない。それを補うために現在の魔王様が考案したのがこれ」

 

 

 

 そう言ってリアス先輩は懐から真っ赤なチェスの駒を出す。……あれは、騎士か。

 

 

 

「これは悪魔の駒《イーヴィル・ピース》って言って上級悪魔に配られる、下僕を作るための駒よ。

 しかもただ悪魔に転生させるだけじゃない。駒によって特殊な力を授けることが出来るのよ。たとえばこの騎士だと速度が速くなる、とかね」

 

 

 

 いったん言葉を区切る。そうするとソーナさんが言葉尻をつないだ。

 

 

 

「このチェスの形だというのも相まって、悪魔の中でチェスを模したゲームが行われるようになりました。

   ……それが、レーティングゲーム」

 

 

 

櫛名が怪訝そうな顔をしたな。そりゃそうか。人間を下僕呼ばわりした上にゲームの駒だもんな……。

 

 

 俺も知ってたとはいえ実際に聞くとなかなか嫌なものがあるな。表情の変化に気が付いているのかいないのか、ソーナさんは続ける。

 

 

 

「このレーティングゲームこそが悪魔がこぞって優秀な眷属を集めようとする大きな理由です。レーティングゲームで活躍すれば位が上がりますので。

 

 もちろん下僕にも大きなメリットがあります。活躍が認められればどのような出自の者であっても上級悪魔になって自分の眷属を持つことが出来るようになります。悪魔の世界は実力社会ですから」

 

 

 これで説明は終了、かな? お二方の顔を見ると、目で終了だ、と告げてきた。

 

 

 

「じゃ、もう1つだな。さっき、俺が神器を2つ持ってることが特異だといっただろう?」

 

 

 櫛名は頷く。

 

 

「普通は神器ってものは1人に1つだけなんだ。2つ以上持ってるやつは基本誰かを殺して奪った、ってやつかな」

 

 

 

 

 へ~、と頷く櫛名。それに対してリアス先輩が

 

 

 

「さっきの駒の説明の追加よ。人間1人に対して駒が1つ、とは限らないの。潜在能力が高い人なら2つも3つも使う人がいるわ。……駒の重さが違うのもあるのだけど……それはチェスのルール通りね」

 

 

あ、それなら知ってます。と櫛名が反応を示す。

 

 

「確か、騎士と僧侶が兵士3つの価値、戦車が5つ、女王が9つ、というものでしたよね?」

 

 

 

 その通りですわ、と朱乃さん。

 

「あなた方はいったいどれだけになるのかしらね……。恐ろしいわ」

 

 

 

 あはは……と苦笑いをする俺。神滅具、神器、チートクラスの身体能力。これだけでもうキャパシティ超えそうだよなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、外部協力者ってことになったんですけど、具体的に何をすればいいんですか?」

 

 

 櫛名が問う。そうそう。俺も気になってたんだ。

 

 

「そうね……。特にこれ、といったことはないわね」

 

 

 

「ええ、堕天使や天使側に行かないように言っただけですしね」

 

 

 何だそりゃ。ようは保険を掛けただけなのか。それなら楽かな。

 

 

「とりあえず、時間がある時の放課後に生徒会室か、オカルト研究部に来てくれればそれでいいわ。……ソーナもいいわよね?」

 

 

 

「ええ。問題ないわ。あ、ついでですから携帯の番号とかを教えてもらっていいですか? 何かあった時に協力を要請したいので」

 

 

 こうして、学園の人気上位の3人と携帯番号を交換した……イッセーに知れたらマジでヤバいな。本気で殴られるんだろう……内緒にしとくかな。

 

 

 

「いずれほかの下僕にも紹介したいから、早めに顔を出してね」

「それでは、失礼します。また今度」

「うふふ。では、また。縁君、櫛名さん」

 

 

 

 

 話が終わったので『眠りの王』を解除すると、即座に解散となった。ちなみに注文した品は全部飲み終わっている。

 

  Sideout……

 

 

 

 

 リアスside

 

 あの子たち、すさまじいまでの才能ね。神滅具を持っているのも計算外だったけれど、櫛名さんの殺気、あれは本物だわ。人間の身でありながらそこら辺の中級悪魔以上の殺気なんて……。

 

 あんな実力を見せられたら諦められるわけないじゃない。いつか絶対に心変わりさせて見せるから。首を洗って待ってなさい、櫛名さん。

 

 

      Sideout……

 

 ソーナside

 

 今回は予想以上の収穫ね。もともと普通に買い物をする予定だったのが仇になったわ。

 椿姫がいたらあの二人を取り押さえられたのかもしれないけど……いまさら言ってもどうしようもないわね。

 外部協力者というポジションについてくれたし、悪魔の敵にならないだけでも助かるわ。欲を言えばやっぱり眷属にしたいけど、無理やりはよくないわね。華蝶君、頭が回るようでどこか抜けてるのね。リアスは櫛名さんに注目をしているみたいだけど、どうかしらね。できる限り、悪魔の仕事は華蝶君に手伝ってもらおうかしら。実力拝見ね。

 

     Sideout……

 

 

 

 

 

 縁side

 

「ふう……。疲れた……。体力的にじゃなくて精神的に」

 

 

 

 具体的には普段の櫛名の相手をすることの4倍くらい。

 

 

 

「なんか、今日1日で私、かなり超常的なことに耐性が付いた気がするわ……。悪魔とか、下僕とか……正直おなか一杯よ」

 

 

 

 櫛名もかなり疲れた顔をしている。いくらいつもハードな特訓をしているとはいえ、死にかけたうえ、買い物をして、さらにこんな衝撃的な出会いがあったならなぁ……。いくら櫛名でも持たないだろう。実際かなり眠そうだからな。

 

 

 そうだ、こんな時こそ普段の意趣返しと行こうじゃないか。

 

 

 

「そんなに疲れたんならおぶってあげようか? 櫛名だったら軽いだろうしな」

 

 

 どうだ。高校生にもなってこれは恥ずかしかろう。普段の俺の気持ちを味わうがいい!

 

 

 

 

 

 

「それ、名案ね。じゃ、よろしく~」

 

 

 

 

 

 ……。普通に乗ってきたよ……。何、羞恥心とかないの!? つか、俺の方が恥ずかしい! 

 

 櫛名の年の割にかなり立派な胸とかが当たって……いろいろ、まずいかも。主に、俺の理性とか……。

 

 

 

 

 

「お~い……櫛名~。俺が悪かったから、降りてくれない?」

 

 

 

 

 

 

「………………すぅ……」

 

 

 

 あらら、寝ちゃった……。よっぽど疲れてたのか……仕方ない、かな。うん。このまま、家まで送ろう。

 

 

 

 そうして、俺たちは自宅に帰っていった。周りの視線が痛いのはもう慣れた。

 

 

 

 

 

「櫛名。起きろ~。ついたぞ」

 

 

 

 櫛名の自宅前についたので起こす。さすがにこのまま連れていくわけにはいかないからな。

 

 ここまで運んで思ったが、ホントに櫛名軽いな。俺がチート持ちってことをか鑑みてもかなり軽いんじゃないか? その割にスタイルがいいんだよなぁ……。

 

 

 だめだだめだ! 考えるな! 意識するな! 背中の柔らかいものなんか意識しちゃだめだ!

 

 

 

 

 

 

「ん……んぅ……あれ、私……。あ~、うん。ありがと」

 

 

 

 

 俺が自分の煩悩と戦っているうちに櫛名は起きたようで、俺から降りてお礼を言ってた。

 寝ぼけがかわいいな、と思ったのは絶対に口に出してはいけない。言ったら最後、どこまでもからかわれるだろうな……。

 

 

 

「ああ、気にするな。これぐらいなら平気だよ」

 嘘です。理性が限界でした。

 

 

 

 

「さっすがオトコノコ。頼もしい~」

 

 

「櫛名が軽いからだよ……っと、そうだ。忘れないうちに渡しとこうか。はい」

 そう言って俺は先ほど買った髪留めを櫛名に渡す。

 

 

 

「え? あ、ありがとう。開けてもいいかしら?」

 

 

 

「もちろん。こういうのは反応見たいからガンガンあけてくれ。ちなみにそれは神滅具を発動できた記念だよ」

 

 

 

 そう言って俺は櫛名が、ガサゴソとプレゼント用の包装を開くのを眺める。……どんな反応するんだろう。楽しみだ。

 

 

「え……これ……私の欲しかった……」

 

 

「やっぱりか。だと思ったよ。ちなみに裏にイニシャル入ってるんだよ。気に入ってくれると嬉しいかな」

 

 

 

「ありがとう! これ、大事にするわ!」

 

 そう言って櫛名はいつもの微笑ではなく、満面の笑みを浮かべてくれた。この顔が見れただけでも、買ってきたかいはあったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、あの時のことは忘れてないわよ?」

「え……」

「さ~て、くすぐりの時間よ? ま・さ・か、逃げたりなんかしない、わよね?」

 

 

 そのあと、俺の腹筋は死んだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 櫛名side

 

 くすぐってる最中、きっと私の顔は真っ赤だったと思う。彼の考えがどうであれ、私のことをしっかり見てくれている。それだけでうれしかった。

 

 

 欲を言えば、私はもっと、彼と一緒にいたい。だから悪魔になるのもいいのかも、と一瞬思ってしまった。でも、彼といる時間は有限だから楽しいのかもしれない。だから、私は。ずっと人間でいようと思った。できれば、ずっと、彼のそばで笑ってられたならいいな、と思って恥ずかしくなる。

 

 

 それを誤魔化すために私はくすぐりをさらに激しくするのだった。

 

 

 

 

 ……そういえば、今回の神器の説明、珍しく誤魔化してた。いつか、真実を私に話してくれるのかな……。

 

    Sideout……

 




前回の櫛名の空気さを鑑みて後半ちょっとやってみました。

ヒロインは櫛名です。ここ重要です。


次の話はまだ書いてすらいないんですけど……日付が変わる前には投稿したいと思います。

予定では明日原作1巻に入る予定でいますが、あくまで予定なので未定です。……長らくお待たせして申し訳ありません。

イッセーファンの皆様はもう少し待ってください。
必ず、活躍させますので!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。