サッカーやろうや   作:成金ヤック

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一つくらいあげてもバレへんやろ


堕ちし光明

晴れ渡る空に照り着く日差し、駆け抜ける風に走り回る少年少女。小気味の良い音と共に蹴り出されるボール。季節は春そして現在なんと新人戦の真っ只中である。

 

「決めろ健太!!」

 

チームメイトから渾身のパスが送られてくるので、それを見越して貯めておいた気をボレーの要領でノーモーションで解き放つ。

 

「OK!!キャプテン!ジ ・ ア ロ ー! !!!」

 

ボールは青く真っ直ぐな矢となってゴールに突き進む

 

「これ以上!点はやれな…グッうわぁぁぁぁ!」

 

もちろん無手で僕の必殺シュートを止められる訳もなく呆気なくゴールに突き刺さり、同時に試合の終わりを告げる笛の音がコートに響き渡る。スコアボードは4:2僕たちの完勝である。

 

「決まったァァァ!!今季の東愛地区大会小学生の部を制したのは日ノ元少年サッカーチームだぁ!!」

 

熱い実況と共に僕たちのチームの勝利が決定したことをつげれる。どうも公式戦にていまの所負け無しの天才ストライカーこと小学5年生田中健太といいます(キメ顔)。

 

試合を終えてベンチに戻っていくと可愛い天使がクーラーボックスを担いで冷水を手渡してくれる。

 

「けんちゃんお疲れ様、はいこれお水。」

 

はぁい可愛い。(ねっとり)

 

「ありがとう小百合」

 

ご存知、蓮馬小百合(11歳)年相応の愛らしい少女に成長を果たしたmy幼なじみである。この世に天使は存在するのだ、自分の姉と彼女がそれに該当する。我等が日ノ元で3年間マネージャーを勤めているボランティアさん、後ろで結んだ髪がふわふわで愛くるしい。

 

「やっぱお前やべーわ健太。小さい東愛知地区だけどはいえあんま強くなかった俺たちが優勝だぜ?とんでもねぇよ。」

 

この人は日ノ元のキャプテンをしている6年の先輩だ。そう…僕はなんと1年の頃から入ってるここ日ノ元サッカーチームのスタメンを任せれている、ポジションは監督の推薦でリベロを任されている、攻めはみんなに合わせて。守りは徹底してって感じである。うちのチームのフォーメーションがそもそも5-3-2なのでそういった動きがしやすいのも最大の特徴である。

 

「大袈裟ですよキャプテン。それにこんなにのびのびとサッカーが出来るのはキャプテン達のパス回しだったりブロックだったりのおかげで僕だけの力じゃありませんよ。誇るべきはチームの皆ですよ。」

 

「達者なお口だなぉコノコノッ」

 

チームメイトに茶化されながら今日の試合のミーティングを終えて行く、これで今期の公式戦はもう終わりでまた今度

 

僕は周りと違い早めに努力する機会が与えられたからその優位性をサッカーに全振りしたつもりではあるが。周りからそれを僻み嫉みとしてぶつけられなかったのは恵まれたのだと思う。

 

なぜこんな話をって?ほら原作にもいるじゃん周りからの嫉みで才能を腐らせてしまっていた悲しき天才。宇都宮虎丸君が。彼もちょうどこれくらいからあぁいった周りを引き立てるサッカーをするようになったぽいから僕はだいぶチームに恵まれたなぁって

 

「けんちゃん今日はお疲れ様…その…明日って予定ってあるかな?…」

 

2人で駅から家に帰っていると唐突に小百合ちゃんがモジモジしながら話題を振ってくる。デートのお誘いかな?いや…童貞こじらせるは宜しく無いと前世の経験でわかっているだろう?

 

「明日?自主練以外やる事ないけど…」

 

玉を蹴り続けてないと死ぬ呪いにかかっているんでね私ボールは友達?甘えるなボールは心臓だ。

 

「ほんとう!?それじゃあ明日映画でも見に行きましょ!約束ね!」

 

おっおぉめちゃくちゃ笑顔でまくし立てられてしまったが答えはもちろん。

 

「うんいいよ。見る内容は任せてもいいかい?」

 

小百合ちゃんとデートが出来るのなら僕は喜んでサッカーを諦めよう、こんな玉蹴り天使の前じゃ塵に等しい。心臓はどうしたって?止まっても天使が救済を下さるだろう?何を言っているんだい?

 

「うん!まかせて!」

 

発展途上を張ってえっへんする小百合ちゃんも素敵です(ニチャア)

 

そんなこんなで楽しくだべって帰っていればあっという間に家の前である。小百合ちゃんと手短に別れて家に入る。

 

「ただいまー」

 

「おーかえり!!健太!今日の試合どーだったの!?早く話して!!」

 

「落ち着きなよねぇさん。夕飯の時にでも…ね?」

 

「そーよまゆけんちゃんだって疲れてるんだから…余り困らせちゃだめよ。」

 

ねぇさんは中学生になっても変わらずである。

そうなんとねぇさんはしっかりと中学生になっている。僕の3個上だから14歳中学2年である。そしてねぇさんはサッカー部所属…ここから導きだされる答えはたった一つ。来月にはフットボールフロンティア通称FFの地区予選が開始されるのであーーる!!

 

「ブゥー2人ともケチんぼ!いいじゃん話くらい!」

 

田中家は今日も平和です。

 

《》

 

春の新人戦からだいぶたって夏直前…今日はねぇさんのFFの試合があるので小百合ちゃんと学校を休んでこっそり観戦に行ってしまおうと言う手筈であったのだが…。

 

「もう諦めようけんちゃん…」

 

小百合ちゃんが諭す用に言ってくる。

 

「諦めなんないよぉーくっそぉねぇさんの雄姿をリアタイで見たかったァ」

 

「カッカッカッ仕方ないもんは仕方ないだろ健太。」

 

褐色の犬歯が眩しい1年からの付き合いの樹が茶化してくる、悔しさだけが残るばかりである。

 

「そう言ってやんなって樹。傷口に塩だろ」

 

同じ日ノ元出身の亀戸がボソリと呟いた。何故こんなことになっているのかと言うと、事は3日程前まで遡ることになる。

 

『けんちゃん…ママは非常に悲しいです。』

 

疼く両足にかぁさんの冷たい眼差し、今にも泣きそうに潤む小百合ちゃん、咎める蓮馬ママ。僕たちの拙い計画は一瞬で瓦解してしまった瞬間であった。

 

『素直に言ってくれれば協力もしてあげようと思って居たのに…あろう事かズル休みを決行しようだなんて…それも親を騙してこっそりと。』

 

かぁさんの糸目がうっすらと開かれている、怖すぎでしょこの人。息子に嘘をつかれて騙されかけたのがそんなにあれだったか?

 

『母さんなにもそこまでしなくてもいいんじゃないかい?』

 

父さんがイケメンな助け舟を出してくれる。あんたやっぱり最高だよ、神はここに居たのだよ。

 

『お黙り!宗次郎さん!この1回が家族間に亀裂を産んでしまうんですのよ!?』

 

かぁさんの素の口調がお嬢様地味ているのが少し気になるな。父さんに惚気覚悟で聞いてみるのもありだな。

 

『そうは言うけども…』

 

『けんちゃんにはしばらくサッカー禁止令を執行します!!。クラブ活動以外の一切のボールへの接触を禁止します!!。異論は決して認めません!!』

 

母さんはぷりぷりしながら家に入ってしまう。

 

《》

 

といった事があり今じゃ家に軟禁状態である。もちろん縄跳びトレーニングといったフィジカルに直結するものまで禁止されているため簡単な腕立てとかストレッチとかをこっそりとこなすしかないのだ。

 

「今頃ねぇさんはハットトリック決めている頃だろうかなぁ…」

 

ファイアトルネードかなぁ…イカロスフィストかなぁ…

 

「田中君少しいいかしら…」

 

先生から呼び出しを食らった、え?僕なんかやらかした?。

 

廊下に出て特別教室に通された僕に対して担任の先生は神妙な面持ちで口を開く。

 

「いい?落ち着いて聞いて欲しいの…」

 

胸の当たりが変にザワつく。

 

「貴方のお姉さんが…今日会場に行く際トラックに轢かれて今意識不明の重体らしいわ。」

 

身体は既に駆け出して居た。

 

《》

 

けんちゃんが先生に呼びたされて心配なので様子をこっそりみんなで見に行くことになりました。どうも蓮馬小百合です。

 

「アイツなんで呼び出されたか当てようぜ」

 

褐色の犬歯の眩しい男の子の田中樹君。彼とは1年の頃からずっとクラスが一緒の元気な野球少年君です。やってるスポーツは違うけど私達ととっても仲良しさんなんです。

 

「そーだねぇ妥当なとこだと理科のノート提出サボって石井先生からの大目玉ってとこ?」

 

彼はけんちゃんと同じサッカーチームに所属している亀戸勇儀君です。彼とも1年の頃からサッカーチーム繋がり縁があって今もこうして一緒にいます。

 

「そーだったら雑用もプラスで着くだろうから軽く手伝って貸し1作ってくやろーぜ」

 

「よし乗った」

 

二人共素直じゃないんだから…

 

「もう二人共そんなこと言っちゃ…」

 

目の前から物凄いスピードで人が駆け抜けてあっという間に通り過ぎていく。違う…今のはけんちゃんだ。物凄い焦ってたけど心配だ。

 

「今のは健太か!?」

 

「すごい形相だったけど?」

 

「あたし…心配だよ。追いかけてくる!」

 

「あっおい!小百合!クソッ」

 

「まて樹!僕たちまで着いていくことは出来ない。」

 

2人が後ろで何か揉めているけど。私は無我夢中でけんちゃんの後を追っていった。

 

《》

 

ねぇさん。ねぇさん。ねぇさん!

 

走って走って走って限界なんて何処吹く風と行った速度で駆け抜ける。病院までは距離があるが十分近い距離である。街の喧騒も車の風切りも視界にはなにも映らない。失念していた驕っていた、そしてなにより後悔していた。解っていた筈だ理解出来た筈だ、なぜ手を回さなかった、なぜ失念していた、なぜ何故何故なぜ。

 

頭の中が後悔と息苦しさで満たされる。

 

「ねぇさん!!!」

 

病院の受付で恥も外聞も知らず喚き散らす。

 

「たっ田中真弓のおっ弟です!!ねぇさんは!ねぇさんはどうなって!!」

 

「院内ではお静かにお願いします…こちらに起こしください。」

 

院内の一室に通されるそこには泣き崩れる母とそれを支える父が既に凄惨さを物語って居た。

 

「健太…」

 

父さんが静かに口を開く。

 

「ねぇさんは…ねぇさんは死んじゃうの?」

 

口から細い今にも消えそうな声が飛び出す。

 

「安心しろ命に別状は幸いにしてなかったみたいだ…だが」

 

やめろ…やめてくれ…僕から光を…

 

だがの続きは聞きたくない、しかし現実はどこまでも非常だ。

 

「足が動くことはもう二度とないらしい」

 

ガラスの砕けた音がした。目の前が白で埋めら尽くされれ、腰が抜けた。

 

田中家の光は今日ここに閉ざされた。

 

 

 

 

 

 




こんな酷いことやってのけるなんて…いったい何山さんなんでしょうね?(すっとぼけ)

感想ニキ達助かる。感想は随時募集してるんで頼むよー頼む頼む
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