サッカーやろうや   作:成金ヤック

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2話目を投稿しても…バレへんやろ


想いは重なるほどに重くなる

小百合ちゃんに手を引かれながら夕焼けの元家に帰る。

 

帰り道ではお互いに一言も話すことが無かったが妙な心地良さと安心感で気まずいとは思わなかった。

 

「けんちゃんお家に着いたけど入れそう。」

 

「あぁ…ごめんね小百合ちゃんもう大丈夫だよ。今日はごめんね、色々と…凄く助かったよ。」

 

心配そうな声で小百合ちゃんが呼びかけてくるが。流石に家の中まで着いてきて貰う訳には行かないのでここでお別れだ。

 

「明日はどーするの?また休んじゃう?」

 

「魅力的な提案だけど流石に行くよ、先生にも謝らないと行けないし。」

 

さぼった事とかの謝罪とかもろもろの謝罪もあるし…ね。

 

「そう…分かったそれじゃあまた明日ね」

 

「うんまた明日」

 

家の鍵を開けて家に入る。

 

「ただいまー」

 

「おかえり健太。少しは落ち着いたかい?」

 

「父さんの方こそ…取り乱す余裕も無さそうだったけど大丈夫なの?」

 

あの凄惨な現場において息子に淡々と状況説明していたのだ。本当なら父さんも相当やるせなかった筈だが良くあの場であれだけ平静を取り繕えたものだ、主演男優賞もビックリである。

 

「ハハッ父さんは薄情者でね。実の所余りそういった緩徐は出なかったんだ…生きててくれてよかったって言うのが真っ先だったかな?」

 

この人は本当に…

 

「嘘だね、僕は父さんがそこまでじゃないってちゃんと理解してるよ。」

 

「笑えない冗談だったかい?」

 

自分の感情を二の次にして疲弊したこの場を和まそうとしたが絡まわりしてしまってる。普段ならもっと口も回る筈だが、娘のあの惨状を前にして正気でいろという方が難しいのだ。

 

「この場に置いては…全くね」

 

《》

 

ねぇさんの事故から数週間が経過した。色々とあったがざっくりと説明させてもらおう。

 

先ずねぇさんは数日で目を覚ました。最初は酷く落ち込んでいたが、足が動く可能性が0では無いと聞いて何時もの調子にすぐ戻った、いや無理矢理戻したと言った方が正しいだろう。今は彼女の笑顔が酷く痛々しく見える。

 

そしてもうひとつ…

 

《》

 

『サッカーチームを辞めるだって!?』

 

『悪いな亀戸、もうお前達に付き合ってはやれないんだ。』

 

冷たく振り払うように言い放つ。

 

『どういう事だ…説明しろよ…健太ァ!!』

 

『おい亀戸!やめるんだ。』

 

亀戸が僕の胸倉を掴んで抗議して来たところをキャプテンが抑え込む。

 

『本当にいいのか?健太…言わせて貰うがそれはお前の本心には決して思えない…なぜそんな考えに至ったのか話してくれないか?チームだろ俺たちは』

 

『聞こえなかったのか?随分とおちゃらけた頭をしているみたいだな。わかりやすい様に教えてやるよ、もうお前達みたいな雑魚とはサッカーなんて出来ない。』

 

『どうしても考えを改めるつもりはないのか…』

 

『そうまでして引き止めたいのか?ククッ…分かったよ、君たちの想いは伝わったよ、すぅごっく…ね…それじゃあ今ここにいるスタンディングメンバー11人対俺1人で…』

 

『サ ッ カ ー…や ろ う や 』

 

《》

 

といった事があって僕は日ノ元を去った。理由?彼等のような楽しむサッカーとは決別する為だ…僕の復讐は僕で作り上げる。利用出来るものは利用するが彼等を巻き込む訳には決して行かない…だから冷たくしたし心にも無いことを言ってのけた。全ては復讐の為に全ては僕自身の為に。

 

《》

俺、亀戸平助はしばらく学校に来ていない友人の机を授業中だってのにじっと見つめていた。なぜあいつが学校に来ていないかは蓮馬に聞いてみても知らない、分からないの1点バリだった。あいつは…本当になんであぁなっちまったのか…大方は察しが着くが。

 

事は数週間前…結構な騒ぎがあった事件…東愛少女轢き逃げ事件。中学サッカーの祭典、フットボールフロンティア(通称FF)杯準決勝の出来事だった。当時何十年ぶりかにFF出場を果たした東愛中学校そのエースストライカーの田中真弓さんが意識不明の重体で病院に搬送された事件。あの日健太が学校を飛び出した理由も直ぐに合致が行ったというものだ。そして健太はその数日後に俺らのクラブに来て突然チームを辞めると言ってのけた。もちろんみんな抗議したさ、何故だ、どうしてさと。しかし奴は俺達のような雑魚とはサッカーが出来ないと冷徹にも言い放ったのだ。皆嘘だって直ぐに気づいたさ、あいつの顔が悲しそうに歪んでいたからな、逆に気づけなかったら友人失格もいいとこだぜ。いやそんなことはいいんだ、その後健太が引き止めたくば今からやるミニゲームで勝利しろと言って除けた。ルールは単純、11対1の得点勝負、試合終了までに多くの点数を取った方の勝ちである。結果は火を見るより明らかのはずだった…はずだったのだが…

 

《》

 

試合開始の笛が鳴る相手は健太1人奴は強いがこっちは11人負ける道理がない…

 

「そのボール貰ったァ!」

 

MFの大野木がボールを取ろうと全身するしかし、

 

「あぁ…やるよ、ボール…欲しいんだろッ!!」

 

ジ ャ ッ ジ ス ル ー 2!!」

 

信じられない光景だった、突っ込んだ大野木が健太にボール越しで何度も蹴りあげられて吹き飛ばされてしまう。

 

「お前ッ!…なんて事を!!」

 

気づいたらFW含めて3人でボールを取りに行っていた。

 

「あーあー皆さん必死こいちゃって…頭冷やしたらどうっすか?」

 

烈 風 ダ ッ シ ュ

 

気づいた時には空を大きく舞っていた地面に打ち付けられて視界が霞むなか辛うじて見れたのはボールを取ろうとした奴から片っ端から空に打ち上げられて、そして

 

「これが格の違いってやつだぞ雑魚ども!!分かったならなァ!!大人しく引き下がれってんだァ!!!」

 

「万物を薙ぎ倒し!全てを破壊しろ!」

 

健太の悲痛めいた叫びがフィールドに木霊する。健太は天高く飛び上がり唸りをあげるとやつの背中から巨人の上半身と剣のようなものが出現する。

 

罪 ノ !!大 剣!!

 

空から落ちた破壊の一撃は、逃げだしたキーパーのいないゴールに向かって真っ直ぐ飛んでいってゴールネット焼き焦がしながら数秒たってから勢いを無くして力なく地面に落ちた。

 

その後の展開は早い皆戦意を喪失してしまい立ち上がる事はなかった。

 

「ハッ結局口だけかよ。」

 

この時の健太の声が酷く弱々しいと言う事は決して気のせいでは無いだろう。

 

健太の立ち去ったフィールドはもうお通夜状態と言った感じだった。

 

「俺…悔しいよ…健太相手に何も出来なかった。」

 

誰かがポツリと呟いた。

 

「あいつ終始悲しそうにプレーしてやがった。あんな顔しながらやるサッカーなんてサッカーじゃねーよ。」

 

「俺決めたよ!今よりもっともっと強くなって東愛に行く!んで東愛サッカー部で健太と戦うんだ!」

 

「確かにあいつ俺らとサッカーしないって言っただけでサッカー辞めるなんて言ってねーもんな!」

 

そうだあいつは1度もサッカーを辞めるなんて言っていない。そして奴は東愛に行くきが無いと言う事もこの前言っていたんだ。

 

「また健太と一緒にサッカーする為に…もうあいつ1人に任せっきりのチームじゃないように!!」

 

キャプテンが立ち上がって手を前に差し出す。皆それにつられて手を重ね合わせて行く。掛け声なんて決まってる、やる事なんて決まってる。

 

「日ノ元ォ」

 

キャプテンの声を皮切りにみんなの声をひとつにする。

 

『日ノ元ッ』

 

ファイッオーーー!!」

 

オーーー!!』

 

俺達が健太の事を追い抜いてしまう日がそう遠くないように感じてしまう。そう思えてしまうのはえらく不思議な気分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




罪ノ大剣はあれです。爆熱ストーム×魔王の斧だと思ってください、後みんなが怪我しないようにけんちゃんめちゃくちゃ手加減してます。

感想待ってマース
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