ライカレ短編集   作:喜怒哀楽

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ギアス編END。
ライカレ風味です。


さよなら

すべて思い出した...

 

僕がこの時代の人間じゃない事も。

 

ブリタニアの王だった事も...

 

...........

 

僕は...ここにいてはいけない...

 

ギアスがいつ暴走するかわからない。

 

 

また.....僕のせいで、皆を失いたくない。

 

だから、僕は.......

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━・・・

 

 

 

 

 

 

僕は神根島に戻ってきた。

 

「そのサークルで、君の思いを強く祈ればいい.....」

 

V.V.に案内してもらい、サークルの上に立つ。

強く眩い光が視界を覆った。

 

「僕は再び眠りたい。

誰も傷つけないために.....」

 

瞬間、身体中が熱を帯びる。

 

(これは...ギアスの暴走...?)

 

身体の中から力が溢れ、光が遺跡に吸い込まれていく。

 

(ああ、これで...)

 

僕は目を瞑りながら、これまでの事を振り返る

 

遠い昔。愛する妹と母を守るためにギアスを使い父と異母兄達を殺した。戦いに明け暮れ、領土を広げ、殺伐とした日々を送っていた自分。

 

(守る為に必死だった。2人の笑顔の為なら、僕の事なんてどうでもよかった。でも.....)

 

ギアスの暴走で全てが無駄になった。

絶望して、記憶を消して、眠りについた。

目覚めても見える景色は灰色で、記憶をなくしていてもそれは変わらなくて...

 

(でも、みんなが僕を変えてくれた)

 

黒、白、緑、金、青、オレンジ、ピンク...

 

目を向ければ、こんなにも鮮やかな色で世界は満ちていて...

 

それを最初に教えてくれたのは綺麗な『紅』。

 

『ライ』

 

記憶の中の彼女が、優しい声で僕を呼ぶ。

空色の瞳が僕を映し、笑いかける。

 

(カレン...)

 

燃えるような紅い髪の少女。

彼女のおかげで、世界が色付き始めた。この世界で生きたいと思えた。

 

これは...初めての感情だ。

 

笑いかけられたら嬉しくて。

声を聞けば胸が暖かくなった。

 

妹と母以外で初めて...守りたいと思った。

 

(.......そうか、僕は...君の事が...)

 

ふっ、と自傷気味な笑みが漏れた。

今更気付いても、もう遅い。

 

(本当は、一緒に生きたかったけど...)

 

でもそれは許されない。僕は本当はここにいてはいけない人間だから。

 

ギアスの暴走も、いつまたあるかわからない。

 

僕には勿体ないくらい綺麗な『色達』。

 

大切で...大事で...壊したくない...

 

だから...

 

(どうか.....どうか.....)

 

僕は瞑っていた目を開き、強い想いを乗せて、空に向かって手を伸ばす。

 

空の色が彼女の瞳のようで.....少し、笑った。

 

「みんなが、僕を忘れますように...」

 

僕の最後の願い...

 

その願いと共に、僕の意識は光に溶け込んだ。

 

 

(ありがとう)

 

「さよなら」

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━・・・

 

 

 

 

 

 

 

「あ、れ...?」

 

頬に涙が伝う。突然の出来事にカレンは驚くが、何故だろう、涙が止まらない。

 

「やだ、私ったらなんで泣いてるの?」

 

悲しい事なんて何もないのに。胸にぽっかり穴が空いてしまった様な喪失感がカレンを襲った。

 

「おーいカレン!」

「あ、扇さん」

「すまない、今大丈夫か?格納庫に謎のナイトメアが.....って泣いてるのか?」

「ううん、大丈夫!行きましょ『 』!」

 

涙を拭って、そう元気よく呼ぶが、続いた言葉は出てこなくて...

 

「カレン?誰を呼んでるんだ?」

「え?あっ...誰だっけ...」

 

ふと、隣が寂しく感じた。いつもいた人がいなくなったような...

 

「わからない、でも...」

 

それは、とても大切な人だった気がする。

 

 

「『 』」

 

 

何度呼んでも、名前は出てこなくて...

 

 

「さよなら」

 

 

遠くで、その人の声が聞こえたような気がした...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「未練はある、だから未練はない」

 

「僕に色をくれたみんなを

悲しませたくないから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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