そのうちカレンバージョンも書きます。
ー深夜の特区内 政庁ー
カレンは困惑していた。
その原因は、恋人であるライ。
「ん〜...かれん...ふふ」
「〜〜ッ!(い、一体何がどうなってるのッ!!?)」
ライの今の状態は、上気した頬に潤んだ瞳。
それに他人がみたら腰が砕けるんじゃないかと思うぐらい蕩けるような...幸せそうな笑顔でカレンを抱き締めている...微かな酒の臭いを漂わせながら...
端的に言えば酔っているのだ。
普段見れない極上の笑顔で抱きつくライに、カレンの頬も髪と同様、赤く染まる。
しかし、原因を探るためカレンは早くなる心臓の鼓動を落ち着かせながら、努めて優しくライに話しかけた。
「ね、ねぇ、ライ?一体どうしたの?誰かとお酒でも飲んだ?」
「ん〜?...おさけじゃないけど、たまきとぉ、いのうえさんに"じゅーす"をもらったぁ...さしいれにって...」
「そ、そう...(やっぱりあの2人かっ!!!)」
特区日本設立後、2人は恋人同士になった。
しかし、まだまだ不安定な状況ゆえ、恋人らしい事などさほど出来ぬまま、ライとカレンは仕事に奔走していた。
特にライはそのゼロと同等の頭脳で、カレンより仕事量が多かった。KMFは互角でも、書類整理などはカレンの5倍程はやっている。
当然、2人きりでゆっくり過ごす時間などなく、会えても仕事の話か挨拶程度。
寂しくないといえば嘘になるが、我慢していた。
それなのに、突然ライが政庁のカレンの部屋に来たかと思うとこの状況である。何かあるとしか思えず、聞けば案の定の答え。
(玉城、井上さん...覚えてなさいよ...!)
「はぁ...かれん.....チュッ」
「ひぁんっ!!?」
ライがカレンの首筋にキスをする。突然の事に、変な声をだして耳まで赤くして動揺するカレン。
(な、なななっ!!?何今の!?い、いま、首!首に!首にキスされたっ!?)
「チュッ...チュッ...」
「ふゃんっ!っあ...ち、ちょっとライッ!」
首筋、耳、っと何回もキスをされ、カレンは先程までの怒りなど忘れてあられもない声を出してあたふたしてしまう。
「ん...ずっと...あいたかった」
「〜〜っ!!!」
耳元で舌ったらずだが艶を含んだ声でそんな事を言われて、カレンの脳は容量を超えそうになる。熱い吐息が耳をくすぐり、頭をクラクラさせた。
「かれん...」
「ライ...」
潤んだ青紫色の瞳がカレンを見つめる。
カレンも、ライの妙な色気に何も考えられない状態になっていた。
2人の顔がゆっくり近づいていく...
「.........お盛んだな」
「ほわぁああああーーー!!!!!」
「うっ、かれん...」
突然の来客に、カレンは素っ頓狂な悲鳴をあげ、それを間近で聴いたライは煩さに顔を顰めた。声をかけたのは緑髪の魔女、C.C。
「あっ、ライごめんなさい。...って!なんであんたが私の部屋にいるのよ!!」
「無論、そこのドアから入ってきたからだ。不用心だな?鍵が開いていたぞ」
「そういう意味じゃなくて!!!」
(せっかくライとキス出来そうだったのに!)
むしろそれ以上の事をしてしまいそうになっていたが、カレンは気付いていない。いや、本当は気付いているが、考えないようにしていた。
「うるさいやつだ。キスを邪魔されたぐらいでそんなに怒るな。........ああ、もっとエロエロな事をしようとしていたのか?それは失礼した」
「んなぁっ!?」
C.C.がニヤリと口の端をあげてカレンが必死で考えないようにしていた事を口にする。
カレンは顔を赤く染め、目を見開き、口をパクパクとさせた。
「なんだ、図星だったのか?」
C.C.はクッと、口の端を吊り上げながら、意地の悪そうな笑みを浮かべた。カマをかけたら大当たりだったようで、楽しそうにクスクスと笑っている。
「お盛んだな?」
「う、うううううるさいわね!!あんたには関係ないでしょ!?」
登場した時と同じセリフだが、今度はニヤニヤと、含みのある口調でカレンに言い放つ。
動揺しまくりのカレンのその態度に、C.C.は更に笑みを深めた。
実に楽しそうだ。
このままからかい続けても良かったが、そういえば...とカレンの部屋に来た目的を思い出し、本題に入った。
「予想外に面白かったからすっかり失念してしまったぞ。私はライに用があってきたんだ。ほら...これだ」
そう言ってずっと小脇に抱えていた書類をカレンに差し出した。幾分か落ち着いたカレンが、それを受け取り目を通す。
「書類?なんであんたがこんなの持ってきてんのよ」
「ゼロに頼まれたんだ。急ぎでライに処理してもらいたいものらしいが何処にもいなくてな。お前の所に行けばいるんじゃないか、と思って来たんだが.....今は使い物にはならなさそうだ」
「え?あ.....」
「すー...すー...」
C.C.がちろり、とライに視線をやれば穏やかな寝息が返ってきた。
元々ライはお酒に弱い。以前は日本酒や焼酎の匂いを嗅いでいただけで倒れる程だったのだ。アルコール度数が弱いやつだったとはいえ、ここまで来れたのは、ひとえにカレンに会いたいがためだったのだろう。
「まったく、もう寝たのか?つまらん。もっとエロエロな事をするかと「ちょっとっ!?」.....うるさい女だ。これぐらいで騒ぐな、ライが起きるぞ?」
「あ、ごめん.....じゃなくて!誰のせいよ、誰の!私だって好きで叫んでるんじゃないわよ!」
幾分かトーンを落とした声でC.C.に抗議するカレン。C.C.は興醒めしたのか呆れたように肩を竦め、カレンがもっている書類を取ると踵を返した。
「これは私がゼロに返しておく。あいつはライに頼りすぎなのだ。自分でどうにかするように言っておくよ」
「.....やけに優しいのね」
「そいつが寝る間を惜しんで仕事をしているのを知ってるからな。少し休んだ方がいい。それに.....」
C.C.が首だけ振り返り、ニィっとまた口の端を釣りあげた。
「若い2人の逢瀬を邪魔しては悪いからな。ああ、すぐに起きて事を始めても声は抑えろよ?一応ここは政庁だからな」
「なぁ!!?!」
それだけ言うと、C.C.は「はははっ」と笑い、手をヒラヒラさせながら部屋を去っていった。
「.....まったくもう!あの女はっ!」
カレンは禄に言い返す事も出来ず、赤い顔のままC.C.が去っていくのを見送ると、今度は抱きついたまま眠ってしまったライを見る。
いつもは凛としていて、隙など無さそうなライだが、今は幸せそうに無防備に寝ている。
先程まで散々C.C.にからかわれまくって恥ずかしい思いをしたカレンだが、その顔を見て毒気を抜かれてしまった。
「気持ちよさそうに寝ちゃって...」
サラサラの銀髪を撫でてみる。
自分と同じハネっ毛だが、指に絡まることなく通る髪に少しの嫉妬を覚えつつ、ライの頭を撫で続ける。
「う.....ん.....」
「おっと」
擽ったいのかライが少し呻いたが、すぐにふにゃっとした笑顔になり...
「...ふ...かれ、ん...すき...だ...」
「〜〜っ!!」
カレンにとって爆弾でもある言葉を口にした。
(は、反則でしょ...)
なんだか今日はずっとライに振り回されている気がする...
そう思ったカレンは、持ち前の負けず嫌いを発揮し何か仕返し出来ないか考えた。
やがてなにかいい事を思い付いたのか、悪戯っぽい笑みを浮かべると、ライを部屋に備え付けてある簡易ベッドまで運び、寝かせる。
「.....これで勘弁してあげる...」
そう言って、カレンはライの横に潜り込んだ。
簡易の為どうしても密着しないと2人は入らないので、自然と抱きしめられる体制になる。
我ながら大胆な行動に、カレンの頬が赤く染るが、ここでやめたら負けた気がするのでそのまま自分からもライの背中に腕をまわし、更に密着させた。
「おやすみ、ライ」
先程まで散々ドキドキさせられたのだ、これぐらいの仕返しはかわいい物だろう。
翌朝のライの反応を想像して、カレンも眠りにつくのであった。
C.C.がもし来なかったらバージョンも書きます。
C.C.が来なかったら内容は...大人向けです(いい笑顔)