ダンジョンで魔人拳を打つのは間違いではない! 作:カタキモノ
姉妹の兄で弟2さん、わけみたまさん、akinomineさん高評価ありがとうございます!
それでは!
剛とベルはベルの担当職員であるエイナからの説教を食らった後、換金所で魔石を換金して貰っている間に二人でベルは顔を洗いながら互いのことについで話しあっていた。
「そうか、ベルくんはお爺さんが亡くなってこのオラリオに…」
「はい、でも今はヘスティア様と一緒に暮らしてますしエイナさんやミアハ様とも出会えたので寂しくはありません!」
「(何だこの子天使かな?)しかし英雄になるのはそう簡単にはいかないだろう?ベルくんにその覚悟はあるのか?」
「はい!それが僕の夢ですから!」
剛はベルの話を聞いて自分がこのオラリオで何をしようと思っているのか考えた。
「(…んー、ただ強くなるっていうならこの能力のお陰で強くはなってるし…かと言ってベルくんのように英雄になってちやほやされたい訳でも無いしなー…あっ。)」
自分の目標について考えているとふと頭の中に思いついた言葉があった。
「魔王」
「え?魔王?」
剛は口に出ているとは思わず少し恥ずかしそうに聞き返してきたベルに応えた。
「いやぁベルくんの話を聞いていたら俺自身は何をしに、何に成りたくてここに来たのか考えてたらな。」
「それが魔王なんですか?」
「ベルくんは英雄譚を読んで英雄に憧れたんだろ?俺もそれと同じで俺の場合は英雄じゃなくて魔王に憧れを抱いていたんだ。」
「えーと?」
イマイチ理解出来て無い様子のベルを見て剛は苦笑し、「まぁ普通は理解出来ないよな」と思い話題を変えることにした。
「まぁ今度会ったらまた説明するよ、それよりもう換金も終わった頃だろうしそろそろ受け取りに行こう。」
「あ」
言われるまで気づいていなかったのか少し慌てた様子のベルくんを見て笑いながら換金所に受け取りにいった。ちなみに剛の今日の稼ぎはしれっと回収したミノタウロスの魔石を含めてちょうど1000ヴァリスだった。その後用事があるというベルくんと別れた剛は一人街をぶらついていた。
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日も暮れて街の人通りが大人一色になってきていたため剛はそろそろ
「(時間があれば寄るって言ったし一先ず行って見るか、誤解も多分解けてないし。)」
そう考えて朝の記憶を頼りにしばらく歩いて行くと朝とは違い活気に満ち溢れて居る店内に朝のウェイトレスの姿を見つけた。そのまま店内へ入ると猫耳のウェイトレスが話しかけてきた。
「いらっしゃいませだニャ!お好きな席にどーぞお掛けくださいだニャ!」
「…」コクッ
猫耳のウェイトレスに対し首肯だけだ返事を済ませ、席につこうと店内を見渡すと見覚えのある白髪頭を発見し声をかけた。
「よっ!ベルくん!」
「えっ!ツヨシさん!どうしてここに?」
「まぁ、ちょっとした事情があってな。隣良いかい?」
剛の問いにベルが頷いたのを確認して右隣に座るとベルの隣に薄鈍色の髪をしたウェイトレスがベルに話しかけていた。
「ベルさん、お隣の方は一体?」
「シルさん、こちらは…」
「甲斐剛、今日冒険者になった者だ。ベルくんとは今日ダンジョンで知り合った。」
自己紹介をベルにさせるわけにはいかないと話の途中で割って入りあえて端的に自己紹介を済ませた。
流石に男女の会話を邪魔する訳にもいかないよなぁ、とりあえず飯でも頼んでベルくんの話が終わるまで黙っておくか。
そう考え厨房にいる体格の良い女性に話しかけた。
「あー、すんません。注文良いですか?」
「ん?あぁ!構わないよ!」
「じゃあとりあえず女将さんのオススメで。」
「あいよ!しかしアンタ大きいねぇ、一体何食べたらそんな大きくなれるんだい?」
「真面目にやってきたからです。」
「そうなのかい??」
「(しまった、ついノリで適当な事を口走っちまった。女将さんも困惑してるし選択ミスったあぁあぁ!)」
あまりに適当な返答に自己嫌悪していると女将さんはふーんといった風に料理に戻っており一先ずお冷を飲んでボーッとしているといつの間にか右隣に今朝会ったウェイトレスの女性が立っていた。
「あ、今朝の。」
「…本当に来られるとは思って居ませんでした。」
「俺は人との約束は守る男ですから。」
「……そうですか。」
「……」
「……」
とりあえず今朝よりは警戒を解いてくれたようだったがいかんせん話が弾まず気まずい空気になって居ると入り口の方から大きな声で
「ご予約のお客様のご来店ニャー!」
と言う声が聞こえた為、リューは「それでは。」とだけ言い残し仕事に戻って言った。そのタイミングで剛の前には大ぶりなナマズの素揚げのような料理が出された。
「お待たせ!今日のオススメだよ!」
剛は入り口に背を向け料理と向き合い、「いただきます」と両手を合わせ食べ始めた。
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剛が十分程食べ進めていると隣のベルくんの視線が先程来た団体客の方に向いていることに気づき、気になってそちらを見てみるとダンジョンで出会った金髪の少女がいた。もう一度ベルくんの方を見るとベルくんの頬が少し赤らんでいることに気づき剛はニヤニヤしながら話しかけた。
「なぁなぁベル?」
「?どうしたんですか、ツヨシさん?」
「キミ、さてはあの金髪の少女に惚れてるな?」ニヤァ
「!?!?!?」
図星だったのか慌てふためくベルを見て剛は笑う。
「かっかっか!さては当たりだなぁ?反応がわかりやすすぎだぜベルくん。」
「いやっ!あのっ、その!……!」
慌てている様子のベルを見て剛が爆笑していると、少女の団体の一人である狼人の男が語りだした。
「そうだアイズ!お前のあの話を聞かせてやれよ!」
「あの話?」
「帰る途中で何匹か見逃した
狼人の声のボリュームが大きい為、こちらにまで聞こえてきていた。ミノタウロスと言う単語に覚えがあった為その話に意識を傾ける。
「最後の一匹お前が5階層始末しただろう!そんでほれ!あん時いたトマト野郎!」
剛はその話に聞き覚えがあった。確か剛が今日ベルとミノタウロスに出会った階層もそのくらいだったと。狼人は話を続ける。
「17階層から逃げていったミノタウロスがいただろ?そしたら奇跡みてぇにどんどん上層にあがっていきやがってよぉ、それでよ いたんだよ。いかにも駆け出しって感じのヒョロくせぇ
「そしたらそのガキ、俺がついた頃にはミノはアイズがバラした後でよぉ、あのくっせぇ牛の返り血を浴びて真っ赤なトマトみたいになってやがってよぉ!しまいにゃそのトマト野郎叫びながらどっか行っちまって……ぷくくっ!」
周りを見ると狼人の話に周りいた他の冒険者も笑っていた。
剛は完全に理解した、これは今日のベルの事を話しているのだと。そしてベルの方を見ると俯きながら僅かに震えていた。狼人はまだ話を続ける。
「ほんとざまぁねぇよな。ったく、泣き喚くくらいなら冒険者になんかなんじゃねぇっての。」
「いい加減その煩い口を閉じろベート。ミノタウロスを逃したのは我々の不手際だ。その少年に謝罪する事はあれ酒の肴にする権利などない。」
仲間の冒険者が止めようとするもまだ狼人は話を続ける。
「おーおー流石エルフ様、誇り高いこって。だがなぁ、ゴミをゴミといって何が悪い。」
剛はベルの肩に手を添える。そして狼人は金髪の少女にも話を振る。
「アイズはどう思うよ?」
「…あの状況では仕方がなかったと思います。」
「何だよいい子ちゃんぶっちまって…。じゃあ質問を変えるぜ?あのガキと俺、ツガイにするならどっちを選ぶ?」
「…私はそんな事を言うベートさんだけはごめんです。」
「無様だな。」
「黙れババア!いいか、自分より弱くて、軟弱で、救えない、気持ちだけが空回りしてる雑魚にお前の隣に立つ資格はねぇ!他ならないお前がそれを認めねぇ!」
「…」
「雑魚じゃあアイズヴァレンシュタインにはつりあわねぇ。」
ガシッ!
急に立とうとしたベルを万力の様な力で押さえつける。
「……離してください。」
「断る。」
「ッ!!」
ベルが抜け出そうとするものの剛の力の前では無意味だった。
暴れようとするベルに剛は努めて落ち着いた調子で語りかける。
「ベル、強くなりたいか?」
「……はい。」
剛はゆっくりと話続ける。
「確かに今ここで走ってダンジョンに向かうのは簡単だ。しかしそれでは身体は強くなっても心は成長しない。なぜならお前は今我慢しようとしていないからだ。」
「……」
「男には我慢が必要な時がある。感情に任せて行動するだけで物事が全部上手く行くなんて事はありえない。」
「……」
ベルは何も言わず、ただ黙って話を聞いている。
「ベル耐えろ、今ここで
「……はい」
ベルは手から血が滲むほど手を強く握りゆっくりと外へと歩いていった。その姿を見た剛は安心した様子でその姿を見送った。その姿はこの成長を見守る親の様な姿であった。
そしてベルを見送った後、剛はゆっくりと狼人に近づき
首を思い切り掴んだ。
「!…ッカ!…!」
そしてうめき声すら上げられぬ狼人を思い切り店の外までブン投げた
「落とし前はキッチリつけさせてもらおうか?」
「魔王」が動きだす……
投稿遅れてすみません!いやぁまさか下書きが全て消えると思いませんでした!
何だかんだで急いで書いたので粗めですが何卒ご容赦ください!
それでは!