フリーター転生〜ソマルに憑依したので本気で生きる〜   作:松毬

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ソマル君家を独自設定です。



もしかして、異世界転生?

 んっ、なんだ?なんだか眩しい。

 

 というか、意識が残ってるのか。あー、九死に一生を得るってやつかな。

 

 色々ともう終わりだと思っていたのでいいのか悪いのか……。

 

 いや、命あっての物種ともいうし、これ機に頑張れるかも知れないし……喜ばしいことだ!そう思おう。

 

 なんだか体が重いけど、ずっとこの状態だったりしたら医者や家族を不安にさせてしまうかも知れない。

 

 さっさと起きるに限る!

 

 なかなか体がいう事を聞かないがゆっくりと目を開ける。

 もしかしたら結構長い間寝たきりで体が弱くなってしまっているのかも知れない。

 

 その先にあったのは……。木製の天井だった。

 

 知らない天井だ。

 

「-------!-------.マリア!」

 

 なんだこれ?状況を把握するに、俺は今知らないおばさんに抱かれているらしい。

 いくら俺が痩せていても、成人男性だからなかなかの重さがあるだろうに軽々と持ち上げられている。

 

 そして俺はそのまま若い女の人の腕に渡されて抱かれた。

 俺の視界には、疲れ切った様子ながらも笑顔の女性の顔と、部屋の隅でマリア!と叫びながら不思議な踊りを見せている男が映った。

 

 あー、うん。わかった。この展開知ってる。

 

 長年夢見ながらも絶対にあり得ないだろうと思っていたあれだ。

 どうしようもない主人公が人生の最後に人助けをしたのを神様が見ていたってやつだ。

 

 つまり。異世界転生なのだろう。

 

 

 いや、俺最後に人を助けたどころか、それをした人が轢かれてたのを見てびびって動けなかったんですけど。

 

 手違いか……?手違いなのか!罪悪感で胸が……。

 

 

 

 

 

 あれから一か月の月日が経った。

 

 特にすることもなく、ベビーベッドの内から状況把握に努めるしか無かったのだが、ある程度分かったことがあるのでまとめてみよう。

 

 まず、俺の名前はソマルというらしい。男だ。

 なかなか悪くない。下手に長くもないし響きもいい。

 

 

 そして、家族。

 母1人、父1人、祖母1人、他に子供なし。

 多分これであってるはずだ。

 

 母は二番目に俺を抱いた若い女の人、目つきが少し鋭いがいかにも村娘って感じのいい人だ。名前はマリアというらしい。

 

 父は部屋の端で踊ってた男だ。いや、あれは慌てていたらしいが。あの場面で男親にやることないから仕方ないね。名前はエトというらしい。

 

 祖母はあの時いわゆる産婆だと俺が思っていた人。どうもこの家に住んでいるし、両親が居ないうちに部屋に運ばれてひたすら構ってくれるので多分。初孫が可愛いんだろう。名前は分からん。

 

 最後に、この世界のこと。

 あまりよく分からないが、家も素材を生かしましたって感じの木造で、電気も通っていなければ水道も多分ない。

 そして、何より自然が豊かだ。

 恐らくいかにもって感じの中世ヨーロッパ的な世界なのだろう。素晴らしい!

 次の問題はファンタジーなのかどうかだけど……。

 

 おっと、考え事していたらお腹空いてきちゃったなぁ。

 おっぱい欲しいなぁ。もっ、もちろん!食料的な意味でね!

 

 さて、そうなると、俺が今1番やらなければいけないことは……。

 

「ぎゃー!!ぎゃー!!!」(唸れ俺の肺活量!)

 

 赤ちゃんのうちに泣けば泣くだけ肺活量が増えるらしいから。……ほら、特殊な呼吸法のある世界かも知れないじゃない。

 

 

 

 

 さらに半年の月日が流れた。

 

 半年も家族の会話を聞いていれば何を話しているのかがなんとなく理解できるようになってきた。

 

 これも前世の記憶という三十年弱の知識と幼児の頭っていう柔らかさがあったおかげだろう。

 

 それになんと四肢がある程度ちゃんと動かせる様になってきた。

 つまり、ハイハイができる様になったのだ!

 

 自由に動けるっていうのはなかなか爽快感がある。

 

 しかし、問題は2つ。

 この世界普通にみんなどこでも土足で歩くから汚くて辛いというのと。

 

 下を這っているときに、家族の誰かが前を見えていない状態だと蹴られる心配があるってところだ。

 

 しかし、幼児の頃の方が成長か早いと聞く。

 つまり、今の時期はやればやるだけ育つと考えてもいいだろう。

 

 つまり、ハイハイを制すもの人生を制す!と言っても過言ではない……多分。

 

 未来の栄光を信じて今はひたすらハイハイ。

 

 体力をつけるために家の内外を動き回っているのだが、色々なところへ行けるとこれまた発見がある。

 

 まずこの家のことだけど、時代が古いだけでそこまで貧乏ってわけでもないみたいだ。

 家は平家だが結構広いし結構ちゃんとしている。

 

 離れというか、倉庫と家畜小屋があり、労働力でもある立派な牛が二頭いる。

 

 畑も持っているようで食うに困っている様子も感じられない。

 

 悪くないね。

 

 それに家族構成なんかは間違っていなかったみたいだ。

 両親に祖母だ。つまり俺が長男坊。

 この家の財産を相続する権利があるって事だ。

 結構中世みたいな世界じゃあ馬鹿にならない権利だろう。

 長男が総取りなんて事も珍しくない時代だからな。

 

 将来何をするにしても、最悪食うに困らない程度の仕事は出来るわけだ。

 前世でも店や畑を持っている親の長男坊はこういう気持ちだったんだろうか……羨ましい。

 

 両親は俺の妹か弟の制作作業中なのか、夜は母親とじゃなくてお婆ちゃんと一緒に寝ている。

 残念ながらこの家には本が1冊も無かったが、お婆ちゃんと一緒に寝る時は色々な話を聞かせてくれるから楽しい。

 

 空飛ぶ城があるんだとか、この世界には耳の長い人(多分エルフ)や獣人なんかの別の種族がいるだとか、岩を切ってしまう剣士が居るとかの話だ。

 昔に訪れた魔術師さんがこういう事をしてくれてね。

 みたいなのもあったのでこの世界が魔法ありのファンタジーだっていうことがわかったのでワクワクしっぱなしだ。

 

 残念ながらまだ言葉は喋れないので聞きたい事が色々あっても聞き返せないし、もうちょっと詳しい事が聞きたくてもお婆ちゃんの方が寝てしまう時もある。

 

 俺に話しかけているようで、所詮暇な老人の独り言でしかないのだ。

 それでもするのとしないのでは発育に影響があるらしいのでありがたいのだが……。もう言葉わかっちゃってるんだよなぁ。

 

 このもどかしさをどうにかしてほしい。

 

 よって暇な時はまだ見ぬ魔力を探して精神統一するしかない。

 まだ魔力は見つかっていない。

 

 

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