VTuberを夢に掲げる、水蓮です。
今回も、文章力を鍛えるために二次創作を書きます!
炎炎ノ消防隊です。
オリ主や、オリキャラ多数ですが、見ていただけると幸いです。
それでは、どうぞ。
家が燃えている。
だが、俺はただそれを眺めているだけ。
親も姉も逃げ遅れている。
今、炎の熱さと苦しみの中でもがき苦しんでいるだろう。
それでも、俺はただそれを眺めているだけだ。
強く握った拳からは、爪が食いこんで血が滲み出ている。
ただ憎い。ただ嫌いだったんだ。
こんな時に何も出来ない、無力で無能な自分が。
「家族が君に繋いだものを君がきっと繋ぐんだ。」
隣で特殊消防隊の人が何やら言っている。
でも、耳になんて入らない。
その特徴的な「青線」。デカデカとヘルメットに刻まれた「1」の文字。
その全てが視界に入ってはぼやけてを繰り返していた。
ああ、思い出した。
これは俺が
「初めて明確に俺を嫌いになった日」だ。
♢
「大隊長!大隊長!起きてください!焔ビトです!」
警報とシスターの呼び声で御神は目が覚める。どうやら夢を見ていたらしい。
「分かった、10秒で支度する。他の皆は来なくていい。深夜だからゆっくり休め。」
「でも...」
御神の言葉にシスターが心配そうな表情で言葉を濁す。
しかし、もう御神に聞く耳はないらしい。
「大丈夫だ。俺は意外と強いから。」
少しはにかんでみせる。
さっきから滲み出ていた涙を隠す為でもあるのだが。
「それじゃあ行ってくるわ。」
近くのジャンバー掛けから「青線」が入った防護服を手に取り、肩に掛けて部屋を退出する。
「待ってください!」
後ろからシスターの制止の声が聞こえたが、もう、止まることはない。
「少し...1人にさせてくれ。」
その声を最後に、御神の姿は廊下の闇に消える。
ここまで止められては、シスターも黙って廊下の闇を見つめるしかなかった。
♢
「これに1人で乗るのも久し振りだな。」
そう言って隣にある大きな車に手を置く。
この車はマッチボックス。サイドにはおおきく「0」と書かれており、この御神らが所属している第0特殊消防隊を象徴している。
「さ、出勤だ。」
ふぅ。と、1度溜息を吐き、ドアを開けて乗り込む。そしてハンドルを握ってマッチボックスを発車させた。
『緊急車両が通ります。他の車は速やかに徐行し、道を開けてください。』
マイクを片手にそう呼びかける。
すると、車が歩道ギリギリまで寄り、真ん中がおおきく開けた。
そこを時速100kmを超えるスピードで駆け抜ける。
久しぶりなので、運転が多少荒いのは仕方がないだろう。
そこから3分程度運転すると、火事現場の家に着いた。
「やっと来たか!青線!」
既に消化活動を始めていた消防官がこちらに駆け寄ってくる。
取り敢えず会釈をすると、すぐに話を始めさせた。
「中の焔ビトは1体だ。物凄く攻撃的で消化しても火がたちまち吹き出てくる。」
(今回も面倒臭そうだ...)
消防官の人の話を聞き、溜息を溢す。
その時、御神の元に1人の少女が駆け寄ってきた。
「お兄ちゃん消防士さんでしょ!お母さんを助けて!」
少女の悲痛な叫び。その声が響いた途端、周りの消防士、住民から一切の声が消えた。
皆が少女と御神を交互に見つめる。まるで何かを御神に期待するように。
(本当に嫌な立ち回りだ...)
その視線に、御神は一瞬顔を顰める。
このような時に恨まれ、頼られるのは毎度特殊消防隊だ。
気持ちは分かる。焔ビトとはいえ、元人間を殺しているのだから。
でも、分かっても理解はできない。これは必ず誰かがやらなければいけないと言うのに。人間は時に最も非情だろう。
「助けられるかは分からない。」
御神の返答に、少女の目から涙が溢れる。
そして、恨みがましい目で御神を睨んだ。
だが、御神とて、少女を突き放すような冷たい人間では無い。だからこそ、しっかり次の言葉を言うために、1度区切ったのだ。
「まぁ、でも。炎炎ノ炎に帰して楽にはしてやる。」
御神はそう言葉を紡ぐと、少女にはもう振り返らず、黒煙が立ち昇る家の中に入る。
後ろから聞こえた泣き声は、もう御神の耳に入ってこなかった。
家に入ってすぐ見えた光景に、御神は顔を顰めた。
黒煙の量が凄い。視界を覆い尽くすかのように立ち込めている。
視界が悪すぎる。
(こんなことになるんだったら1人でも連れてくれば良かったか...)
内心で遅すぎる後悔をするが、幾ら考えても意味が無いため、すぐに思考をリセットする。
刹那 ───────
「PooooooH!!」
耳を劈く様な高い咆哮が家の奥から響く。
「そこに居んのか。」
ただ一言、そう言って御神らは声のする方を向く。
そして右手をその方向にかざした。
「炎渦」
御神がそう言い放った瞬間、手から炎の渦が繰り出された。それは、一直線に先程声が聞こえた方向へ放たれる。
「GyoooHooo!」
再び叫び声。どうやら声が違うあたり、命中したらしい。
「そこか。」
そう言ってまた歩き出す。さっきの叫び声が上がった方向へ。
そして10歩ほど歩くと、急に黒煙が晴れ、炎で覆われた空間に辿り着いた。
「PHoooHo!!!!」
甲高い咆哮が部屋を埋める。
それと同時に炎の中から、1体の炎を全身に纏った焔ビトが現れた。
「PHoooOOOH!!!」
焔ビトが御神を見つけると、即座に襲いかかってくる。
だが、その瞬間には、御神がこの焔ビトの胸元に居た。
「拳炎渦」
御神の手が炎の渦を纏う。
「炎炎ノ炎二帰セ」
御神が言葉を放った ───────
次の瞬間には、御神の腕が焔ビトの胸部を貫いていた。
「ラートム。」
そして、手を合唱させて祈りを捧げる。
拳炎渦 ───── それは、御神と第7の大隊長新門紅丸
のみが持つ、煉獄能力を持つからこ
そ成せる技だ。御神の第三世代の能
力で炎の渦を生み出し、第2世代の能
力で手に纏って高速で回転させ、威
力を極限まで増大させる。
焔ビトを鎮魂させるには、心臓部に
あるコアを破壊しなければならな
い。その為の技だ。
「まぁなんとかなったな。」
そう呟き、御神は消えかかった焔ビトの亡骸に目を向ける。その目からは1粒の涙が溢れていた。
「さて、帰るか。」
思い出したように口にし、来た方向を向く。
すると、先程まであった黒煙が、嘘のように綺麗に晴れていた。
主人公の名前は「御神海斗(みかみ かいと)」です。
感想、評価お待ちしています。