Episode.1【お疲れな入学式の日】
「…はぁ」
そう軽くため息をつく。
私・
私が通っている、私立陽月学院の入学式の日にだ。
何でそういう事になったのか…
前日PM11:17
いつもどうり、テレビを見ていると
『チャラリン♪』
と、スマホが鳴った。
メロディー音からして、恐らくメールだろう。
ロックを解除して、確認してみる。
『To:いおりん
From:リンちゃん
件名:明日のことだけど
確か明日は入学式だよね?
ウチはそれ以外に別の仕事があってなぁ
頼む!!手伝ってちょーだい♡
お礼に、アメちゃんぎょーさんやるから
お願いm(__)m』
(また生徒会さぼったな)
と呆れながら、読んでいく。
リンちゃんこと
私の高等部からの友達でもある。
髪の色は白でショートカット、背丈は小学生と同じくらいで、関西弁で話す陽気な人。
ちなみに『いおりん』は私のあだ名で、最初にリンちゃんに呼ばれてからはそれがクラス中に浸透していった。
初めて話したとき、お近づきとしてアメを貰ったが、その味はなんとトマト!!
あれは不味かった。
てか、アメと野菜の組み合わせはどうかと思う。
…思い出すだけで、吐き気がしてきた。
まぁ、そんなこんなで長い付き合いでもある友達のお願いは、放っておけない。
「しょうがない。行ってやるか」
そう思い、急いで明日の準備をはじめる。
正直、アメはいらないけど…
そして現在、こうして私は生徒会室で手伝いをしている。
内容は、主に部活動の予算についての書類作成だ。
量がとても多いので、ふらっとなる。
なので、時々頭を左右に振り、気を引き締める。
私のトレードマークであるポニーテールも、その動きに合わせて激しく揺れる。
めんどくさがりなリンちゃんは、ギリギリにならないと仕事をしない。
当日では到底一人では出来ないので、友人の私を頼ったという始末。
「リン、やるなら前々からしようよ」
「そう
「例えば?」
途端、リンちゃんの手が止まる。というか、全く動かない。
いつも思うが、一体何をしているのだろうか。
「ほらほら、さっさと手を動かす」
「…うぇーい」
今、体育館では華やかな入学式が行われているのだろう。
なのに、何が悲しくて生徒会室で作業をしなければならないのか。
季節は春なのに、そんな感じがしないなぁ…。
そんな寂しい生徒会室に一人の女子生徒が入ってくる。
生徒会長の
背丈はリンと同じくらいか少し小さめで、黄色の長い髪をツインテールにしている。
そのせいか、時々小学生と間違えられるらしい、
しかし、生徒会長として一生懸命に頑張っている。
だからかな、ファンが多いのだ。
やっと入学式が終わったのだろうか、そんな彼女の顔からは疲労が見える。
「疲れましたわ…」
「お疲れ様」
「おっつー」
リンは軽く返事をするが、仕事はまだまだ終わってない。
現時点で、私の半分くらいだ。
遅すぎだよ…
「あら、あなたたちは何をしてるの?」
「部活関係の書類を。リンの奴が手間取ってて」
「なっ!?ウチかてちゃんとやっとるわ!」
「昨日にメールで手伝ってくれと言ったのは誰だっけ?」
「ぐぅ!!」
私の言葉に、リンはガックシと項垂れる。
しっかりしてほしいよ、まったく。
「仕方がありません。私も手伝いますわ」
「えっ!?疲れてるんじゃ…」
「理由が何であれ、仕事を溜め込むのはいけません。早く片付けましょう」
「おー」
お疲れな生徒会長に手伝わせるのは罪悪感が残るが、早く終わらせるに越したことは無い。
終わらせて、さっさと休みたい…
「…やっと、終わった」
疲労感を全身に感じながら、そう呟く。
結局、リンの仕事の大半は私と慧理那ですることとなった。
何でこんなやる気ない生徒が、生徒会の会計をやっているんだか。
「折角ですから、一緒に帰りましょうか」
「おっ、いいね」
「さんせー」
このメンバーで帰るというのは、珍しいんじゃないかな?
だからかな、結構話が弾む弾む。
おかげで、下校中は退屈すろことは無かった。
「私、買い物があるからこの辺で」
「それではまた」
「そんじゃ」
高等部からは、こっちに引っ越してきて一人暮らしをしているので、色々と面倒である。
そろそろ冷蔵庫の食材が切れそうなんだっけ。
確か、夕方からセールやってたはず…
私達はそんな会話を交わして、解散しようとしていた。
だが、そんな普通なことは出来なかったのだ。
何故ならば、
「ほぅ。中々良いツインテールではないか。捕えろ!」
「「「モケケ―――ッ」」」
目の前に、怪物としか言いようの無いものが現れたのだから…
初作品なので、アドバイス等をください。