「ハァハァ… 慧理那、どこに行ったのよ…」
「普段はトロいのに、こういう時は速いからなぁ」
私達は、慧理那と桜川先生を探していた。
リヴァイアギルディとイカの戦闘が終わった後、レッドはテイルブルーを持ってどこかへ行ってしまった。
それを見るや否や、慧理那と桜川先生はその後を追っていったのだ。
私達も行こうとしたんだけど、まだ人混みが解消されていなかった。
そのあとは、分かるよね…?
「慧理那、待って―!」
「勝手に割り込むんじゃねぇ!!」
「もぎゃん!?」
「いおりんに何するんや!?」
「う、動けねぇ!」
結局、人混みに邪魔されて慧理那たちを見失ったのだ。
うぅ… オマケに押された衝撃か、軽く頬が痛い。
「つ、疲れた…」
「ホンマ、ご苦労様やで」
っと、早く慧理那と合流しなきゃ!
でも、何処に行ったんだ…?
「ん? 慧理那?」
少し離れた場所にいた。
良かった~、見つかって!
「慧理那、もう勝手に行かないでって…」
私は慧理那に話ながら近づいた。
でも、その先は言えなかった。
「あ、れ…?」
そこには、この前にツインテール部で会った部長がいたからだ。
確か名前は… ダメだ、思い出せない。
顔は覚えていても、名前がねぇ。
いい加減、これは何とかしないと…
「誰や、コイツ?」
リンがそう言って、説明を求める。
あぁ、あの時いなかったね。
「えっと、新しくできたツインテール部の部長さん。名前は…」
「観束君がテイルレッド…」
私が説明している途中で、慧理那がショックを感じながら口を開いた。
助かった、名前はテキトーに言えないからな。
ナイスタイミング!!
(…えっ? テイルレッド?)
そう思って、もう一度見る。
部長である観束君と寝ている女の子がいるだけで、テイルレッドはいない。
補足で言うと、ブルーもいないな。
「ゴメン、説明してほしいんだけど」
「ウチも頼むわ」
来たばっかりで瞬時に把握できる程、私は頭は良くない。
それは、リンも同じはず。
なので、慧理那に説明をお願いする。
だけど、彼女は気絶していた。
「え、慧理那はん!? 大丈夫?」
急いでリンが介抱した。
かなりのショックだったのだろう。
なまじ、知っている顔だったからかな。
しかしこれでは、お願いすることは出来ないなぁ…
(えっと、さっきエリナは『観束君がテイルレッド…』って言ってたっけ)
仕方なく、自分でこの状況を分析してみた。
現在、この場にはツインテイルズがいなくて、代わりにツインテール部の部員がいる。
そして、慧理那の発言。
つまり、
『テイルレッド=観束』
ってこと、かな?
だとすれば、ブルーはあの子…?
戦闘が終わった後、気絶していたし。
(取り敢えず、どうしよう…)
このカオスな状況の中、暫く私は動けずにいたのだった。
私達は、さっき出会った2人と歩いていた。
因みにさっき気絶していた女の子ーーー愛香は観束が、そして慧理那は私達と少し遅れて来た桜川先生が背負っている。
(今まであんな怪物達と戦っていた戦士が、こんな身近にいたなんて…)
背負っている観束と桜川先生の後ろを歩いている私達には、とても想像がつかなかった。
「さあ、着いたよ」
「ここは…?」
私達着いたのは、喫茶店。
外装は特に変わったところがない、いたって普通のものだった。
営業時間が短いのか、すでにドアには『Closed』の札がかかっている。
「ここは、俺の家なんだ」
「ふ~ん、自営業っちゅー訳か」
「兎も角、裏口から入って落ち着こうよ」
そう言っていたら、
「いらっしゃい。トゥアールちゃんから話は聞いているわ、どうぞ」
と、比較的若いオーナーさんが出迎えてくれた。
もしかして、観束君のお母さんなのかな?
「なに6時前に店閉めてんだよ、いつもの
「まあまあいいからいいから、基地にレッツゴ-」
…大丈夫かな、このお店。
若干聞いてはならないような言葉も出てきたんだけど。
アルティメギルの時とは違う不安感を抱きながらも、私は大人しく従うことにした。
(基地とは言っていたが、ここまでとは…)
正直、普通の一軒家の地下にこんな大規模の基地があるとは、誰が想像できるんだろう?
側にいた桜川先生は、何時もらしくなく動揺が隠しきれていなかった。
勿論、私達も例外ではない。
基地にも驚いてはいたけど、その前の愛香と銀髪の女の子---トゥアールの殺戮劇場の方がショッキングなのかもしれない。
ある意味貴重な場面に遭遇できたとも言える。
「……やっぱり、夢じゃなかったのですわね」
しばらくして、気が付いた慧理那に観束から説明をしてくれた。
慧理那には、夢だったと説明して片付けようとしたが、桜川先生に止められてしまった。
今後も狙われる可能性がある以上、いつまでも部外者であるわけにはいかないから、だそうだ。
アルティメギルについては、ユウから聞かされたこともあるのである程度は知っていたが
予想以上に大規模なものだったかと再認識できた。
あと、あのイカはクラーケギルティと言うらしい。
そこは今はどうでもいいが。
後、以前に慧理那がブレスを見たと言っていた件。
元々あのブレスには
テイルレッドの正体を知っている者か、おぼろげに浮かんでいる者を除いて。
だからこそ、慧理那にはあのブレスが見え、私には見えなかったのだ。
第一、私は彼とは初対面だったし。
「会長がこのまま狙われるんだったら、ツインテイルズになってくれませんか?」
観束がそう提案を出してきた。
何故、慧理那にそう持ち掛けてきたか?
トゥアールが言うには、ツインテールをしていてもツインテール属性は生まれないらしい。
自分自信の特徴とその属性は必ずしもイコール関係ではないようだ。
現に桜川先生はツインテールをしているが、今まで全くターゲットにされなかったのはそのせいか。
それに対して、慧理那は
「観束君のためなら喜んで!!」
と、即決でツインテイルズになることを選んだ。
っておい、もう少し慎重になってくれよ。
もっとも、愛香がツインテイルズに入れることを渋っていたが、観束の説得によって変身道具―――テイルブレスを渡すことに同意してくれた。
それでも、観束が着けようとしたところを横からかっさらって着けた辺り、何処か納得していないようだが。
早速、試しにテイルブレスを発動させようとしたが、
「もうそろそろか。神堂家の門限が8時なので、帰らせてもらう」
と、桜川先生が切り上げてきた。
見ると、慧理那も眠たそうにしている。
確か、9時辺りには眠気が来るんだっけ。
今日はここまでだな。
それに、
(私はポニーテールだしな…)
この場所には、とても居づらかったから。
もしかしたら、これでよかったのかもしれない。
(もう私には関係ない、よね…?)
観束宅―――モントシェルベ前。
取りえず、この日は解散ということになった。
「慧理那~しっかりしろよ~」
そうリンが何度も揺するが、まだ寝ぼけている状態だ。
「ここの近くで車を待機させている。後は私に任せてもらおうか」
そう言って、慧理那と桜川先生は車の中に入っていった。
いつの間に車が…
「もう遅いし、ウチらも帰ろか」
「そうだね。もう疲れた」
私は大丈夫だけど、リンには家族がいるから心配させているに違いないからね。
ちょっと急がなきゃ。
(…ん?)
ふと、時間を確認しようとスマホを取ろうとしたら、何かが入っている。
取り出して、スマホのライトで照らして確認してみる。
そんな私が気になったのか、リンもそばまで寄ってきたし。
「…これは」
「はっきり言って、これはめんどくさいで」
ポケットに入れられた紙片を見た、私達はそういうしかなかった。
明日も、平穏な日常は無いかもしれない……
読者の皆さん、遅くなりました!
しかも、何時にも増して手抜き感が…
本当にすみませんでした!!
今後は少し更新が遅くなりますが、決して途中で投げませんよ!