Which do you love ?   作:ズケズケ

13 / 89
今回は、完全にオリジナルです!
そして、総二side入りました!!




Episode.13【お誘い】

翌日。

 

授業が終わるチャイムが鳴って、昼休憩に入った。

軽く腕を伸ばした後、弁当箱を持って席から立つ。

 

「あれ? いおりん、今日はここで食べないの?」

「うん。ちょっと友達と食べる約束があるからね」

「へぇ~、珍しい」

 

いつも昼ごはんを食べるメンバーに、やんわりと辞退の返事をする。

普段なら教室でお弁当というところだけど、この日は違った。

 

 

昨日、知らない間に私のポケットに入れられた紙片。

何処か嫌な予感を感じながら、開けてみた。

そこには、

 

『明日の昼御飯、中庭で一緒にどうでしょうか?』

 

と、案外普通のお誘いのものだった。

無駄に警戒しただけに、かなりホッとしたよ。

 

中庭は、食堂と比べて人気が無い。

何故、わざわざそんな場所を指定したのか。

第一、一緒に食べたいならあの時面と向かって言えばよかったのに。

 

「これは、気を付けた方がええで」

「うひゃぁぁっ!?」

 

後ろから、リンが来たよ!!

確かに「一緒に来て」とは言ったけど、その登場の仕方は止めてほしい。

心臓に悪いよ、ほんとに…

 

「でも、気をつけてって…?」

「あんたも薄々わかっとるやろ。どうも、ただの昼食にはならんと思うわ」

 

ムム…

やっぱり、リンも感じていたか。

ただ親睦を深めたいなら、別の方法があったはず。

疑いたくなってしまうよ、やっぱり。

 

「せや。慧理那も呼んでみたけど、何や用事とかで出席できひんようや」

「じゃあ、行くのは私達だけってことか」

 

一応、慧理那も関係者なんだよね。

まぁ、後で報告すればいっか。

 

 

 

「お待ちしてました、お二人方」

 

出迎えてくれたのは、ツインテール部の3人。

まだ、用意をしていないところから、私達を待っていたのかな…?

 

「取りあえず、お昼ご飯たべようか」

 

ここは先輩である、私が引っ張らなきゃ。

そう思って、皆に促してみた。

 

観束君と愛香は食堂のパン、トゥアールはお弁当だった。

でも、トゥアールのお弁当はレベルが高くて、正直へこんだ。

同じメニューであった玉子焼きでも、その差は歴然だったもの。

一体、どこで学んだらここまで出来るのよ?

 

「えっと、一応自己紹介でもしてほしいかなーって思うんだけど…」

「それもそうですね。お互い、よく知りませんし」

 

話をお弁当のメニューから、無理矢理切り替えることにした。

それに、観束君が賛成の声を挙げてくれた。

 

何で自己紹介かって?

私は、慧理那と桜川先生とツインテール部に顔を出したから、あっちの3人は知ってるはず。

でも、リンとは初対面だから、少しでも親睦を深めようと思ったんだ♪

まぁ、トゥアールの自慢話を聞くのが耐えられないってのも理由の1つだけどね。

 

 

「まずは俺から。この春、高等部から入りました、観束 総二(みつか そうじ)です。ツインテール部の部長をしてます。」

「あたしは津辺 愛香(つべ あいか)。そーじの幼馴染みよ」

「私は観束トゥアールで、総司様の妻です」

「「へっ? 妻!?」」

 

…トゥアールの紹介を聞いた時、ツッコむかどうか悩んだ。

明らかに、これはボケだな。

とても本気で言っているとは思えない。

そして、私達がツッコんでくれるのを待ってるに違いない。

現に、リンがツッコみたいとばかりにウズウズしていた。

 

「はいはい、今のはスルーで良いですから。こんな奴の台詞は聞くだけ無駄ですから」

「一番総司様と関係が薄い人に言われたくありません!それに、あなたの胸こそどう努力しようと無駄ですからね!!」

「そうやって無駄にデカイ胸を張るな!あんたが貧乳になるように努力するわ、出せやコラァッ!!」

「にょわーーー!?」

 

愛香は、トゥアールの豊満な胸を思い切り掴み上げた。

それも下手したら、ちぎれかねない程の力で。

昨日も見たけど、慣れないなぁ…

 

「えっと… 先輩達もどうぞ」

 

顔に冷や汗を浮かべながら、観束君は私達に話を振ってきた。

恐らく、この光景を私達に見せてしまったことに焦っているのかな。

 

「向こうはどうするの?」

「あっちは、じゃれあいながらもしっかり聞いているので、お構い無く」

 

ここからでも、骨のきしむ音が聞こえてくるんだけど…

ちゃんと聞こえる、よね?

 

「私は長瀬 伊織(ながせ いおり)。エリナとは高等部からの友人よ」

「ウチは雨宮 鈴音(あまみや すずね)。同じくエリナと友達で、生徒会の書記やっとるわ」

「へぇ~、生徒会に入っているんですか」

「その割りには、ほとんど仕事しないけどね」

「コラーーー!!」

 

でも、事実だよね?

入学式の日でさえ、助けを求めてきたんだから。

 

「そうだ! 忘れるところでした!」

 

愛香に技をかけられていたトゥアールが、何かを思い出したみたい。

すぐさま愛香の技から逃れ、私達のところにやって来た。

そして、私の肩をガッと掴んだ。

 

「あ、あの~… 私に何か…?」

 

顔が思い切り近づけている。

メチャクチャ恐いんですけど…

 

「伊織さん」

「うひゃぃ!?」

 

トゥアールの真剣な顔に、変な返事をしちゃった!

は、恥ずかしい…

でも、そんなことはお構い無しに、彼女は話を続ける。

 

「是非、ツインテール部に入ってくれませんか?」

「……はい?」

 

トゥアールの発言に、思わず絶句してしまった。

 

☆☆☆

 

「トゥアール、ちょっと来なさい!」

「ギャーッ、乱暴に扱わないでくれませーーーん!?」

 

愛香が無理矢理、伊織先輩からトゥアールを引き剥がした。

 

「何で先輩がウチに入る必用があるの!?」

「今から話しますんで、こっちへ…」

 

俺達は、伊織先輩から離れたところで小さく固まった。

どうやら聞こえてほしくない内容のようだな。

因みに、おいてけぼりにされた先輩は、理解できなかったのかフリーズ中。

 

「さて、話してもらうわよ」

 

愛香が凄まじい形相でトゥアールをにらんでいる。

尋問じゃないんだから、もう少し落ち着け、な?

 

「この前、慧理那さんが部室に来ましたよね?」

「その時は、先輩と桜川先生が一緒にいたな」

 

それで、会長にリングを見られたんだっけ。

でも、それがなんだってんだ?

 

「あの時に、簡易型の属性力(エレメーラ)測定器を使っていました。その時、エリナさんのツインテールに反応しましたが、同時に伊織さんのポニーテールにも反応したんです」

「「えっ!?」」

 

やはり、会長のツインテールは本物だったか。

でも、先輩のポニーテールにも反応したって…?

 

「つまり、先輩にはポニーテールの属性力(エレメーラ)があるってこと?」

「しかも、ただの属性じゃないんです!!」

 

トゥアールの言い方に、どうも含みがあるな。

 

「ただの属性じゃない?」

「はい。単純な属性力なら、総司様の次に強いんです。」

「な…!?」

 

俺の次に強い属性力の持ち主だって!?

なんでそんな人が、今まで狙われなかったんだ?

 

「ちょ、ちょ、なんでそんなすごい人が今までほったらかしにされていたのよ!?」

 

もちろん、愛香だって理解できていない。

疑問をぶつけるのは当然だ。

 

「恐らく、アルティメギルの目的が『ツインテール属性の奪取』だからだと思います。」

「だから、目標物でないポニーテールは無視した、ってこと?」

 

本当にそうなのか?

でも、現に先輩は何事もなく普通に生きている。

 

「今はツインテール属性のみですが、いつアルティメギルが伊織先輩のポニーテール属性を奪いに来るか… それならば我々のメンバーに入れてしまおうと思いまして」

「「なるほど」」

 

会長と同様に狙われる可能性が高いのなら、その方が守れるだけ安全なはず。

 

「でもいいの? 私達、『ツインテール部』なんでしょ?」

 

愛香が当然の疑問を投げかける。

俺もそう考えていたところだ。

 

「部としては不本意ですが、人命には変えられませんので…」

 

兎に角、これは俺たちだけで決めることじゃない。

先輩たちにも話さないと…

 

☆☆☆

 

「いきなりどないしたんや?」

「さぁ…」

 

トゥアールが観束君に引っ張られ、向こう側に行っちゃった。

置いてけぼりにされた私達は、ただ固まるしかなかった。

 

「だけど、ストレートだったな」

「それは、ウチも思うわ」

 

でも、いきなり勧誘なんて…

それ程人数が少ないのかしら?

 

「そういえば、ツインテール部って何するところなん?」

「え? …さぁ、何だろうね。あとで確認してみるか」

 

本当は知っているけど、あえて本人たちにもう一度聞いてみるか。

っと、そんな会話をしているうちに戻ってきたか。

 

「小会議は終わった?」

「えぇ、お待たせしてすみません」

 

トゥアールが遅れたことに対しての謝罪をしてくれた。

 

「あの、ツインテール部って何するところなん?」

 

早速かい!

もう少ししてから、私が訪ねようとしたのに。

 

「あぁ、雨宮先輩はあのときいませんでしたっけ。簡単に言えば、『ツインテールを愛し、研究すること』です」

「ふ~ん」

 

トゥアールの説明にリンは興味なさげに頷く。

まぁ、こんな内容では誰も入ろうとは思うまい。

 

「ポニーテールと比べて認知度の低いツインテールですけど、それはそれでいいところがあるんです!!」

「だから、俺達とツインテールの良さを広げていきませんか!?」

 

トゥアールに続いて、愛香と観束君が補足してくれた。

この熱の入れようから、私達を本気で部に入れたいらしい。

…でも、理由としてはいまいちだ。

 

慧理那達と一緒にいた私は兎も角、まだリンがアルティメギルについて知らないと思っているのだろう。

何故、そこまで私達を引き込む?

今までは散々無視してきたのに…

 

「ツインテールの良さ、ね…」

 

しばらくく黙り込んでいたリンが、口を開いた。

 

「あいにくやけど、ウチはツインテールなんかしたことないから分からんわ。それに、ポニーテールしとる奴がツインテールの良さを語るのは滑稽(こっけい)や」

「あぅ…」

 

痛いところを突かれたかのように、3人は口をつぐんだ。

 

「それに、ツインテールはポニーテールとは好敵手(ライバル)関係にある。勧誘する相手を間違えたんとちゃうか?」

「ぅぅぅ…」

 

さらにリンはきつい言葉で攻める。

って、3人のヒットポイントがもうないんですけど!?

 

「リン、ストップストップ!! もういいわよ」

「おっと、ついやっちまった」

 

なので、私がストップをかけた。

こうでもしないと、相手をボロボロにまでするからなぁ…

…そろそろ決断しないと。

 

「トゥアールさん?」

「…はい」

 

私のこえに対し、彼女は自信なさげに返事をする。

 

「私は……」

 

元々この昼食は私に向けてのお誘いで、部の勧誘も私だ。

だからこれは、私が返事をするべきだ。

キッチリ示さないと。

 

 

「ツインテール部には、入りません!!」




あんまり変態がありませんね…
元々、最初からしようとは思っていましたでしたが、
私には難しすぎるので、普通にしました。

感想・批判などがあれば、どうぞ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。