しかし、今回はそれでは難しいと判断し、ナレーションsideで書いてみました。
「ようこそ、異世界の皆様!!」
そう言って、ロロリーはドスカートの裾を摘み、可愛げに礼をした。
「ふぅん、あの子が総二の言ってた娘ね。可愛いじゃない」
言葉とは裏腹に、不満げなオーラが出ている。
確かにツインテール部、特に総二を警戒してか、護衛の数が半端じゃない。
双子のお姫様に混乱する彼らを前に、自己紹介が始まった。
「私はロエル。そして、こっちは妹のリルナ」
「じゃあ、ロロリーって…」
「うん、私達が戦う時の名前だよ」
恐らく総二が変身する際に名乗る、テイルレッドにあたるものであろう。
紹介されたロエルやリルナは、驚く程よく似ている。
姉のロエルは左側にサイドポニーにしており、チョーカーやブーツ、リボンが黒に統一されている。
妹であるリルナは、逆に白である。
「俺達は大きな属性力を目印にここまで来たんだ。その反応が2つあったんだけど、もしかしてリルナもーーー」
「ええぃ、触れるな無礼者!!」
…相当嫌われているようで。
まぁ性別の問題もあるが、彼女の場合は別にある。
「間違えても姉様の髪に触れるなよ下郎が!!」
「…俺、何かひどいことでもした?」
彼には本当に心当たりが無く、戸惑うばかりである。
「お前は夢の中で
「あ、あぁ」
「それはこの国では、婚約に値するんだ」
『…ハァ!?』
リルナの言葉に、全員が驚きを見せる。
「総二お兄ちゃんは大好きだからねっ! えへへ…お兄ちゃんに
それに対し、ロエルは嬉しそうだ。
夢の中で、総二に髪を触ってもらった感触を思い出しているのであろう。
「それでどうやった、観束君の触り方は?」
「それはもう、愛おしそうに優しく、だけどしっかりと逃がさないように---」
「そーじ、アンタあの子に何てことを―!?」
「どうせなら、私にもっとスキンシップをば---」
「軽くツインテールを触っただけだ! 頼むから誤解されるような表現は控えろ―!!」
リンの質問に、更に体をくねらせて答えるロエル。
その後ろで、幼馴染達andトゥアールが地獄の取っ組み合いをしているが…
それを羨ましそうに見ている慧理那と彼女を守る桜川先生がいるが、空気になっていることを念の為に描写しておく。
だが、王女のいる間であることを忘れているようだ。
騒いでいれば、どうなるか…
「姫様が危ない! あいつらを取り押さえろ!!」
号令と共に、護衛である騎士たちが一斉に総二達を取り押さえにかかった。
だが、その軍勢は彼女に止められてしまう。
「フン、軽いな」
「ただのメイドごときが、何故こんなにも強い!?」
「お前たちこそ、既婚者ごときに私が倒されるわけがなかろう。独身をなめるな!!」
大軍を軽く片付けていく桜川先生に、皆は唖然としていた。
「そういえば、この世界の戦いは終わっているのか?」
目の前の光景を逸らすために、総二はロエルに気にしていた事を話してみる。
「前は大軍が来ていたんだけど、急に何処かへ行っちゃったの」
「そいつらはどんな奴だった?」
「確か『巨乳の女子はおらぬか』って探し回ってたね。ロエル、小っちゃいからシュンとしちゃった」
その部隊は、総二達ツインテイルズに馴染みのある奴らだった。
ツインテール部は顔を見合わせる。
「なぁトゥアール、あの娘の言ってるエレメリアンってもしかして…」
「十中八九、リヴァイアギルディですね」
「お兄ちゃんたち、知ってるの!?」
彼らが知っていることに、ロエルは驚きを隠せない。
「知ってるっていうか…」
「実際、倒しましたからね」
「ホント!?」
ただ、そのリヴァイアギルディを素手によるフルボッコで、という事実は伏せておく。
あの娘達にはグロテスク過ぎる、からだ。
「だけどね。その後に来たエレメリアンが物凄く強くて、やられちゃった」
「どんな奴だ?」
「ソイツは"ポニーテール"の属性力を持っているの」
「マジか…!?」
ツインテールと双璧をなす属性力。
そんな存在が実在しているとは思えなかったのだろう、彼は驚いていた。
「それで負けた条件として、国民にポニーテールを広めろって言われたの。だから、ツインテールを禁止する法律を作ったんだよ」
「何てこった。そんな理由で…」
総二は酷く落ち込んでいたが、愛香とリンは何処か納得のいかないような顔をしていた。
「ロエルを安心してくれ。ポニーテールの奴は俺達が必ず倒す。だからそんな悲しい法律は廃止してくれ…!」
総二はロエルの手を取り、硬く約束した。
しかし、ノックもせずに入ってきた兵士の発言により、空気は一変する。
「大変です。街中にエレメリアンが!!」
「兵士達は街の人を避難させてください。早急に」
『ハッ!!』
リルナの指示により、兵士達は統率された動きを見せる。
「お兄ちゃん、私の力を見せてあげるね!」
「君も戦うの?」
「お兄ちゃんに頑張っているところ、見せなくちゃ」
そう言って、ロエルは部屋を出ていく。
「さて、ボクも戦うとするか」
「リルナもか?」
「精々、ボクと姉様の絆を見ておけ。君達の入る隙間などない、完璧な愛をな!!」
自信満々に答えるリルナ。
そして、姉の後を追うように部屋を出ていった。
「私達が街中にいれば、また騒ぎになるわよ」
「では
その装置は、リザドギルディとの接触時に使用したものである。
そして、
町には人だかりができていて、街並みにそぐわない大型カメラや中継車も出ていた。
王女達が到着すると、割れんばかりの歓声が響いた。
彼女達も手を振って、それに応える。
そして、ポッカリと人がいない場所にエレメリアンが立っている。
それは総二達もよく知っている敵であった。
「アイツは…」
「ゴリラの時におったな」
「ゴリラの方が印象深いのですね…」
ゴリラは動物園以外には滅多にお目にかかれないので、当然ではある。
さておき、そのエレメリアンは全身ピンクのそれである。
「いやあ、この星は実に健康的ですね。王女様をみて、涎が出っぱなしですね♪」
住民達は慌てて口元の涎を拭く。
奴は両腕を高く挙げ、ハイテンションに叫ぶ。
「私は
「…どの世界も"ヘンタイ"は万国共通やね」
「これまたドギツイ属性力ね」
2人の発言は、ツインテール部の内情を辛辣に映し出していた。
その間に、エレメリアンの回りには
しかし、総二達の世界のとは何処か異なる。
そのカラーリングは赤く、内股歩き。
「モキュ、モキュ!!」
「女の子の仕草ですわ!?」
「まさか
それでもあの時は黒い
「行くよ姉様」
「うん、リルナ!」
そして2人は光に包まれていく。
2人は重なり合い、1つの存在に変化する。
しかしサイドポニーは重ならず、2つのサイドポニーがツインテールを形成する。
完全に融合し終わり、衣装が形成されると、右手に魔法少女らしいステッキが握られる。
「姉妹合体、魔法少女ロロリー参上!!」
ロロリーの登場に、住民は大歓声をあげる。
そしてエレメリアンを倒すために、ロロリーは地を蹴って敵陣に突っ込んだ。
手前まで来ると彼女は高くジャンプ。
ステッキを眼下の戦闘員に向ける。
「行っけぇ、ツインテール・ビーム!」
ロロリーのツインテールから太めの光線が発射し、戦闘員を凪ぎ払う。
「スゲェ、見たか今の!? ツインテールからビームが出たぞ!!」
その光景に総二は大興奮するが、彼以外は固まっていた。
特撮好きである、エリナでさえもだ。
「一気に終わらせるよ、ツインテール・タイフーン!!」
「嫌ァァァッ!? 涎が乾くわゎァァァ!!」
ツインテールから出る強力な竜巻にチェリーブロギルディは巻き込まれ、断末魔を叫びながら爆発した。
敵を殲滅した後、ロロリーは元の2人に戻った。
そしてこの場にいる国民全員で勝利に歓喜した。
ロロリーの活躍により、エレメリアンを排除できた。
だが、それで解決した訳ではない。
「少なくとも、複数のエレメリアンがこの世界にいるのよね…」
そう切り出したのは愛香である。
「その上、強力なポニーテールのエレメリアンも未だにうろついとるわけやからなぁ」
「まだ安心できませんわね…」
それに応えるリンと慧理那。
皆のテンションは暗くなる一方だ。
「落ち込んでも仕方ない。俺達はこの世界を護るために来た。それに今までにも強い敵を倒してきたじゃないか。」
「ですけど---」
総二が皆を鼓舞させようとしたが、
突如、けたましい爆音とクラクションが鳴り響いた。
バルコニーへ出ると、驚きの光景があった。
地面が揺らいでいる。
その表面も城下町の色ではなく、様々なカラーリングで塗られていた。
その後ろには赤一色。
恐らく戦闘員であろう。
「聞こえるかぁ、お姫様よぉ! ウチらはアルティメギル4頂軍の1つ、
御輿の上で胡座をかき、
恐らく、奴がポニーテールの属性力を持っているのだろう。
「早く倒さなきゃ」
言うが早いのか、姉妹はロロリーへと変身し、何時でも出撃できるようにしていた。
「さて、俺達も行くか」
「お兄ちゃん達も戦うの!?」
「何のためにここまで来たと思っているんだ? この星のツインテールを守るぞ!!」
総二達は兵士達が街の避難誘導のために部屋にいないことを確かめた後、右手首に着けているテイルブレスをかざした。
「いくぞ!」
『テイルオン!!』
総二・愛香・慧理那は変身のための
但し、愛香は僅かに聞こえる程度の声量で。
「お兄ちゃん、その姿は…!?」
変身後の姿を見たことが無いのか、ロロリーはかなり驚いている。
「これは、トゥアールの仕様でこうなってしまうけど… 例え性別が変わっても、世界からツインテールを守りたい気持ちは変わらない。だから改めて言う、一緒に戦ってくれ!!」
総二なりにカッコイイ台詞を言ったつもりなのだろう。
しかし、ロロリーにはいまいち伝わらなかったようだ。
それどころか、彼女はテイルレッドの下半身を見て、
「お兄ちゃん、ちん○ん何処行ったの?」
無垢な少女だからこそ、許される台詞。
それはテイルレッドには、大きくショックを与えたようだ。
「…まぁ、それだけの覚悟があるこっちゃ。それより、客人をおもてなししたらなアカンで。ホラ、急ぎぃ!!」
リンが何とかフォローしてくれたおかげで、気持ちが幾分か落ち着いたようだ。
「純真無垢なロリちゃんにち○ちん言われたら、たまりませんなぁ、ゲハハハハハ!!」
先程の発言で、バカ笑いしている者が1名いたが、リンのジャーマンスープレックスで鎮められた。
貴女は、その原因を造った人でしょうに…
「行くわよ!!」
ブルーの声と共に
「さて、色々聞きたい事があるんですが…」
ツインテイルズとロロリーが出撃した後、トゥアールが声音を張らせてリンに問いかける。
「何故、貴女がポニーテールの
「……」
それは、ある種彼女の核心を問うものでもある。
「前の昼食の時、私は密かにお2人の
「---」
「私の技術がアルティメギルよりも幾段階劣っていることを除いても、貴方には
「まず、ウチに
「そうですが…」
リンの言葉に、トゥアールは言い寄られてしまう。
「そう言えば、昔にポニーテールにしてませんでしたか?」
「急に話題変えたな。まぁ確かに、小さい頃はしとったよ」
リンにはその質問の意図が解らず、頭に?マークを付けている。
「いいですか? 属性力というのは、モノに対する想いの強さみたいなものなんです。ショートカットである貴方からポニーテールの属性力が検出された。どういう事かわかります?」
「えっと… 何?」
「つまり、貴方はポニーテールに何らかの強い想いがあった、ってことです!!」
戸惑うリンに人差し指を突き付け、攻めの姿勢を取るトゥアール。
まるで、探偵のように。
「エレメリアンに検知される程の属性力… 何故、貴方はポニーテールを手離したのです?」
「…」
「今もポニーテールならば、恐らく愛香さんやエリナさん程の美しさを持っているはず」
核心部を突く質問に、リンは黙ったまま。
その様子から、何やら本人にとって重大な出来事があったのだろう。
「今は追及しません。しかし、これが思わぬ災いを生み出さなければ良いのですが…」
トゥアールは心配そうにリンを見る。
しかし、リンは唐突に窓の方を向いた。
眉間にしわを寄せ、空を睨むように見ていた。
「……!」
「? どうかしましたか?」
「いや… 何か妙な気配を感じてな」
「そういえば、空が赤すぎますね。日暮れにはまだ早いはず…」
空は赤かった。
いや、それは赤と言うには禍々しいものだった。
(アイツら、無事やとええんやけど…)
アルティメギルの一角、
その顔には、笑みが零れていた。
(ククク… この惑星には面白いものが多いぜ)
テイルレッド、
「しばらく待ってから、アイツに会うとするか」