Which do you love ?   作:ズケズケ

42 / 89
1/21現在にて、ようやくお気に入り数が100件を突破…
4月中ごろから執筆を始めて、ここまで長かったです!!
他の執筆者と比較すれば、私はまだまだ『ヒヨッコ』同然です。
しかし、そんな私の作品を読んでくださる皆様に、この場を借りて感謝します。
これを受けて、私も執筆速度を上げることで展開を進めていきます。


Episode.42【王室の茶会(ロイヤル・ティー・パーティ)のパーティ】

アルティメギル基地。

しかしそれは地球侵略部隊の、ではない。

 

「何故にわしが、書類ばかり片付けなければならんのじゃ!?」

 

机に突っ伏すのはダークグラスパー。

彼女の机には、山のように積まれた書類が。

その衝撃により、書類が雪崩となって床に勢いよく流れ落ちた。

 

「今は王室の茶会(ロイヤル・ティー・パーティ)に拾われた身やし、仕方ないと思うで」

 

床に散らばった書類をかき集めるのは、ダークグラスパーの相棒メガ・ネプチューンmk.Ⅱ。

冷静に、彼女の愚痴に返答した。

 

「じゃからと言って、この量は何じゃ!? アルティメギルは、遂にブラック企業とでもなったか!!」

王室の茶会(ロイヤル・ティー・パーティ)自体が、外道(アウトロー)な組織やからなぁ… 運が悪かったと思うて諦めるしかあらへん」

 

メガ・ネの言う通り、彼女達はどうこう動かせない。

『首領直属戦士』の座から降ろされ、あわや処刑人が処刑されてしまう事も有り得たのだ。

彼女達を救ったのは、現在侵攻軍に所属する"怨み"である。

それ故、彼女達は彼に返しきれない恩を受けたことになる。

 

外道(アウトロー)か… 確かにデタラメに強い分、人間に対する尊敬の念が低い奴等が多いのう」

「最近活躍したライオギルディ、やったかいな? あの子は、ここに所属する"師範"に指導を受けたんやったな」

 

無論、彼女達もあの映像を確認していた。

ツインテイルズと死闘を繰り広げた彼女だからこそ、この映像は信じられない物であった。

 

(よもやテイルブルーが軽々と… レッドに手を出されなかっただけ、まだ幸運じゃった)

 

親指の爪を剥がさんとばかりに、力任せに噛んだ。

ダークグラスパーにとってテイルレッドは、トゥアールの次に恋した人。

だからこそ、彼女自身の手で倒したいと思っているのだ。

 

「---メガ・ネ」

「何や?」

「わしは絶対、このままでは終わらせんぞ」

 

そう決心したダークグラスパーの拳は、強く握られていた。

それは自身の無力さから来る怒りか、それとも…

 

☆☆☆

 

同・廊下にて。

 

「落ち着いたか、スワンギルディ」

「えぇ…」

 

まだ軽く肩で息をするスワンギルディを介抱するのは、ライオギルディ。

先日、侵攻部隊・隊長であるビートルギルディの提案により、ライオギルディの"師範"に会うことにしたのだ。

 

「よもや、あれほどまでに厳しいものだとは…」

「途中で倒れなかっただけ、凄いぜお前」

 

恐ろしい物を見たかのような顔をするスワンギルディ。

しかし、そんな彼をライオギルティは褒め称えた。

 

「俺が最初の修行の時、途中で気絶したからな。それを思えば---」

「だからと言って、あれ程ハイスピードで行う荒修行がありますか!?」

 

正直、あの光景は信じられないものとして感じていた。

端的に説明するならば---

 

『それほどで弱音を吐くな!』

バシンッ!!

『おふぅっ!?』

『まだ腰が甘い、もう一度だ!』

ビシビシッ!!

『あふぉっ♡』

 

---以下、無限ループ。

イエローのようなドMが聞けば喜んで行きそうな、中々ハードな修行であったようだ。

 

「これでは、修行を完遂する前に私の体が持ちませぬ!」

「まぁ、"師範"の修行は多少特殊だからなぁ…」

 

事実、ビートルギルディの修行と比べ、激しいものである。

それ故に、逃げ出すエレメリアンも多かった。

 

(せめて、共に修行する仲間がいれば…)

 

膝を着き、項垂れるスワンギルディに、ライオギルティは声をかけられずにいた。

ここにきて、修行が難航するとは思っていなかったからである。

 

「おろ? どうしたの一体??」

「お前は……!」

 

2体に声をかけたのは、外見がパンダのような姿を模したエレメリアンであった。

 

「どうも~、王室の茶会(ロイヤル・ティー・パーティ)のアイドル、パンダギルディでぇ~っす!!」

(あ、あざとい…!!)

 

日本で活躍するアイドルよろしく、華麗な決めポーズをするパンダギルディ。

そのハイテンションに、スワンギルディは気圧されてしまう。

 

「どうした? 今日は何処か落ち込んでいるようだが…?」

「えぇぇえっ、アレで!?」

 

ライオギルディが彼の見た目に反した台詞をいい放つ。

スワンギルディはまだ追い付いていないらしい。

 

「そうなのよ~っ! 地球にツインテールが拡散してくれて、アルティメギルとしては万々歳なの~!」

「それならば、何の問題もないはずだ?」

「でも~、アイドルグループの8割近くがツインテールになって、なんだか個性が無くなった気がするの~っ!」

 

確かにバラエティーを見れば、ツインテールをする女優やアイドルが急増している。

それに伴い、一般人にもツインテールにする者は多い。

しかしそれ故に、個性を殺すと言っても過言ではない。

無論、ツインテール以外にも個人を判別できる手段は存在する。

それでもなお、髪型とは個人を特定できる大きな存在なのだ。

 

「せめて、結び目を変えるなり髪にウェーブをかけるなりすれば、それなりに個性は出るが…?」

「でも~、皆が目指すのはテイルレッドたんなの! だから、皆似たようなツインテールになるの!!」

 

これは自称アイドルであるエレメリアンだからこそ、気付くものであった。

ツインテールのために個性を無くす。

それはある種の矛盾(パラドックス)であった。

 

「ツインテール属性が最強だからとはいえ、狩りがしにくい」

「いい加減、美の四心(ビー・テイフル・ハート)も仕事を終わらせるですぅ~!」

 

自身の手でこの状況をどうにかしたいのだろう、パンダギルディは両手を空に挙げ、怒りを顕にしている。

 

「ところで~、そこのエレメリアンさんは誰なのですぅ~?」

「彼はスワンギルディ。侵攻部隊隊長・ビートルギルディの提案により、修行に来たのだ」

「ライオギルディのご紹介の通り、私はスワンギルディであります!!」

 

パンダギルディが不思議そうにスワンギルディを見つめる。

ライオギルディの紹介と共に、彼は敬礼を行った。

しかし彼女は、更に彼の身体をジックリと観察していく。

 

「あの… 何か?」

「ちょっと、気に入ったのん」

 

どうやら、パンダギルディはスワンギルディに興味を持ったようだ。

そしてその巨体で、彼をハグした。

 

「ななな、何を---」

「ジッとしてるの」

 

急な展開に、スワンギルディは動けない。

彼女の腕力が凄まじいものなので、剥がせなかったのだ。

 

(しかし何だこれは… 温かい)

「お前も虜となったか…」

 

パンダギルディの策略に嵌まったことに、ライオギルディは落胆した。

スワンギルディは抜け出そうとしたが、しばらくすれば暴れなくなった。

 

「スワンギルディ!!」

「…ハッ!? 私は何を??」

 

ライオギルディの一喝により、彼は現実に戻った。

今しがた、何をされたかすら理解はしていまい。

 

「んもぅ、折角のスキンシップなのに~!」

「だからと言って、馴れ馴れしいぞ! 一体、何体ものエレメリアンを快楽の海に沈ませれば気が済むのだ!?」

 

ライオギルディは、彼女からスワンギルディを無理矢理引き剥がす。

そしてライオギルディは、彼の頬を思い切り殴り付ける。

殴られた頬を押さえつつ起き上がるスワンギルディに、彼は真っ直ぐ指を差した。

 

「スワンギルディ、貴様もだ! 精神の修行を成し遂げたと言っていたが、そのザマではツインテイルズに敗れるのも至極当然ッ!!」

「くっ… 私の中にも、まだ甘えがあったか」

 

核心を突くその言葉に、スワンギルディは自らの弱さを(さと)った。

 

「とりあえずだな… パンダギルディ、スワンギルディはお前の弟弟子にあたるが、余計な真似はするな」

「あれ、弟子になったんだ~!? これからよろしくね~っ!」

「は、ハァ…」

 

咳払いをしてパンダギルディに注意喚起するが、彼女はまるで聞く耳を持たなかった。

スワンギルディの両手を掴み、上下に激しく振った。

ついぞ変わらぬそのハイテンションに、彼は何も言えなかった。

 

(これで問題は少し解決できた。---後はスワンギルディ、お前次第だ)

 

パンダギルディという修行仲間ができたスワンギルディを見ながら、ライオギルティは腕組みをしつつ安堵したのだった。

 

☆☆☆

 

(新たに現れたツインテイルズ… 我々にとって大きな障害とならねば良いが)

 

エアロゾルは、廊下を歩きながらそんな事を考えている。

相変わらず彼はガスマスクを被っているため、誰も気にはしていない。

いや、まず廊下には彼以外の誰もいない。

 

(誰の差し金か… 引っ掻き回しおって)

 

彼の、いやアルティメギル全体としては、このままツインテイルズが活躍していればよい。

地球にツインテールが芽吹いたら、それを摘めば良いだけの話であるから。

だがあのツインテイルズ---テイルグリーンは、明らかに一線を引いていた。

鮮やかに流れる、ひと房の髪の束。

それは、アルティメギルのタブーである、ポニーテール。

たった一人でツインテイルズ以上の実力を持つことも危惧するに足る。

 

(あの力は本来あってはならない物。ポニーテール属性は、最強とうたわれるツインテール属性と同等の存在。…もしかすれば、我らに出撃の命が下されるのも近いのやもしれぬ)

 

表情の見えぬその仮面の内側は、恐らく眉間に皺を寄せているかもしれない。

兎に角

 

「つまらないわねぇ…」

(あれは… "哀しみ"殿?)

 

廊下の前方にうっすらと影が見える。

エアロゾルは、その声からそう判断した。

 

(どれ、ひとつ確認と行くか)

 

自身の真下に影を展開し、彼はその中に沈んでいく。

目的地は、彼女である。

 

(最近は出撃もないから、この城にこもりがち… 何とかならないかしら)

 

"哀しみ"も深く考え事をしながら歩いていた。

しかし、ふとドレスから何やら蠢いている何かがいるのを感じた。

スカートをたくしあげると、地面からガスマスクを被ったエレメリアンの頭が。

その位地は、彼女の足の間にあった。

彼の目線は、確実にスカートの中を向いていた。

 

「あ」

 

ガスマスクが何かを言う前に、ハイヒールで何度も踏みつける。

そして右足を大きく上げると、サッカーボールのように蹴り飛ばしたのだった。

蹴り飛ばされた彼は影から引き摺り出され、壁に激突したのである。

 

「何をしておる、無礼者!?」

 

顔を真っ赤にして、ガスマスクに罵倒の声をぶつける"哀しみ"。

それに対しガスマスクは、壁に張り付けられながらもゆっくりと床へ落ちていった。

 

 

 

 

「何か言う事は?」

「"哀しみ"殿のスカートを覗いたのは、単なる不可抗力です!」

「覗いた事は事実よね?」

「申し訳ありません。今後、慎重に行動します」

 

大広間にて、"哀しみ"は豪華なソファーに座りながら冷ややかな目線をしていた。

その先には、この場にそぐわぬ謝罪をしている者がいた。

額を床に着け、両手はハの字に構え、足は正座にしている。

和を重んじる日本ならではの謝罪方法・土下座である。

 

「少なくとも、あの挨拶の仕方は止めなさい。貴方は仮にも、王室の茶会(ロイヤル・ティー・パーティ)の参謀役なのですから」

「…御意」

 

それでなくとも、エアロゾルは神出鬼没。

常に気を張らなければならないため、彼にはあまり良い噂がない。

 

「それに、ダークグラスパーまで怖がらせて… 貴方はロリコンの趣味まで加わったの?」

「なっ、何処でそれを!?」

「ネプチューンから聞いたわ。『普段沈んでばかりのあの子が、あれだけ驚くのは久し振りや』とね」

 

"哀しみ"は既に、メガ・ネプチューンmkⅡ---メガ・ネとも友人となっていた。

しかし彼女は普段アルティメギル内でも、ボケ顔のサメ型ゆるキャラ『メガネドン』として生活している。

あれにはツインテイルズ同様、認識攪乱装置(イマジンチャフ)が内臓されているのだが、彼女には効果がなかったようだ。

 

「しかし、断じて否!! あの時は、彼女の実力を測ろうとしただけであります!!」

「そうかしら? あのアーマーの背中って空いているはずよね。それなら、その小さい背中にそっと指を這わせて---」

「何を申されておられるか!? 第一、彼女の背中はマントで隠されているはず!! ならば、その背中に触れることは不可能!」

「…チッ」

 

さりげなくエアロゾルにロリコンを認めさせようとしたが、失敗に終わった。

思い通りにいかないことに、"哀しみ"は隠しもせずに舌打ちした。

 

「何故、そうまで私をロリコンにするのです!?」

「ここには他の首領直属部隊のようなボケキャラがいないから、ちょっと生み出そうかと」

「それは他の者に言ってくだされ!!」

 

実験台にされてはたまらない。

そう思ったエアロゾルは、大声で注意した。

実際、彼女に絡まれるととても面倒なのである。

根も葉もない噂を広められ、当人をひどく困らせることもしばしばなのだ。

 

「…しかし、今日は随分と積極的ですな。何かおありで?」

「"楽しみ"も、最近は遊びに行ってばかりで相手にしてくれないわ」

「確か、彼女は貴の三葉(ノー・ブル・クラブ)に配属されていたはず---」

「でも、フェニックスギルディが現れた星で全滅したわ」

 

彼女達の全面戦争によって、ツインテイルズに滅ぼされた。

それは、彼女に居場所を失わせた事を意味する。

 

「ならば、何故姿を見せないのです!?」

「あの娘、『キープスマイリング』がモットーだからかしら… 今は人間に化けて、南国でバカンスでもしているのでしょう」

((ハァ…))

 

自由奔放な彼女に、彼らはいつも振り回されていたのだ。

そのせいで、何度作戦を変更せざるをえなかったか…

エアロゾルと"哀しみ"は、同じタイミングでため息をついた。

 




"哀しみ"の言う通り、ここにはボケキャラがあまりいないようです。
全て、作者たる私の文章力不足ですかねぇ…
私も原作のようにぶっとんでいれば、もっと人気も出るのではないか。
この話を書いていて、そう思ったズケズケでした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。