「さ、覚悟はいいかしら?」
絶賛ピンチです、私。
こんな時にホワイト---リンは何をしているのよ!?
通信も一方的に遮断されているし。
(戦うしかないの?)
でも、手持ちの
絶望的以外に、この状況を表現しようがないなぁ…
「落ち着けよ、ブルー! ここで内輪揉めしても仕方ないだろ!?」
「いつグリーンが、私達の味方になったあぁぁぁ!?」
レッドの必死の説得も、まるで効果なし。
まぁ、私はツインテイルズではないから当然ですけど。
…というか、置いてけぼりにされてる?
「兎に角、殴らせなさい!!」
殴りたいだけ、なんじゃ…?
ズンズン近付いてくるブルーは、阿修羅以外の何者でもない。
アルティメギルやマスコミに、恐れられて当然だね。
その前に、手を打ちますか!!
「うらあぁっ…?」
完全に殴る体制に入る前に、彼女の貧相な装備に触れる。
うん、特に感触はない。
完全に真っ平らね。
「何すんのよ!?」
「何って、攻撃だけど?」
左手に、さり気なく
その力はダイレクトに伝わり、ブルーは吹っ飛ばされる。
ちなみに、彼女の胸を揺らすことは無かった。
「その力… 私の知らない
「いや、一回見たはずなんだけど」
確かライオギルディ戦で、見せたはずよね?
記憶間違いじゃなければ、の話だけれど。
「取引しましょう」
「はぃ…?」
「貴女は持っている全ての
随分と急な展開だね。
しかし、取引と来たか…
「それで、私達は手を引く。悪くないでしょ?」
余計な戦闘を避けたいのは、お互いに思っているはず。
それで、仲間として認められるなら悪くはない、よね…?
でも、それならどうなるの?
「仮に
「ん?」
「私は引き続き、その力を行使できるの!?」
もしツインテイルズの仲間になれるなら、彼女達が集めてきた
彼女達が死闘で勝ち取ったように、私もエレメリアンを倒したことでその証を得た。
つまり、
私はそこが気がかりだった。
「(トゥアール、どういう事だ?)」
『(たぶん---)』
向こうは向こうで、そうすんなりとは行かないみたい。
ツインテイルズからすれば、怪しい奴らとしか認識されていないもの。
下手すれば、アルティメギルの仲間ともされているかもしれない。
「それは、流石に無理じゃないかな…?」
…何ですと?
つまり、私は一方的な損失ってことに。
「仲間に迎えるとしても、しばらくは様子見だね」
「それにまだ、イエローの分がまだなのよ」
頬を掻きながら苦笑いで答える、テイルレッド。
両手を鳴らして第2ラウンドよとでも言いたげな、テイルブルー。
「ハハハ…」
やっぱり、駄目か…
それに必死で獲った
少しでも甘い提案に頷きかけた、私が馬鹿らしい。
「大人しく、お縄につきなさい!!」
ブルーは一瞬で距離を詰めると同時に、お腹目掛けて正拳突きを仕掛ける。
それを左手で払い落とすと、彼女は軽く重心が崩れる。
私は左腕を彼女の腕に添わせながら回転、事前に折り曲げた右肘でがら空きな脇腹に当てる。
「やっぱり、貴女方の仲間にはなれない」
右肘に力を込めると、地面を踏み砕かれる。
その威力はブルーが軽く吹き飛ぶほどのものであった。
今度は
テイルギアは、装着者の実力や意志に大きく作用されるらしい。
だからこそ、この力は私自身の力でもある。
(まだよ!!)
"
それは、オルトロスギルディが保有していた
彼らが、人格を2つ所有していたことが所以なのか。
しかし、人格が違えど長く一緒に過ごしていれば、似てくる物がある。
それは好みや仕草などに表れる場合がある。
(なら、この
私の後ろに、巨大な武器が出現する。
それはテイルイエローが使う、ユナイトウェポンと近似していた。
私が跳ぶと同時に、ウェポンはエネルギーを集束させる。
限界にまで集束された雷撃は私の背中に命中、そのまま私の体を押し出した。
「ヴォルティック・ジャッジメント!!」
まんま、イエローの
そもそも、この
「チッ---」
"
やっぱり防御と来たか…
というか、さりげなく新機能使っているけれど。
そんな事を考えている間に、私の蹴りは障壁に激突していた。
(何これ、吸われてる…?)
確実にダメージは与えているはずなのに、その威力が急激に落ちたような感覚がある。
…これは、ただの『貧乳の壁』じゃない!!
「貧乳の底力、見せてあげるわ…」
苦悶の顔で私の攻撃に耐えながらも、ブルーは何故か笑みを浮かべていた。
不思議に思っていると、障壁にできた亀裂が徐々に無くなっていくような…?
(まさか、
敵の攻撃を受け止めて、それを自身のエネルギーに転換するの?!
これじゃ、ジリ貧も良いとこじゃない。
このまま硬直状態を維持させたら、確実に負ける。
テイルブルー、ここまで展開を読んでいたなんて…
いずれにしても、私がすべき事は---
「んぬぅおりゃあっ!!」
テイルギアの出力を限界にまで高める。
それを、ヴォルティック・ジャッジメントの威力UPにするだけ。
「ヌググ…」
その分、エネルギーの吸収は激しくなる。
それはブルーも、同じはず。
エネルギーと同時に意識まで刈り取られるような感覚がしたけれど、気合いで乗り切るまで!!
ブルーの正面に展開していた『貧乳の壁』は再び亀裂を生じさせる。
でもその速さは、初撃とは比較にならない。
やがて亀裂は障壁全体へと広がり…
「せいっはああぁぁ!!」
障壁を突破し、ブルーの体を捕らえた。
なにぶんテイルギアの出力を限界にまで高めたので、ブレーキというものを知らない。
気付けば、ブルーがいた場所から500mほどぶっ飛ばしていたのだ。
飛ばされる間に、彼女の体から聞こえては色々と不味い音が聞こえた。
…大丈夫だよね、彼女だし。
(…?)
地面を削りながらもなんとか止まったら、何かが落ちていた。
拾い上げてみると、それは
瞬時に頭に浮かんだのは、
「(これ、さっきブルーが使ってた…!?)」
いずれにしても、貴重な戦闘道具にはなる。
彼女には悪いけれど、これらは戦利品として貰うね。
「俺1人でも、やってやる!!」
長剣---ブレイザーブレイドを構え、私に狙いを定める。
残るは、テイルレッドのみ。
手数はもう残り少ないけれど、戦いますか!
☆☆☆
「スマンな、伊織」
基地に戻ったテイルホワイトは、すぐさま変身を解除する。
鈴音へと戻った彼女は、すぐにモニタリングを行おうとしていた。
しかし、タイミング悪く着信が来てしまう。
(ったく、誰やねんて---)
面倒そうにスマフォを取るが、着信相手の名前を見て、硬直した。
その相手は、彼女にとってもっとも苦手とする者だったからである。
まさか、悪い知らせが来たのか…
「もしもし---」
その予感は、当たっていた。
通話相手と話す内に、リンの顔から余裕が消えていく。
相手の声は聞こえない。
「ッチ…」
乱暴に電話を切ると、リンは足早に基地を出る。
☆☆☆
そんなわけで、現在進行形でテイルレッドと対峙しております。
「…!」
「…?」
一向に手を出さないレッドに、疑問を感じた。
警戒しているにしては、やりすぎな気がするけど…
じれったいなぁ。
"
両手に
それに合わせたかのように、レッドも突貫にかかる。
ブレイザーブレイドと拳、どちらが堅いか。
「はぁあああぁぁぁ!」
「うおぉぉぉおおお!」
下手すれば、私の左手は使い物にならない。
だけど、私はそれにかけたかった。
両者の力は均衡している。
その余波は、過去の戦闘の比ではない。
「悪いが、ブルーの仇を取らせてもらう!!」
「私、正当防衛だよね---!?」
誰かタスケテ---!!
そんな悲しき悲鳴も、誰の耳に届きはしない。
イエローはやり過ぎたと思うけれど、ブルーのは決闘だよね?
(兎も角、これは不味いよ?!)
そろそろ手に痺れが…
また、スベる予感が出てきたし。
「「あ」」
その均衡は、ついに破れた。
テイルレッドのブレイザーブレイドは外側に、私の
ブレイザーブレイドは私の頬を
私の
痛みをこらえ、拳を打ち抜くと彼女は吹っ飛んだ。
「勝手に仇にされて、たまるか!!」
右手に、
イエローに向けた最大火力ではなく、ある程度にまで抑えた物だ。
イメージするとしたら、ポケ〇ンの『はどうだん』が一番近いかな。
それを思いっきり、レッドに向けて放った。
「このっ!!」
テイルレッドは瞬時にブレイザーブレイドをもう1本取り出し、
斬られた
「(テイルグリーンはどこだ…?)」
『総二様、後ろです!!』
何で私が、彼女の後ろにいるかって?
そんなのは、言ってしまえばとっても簡単。
後は、爆発の煙に紛れて跳ぶ。
「もう遅い」
"
「…!?」
十二分に威力を上げた拳を、彼女の背中に叩き付ける。
「重力爆砕拳!!」
骨が何十本も折れたような音が響く。
これだと、もうレッドの意識はないかもしれない。
腕を振り抜くと、彼女は地面に激突した。
(って、このままじゃ私も地面とキスするんじゃないの?!)
敵の確認もそうだけれど、身の安全は忘れちゃ駄目だ。
そう思った時には、空中でのバランスを崩していた。
(痛った~い!)
顔面ではなく、まさかのお尻での着地。
いくらテイルギアが頑丈とは言っても、これはダイレクトに来た。
お尻から全身に、痛みが走る。
目尻に涙を浮かぶけれど、我慢よ私!!
「テイルグリーンさん」
ふと、誰かに呼ばれた気がした。
でもここには、私を除けばツインテイルズしかいないはず…
あぁそうか、ツインテイルズとの戦いによる疲労感が幻聴を招いたのか。
「テイルグリーンさん!!!」
「みぎゃあぁぁぁ!?」
思いっきり耳を引っ張られた上に、耳元で大声で呼ばれた。
やっぱり幻聴じゃない!!
耳を押さえつつ声の方を向くと、ヘンテコな
(…誰だっけ?)
見れば、トゥアールさんの至福(?)姿だもの。
これじゃ、どうぞ正体を暴いてくださいなんて言っているような物だし。
「今回は、私達ツインテイルズの敗北です。しかし、次は絶対、貴女方の敗北は決定しています」
(諦めてんだか、そうでないんだか…)
敗北を受け入れているにしては、仁王立ちして堂々と言っている。
何ともハッキリしないなぁ…
「それに、その下品な胸を曝すのは、世間体が許さないですよ」
(アンタに言われたくねぇー!!)
私から離れ、倒れているテイルレッドに近寄る。
バストは、見た限り私と同じくらい。
今ブーメランが飛ばされましたよ、思いっきり。
「と言うわけで、アディオス!!」
レッドを脇に抱えたヘンテコ仮面は、突如光に包まれる。
その光が消えた時、既に彼女の姿は無かった。
(…何だったんだろ?)
よくわからない。
けれど、これで戦いは終わったんだ。
早く家に帰って、ゴロゴロしたいなぁ。
「---どうやって、帰るの?」
今までリンに任せっきりだったから、正直やり方を知らない。
それにここから家まで、かなり距離がある。
「これは… 2択だね」
野宿か、無理してまで帰るか。
未だに連絡が取れない身としては、私は今究極の選択をする羽目になっております。