新戦士・テイルブルーは、予想通りメディアによって紹介された。
昨日の活躍はとても見事で、もしかしたらテイルレッドより注目されるはず。
そう思っていた。
だが、現実というものは、とても残酷である。
『なるはど……つまり、この少女は味方かどうかは分からないと?』
『えぇ、今の段階で判断するのは早計でしょう。笑っていてもひどく暴力的な目をしているのが気がかりです』
テイルブルーは、新戦士というより
そこまでバッシングするか…?
テイルレッドとは、真逆の対応である。
なんで、アルティメギルより凶悪と捉えられてしまうんだろうか。
『わ~~ん!!』
そして、テイルレッドはいつもどうりである。
なんだろう、更に頭痛がひどくなるような感覚がした。
朝の登校路。
私は、途中でリンと合流し、登校していた。
「テイルブルー、非難が凄かったな」
「…えぇ」
「昨日のネットもえらい騒ぎやったわ」
「へ? ネット?」
「なんや、見とらんのかい」
いや、一応自分用のノートパソコンを持ってはいるけど。
昨日は忙しかったので、使ってない。
結局、私はバイト先の店長にこっぴどく叱られ、気分サイアクだった。
更に終わったのが夜遅くだったため、そんな余裕が無かったのだ。
「いや~、なかなか厳しいコメントばっかりや」
「…具体的には?」
「パッと思い出せるのは、『貧乳なのにセクシー衣装で顔面ブルー』やったかな」
うゎ~お…
これは、本当に厳しい。
確かに、貧乳なのは間違いない。
だが、そこまでひどいコメントするか!?
☆☆☆
アルティメギル基地。
ここのホールで、再び会議が開かれた。
「たった20日で、これ程同胞が撃破されるとは…」
決して、アルティメギルの戦士が弱いわけでは無い。
テイルレッド、及び新たに登場したテイルブルーの活躍により、敗北が続いていた。
結果を見ると、同胞8名・
日数を考えれば、かなり大きい痛手である。
これを踏まえ、部隊長であるドラグギルティが志願者を募る間、沈黙を続けている者がいた。
「……」
そう、首領の命により同行している”怨み”である。
彼はこのデータを見て、疑問を持った。
(文明が低いはずのこの惑星に、なぜツインテールの戦士が…?)
それは彼だけでなく、アルティメギルの全戦士が感じていた。
彼が思っていたように、この惑星・地球は『文明こそ低いが、
だが、これはどうだ。
まるで、我々は騙されていたかのような感覚ではないか。
しかし同時に、最強のツインテール属性を見つけられたため、±0となったが。
いやむしろ、士気が上がる結果となった。
(このまま放っておけば、いずれ大きな障害となる)
”怨み”がそう考えをまとめたとき、
何故か白鳥のエレメリアン―――スワンギルティが倒れていた。
恐らく、志願者としての条件に適さなかったのだろう。
「我が行く」
「何と、ドラグギルティ様自らが!?」
「偉大なる首領より実権を預かる我らの統率者ドラグギルティ様、あなたが自ら行かれるなど!」
ドラグギルティが出陣すると聞いて、部下たちは慌てるが、
「くどい!!」
と一喝されてしまった。
それによって、静寂がホールを包む。
強者も放つオーラによって、誰もが発現できなくなったのだ。
そして、誰も止めることなくホールを去って行った。
(そろそろ行動に移すべきか)
ドラグギルティが去った後、静かに立ち上がる"怨み"。
「おや、どちらへ?」
合流後、彼は滅多なことでは動かなかったため、部下は軽く驚く。
いかにドラグギルティと同じ幹部クラスとはいえ、部下との関わりがほとんど無いため、彼の考えが分からない。
なので、行先を尋ねようとしたが
「なに、軽い用事だ」
と、軽くあしらった。
その後、ホールの出入り口に向かい、どこかへ行ってしまった。
☆☆☆
今日のバイトは、お休みを取ってもらった。
まだ、昨日のことが離れられないのだ。
「いまだに、テイルレッドフィーバーは納まらんなぁ」
「ほんっと、男子はうるさい!!」
帰り道は、いつも通りリンとおしゃべりタイム。
今日の学校も、テイルレッドで持ち切りだった。
戦闘は見事としか言いようがないけど、揉みくちゃシーンが大目にクローズアップされるため、どちらかというと弱っちいイメージがある。
だが、見た目のせいもあり、かえって人気が上がっている。
一方テイルブルーは、テイルレッドと比べて限りなく情報が少なく、話題が出てもアルテイロイド以上のバケモノ扱い。
どうすればあいつから逃げられるか、なんて話も出た。
…何なの、この差。
「まぁ、流行好きなのが人間や。すぐに納まるて」
「…切に願う」
真近でそんな話をされても、正直困る。
クラスメイトもどっぷりはまったらしく、「一緒にレッドを応援しようよ」とせがまれた。
もちろん、引き剥がした上で断ったが。
2年生になって、早1ヶ月近くが経つ。
だが、ツインテールの戦士の登場によって、常に精神的な疲れが出ている気がする…
そう、あの赤い戦士と出会ってからだ。
だけど、もうあの時以降はテレビでの話だし、このまま我慢すればいいか。
そんなことを思っていたとき、
「お二人さん。ちょっといいかな」
「ん?」
「はい?」
後ろから、若い男性に声をかけられた。
年齢は私達と同じくらい…?
でも、スーツ姿ということは社会人かな。
ひょっとして、道に迷ったのかな。
「これから大事な話をするから、場所を変えよう。来てくれ」
違った。
初めから、私達を知っているかのようなそぶりで話しかけるこの男性。
完全に『私達』に用がある。
その人からは、何故か逆らえない雰囲気をかもし出していた。
直感が私に伝えてくる。
また面倒事だぞ…と。
でも私たちはそれに従い、彼の話を聞くことになってしまうのだった。