「さて、ここなら大丈夫なはずだ」
「えっ…?」
「ここって…」
帰り道で、いきなり若い会社員に声をかけられ、ついていくことになった私達。
着いた場所は、道路に面した少し大きめの公園。
公園内には、休憩所として屋根付きのテーブルがある。
しかし、真面目な話をするにはとても場違いすぎる。
私達はテーブルの片側に座り、会社員さんはその反対側に着く。
ちょうど、私と向かいの席である。
荷物を地面に置き、聞く態勢が整うのを彼は待っていた。
「で? 話ってのは何や?」
開口一番に、リンが疑問をストレートにぶつけた。
会ってまだ数分とも経っていない人といきなりタメ口で話すあたり、うらやましくもあり「そこは敬語でしゃべろ」とつっこみたくもある。
でも、私も気になっていたのでそこはスルーした。
「そうだね。それじゃ、始めるとしようか」
会社員は、かなり偉そうな雰囲気をかもし出しながら話し始める。
「君たちは、アルティメギルの活動についてどう思う?」
「えっと、活動について、ですか…」
その話か。
散々メディアによって報道されてはいるが、大半はテイルレッドの情報によってほとんど公開されていない。
もしかして、彼は放送局の人か記者かな?
でも、そうだとすれば私達に『相談』するかな。
もし『インタビュー』ならば、別に誰でも良かったとおもうが…
「アルティメギルか… 最近はクローズアップせぇへんな。たぶん、弱っちいイメージがあるんとちゃうか?」
「う~ん…」
確かに、アルティメギル―――正確には、その戦闘員―――はそんなイメージが芽生えてきている。
というより、テイルレッドがいれば大丈夫じゃね?的な考えが蔓延している、と思える。
「よわっちい、か… これだけ倒されれば当然だな」
「?」
私には、よく分からなかった。
「そもそも、あいつらは『人間の力を奪う』目的でここに来てるんやろ? あいつらの変態性はともかく、本気で来たらすぐにできそうなんやけど」
それもそうだ。
もし、それが命令ならばすぐにできそうだ。
それも、一週間もかからずに。
だとすれば…
「でも、あいつらは中ボスを一体ずつ送り出しては、テイルレッドにやられる始末。なにがしたいんかよう分からんわ」
そう、そこが分からないところだ。
単に奪い取るだけならば、一斉に襲いかかり奪えばよい。
なんで、そんな面倒なことを…?
「まぁね。」
質問を投げかけた当人は、その回答を軽くあしらう。
「じゃあ、議題を変えよう。アルティメギルの『真の目的』とはなんだ?」
…真の目的?
考えたことも無かった。
あいつらがしているのは、ただの侵略じゃない、ってこと?
「真の目的て言われても…なぁ? まだ一ヶ月もたっとらんし、負け続けてるだけとちゃうん?」
リンがそんな自信のなさげな回答をする。
実際、もう関係ないだろうと思っていたし。
リンが分からないものが、私に分かるわけがない。
「そうか… ならば、これを見てくれ」
そう言って、彼が取り出したのは白いノートパソコン。
電源を入れて、少し作業に入った。
そして、作業が終わった後にその画面を私たちに向ける。
そこに映っていたのは、
「えっ!?」
「な、なんでや!?」
テイルレッドと竜のエレメリアンが戦っている様子だった。
「どういうこと!? どっから撮っとるんや、これ?」
「(オロオロ)」
テイルブルーが一緒にいるはずだが、この画面では確認できない。
しかし、2人がの後ろには、大量の
「テイルレッドだっけ? その子と戦っているのは、アルティメギルの幹部にして地球の侵略部隊隊長・ドラグギルディだ」
「侵略部隊隊長…?」
彼はその質問には答えず、説明を続けた。
なんで、そんな偉い人、いや怪物がわざわざ前線に?
それに、なぜ敵の名前を知ってるの?
私の頭の中は、一瞬で?マークで埋まった。
「ふーん。素人から見ても結構強い思っとったら、やっぱりかいな」
逆に、リンは冷静である。
『見事なツインテールだ……! 本当に、敵として出会ったのが実に口惜しい!』
撮影されている場所が戦場に近いのか、時々音が出る。
映像と合わせると、どこか楽しげに戦っているのは気のせいか…?
「彼の
「ツインテールの
…知らないよ、そんなこと。
でも、『類は友を呼ぶ』ってことわざがあるくらいだし。
けど、そんな友はゴメンだ。
『かつてのツインテールの戦士……同じくテイルブルーと呼ぼうか。彼女も、恐るべき強さを誇り、我等の侵攻を妨げ、世界を守る
『待て! じゃあ、お前たちは前の世界を滅ぼす前に、テイルブルーと戦ってたってのか!?』
えっ?
この星以外にも、ツインテールの戦士がいたの!?
「せやろな。宇宙は広いから、別に不思議やないわ」
宇宙うんぬんは置いといて…
なぜ、星を守る戦士がいたのに敗れたのか?
「彼らを退けるほどの力を持った戦士がなぜ負けたのか… 君たちはどう推理する?」
うっ…
私が今考えていたことを。
そう言われても
元々成績の良くない私としては、実に難しい問題である。
「敵の作戦が上手くいったからとちゃう?」
「でも、その内容は何なの?」
「そ、それは…(汗)」
私達は、四苦八苦している。
カンのいいリンでさえ、答えが出てこない。
「君達は不思議に思わないのか? ツインテイルズの圧倒的な支持率を」
「支持率ってゆーか扱いがちゃう?」
そうだ。
普通、誰かが人気になれば必ずアンチが出てくる。
そうすることで自分の立場を守ることができる。
しかし、今回はそれがない。
地球の英雄として崇めたいからか?
「せやけど、それと侵略はどう関係しとるん?」
関係…ねぇ?
彼らアルティメギルの目的が
頭の中で考えをまとめていたとき、思わぬところから答えが出た。
『侵略者を追い払う
…というより、ネタバレ?
でも、これで納得がいった。
「なるほど。強い
「まさか、ドラグギルディから話すとは思わなかったが… そういうことだ」
思い返せば、この1ヶ月でツインテールにする女子は急激に増えた。
それは、テイルレッドに憧れてマネをした、のが大きな理由のはず。
リザドギルディの時も、複数の女子からツインテールを奪った。
より多くのツインテール属性を奪うとすれば、当然のことである。
「じゃあ、解決策はないってこと!?」
仮に、ドラグギルディを倒しても何の解決にもならず、むしろ助長する結果になる。
ただ、アルティメギルに大人しく従うしかないのか…?