アルティメギルの宣戦布告。
そして、ツインテイルズの活躍。
これらすべてが、敵の手の平で踊らされていた。
そんな真実を知った私は、顔を下にしてうつむいている。
(そんな… それじゃ、どうすればいいの!?)
本来ならば、私には関係のなかったはず。
しかし、この真実を知ってしまった以上もう部外者ではない。
何とか解決策を出そうとしても、全く思い浮かばない。
『何で……あたしたちにわざわざ全部説明したのよ』
二人から少し距離が離れているテイルブルーから、そんな質問が。
私の前にいる会社員もそうだが、なぜそんな
ただのお節介では無いはず…
『テイルレッドのツインテール属性が本物だからだ。剣を交えて分かった。この幼女は、心の底からツインテールを愛していると… できれば、小細工などせず戦いたかった……これはせめてもの手向けよ。世界が滅びた後で全てを知り、絶望に暮れぬようにな』
「「……」」
私達は言葉を発せずにいる。
ドラグギルディ、彼は誇り高き戦士だ。
最初に出会ったリザドギルディの件で、完全に敵だと思っていたがまだ話し合いできるんじゃ…?
ドラグギルディの言葉で、わずかながら光が見えた気がする。
『礼を言うぜ、ドラグギルディ』
…へ?
「何や何や!?」
「おや」
『俺が今日ここでおまえを倒せば、ツインテールが世界に浸透して、得しただけ。万々歳じゃねえか』
こいつ…
本物の馬鹿だ…!
テイルブルーなんか大笑いしている。
会社員を含めて、私達モニター組は呆れていた。
「アカン… いい例のアホがおるわ」
「ここまでいくと、尊敬に値するよ」
だが、人生というものは予想がつかないものだ。
互いの覚悟を交えていざ再戦というときに、思わぬ刺客が現れたのだから。
『私の名は、世界を渡る復讐者、仮面ツインテール!!』
フルフェイスのヘルメットには、ウイングパーツが付いている。
何故か白衣を着ていることから、たぶん研究者…かな?
『ドラグギルディの言う通りです。本当は彼らの侵略の最中、私はすでにテイルギアを開発し、自ら装着して戦っていました。テイルギアの原型となる変換のテクノロジーは、アルティメギルが意図的に流出させた物だからです』
彼女はテイルギア―――たぶん、変身するための装置―――の開発者で、前の戦士だったのか。
「意図的に技術を流出… それって」
「彼らは侵略と同時に、新しい戦士を生み出すことが目的なのさ」
そして、世界にツインテール属性がある程度広まったところを奪う。
前の戦士は、恐らくツインテールがまたしぼんでいくのを恐れていた。
そこを付け込まれて侵略されてしまったのだろう。
「でも、八方ふさがりであることに変わりないんじゃ…?」
「まぁ、本人がやる気があるうちは大丈夫とちゃうか?」
何、その自信。
画面では、テイルブルーが仮面ツインテールが乗っている木をたたき折る。
その衝撃に仮面ツインテールは落ちてしまい、折れた木の下敷きになってしまった。
レッドは折れた木から仮面ツインテールを救い出し、彼女を中心に三人が並ぶ。
『俺たちは、三人そろってツインテイルズだ!!』
「何やの、この暑苦しいセリフ」
まるで、特撮ヒーローみたい。
そして、再び戦いに入る。
仮面ツインテールは、どこか安全な場所まで非難したらしい。
そして、テイルレッドとドラグギルティの戦いは激化する。
ドラグギルディの身体から光があふれ出し、やがてツインテールの形に収束していく。
(あれが、彼の本気…!)
ツインテール好きもここまで来ると、感心するレベルだ。
戦闘経験の差か、ドラグギルディが優勢だったが、
リザドギルティの時に使った捕縛の柱で彼の剣をはじき、いつの間にか持っていた2本目の剣で、テイルレッドは柱ごと斬った。
そのダメージにより、ドラグギルティは爆発した。
しかし、何故か喜びに満ちた表情(?)で。
テイルブルーも、戦闘員を全て撃破していた。
これ以上は見せる必要が無いと判断したのか、会社員はノートパソコンを畳んだ。
「どうだったかな? これを見た感想を言ってくれ」
まるで、子供が自分の宝物を自慢するかのように、笑みを浮かべて聞いてきた。
恐らく画面の内容ではなく、ドラグギルティの言っていた真実を受けての感想を求めているはず。
「感想っちゅーか、いくつか質問があんねんけど」
「どうぞ」
リンが会社員に質問を投げかけた。
「まず、あんたは
「というと?」
「あんた、ちょっと詳しゅうないか、敵さんについて」
そうだ。
ただの民間人にしては、アルティメギルについて詳しすぎる。
ましてや、隊長の名前なんてどうやってしったのか…
「そうだねぇ… はっきり言えば、僕はアルティメギルと少し関わりがあるんだ」
「ええっ!?」
会社員はゆっくりと席を立ち、私達の近くまで来た。
そうなの!?
でも、それならどこかしっくりとくる。
「2つ目。なんでウチらにこの話をしたんや?」
「君たちは、遅かれ早かれ巻き込まれる運命だった。でも、何も知らないわけにはいかなかったからね。だから、こうして話をしたんだ」
そう言って、私とリンの肩を軽く叩く。
巻き込まれる運命…?
もしかして、リザドギルディに襲われたあの時は、ただの偶然じゃなかったってこと!?
でも、私達はツインテールじゃないし、その縁とは程遠い。
じゃあ、私達とあいつらの接点って…
「さて、そろそろ戻るとするか。後始末が面倒だからねぇ」
「まだや!!」
いそいそと帰り支度をする会社員を、リンは呼び止める。
「ラストや。あんさんはウチらのことよー知っとるみたいやけど、ウチらは全く知らん。せめて、名前くらい教えてほしいわ」
…それに、また会うかもしれない。
そんな予感が、私の中にあったから。
せめて、何か情報は持っておきたい。
「僕の名はユウ。もう時間が無いから、この辺でお開きとしようか」
軽く笑った後、自己紹介をした。
行動がいちいち腹立つ。
「ん? ちょい、パソコンはどないするんや」
「あぁ、君たちが使いなよ。きっと上手くやれるさ」
「そう言われても…」
少し目を離すと、彼はいなくなってた。
だが、このノートパソコンが夢でないと示している。
(結局、何だったの…?)
テイルレッドは新たな決意を示したけど、私はもう一つ悩みの種が出来ることになってしまった。