Which do you love ?   作:ズケズケ

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Episode.80【】

(…予想通り、かな?)

 

ツインテイルズの基地へと向かった。

急いで来てみたけれど、ガッカリだわ…

 

「うごああああ!?」

「そーじに付きまとうんじゃねえぇぇ!! この、女狐があ!!」

 

案の定というか、日常的というか…

骨が軋む音をBGMに、トゥアールさんは思いっ切り決められていた。

あれは確か…、コブラツイストだったか。

 

「すみません、先輩。これを収めるには桜川先生と先輩しかいなくて…」

「私は便利屋かなにかか!?」

 

事故処理力の無さに、思わず突っ込んでしまった。

とはいえ、傍観者のままはいけないよね。

 

「"喧嘩両成敗"!!」

「「ごばあっ!!?」」

 

テイルギアの出力を最低限に抑え、両者を押さえつけた。

勿論、接近はせずに重力で。

彼女達は時折痙攣しながらも、大事には至らないはず…

 

(ここにもいないんだ、リン)

 

実は、学校でちょろっと彼女の姿を見てから、一度も見ていない。

色々と聞きたいことがあったんだけれど。

またどっかで、楽しんでいるでしょう?

 

「あてて… 助かりましたよ。この野蛮は、もう私では止められないので…」

「アンタが余計なんでしょうが!!」

 

聞いてて、凄いイライラする。

黙っていれば、勝手に…

 

「もう一度、お灸を据えましょうか?」

「「いえ、結構です!! はい、仲直りしましたっ!!!」」

 

こうでもしなきゃ、最近は収拾がつかないらしい。

そして、観束君を振り切って暴れだした、と。

つくづく、この2人の関係性が分からない。

 

「(それにしても、集合率が減ったわね…)」

 

パッと見るだけでも、わかる。

ここにいるのは観束君、トゥアールさん、津辺さんと私だけ。

桜川先生は、会議や職務で仕方ない。

慧理那も生徒会長という立場だからこそ、容易に来れない。

リンはどうだろう?

一応生徒会の書記だけれど、最近は殆ど姿を見せないらしい。

何でも、親戚関係が騒がしいから、だって。

 

「部長なんだから。しっかりしなさいよ、観束君!?」

「…」

 

部長も部長で、すっかり変わった。

なんというか、私が部長みたい。

折角のツインテール部なのに…

どこをどう間違えたら、こうなった?!

 

「だけれど、部室が使えなくなったのは痛いわね」

「ここまでエレメリアンが出現しないの幸いですが、すぐに出動できなくなりましたからねぇ」

 

確かに…

もし海外でエレメリアンが現れたとしても、彼女等はすぐにはできない。

一応、アドレシェンツァに本部がある。

でも、それで全てはカバーしきれない。

 

「部室があったからこそ、私達は何不自由なくこれたんです」

「…」

 

すぐにどこかの空き教室が使えたら…

そう思っていても、できはしないだろうね。

部室として使っていた部屋の大半を爆破された。

復旧工事も、思っていた以上に進まない。

まぁ、理事会で何かしらのトラブルがあったのだろう。

 

「私じゃ、どうにもならないわよ。せめて、リンがいたら」

 

何かしらの知識がある彼女なら、打破できるかもしれない。

だってテイルギアですら、幾つも作ったんだし。

 

「打つ手なし、ですか…」

 

トゥアールさんの言葉が、空間に響いた。

 

「まぁ、落ち込んだってしょうがない。私達が今できることをしようか」

 

機転を効かせるために、彼等に発破をかけてみる。

けれど、皆から覇気が見られない。

この先、大丈夫かな…

 

☆☆☆

 

リンが足立と対峙していた頃---

 

「僕の言葉、彼女はどう受け止めたのかな?」

「…」

 

廃墟の上に腰掛ける男性と、それを複雑な心情で見る女性がいた。

いや、表現するには恐ろしいといった方がいい。

 

「しかし、彼等があれ程までに働くとは。これで、ツインテイルズの活動は大幅に減少しました」

「確かに、ね。元々、王室の茶会(ロイヤル・ティー・パーティー)の敵ではないけれど」

 

彼は相変わらず、無表情。

だが、それでも微かな喜びは感じ取れる。

彼女は、それが不満で仕方ない。

 

「あの強大な力、流石に彼女達がずっとは持てないのは明白。だからこそ、彼等に手助けを行い、偶像化を手助けしたので?」

 

それが疑念。

アルティメギルの理念に反しているからだ。

彼等はツインテイルズを英雄とさせ、属性力(エレメーラ)を拡大させる。

そして最後に、根こそぎ奪う。

 

「私はそう思えません。むしろ、障害となるのでは?」

「まぁね」

 

ここで初めて、彼は答える。

 

「あのままじゃ、一辺倒だ。僕の属性力(エレメーラ)を高めることはできない。彼女達を成長させ、極限の嗜好を得るんだ」

「---」

 

その時、彼女自身の属性力(エレメーラ)とは違う何かを感じた。

だが、それが何かは分からない。

 

「あまり間を空けても、意味がない。今夜に当てるとしよう」

 

彼は立ち上がり、彼女へそう告げた。

 

「どうする、君は?」

「私は---」

 

予感がした。

だが、ここで別れれば---

 

「お供します。"怨み"殿一人にはさせません。」

「分かってたよ」

 

彼は諦めつつも、微笑みながら彼女の頭を撫でた。

やっと彼女の顔に、変化が起きた。

 

「さあ、行こうか。ツインテイルズの命日へ」

 

そして、彼らは消えていた。

 

☆☆☆

 

「彼から観戦チケットだと!?」

 

その言葉を皮切りに、周囲はざわめく。

 

「まさか…」

「どういう算段だ?」

 

それが普通ならば。

サッカーや野球など、スポーツならばここまで動揺はしない。

 

「まさか、エレメリアン戦なんて」

「しかも、ツインテイルズの殲滅も書かれている」

 

まさか、本当に…!?

それが全員の感想であった。

 

(彼は何を考えている?)

 

☆☆☆

 

(---)

 

どこぞともしれない場所。

無論、GPSでも確認はできない。

 

(---)

 

つまり、そこは何も存在しない。

だがそこに、その事実を無視する存在がいた。

 

(---くるとすれば、そろそろやな)

 

つまり、空間を支配できる者。

彼女の周囲には繭がある。

 

「感動の再開となるんか、それとも…」

 

ディメンションクロー。

敵を空間ごと切り裂くことで倒す、防御不可の切り札。

その空間切断能力を応用することで、この様なこともできる。

 

「まぁ、手助けはできんわな。これはあいつの問題やし」

 

そして別の空間へ入れることは。

()()()をも覗き見ることも可能であることをも示している。

 

「それよりか、足立先生はっと---」

 

クローで再び空間を切断する。

その切り裂かれた空間には、また別の景色が映し出されていた。

そこには、くたびれた服を着ている男性が一人走っている。

何か急いでいるようだ。

 

(カバンの類もない。さっき会ったのとはさほど変わらんなぁ…)

 

彼と会った際に、彼は手ぶらの状態で来ていたはず---

 

「いや、確か足元にカバンが置かれてたはずや!?」

 

慌てて別の空間へとつなげる。

そこには、変わり果てた物が映し出されている。

 

「あ-ぁ…」

 

言葉とは裏腹に、落胆した様子は見られない。

 

「さて、見物けんぶつ♪」

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