冗談です、お待たせして申し訳ございませんでした。しかも4000文字と少ない文字数なのも申し訳ございません!
お知らせがあります。もう一つの作品もかなり待たせてしまっているので、こちらの作品は一度もうひとつの作品がキリのいい状態に進むまで、更新停止しようとも思っています。ので、この一話以降2ヶ月か3ヶ月かまたまた半年ほど一旦更新がされなくなるのでお願いします。申し訳ございません。よろしければもう一つの作品も読んで(以下略。宣伝すんな)
あぁ、ほのぼの……したい……!
――あれから、私とダクネスは街の広場を離れて、人通りの少ない道を歩いていた。
「さすがはアクシズ教の総本山だな……」
「うん……。でもこの辺りは人通りも少ないし、もう大丈夫でしょ」
そうして、私とダクネスが苦笑混じりに観光を続けているとその前から……
「きゃあああっ! 助けて! そこの方、助けてくださいっ!」
あからさまなタイミングで助けを求める女性が脇道から飛び出してきた。
そして、その彼女の傍らには、これまた露骨な暴漢らしさを醸し出した上裸のマリモの男が
「へぇへへへへっ! へ、へぇへへへっ!」
いかにもな声を頑張って出していた。
……。
あぁ……めんど……。
私とダクネスの唇が奥に引っ込む。が、彼らは私たちの反応など歯牙にもかけず、三文芝居を続ける。
「あの凶悪そうな、エリス教徒とおぼしき男が、私を無理矢理暗がりへ引きずり込もうと……!」
「へっ、おいそこのお嬢さんたち! あんたたちもアクシズ教徒じゃねえーな! ハッ! なら遠慮はいらねえ! 全員纏めて俺様が喰ってやる! 暗黒神エリスの天敵であるアクシズ教徒な…………」
「ああっ、なんて事っ! 今私の手元にあるのは……って、あんたなんで黙ったのよ……! ちょっと! ねぇ、聞いてる? 打ち合わせの内容と違うじゃない!」
……が、暴漢役の強面男が何故か私に視線を向けたまま、固まってしまったのだ。
え……な、なになに……、な、なんでしょうか……?
え、こわっ!
「ちょ、なんであんたいつまでも黙ってるのよ……!? あ! もしかして、あんた私という存在がありながら、あんなこむす…………」
そして、女性の方も何故か私を注視するなり、その身体を硬直させたのである。
……。
嫌な予感がしてきた私はもう見なかった事にして、呆けるダクネスの腕を取り、足早にその場を去ることにした。
――しかし、その後も。
「おめでとうございまーす! あなたはこの大通りを通られた、ひゃぐっっ……! お、お、おぉぉ……! こ、この濃厚に漂う寵愛の香り……あ、あなた様は……!!」
私はダクネスと共に入ろうとした商店街をクルリと引き返す。
後方から、中年男性の鼻水塗れの濁声がひびいてきたが無視をした。関わりあえば終わりであるからだ。
「お、おい、カズミ? あの男性は何やらお前を呼び止めているような気がするのだが、泣いておられたぞ? 話だけでも……」
「……。ダクネスは優しいね。私、頭のおかしな点を抜けば、そんなダクネスのことをパーティーで一番に信頼してるよ!」
「にゃっ!? ど、ど、どどうしたんだ!? 変なものでも食べたか!?」
失礼な。
私は本当のことを言っただけである。
それにしても、少し褒められたぐらいでこのお嬢様は、どんだけ顔を真っ赤にさせているのだろうか? 漫画であれば、頭頂部から湯気が湧き出していそうだ。と、手汗まで掻いてきたなこの子と思いつつ、ダクネスの手を引っ張り、別の通りを通ろうとしたとき。
「あ――らぁ――! 良い天気ねっっ!! これもアクア様の思し召しかしら?」
パーマのおばさんが瓶がいっぱいに詰まった籠を片手に既にすたんばっていました。
またきた……!
「それはそれとして、なんて可憐なお嬢さん方かしらぁ? 若くて羨ましい……はっ!? あ、あなた……いえ、この全身から漂う濃厚な寵愛の香りはっ……!!」
そして、私の顔を見るや否や、又もや意味不明な言葉を羅刹させるのだ。いや、薄々勘づいてはいるが、私は思い浮かんだ物を脳外に投げているのだ。
そのため、籠を落とし、全身を震わせるパーマおばさんの横を私は足早に通り過ぎっていった。
◇◆
「……はぁ、疲れたぁ。まったくこの街はどうなってるのよ……」
迫り来るアクシズ教徒たちに疲労した私たち、もとい私は机にぐったりと顔をうつ伏せていた。そして、喉奥から、溜息と同時に愚痴をも溢れさせる。
現在、私たちはオープンテラスのあるカフェにて休憩をしていたのだ。
しかし、溜まった疲労によって机に項垂れる私とは反対に、向かいに座るダクネスは、頬を艶々と火照らせ、満足そうに。
「これも異境の地における試練……はぁ……堪能した!」
「あんた本当ブレないわね……」
首から下げたエリス教徒のお守りを握り締めていた。
そんな別の意味でも無敵のクルセイダーに呆れていると、
「お待たせしました。寵愛の信徒様、こちら当店からのサービスです」
「え、あ、すみません。私たちこんな頼んでないんですけど……」
注文した紅茶だけではなく、華やかな装飾が施された3段型のケーキスタンドが運ばれてきたのだ。
もちろん、スタンドの上には多種多様なスイーツが華なやかに添えられており……。
……え、聞いてます? 頼んでないんですけど……?
しかし、困惑する私の表情を気にすることなく、金髪褐色のエルフ(?)のお姉さんはテーブルの上に皿を置き、マダムのティータイムのような場を私の前に作り上げたのだ。
……。
いや、……いやいや、いやいやいやいや。
「……ちょ、ウェイトレスさん? これ頼んで……」
「お代は結構です。寵愛の信徒様。当店自慢の品です。ぜひ、いえ、どうか……! どうか召し上がってください!」
え、えぇ……。
エルフのお姉さんは目を蒼く煌めかせながら、鼻が接触しそうなほど私に懇願をしてきたのだ。
その異様な様に、私は押し黙るほかなかった。
それから、せっかくなので素直に頂くことにした。これ以上、ゴネても良いことがないと予見したからである。
そうして、私が首を縦に小さく頷くと、エルフのお姉さんは満足そうな華やかな笑顔を浮かべ……
「ありがとうございます! あ、エリス教徒のお客様。お客様には、こちらのサービスがありますので、そちらには決して手をつけないでください」
ダクネスの存在に気がつくと、私とは別の何かをダクネスの足元に置いた。
……それは、皿に盛られた犬の餌であった。
「!?」
「ではごゆっくりどうぞ!」
そして、エルフのお姉さんは、にこやかな笑顔を浮かべ、私に向かってだけ綺麗な一礼をすると店の奥へと去って行った。
ダクネスが頬を紅く火照らせ、ブルリと身体を震わせる。
「なぁカズミ……? 皆でこの街に住まないか?」
「ゼッタイヤダ!」
◇◆◇◆
「はぁ……もう宿に帰ろ」
食事を終えた私は、満足そうに身震いし続けるダクネスの手を引き、宿へ帰ろうとしていた。
この街は……うんん、アクシズ教徒はおかしい。
きっと彼らが私を寵愛の信徒と呼ぶわけは、私から漂うアクアの残り香からだ。アクアの体臭が私に染み付いているとか、心底嫌だが、ここまでされると私も認めるほかない。
彼らはその香りを嗅ぎつけて私に接触をしてきているのだ。自分で言ってて頭おかしい理論だと思うが、本当にアクシズ教徒頭おかしい……。
「いや……もういい。とっとと宿に行こ。それで万事解決……って、ダクネス!? ちゃんと歩いてよ!」
「あぁ……これだけの侮辱をうけ、さらには仲間の少女に好き放題使われ……あ、あぁ……! いい、いいぞ……この奴隷のような最低辺の下郎の扱われ方……! カズミはこの街では貴族以上の扱いを受けている……それで、私は奴隷のような扱い……。……。なぁ、カズミ? 本当に私とこの街で住まないか?」
「不快だから、もう黙って」
「ンンッ……!」
……はぁ、もういい。私だけでも宿に戻ろう……と、帰ろうとしたその時。
「フフーン、フーンフーン♪ ……アッ⁉︎」
鼻歌を口ずさみながら、とてとてと駆ける女の子が私の目の前で突然転んでしまったのだ。
「だ、大丈夫……!?」
慌てて私とダクネスはその子に駆け寄った。
丁度、消毒液と手拭いが懐に入ってくれていたので、それを使って少女の痛んだ膝を拭ってあげる。
傷口の汚れを直接拭き取るため、少女が痛みに顔を苦悶の表情にさせるが、傷口を放置するわけにもいかない。
「イッツ!」
「大丈夫……大丈夫だから、『ヒール』」
そして、消毒をし終えた少女の膝に私は回復魔法をかけてあげた。
すると、少女の膝にできた擦り傷は塞がっていき、傷一つない綺麗な状態へと戻っていく。
その一連の流れをダクネスは感心するような暖かな目線を送ってきていた。なんか恥ずかしいので、私は彼女から顔を横にプイッと逸らす。
そして、少女はというと、にこりと笑顔を見せ、
「ありがとう! お姉ちゃんたち!」
私たちに感謝の言葉を送ってきてくれた。
あぁ……こんな頭のおかしい集団がゾンビ映画のように蔓延る街にも、一輪の花のような少女が……!
「怪我は直したし、多分大丈夫だと思うけど……大丈夫? 立てる?」
荒んでいた私は女の子の健気さに癒されながら、手を差し伸べてあげる。すると、その子は嬉しそうに私の手を取りニヘっとはにかんだ。
あぁ……小さな子の屈託のない眩しい笑顔を見ていると、私の悩みなんて軽いものなんだと実感させてくれるので、陰鬱だった私の心が軽くなってくれていった。
「うん、もう大丈夫で……だよ! ありがとう! ……ねぇ親切なお姉さん、お名前教えて?」
「カズミだよ。サトウカズミ。こっちの怖そうなお姉ちゃんはダクネスだよ」
「へ、変な紹介をするな! わ、私はそんな怖そうに見えるのだろうか……?」
その不安そうに窺うダクネスに私と少女は同時に吹き出した。
そして、ほのぼのとした温かい雰囲気が生まれた中で、女の子が私の手を取り、お願いをしてきた。
「サトウカズミさ……ん? ねぇ、回復魔法まで使ってくれたお礼がしたいの? ちょっとついてきてお姉さ……ん!」
「え、そんな気にしなくても……ってあ、わかった、わかったから、そんな引っ張らないで?」
そうして、女の子に連れられるまま、通りを歩き続けていると、とてもひらけた場所に出る。
そこには、青と白の素朴な外装であるが、神々しさと同時に晴々しい壮麗さが調和された教会のみが……。
そして、その教会の一部分に……アクシズ教……と記されており……。
「ね、ねぇ……お嬢ちゃん……? こ、ここは?」
「ん? アクシズ教会本部ですよ?」
「へ、へぇ……なんで……?」
「なんでって、お姉さまからとても濃密な寵愛の香りを感じたからです!!」
女の子は目を蒼く輝かせ、屈託のない華やかな笑顔でそう答えたのだ。
……。
「もうむりっ!!」
「あぁ!? 寵愛の信徒様ぁっ!!」
神様、エリス様お許しください。
私は、小さな女の子の手を振り払い、宿へと逃げ帰りました。そんな罪深き私をお許しください……!!
あそこに行ったら、もう取り返しが付かなくなる気しかしないんです!!
そうして、神に懺悔をしながら、私は困惑するダクネスの手を取り脇目も振らずに走り去って行ったのだ。
ちょうど2期八話終了あたり。一度更新を停止するには、キリがよくないが許してくれ……。俺が悪いんだよ……! 更新が亀なのは俺がゲーム(ウマ娘、ブレソル)とバイトに勤しんでいるせいだ……! もう嫌だ……コロシテクレ……。
すいません、冗談です。空いた時間はもうウマ娘もブレソルもしません。ss書きます。
少ない文字数ながらも今回も読んでくださった方々ありがとうございました。感謝感激です。
一度書くのやめるとズルズルと言ってしまう性格を直します。とりあえず、もう一つの作品をキリがいいところまで終わらすので、気長に待っていただけるとありがたいです。