あれから一週間とちょっとが経った。アークナイツは割と楽しいから毎日やっちゃったんだなコレが!え?ウィンチェスターのオーダーメイドは出来たって?…………ハハッ☆お金って大切だわ!
つーか、弾手に入れた時に調子乗ってバカスカ撃ちまくったのマジで死ねば良いと思うわ俺ェ!しかも銃のウィンチェスターのオーダーメイドが高杉ィ!150万龍門弊とか舐めてんのか貯めれる訳ねぇだろ!いい加減にしろ!
しかも、ハロがいなきゃ安定して稼げないのがなぁ……俺まだ素質習得してないし、俺のウィンチェスターはアーツユニットじゃ無いからアーツ使えないしなぁ……感染者になるってのも一つだが、受けれる依頼が一部制限されるのはアレなんだよなぁ……非感染者限定のヤツは高収入多いし。
「ふぅ……今日もやるかぁ……」
でも、最近謎に熱中してるのは確かだな。なんかこう、暇さえあればやってる気がする。おっと、俺はニートじゃねぇよ?ちゃんと学校行ってるし、バイトもしてるから。
心の中で変な言い訳を言いながら、慣れた手付きでアークナイツにログインする。
「今メンテ中だぞ」
「先言えよって調べろよ俺ェェェェェ!」
なんか方舟のロビーにめっちゃいるなって思ったらそう言う事かよォ!そう言うトコだぞ俺ェ……
「つか、なんでメンテ中なのにログイン出来てんだ?」
「近年稀にミラーなメンテ中でもログイン出来るゲームだからなコレ。まぁやる事そんな無いけど」
はえーすっごい。最近のソシャゲでもメンテ中はログインお断りしてるのに。まぁやる事無きゃログイン出来ても出来なくても変わんねぇけどな!
「安心しろ、もう少しでメンテ終わるから」
「マジで?……ホントだ。つか、深夜からメンテやってんのなこのゲーム。学生に優しいかよ」
でも暇な事には変わりないからな。フードコートで設定資料でも漁っとくか。
俺達はロビーの隅っこら辺にあるフードコートまで行くと、テーブルに座って寛ぎ始める。ハロはなんかハンバーガーセット頼んでるな。お前の金で払えよソレ。
「……にしても、この鉱石病ってのはなんだ?一昔のHIVでも参考にしてやがんのか?」
「そこら辺はようわからん。でもまぁ……言われてみればそうだな」
完全な治療法が確立しておらず、感染ったら最後であり、感染経路が限定的で、感染者は迫害に近い扱いを受けている所もある病気………一昔前のHIVだなオイ。
「まぁ、このゲームの世界観は俺達の世界みたいに単純じゃねぇみたいだが……ヤベェ!滅茶苦茶下らねぇ!」
「お前さん、そういう系にいっつも過剰反応起こしてるよな」
「しゃーないやん……いやまぁ、差別とか色々を創作物でしかしらない一般ピーポーだけどさ、こう言うの心底下らねぇって思うんよね………アレ?これってみんなが鉱石病になれば全部解決じゃね?」
「いやぁ、そりゃ無理でしょ」
知ってた。まぁそんな簡単な事だったら世界観チグハグ過ぎてゴミカスになるわな。つーか………
「ミッションで何回かレユニオンとか言う感染者しばき倒したから、綺麗事言える立場じゃ無いけどね俺」
コラ、そこの筋肉モリモリマッチョマンの変態ヴィーヴル、そのアホ草と言わんばかりの目を止めろ。俺しばいただけだし、しばいて龍門近衛局とかに引き取らせただけだし、俺殺して無いし。殺したのオリジムシと犬どもだけだし。
話題変えよ。
「そういや、素質ってのはどうやりゃ習得出来るんだ?」
「あぁ、素質はレベル上げりゃいつの間にか手に入るぞ」
駄目だー、全然参考にならねー。せめて何処までレベル上げりゃ手に入るか教えてくれよ全くよぉ………いや、調べるか。友と言えど、頼りきりはアレだしな。
『天災余波範囲内から離脱しました。これより転送装置、及びスペシャルイベントへの参加が可能になります』
突然艦内にアナウンスが鳴り響き、今まで沈黙していた転送装置……クエスト地点へ向かう為のアレが起動する。
って待て、今アナウンスさんなんておっしゃいました?!って感じの顔で、ハロを見上げる。
「オイオイお前さん、俺が仕事してる時もアークナイツやってるって言ってたが、まさかスマホ弄るのも忘れて空いた時間すべてをアークナイツにブッ込んだんじゃ……」
「…………」
「ブッHAHAHAHAHAHA!!!」
「笑うなァ!気持ち悪ィ声で笑うなァ!」
「そういやウィンチェスターのオーダーメイドは?」
「…………」
「ブッHAHAHAHAHAHA!!!」
「笑うなァ!」
以外無限ループって怖くね?
転送装置を使って、今回スペシャルイベントなるものがある場所、チェルノボーグにやって来た………なんか死屍累々してんなぁ(他人事)
さて、ここに来るまでの数秒で俺の脳内にプログライズされた今回のスペシャルイベントについて説明しようか。
今回のスペシャルイベントは暗黒時代。なんかネーミングが不穏かつ微妙な気がする。どうやら俺が始める前にあった闇夜に生きるって言う期間限定イベントの続きであり、アークナイツのストーリーイベントらしい。
ミッションはロドス・アイランドの援護。ロドスはドクターとか言う人物の救出作戦をしており、俺達ノアの方舟はソレを援護する感じだ。だがまぁ、援護なのに注意事項があるんだが、おかしいと思うのは俺だけかな?注意事項の内容は、「敵エネミーは出来るだけ無視し、速やかに任務を遂行する」「戦闘せざるを得ない場合は、不殺に留める」「ロドスが脱出後、または戦闘で戦闘不能にした敵エネミーは、支給した特別なアイテムで方舟に送る」と言うもの。
………め、面倒くせぇ……。いやまぁ、全然守れなかったら報酬減るし、守るんだけどさ。
「そうそう、ネームドエネミーには気をつけろよ」
「ネームドエネミー?あ〜アレか、なんか勝った時のメリット無しのただただ滅茶苦茶強いって言う、このゲームの数少ないクソ要素の事か」
ネームドエネミー。みんなも知っての通り、VRMMORPGにおけるちょっと強くてヤバいエネミーの事。倒すと滅茶苦茶レアなアイテムとかをドロップするが、その代わりに滅茶苦茶強かったり、通常種と行動パターンが大きく違ったりと、色々強化されているが、倒して欲しいと言わんばかりのエネミー達。
だがこのゲームは違うのだ。なんと倒してもドロップ無し!しかも腕試しとかにも使えない程に滅茶苦茶強い!まるで倒すんじゃねェ!とでも言わんばかりのクソ共である。俺は直接出会った事は無いのだが、ふと耳に入った話では、トッププレイヤー複数人が挑んで軽々返り討ちにあったのだとか。そんな奴らな為、ネームドエネミー達は今でも放置されているらしい。まぁ、こっちから仕掛けて来なきゃ基本的に襲って来ないからと言うのもあるそうだが。
「出るのかよアレ」
「あぁ。だが敵と決まった訳じゃ無い。闇夜に生きるで味方になったネームドエネミーもいたからな」
「なる程……」
コレもうわっかんねぇな……。取り敢えず、俺はネームドエネミーが出て来たら一目散に逃げる準備をしようかな。ハロには悪いが。
とまぁ、ここまでがチェルノボーグに来るまでのハロとの会話と俺の頭の中(数秒)である。
「で、チェルノボーグに来たのは良いけどさ……ロドスは何処よ?」
「さぁな〜………で、さっきから殺伐とした効果音がそこらじゅうから響いてんだが」
両腕にバルファルクの翼みたいなナックルを装着したハロがそんな事を言ってる間に、四方八方を白い仮面を被った変人共に囲まれている事に気がついた。白い霧で視界が悪い中、囲まれるとか油断の極みである。
「オイオイオイ、この数のエネミーを無視出来るワケ無いだろ」
「同感だな。チャット欄見る限り、何処でも戦闘起こってるみたいだぜ」
え、何それ見てみたいんだけど。でも囲まれてるからなぁ。後でどっかで見てみるかの。
「来るぞ!」
俺達の周りを囲んでいた白仮面共が襲いかかる。
今回の戦闘は殺害では無くあくまで戦闘不能にさせる事。つまり俺のウィンチェスター君は鈍器となり果てる訳である。いやまぁ、弾の節約と考えれば……考えれば……!
「チョイサァー!」
鈍い音と共に白仮面の頭部に直撃するウィンチェスター君。安心しろ、人体はウィンチェスターで思いっ切り殴られた位じゃ死にはしない。
「テメェ!よくも仲間を!」
「だから殺してねぇっつってんだろガーイ!」
後ろから声を張り上げながら鉄パイプを振り降ろそうとしてくる白仮面に向かって、振り向きざまにウィンチェスター君で殴る。白仮面は錐揉み回転しながら横へ吹っ飛んで行った。実にコミカルな吹き飛び方で草。
「ハロー、そっちは大jy」
ドンガラガッシャーン!!!
「………なんです?」
「お前今からブロリーって呼んでいい?」
全員をラリアットで近くの建物に埋めていた。それはもうブロリーとベジータの様な構図………
「弁償とか頑張れよ?俺手伝いたくても手伝えないから」
「いやしなくていいでしょ」
そりゃそうだけどさ、もしもの話ですよ。
そんな事を思いながら、俺とハロは撃沈している白仮面共に回収用アイテムを使う。
「はえーすっごい。てっきりメタルギアみたいな感じを予想してたけど、貼っつけた瞬間送られるんッスね」
そんな事を言いながら、送り終わったハロの方へ向かう。
つか、なんか霧濃くなってないか?前が全然見えないんだが………チェルノボーグって霧が多い国だったっけ?
「おーい!そっちに誰かいるのかー?」
「ん?あぁ!いるぞー!」
「良かったぁ!霧が濃くて迷っちまってよ、助かったぜ!」
周囲のプレイヤー達が近い所まで集まってくる。
にしても、プレイヤーなら頭の所にプレイヤーネームが出る仕組みになってて助かったわ。無かったら今頃疑心暗鬼な感じになってる所やろなぁ………。
ふと、ハロが俺の腕をガシッと掴んだ。
「えっ何?」
ちらっと見上げた先には、引きつり気味な笑顔を浮かべたハロ。
「これ終わったら焼き肉奢ってやるよ」
「いや、突然なァァァァァァァに言ってンンンンンンンンン?!!!??!」
ハロはナックルのジェット機構を起動させ、俺を掴んだ状態で勢いよく3回転した後、遠心力などなどを使った人間投擲を行った。ってか、
「俺死ぬんですけどォォォォォォォォォ!!!!!」
頑張れ俺!死ぬかどうかは己次第だ!……いやこれ死ぬわ。
「種は飛んだ………って一度言って見たかった台詞言えたわ」
そう言ってハロは、後ろを振り向く。
それと同時に、首筋からダメージエフェクトが吹き出し、HPがごっそりと減った。