会場へ入場するのを待つ生徒でごった返す通路を、すいませんと言いながら通っていく。
クラスの皆が何かを話しているのを見つけ、背後から話しかける。
「やぁみんな。久しぶり」
片手を振りながら近づくと。シーンと静かになり、会場の騒音だけが響いてくる。
「「……」」
「あれ? おかしいな」
振り返りはしたが、何も話さない皆に向かって首を傾げる。
「もう……大丈夫なの?」
「梅雨ちゃん大丈夫だよ!」
腕を曲げ、無い力こぶを作って見せるが、少し腕が痛みすぐにやめる。
梅雨ちゃんが駆け寄ってきて、抱き着かれる。
「良かった……本当に良かったっ!」
「だいぶ良くなったから、今日一日参加できる!」
梅雨ちゃんの抱擁から抜けだそうともがきながら、一日は参加できることを伝える。
その姿を微笑ましそうに見つめるクラスメイト達に、助けを求めるように視線を送るが、無視されてしまう。
「梅雨ちゃんそろそろ、開会式だから話してもらえると嬉しいな
「それもそうね」
宙に浮いていた足を優しく地面に下されると同時に、プレゼントマイクの声が聞こえてくる。
「一年ステージ、生徒の入場だ!!」
観客の熱に押されないように胸を張って、プレゼントマイクのあおりと共に会場へ入っていく。
「ヴィランの襲撃を受けたにも拘らず、己の力と鋼の精神で乗り越えた奇跡の新生!! ヒーロー科!! 一年!! A組だろぉぉ!!?」
話を聞き流していると、いつの間にか壇上に立っていたミッドナイトが「選手宣誓」と鞭を振りながら声を張り上げる。
「1-A爆豪勝己!!」
俺参加できるかわかんなかったし、当然の判断だよな……。そう考えながら爆豪を見つめる。
「せんせー、俺が一位になる」
やる気のない声で発した一言は、生徒全員を一瞬にして敵に回した。
「調子にのんなよA組ぃ!」「ヘドロヤロー」など反感の声が上がる中、爆豪がまた口を開く。
「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」と首を切るジェスチャーをしながら、燃え盛る火に油を注いだ。
「あーあ、やっぱり」
ぼそっと呟いた独り言は周りの声にかき消された。
「それじゃあ、第一種目行きましょう。いわゆる予選よ! 毎年ここで多くの者が涙を飲むわ!!」
ミッドナイトの背後に映し出された映像が開店を始める。
全員が息を飲み静かに種目の決定を見守る。
「さて運命の第一種目!! 今年は……コレ!!」
画面を注目させるように手を伸ばした先には、障害物競走と映し出されていた。
会場内の案内に従い、スタート一に立つ。ランプがすべて点灯した瞬間「スター――ト!!!!」と号令が出される。
翼を展開し、すし詰め状態の入り口上空を飛んでいく。
先頭では轟君が妨害しながら走り出していた。
「おっ! A組の皆うまく抜け出したな」
後方を確認し前を見ず飛行していると、突如衝撃に襲われる。
「おっと! 1ーAシュヴィよそ見をしているうちにはたき落とされてしまったぁ!」
地面に叩き落とされ大きな影に覆われている事に気が付く。原因を確認するため、顔を上げると、入試の際の0ポイントがたたずんでいた。
「えっと、これはまずいね!」
巨大ロボが振り上げた拳をバックステップで避ける。
背後から轟君の氷結が迫ってきている。
「足元から行こうか!」
先程よりスピードを上げ、ロボの足元を縫うように飛行していく。
ロボが行動を起こす前に第二関門の前に立った。
「ロボに撃ち落されたシュヴィが一番乗り! 第二関門ザ・フォール! しっかり飛行対策してあるからそこは気をつけろよ!」
一部の生徒に対する忠告であろう助言が聞こえてくる。
「随分と優しいんだな。下はどんな感じかな? 怖っ!」
下をのぞき込むとヒューと音を立てながら風が吹き、ネットとマットが設置されている。
「落ちたら普通にちびるよこれ」
体をブルっと震わせながら右手にフック状のパーツを展開し、そのパーツをロープにひっかけ固定し、ターザン形式で進んで行く。
安定性を取ったせいで、少しゆっくり進んでしまい、轟と爆豪に抜かされてしまい、背後からも続々と人がやってきている。
「ちょっとゆっくりしすぎたかも!」
急いで轟達の後を追う。
最終関門怒りのアフガン。プレゼントマイクの実況では、威力は大したことないらしいが、音と見た目で失禁必死らしい。
「やぁ轟君! 爆豪君! そんな急がなくてもいいじゃないか!」
「うるせぇ! 黙ってろ!」
「……」
爆豪君は反応してくれたが、轟君は無視か。
「それじゃあ2人共お先に失礼」
そう言って先に進もうとするが、両足を掴まれてしまい、一緒に先に進んでしまう。
「こら! 二人とも足から手離せ!」
「おっと、優雅に先に進もうとしたシュヴィの足を二人が掴んだ! さすがに一筋縄では先に進ませてくれない!」
手から脱出しようと、足をばたつかせていると、後方で大爆発が聞こえてきた。
「後方で大爆発!? 何だあの威力!? 故意か偶然か! A組緑谷爆風で猛追!!?」
そうプレゼントマイクの実況が聞こえた瞬間「貴方は誰?」誰もいないはずの背後から耳元で語り掛けられ、動きを止めてしまう。
あたりを見回すが誰もおらず、その間に、一人抜かされてしまった。
「おっとどうした! 先頭争いしていたシュヴィが立ち止まったぞ!?」
「まずっ! 声の主は後回し!ここで立ち止まったらダメだ!」
すぐに走り出したおかげでこれ以上抜かされることはなかったが、先を進んだ女子生徒に追いつくことはなく、そのままゴールとなった。
「5位か……」
呆然としながら発表された自分の順位を眺めていると、第二種目のルーレットが始まる。
自分では、いい名前が思いつかないので名前をどうするかアンケートをします。その他の場合、感想かメッセージボックスに書いてください。
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シュヴィ・ドーラ
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その他