デジタルモンスターDW   作:羽羊紅葉

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これがⅩ抗体!!対決、純白の騎士団!!(後編)

「って訳で、今回は【純白の騎士団(ホワイト・ナイツ)】の4人で、タッグバトルになったから」

(すいません、全く分かりません)

クラスのほとんどがそう思った。

そして、ちらりと結城(ゆうき)を見ると、席替えによって隣になっていた次元院(じげんいん)が不思議そうな顔をし、結城は小さくため息を吐く。

すると、次元院も苦笑いし、

「じゃあ、移動するわよ」

倉田(くらた)先生は詳しい説明もないまま、教室を出て行った。

 

ほんの少し前

「ねぇ、前回は1対2だったじゃない?」

唐突に海蜂(みほ)がそう言った。

「あぁ、そうだったな」

「二人がかりで挑んだにも関わらず圧倒的な敗北を喫しましたよ」

結城がそういえばそんな事があったなぁという感じで、鍬野(くわの)が拗ねるように言った。

別に責めるつもりはないんだけどな、とぼやきつつも、

「だったら2対2の対戦もいいと思うんだけどなぁって」

「アンタ本当に闘うの好きよね……」

雪猫(ゆきね)が呆れたように呟いた。

そして、頬を膨らませる海蜂をクスッと笑ってから、

「でもいいアイディアと思うわよ」

「うん、いいと思うわよ」

優嬢も一緒に同意した。

「まぁ、いいんじゃないか?」

「……自分が出ないからって、テキトー過ぎませんか?」

速水(はやみ)が若干呆れたようにそう呟き、全員が笑った。

そして笑い終わり、一息ついてから、

「じゃあ、私は舞衣(マイ)ちゃんと組もうかな」

「ちょ、ちょっと抱きつかないで!!」

友嬢は隣に居た武美(たけみ)に抱きつき、彼女(ゆうじょう)から逃げようとじたばたと暴れる。

「じゃあ、私達は」

「双子の姉妹タッグで」

海蜂と雪猫がハイタッチしながらそう言い合う。

「……あの先生がいいって言ったらな」

結城が大きくなった話を収めるように、そう言った。

そう、結局のところ、あくまでそうしたいと言う“希望”であって“確定”ではないのだ。

ここでどう言おうと、ダメと言われれば出来ないのだ。

明らかにやる気が削がれた三人を見て、

「分かった、始まったときに聞いてみて、よかったら」

「いいわよ」

唐突に結城の隣の窓が開いて、倉田先生が顔を出した。

いきなりそうされた為、結城が驚いて数歩距離をとる。

倉田先生は、なによちょっとした悪戯じゃないと笑いながら、

「うん、いいわよ。ちょっと面白そうじゃない」

そう言った。

 

「と言うのが今回の顛末ってわけだ」

結城がため息交じりにそう言い、次元院が苦笑を浮かべながらも隣を歩いた。

「大変ね、でも無理はしない方がいい」

御祓如(やごうら)が心配そうにそう声を掛け、結城は問題ないとばかりに手を横に振った。

「でも、竜人も大変ね」

「少し気を休ませたほうがいいかと……」

「私もそう思う~」

「私も同意よ」

友嬢、武美、海蜂、雪猫が続け様に心配そうに言う。

「……おまえらが言うか?」

結城の一言で4人が同時にそっぽを向く。

どうやら自覚はあるようだ。

その様子を見ながら「……ったく」とだけ呟いてから、

「ついでに言っとくが……」

「分かってるよ~」

「成熟期で止めとけ、でしょ」

海蜂が遮り、雪猫が呆れたように続ける。

「分かってるならいいが……」

「しかし、これは今の自分がどの位の実力を持っているかを示す場では?だとしたら手を抜く、というのは……」

「手を抜けって言ってるんじゃないよ。な、竜人」

今度は武美の発言を遮るように次元院が口をはさむ。

「あぁ、今成熟期でどの位できるかをやってみろ、って言いたかったんだが」

「そ、それは失礼しました……」

そのような意図でしたか、と小さく呟く様子を友嬢は微笑を浮かべながら見ていた。

 

「……なぁ、今の言葉」

「えぇ、僕も気になりました」

幻中(オレ)の言葉に、隣にいた天知(あまち)が相槌を打つ。

以前も「成熟期まで」と言っていた。

つまり彼らは成熟期以上、完全体にまですることが可能なのだろう。

無論珍しくもない、と言うのも大抵15歳ぐらいでデジモンを完全体まで進化させられるようにはなる。

究極体にできるのは滅多にはいないが……。

「それもなんですけど、僕は武美さんのデジモン、『リュウダモン』も気になります」

天知の言葉に、幻中も相槌を打つ。

正直、【クロス・トエルブ】の中では最も博識な天知が見たこともないというのだ、気にもなる。

 

実習室

「いくらなんでも、今回は水中戦が得意なのがいないから」

「普通のフィールドだね~」

雪猫と海蜂が今回のバトルフィールドを見ながら、そう呟いた。

「いや、無理に水中戦をする必要もないだろう」

「別に水中戦も悪くはないけど……」

友嬢の一言にパートナーであるガブモンⅩがぶんぶんと首を横に振った。

おそらく泳げないのだろう。

「じゃあ、早速……」

「「「「戦闘開始(バトル・スタート)!!」」」」

 

ガブモンⅩ⇒ガルルモンⅩ

 

リュウダモン⇒ギンリュウモン

 

ガジモンⅩ⇒トブキャットモン

 

ファンビーモン⇒ワスプモン

 

ガルルモンⅩは、通常種と比べ、青白い狼の尻尾を伸ばし、両肩から鉄のブレードが出現しており、もはや面影を残さない。

ワスプモンは、ファンビーモンとは打って変わってリアルな蜂の顔になり、体格の3分の2が巨大な尻尾(?)になっている。

トブキャットモンは、名前通り飛ぶ猫なのだろう。特に必要な説明もないほどシンプルで、猫に翼が生えたようなものだった。

ギンリュウモンは、やはり見たことがないものだった。

そしてリュウダモンは鎧を付けたトカゲ(もしくはやや前傾姿勢になったアグモン)とでもいえばいい外見だったが、今度は馬に鎧を付けたような外見へと変化した。

「先手は貰うね~、『ターボスティンガー』!!」

ワスプモンは上昇すると、尻尾から黄色いエネルギー弾が連続発射、ガルルモンⅩとギンリュウモン目掛けて飛来する。

ガルルモンⅩは獣よろしく走り回って、回避する。

そして、ギンリュウモンは鎧で受け止め、

「……え?」

ずにガルルモンⅩのように走り回って避けた。それも空中で。

 

「え、何?あの外見であんなに身軽なの!?」

翠奈(すいな)が驚いたように叫んだが、無理もないだろう。

さっきも言った通り、鎧で覆われた外見だ。

身軽な方がおかしい位だ。

「知ってるか、外見で相手を判断するの良くないんだぜ」

手すりに顎を乗せたまま、鍬野がそう言った。

「舞衣のパートナーはさ、あの外見のせいでカウンター狙いみたいに思うだろ?」

「実際はあのスピードで切り込んでいっての一撃離脱の方が得意なんだよ」

将二(しょうじ)誠一(けいいち)が続けて話す。

恐らくまともに喰らって痛い目に遭わされたのだろう。

3人とも苦々しそうな表情で、結城と次元院は後ろで苦笑いしていた。

 

「行って、ギンリュウモン!!」

凄まじい速度で突進する。

ワスプモンもその突進に気づいたが、もう避けられる範疇ではない。

当たった、と確信したが、

「そうはさせないわ!!」

横からトブキャットモンがぶつかり、軌道を逸らした。

「……さっすが、リーダー」

「やっぱり、簡単にはいかないね……」

雪猫と海蜂が呟き、

「2人とも、何度も繰り返しているが、もう私はリーダーじゃない」

武美が呆れたように言い、旋回して戻ってきたギンリュウモンがガルルモンⅩの隣に着地する。

 

2人が謝っている様子を見ながら、

「……リーダー?」

クロス・トエルブのメンバー全員が声を合わせた。

「元々あの3人は別のチームだったんだ」

次元院が口を挟んできた。

「そういえばどういう経緯でそっちのチームに入ったかは知らないけど……」

「どこぞの馬鹿が変なことをしまくった結果だよ……」

結城がため息混じりにそう言って、話を聞いていた【超新星(スーパーノヴァ)】全員が呆れたり、苦笑いを浮かべていた。

そして、訊いた次元院は、

「うん、事情は察した。大丈夫、何も聞かない」

とだけ口にし、結城はスマナイとばかりに手を合わせた。

 

「そろそろ私達も見せ場をつくらないと」

優嬢がそう言い、それには同意とばかりに、ガルルモンⅩが唸る。

そして、またもワスプモンの『ターボスティンガー』の連射をスイスイと避けながら、今度は前へと進む。

「やっぱり、当たらない…」

「まあ、『ターボスティンガー』は素早い相手向きの技じゃないから」

そんなことを言ってはいるが、そもそも相手両方に効果ないんじゃ…。

そんな事を考えてる間にも、ガルルモンⅩは前進を続け、大地を蹴り、ワスプモンに飛び掛かった。

「じゃあ、私達も良いとこ見せないと」

雪猫がそう言うと、いつの間にかガルルモンⅩの後ろに回り込んでいたトブキャットモンがガルルモンⅩの背中に噛み付いた。

「……ッ」

小さく唸ると、即座に標的をトブキャットモンに変更、噛み付こうと口を開き、牙が空を切る。

トブキャットモンは牙が見えたと同時に引いたのだ。

そして、またもガルルモンⅩの背中に動くと同時にその背に噛み付く。

「で、目の前の敵に集中し過ぎると…」

優嬢組が気付いた。

元々狙ったワスプモンから目を離していた。

トブキャットモンが時間稼ぎをしてる間、ずっとエネルギーを溜めていたのだろう。

「いっちゃえぇ、『ベアバスター』!!」

尻尾から照射ビームを発射し、

「させない!!」

横からギンリュウモンが追突、軌道が逸れ、

「にゃあぁ!!」

トブキャットモンを掠めた。

そして、ビームは地面に直撃、小さなクレーターを作った。

その間に体勢を立て直したガルルモンⅩは着地と同時にバックステップ、追撃しようと接近してきたトブキャットモンに『フォックスファイア』を発射、距離を取る。

「ゴメン、助かったわ」

「気にするな、まだ交戦中だ」

優嬢と武美が即座に声を掛け合う。

ああいう事をするのも、連携を高めるのには必要だ。

そして、

「ちぇ、今のはイッたと思ったのに~」

「えぇ、でも悪くはなかったわ」

虎川姉妹も連携を取るべく声を掛け合う。

が、唐突にチャイムが鳴る。

これは一応授業だ、チャイムが鳴ったという事はだ。

「……残念だが、時間切れのようだ」

武美が不承不承ながらも、そう言った。

自分のパートナーであるギンリュウモンをディバイスに戻し、優嬢や雪猫もそれに倣う。

だが、

「え~、納得いかない~」

海蜂が駄々をこね始めた。

「こんな不完全燃却じゃつまんな~い」

「海蜂、それを言うなら不完全燃焼よ……。じゃなくて、もう終わらないと、竜人がキレるわよ」

それに彼氏を探してるリーダーにも、と付け加え、あっそっかと海蜂納得。

「え、彼…。いや、違!!じゃなくて、私はリーダーじゃない!!」

今度は武美が怒り、フィールドを横断する形で駆け出した。

「やば、怒った」

「舞衣ちゃんプンプン~」

等と挑発しながら、虎川姉妹も駆け出した。

 

待てぇと叫びながら追いかける武美と逃走する虎川姉妹を眺めながら

「平和だなぁ」

「そうだね」

結城と次元院が呑気な事を言っていた。

「いや、現実逃避しないでよ」

いつの間にか戻ってきた優嬢がツッコミを入れてきた。

あ、戻ってきたと次元院が言って、

「どうかしたのか、今日は調子が悪かったみたいだけど?」

結城が心配そうに尋ねる。

「いえ、久しぶりに成熟期にしたせいで……」

『どう戦っていたかを忘れてた……』

目を逸らしながら、優嬢達はそう答えた。

「大丈夫、よくある」

等とフォローを入れてくる御祓如に、それはあんまりないんじゃと言い、なんとっと驚いたように叫び、全員が笑った。

「あのさ、1つ訊きたいんだけどさ」

龍希(オレ)は口を挟んだ。

【超新星】メンバーのほとんどが驚いたようにこっちを見て、

「うん、何?」

全く驚いた様子を見せなかった次元院が訪ね返す。

「昨日聞いたけど、人探しなら手伝おうか?」

結城が隣に座っていた、次元院を見る。

そして、次元院はそっぽを向いていたが、

「あ、いや、それには」

「うん、今日見付からなかったら手伝ってくれない?」

思わぬ次元院の発言に、全員が驚いた。

「おい、深紅!?」

「いや、竜人。正直な話、手伝ってもらった方がいいって思うよ?」

深紅が淡々と説明する。

「一応、この町にいるかどうかも不明で、いた場合行きそうな所を優先してるけど、1ヶ月は不味いよ」

「……確かに、そうだが」

「それに、人手不足に地理がないって2つの問題を解消できるのは大きいと思うよ」

分かった、もういい、と結城が言った。

「確かにこのままじゃいつまでかかるか分からないしな」

そう言って立ち上がると握手しようと手を伸ばし、

「明日までに見付からなかったら、頼むよ」

「あぁ、分かった」

勇崎(ゆうざき)がそれに応じた。

「……いや、何で割り込んでくるの?」

一応反論するが、

「いや、当たり前だろ?何リーダー(おれ)抜きで話まとめてるんだ?」

「そうよ、そんな大事に1人で行かせないわ」

勇崎とその隣に居た友澤(ともざわ)が言い返し、コクコクと綾森(あやもり)が頷いた。

後ろを見ると、【クロス・トエルブ】全員が頷いていた。

「で、いい話っぽくまとめてるとこ悪いんだけどさ……」

桑野が手すりに背中を預けたまま言う。

そして、全員の視線が集まったのを確認してから、

「あれ、止めなくていいのか」

親指で一か所を指す。

全員がそっちを見ると、未だに追いかけっこをしている3人がいて、

「……腹が減ったら、帰ってくるだろ?」

結城はまるで猫か何かのような対応を取った。

 

ちなみに、この三人は結局ヘトヘトになるまで続けたらしく、その日の捜索に参加できなかったとかなんとか……




予定外の事連発です。
まず、パソコンが壊れました。
えっ、携帯ですればすぐに終わっただろう?
そうお思いでしょうが、この壊したパソコン、この小説のすべての設定が中に入ったまま、かつバックアップなしと言う何の冗談だと言わんばかりの状態に……。
で、修理に出したところ、
「現在このパソコンと同じパーツがなく、入荷がいつになるか分からない」
と言う返答及び返却、
データを引っこ抜こうにもあれもダメ、これもダメで、揚句に只今連絡がつかないという不幸の連発です。
設定はもう書きながら作るつもりで行くので、よろしくお願いします。
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