デジタルモンスターDW   作:羽羊紅葉

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二話目です。
本編に入りますが、所々おかしいところがあるかもしれません。


入学式

第4の月1の日

ジリリと付近で喧しい音が聞こえて、その音の元凶を叩いて止める。

そうしてもう一度、寝直そうとすると、

「何やってるの、早く起きなさい!!」

と言う怒鳴り声が響いた。その声は自分、幻中竜希(まもなかたつき)の母の声だった。

その声で仕方なく先ほどの音源、と言うより目覚まし時計を見ると、それは8時を指していた。

「…アレ、この時計壊れてない?オレは今日、8時頃には…」

「馬鹿やってないで早く起きなさい!!」

予定外の事態に思わず現実逃避を始める竜希に、再び母親の怒鳴り声が直撃する。

言われるまでもない、と竜希が布団を蹴り上げるように飛び起きると、クローゼットから白と緑色の制服を取り出し、それに着替える。

それはここ、セントラルキャピタルにあるデジモン関連の学園、CDU(セントラル・デジタル・ユニバーサリー)の制服だ。

急いで制服に着替え、部屋を出ようとすると、

『おい竜希~。オレを忘れるなって』

と言う声が机の上に置きっぱなしのD―モバイルから聞こえた。おっといけない、忘れるところだった。

机に駆け寄り、D―モバイルを開くと、そこにはオレのパートナーデジモン、ブイモンの姿があった。

「忘れるわけないだろ、ブイモン」

『どうだか~』

と白々しいと言わんばかりに三半眼を向けるが、それを無視してポケットに納める。

そして階段を飛び降り、台所へ走る。

「何やってんのよ、急ぎなさいよバカ」

ちょうど入れ違いに出ようとしてこの暴言を吐くのは、自分の姉である。

「バカって何だ、バカって!!」

「バカにバカって言って何が悪いのよ、バカ」

「バカって言う方がバカって知らねぇのか、バカ姉」

「何よ、バカ姉って!?それを言うならあんたは愚弟よ、愚弟!!」

「何だって!!」

「何よ、やるの?」

お互いに暴言を吐きながら、額をぶつけ合う。

そんな2人の頭に母の拳骨が振り下ろされる。

まともに直撃して、うずくまる2人を母が見下ろしながら、

「2人とも、急がないと遅れるんでしょ!!さっさとしなさい!!」

「「でも、こいつが…」」

とお互いに指を指し会う2人に母はため息を吐きながら、近くにおいてあった五キロのダンベルを持ち上げると、2人は顔を真っ青にして、

「「申し訳ありません、お母上様」」

と早口に喋る。そして、竜希はテーブルに置いていたトースト1枚を食べ始める。

『続いてのニュースです。先日未明、セントラルキャピタルの西側ゲートで高校生ギャング団二組と『黒原空音(くろはらくおん)』と名乗る正体不明の西方人を男子1名を確保。身柄の確認次第…』

「物騒なニュースが続くなぁ」

とぼんやりしながらテレビを見ていると、

『いいの竜希?遅れるんじゃ…』

「いっけね!!」

もう遅刻寸前と言う事態を忘れていたオレにブイモンが声をかける。

慌ててトーストを食べきり、2枚目をくわえ、

「行ってきま~す!!」

と玄関から飛び出す。

「あっ、お…おはよう竜希君」

と家の門で待っていた緑の長髪の女の子に声をかけられる。

「おう、おはよう。綾森」

その女の子は、綾森緑香(あやもりりか)、オレの幼なじみである。

そして、オレと同じくCDUの入学生だ。

「急ごうぜ、綾森。遅刻しちまう」

「え、大丈夫だよ?入学式の十分前までに着けばいいって」

えっ、と驚くオレを前に、綾森は自分の鞄を漁り、1枚の紙を取り出す。

それには確かに、『入学式の十分前までに来るように』と言う旨の表記がされていた。

因みに、ここから学園まで十分もあれば着くが、始業式まで一時間近くある。

「もしかして、ちゃんと見てなかったの?」

と心配そうに尋ねる綾森を前に、

「あ、あのバカ姉ぇ~!!」

と叫ぶ。綾森も一瞬驚くが、クスクスと笑って、

「何、また文音(あやね)さんが何かしたの?」

と尋ねる。言い忘れたが文音とは姉の事である。

「あぁ、そうなんだよ…。しっかしどうするかな…」

「と、とりあえず行こ。チームのメンバーも向かってるはずだし」

綾森はそう言うと歩き出す。

まあ、実際ここで呆然としても仕方がない、そう割り切るとちょっと走って綾森の隣に行き、一緒の速度で歩き出す。

その瞬間、

「アツアツだね、お二人さん」

と後ろから声がかけられた。振り替えると、そこにはオレンジの髪の男子と青い長髪の女子がいた。

腕を組んでいるその様は、こちらなんかよりもアツアツな気がするのは気のせいだろうか?

「えっと、それにツッコミを入れた方がいいのか勇崎?それとおはよう」

このオレンジ髪の男子は勇崎達気(ゆうざきたつおき)、その隣の女子は友澤情純(ともざわさねすみ)

腕を組んでいる所から分かるように、この2人、付き合っている。

と、言うよりコイツに言われると皮肉にしか聞こえない。

「お互い、気の毒だなって思うが、順序逆じゃね?」

「それと私に挨拶はないの?」

勇崎が意味深な事を、友澤が不平を言っていると、

「うん、おはよう友澤さん」

「うん、おはよう綾森さん」

相変わらずこの2人は仲がいいなぁ、と思っていると、

「と言うか、お前は相変わらず進展してないのか」

といつの間にか後ろに回り込んでいた勇崎がぼそりと呟いた。

オレは心底驚いた。まさか知ってるんじゃなかろうか、オレの綾森に対する思いを…。

「あぁ、知ってるぞ」

「って心を読むな!!そもそもお前が…」

「…そうだったな、わるいわるい」

と全く悪びれる様子もなく言う勇崎に呆れを覚えるが、これでもオレと綾森の所属するチーム【クロス・トエルブ】のリーダーである。

そして友澤は、副リーダーと言う立場にある。

「まぁ、綾森の言う通り行こうぜ」

「そうね、クラス分けの確認をしないと。誰と誰が別のクラスになるのかしら?」

「友澤は相変わらずクールと言うか、ドライと言うか…」

他人に若干冷たい態度の友澤に少し苦言を呈してから、4人で歩き出す。

 

4人で話ながら、学園にたどり着いた。

途中で何かを探す西方人を何人も見かけた。

が、何を探しているかはとても聞ける様子ではないだろう。

何せ、西方人は荒っぽい性格である上に、現状でかなりカリカリしているので、ほぼ殴られるのは確定だろう。

その上、『ノースシティ』の進行軍100組以上をたったの9組で退けたと言う偉業(異業?)を成し遂げた所である。

因みにその伝説を打ち立てたのは去年の話である。

まあ、誰がやったのかは分かっていないのだが…。

とりあえず門の近くに張り出されたクラス分けの紙を見ると、驚くことにオレを含む【クロス・トエルブ】全員が同じクラスになっていた。

最もさらに驚くことに、1クラス24人の内【クロス・トエルブ】の12人以外は全員西方人ということだったのだ。

これには綾森、勇崎、友澤の3人も驚きを隠せなかったらしい。

「…これは一波乱起きそうだなぁ~」

ため息混じりに呟いたオレの独り言にブイモンがうんうんと頷いた。




用語説明
『CDU』:YAMATO最大のデジモン関連の学園。一クラス24人に6クラスで6学年ある。
『~組』:人とデジモンのコンビの単位。普通は1:1である。
因みに竜希たちは15歳の設定です。
次回から後書きは安易なキャラ後にします。
…あれ、今回出たデジモンってブイモンだけのような?
因みに思わぬところに伏線や原作設定が隠れているので、是非探してみて下さい。
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