デジタルモンスターDW   作:羽羊紅葉

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最近フレームアームズ・ガールのものばかり書いていて、投稿するのを忘れてました。
以前伝えていた温泉回です。


これがミッション!!番外編

紅蓮の騎士団(ブレイズ・ナイツ)】と【純白の騎士団(ホワイト・ナイツ)】、そして【クロス・トエルブ】、まぁ要するに幻中(オレ)達は初日を何とか終えた。

そして、話しに上がっていた旅館の温泉に入ることになったのだ。

無論タダで入るわけではない。

が、お金を払って入るわけでじゃない。

と言うのも、毎日20時から24時までの限定依頼が存在するのだ。

内容は『温泉地に出るバケモン8体を討伐する』、という至極単純なもの。

実は先に戻ったメンバーが確認したところ、温泉に入るためには10ポイント程の現金が必要になる。

このポイントは現実でも使える、いわばお小遣いのようなもの(1ポイント=1円)。

それを消費してまで入るぐらいなら、と思うが、『この依頼の為、温泉地に入る場合は無料となる』と言う一文があったのだ。

温泉に入れて、評価にも繋がる、となれば誰も止める理由がない。

そんな訳で、夕食を食べた後この依頼を受けるべく、この旅館まで来た訳である。

「……ふと思ったんだけどさ、男女別々に8体なのか、合計なのかは書いてなかったな」

ふと思ったことを口にしたが、この後に起こることを全く想定できなかった。

 

「さっさと風呂に行くぜ」

そして女子風呂を覗ける所を探すんだ、と鍬野が叫びながら服を脱いでいく。

「お前(とぼ)けるなよ」

と言った旨の言葉を彼女持ちの3人から飛び出たが、すでにタオルを巻いた鍬野が入浴エリアの扉を開ける。

そして、1拍子置いてから扉を閉じた。

その様子を見た結城が、

「……どうしたんだ?」

と声を掛ける。

「ゴメン、オレまだ死にたくない」

鍬野が恐ろしいものでも見たかのように体を震わせていた。

よく見れば顔も青ざめている。

何を見たのか聞こうとした時、入浴エリアの扉が外側から叩かれた。

「ねぇ、ホントにここから鍬野が入ろうとしてたの?」

「あぁ、間違えない」

「じゃあ、制裁を加えないとね」

「えぇ、本当ね」

そんな物騒な言葉が聞こえてくる。

どう聞いても御祓如と武美、優嬢に翠奈の声だ。

「……え、これどう言うこと?」

事態を飲み込めない数人が疑問の声をあげるが、正直把握している余裕などない。

何故ならば、女子が数人がかりで開けようとしているからだ。

無論女子は覗きを行った鍬野に制裁を加えることが目的だろうが、こっちは更衣室だ。

シャレにもならない。

「ちょ、待て待て!!ここを開けるな、レイ聞こえるか!!」

「えっ、結城?何で?」

もしかして覗こうとしてる?と若干不満そうな声をあげる優嬢。

「もしかしてそっち男子風呂?」

「違う、更衣室。男子更衣室」

扉の向こうから「えっ⁉」と声が上がる。

「……なぁ、桑野。一つ訊きたい」

なんだよ、必死で扉を押さえていた1人である桑野に結城が声をかける。

「扉の向こう、どうなってた?」

「裸の女子がいっぱいだった」

「レイ、女子全員にタオルかなんか巻くよう言ってくれ」

「そしたら縛った桑野を放り込むから」

「待って、お願い待って下さい、冗談です!!」

まぁ怒り狂った女子に抵抗できなくされた状態で置かれたらどうなるか、火を見るより明らかだろう。

「えっと、一般的(※作者の印象です)な温泉旅館みたいな感じだったぜ?沢山の温泉があって、備え付けのシャワーとかが……」

「仕切りとかは……」

「無かったよね……」

結城と次元院が頭を抱えながら問いかけると、苦々しい顔で桑野は頷いた。

二人ははぁ、と溜め息を吐いてからどうしようか考えていると、

「竜人、全員タオル巻いたわよ」

「だからそのセクハラ星人、早く頂戴?」

向こうは袋叩きの準備が整ったようだ。

桑野の顔が途端に青くなった。

「……なぁ、時間ずらして入るってのは?」

「そうね、そうして貰った方が……」

結城の言葉に、扉越しにそう答える。

そして男子全員がそそくさと服を着ると、次々外に出た。

すぐ桑野が「ちぇっ」と舌打ちすると、

「せっかく女子の裸が見れると思ったのにな」

「君は見ただろう?」

「ほんのちょっとだよ、ちょうどマイがこっちを見ていたんだぜ」

そのまましばかれてしまえばいいのに、と速水が呟いた。

実際、その通りになりそうで怖かったのだが。

「……でも、なぁんか忘れてるんだよな?」

そう、実は男子全員が「何か」を思い出せていない。

「まっ、思い出せないってことは特に大事な事ではないんだろう」

「そうそう、女子が上がったら温泉に入って寝て、明日の依頼に……」

結城の言葉に、相づちを打っていると、

「あぁ~!!」

その場にいた全員が思い出した。

そうだ、依頼を受けていたのだったと。

 

『そう言えばそうだったわね……』

忘れてたわ、とエアウィンドウからそんな言葉が聞こええてくる。

ちなみに普通エアウィンドウの画面には相手の顔が映る「テレビ電話」のようなものだが、今は『Sound only』の文字が黒い画面をバックに踊っていた。

相手は入浴中なので、写ったら写ったらでとんでもないことになるのは確定ではあるが。

「じゃあ1体も倒してないんだ……」

優嬢はそのような事を1度たりとも言っていない上に、画面真っ黒なので状況は分からないはずなのだが。

「忘れてたって事は出現(ポップ)すらしてないって事だろうからね、出てすらいないなら倒してもいないって読んだんだろうね」

結城の言葉の意図を読んだ次元院の一言に頷くと、

「出現条件はなんだろうな、まさか依頼登録した人間全員がそこに居ないとダメな奴だったりして」

はっはっは、と結城が笑いながら言い、『かもね』等と優嬢も答える。

「……」

そして全員が黙り混んだ。

 

「……まさか意図せず混浴することになるとはな」

「本当にね」

電話の直後、男子全員が180度Uターンして、速やかに浴室に入る。

その直後、バケモンが出現したので、結城の読みは間違ってはいなかったようだ。

それを結城は『今日は俺達が失敗して迷惑掛けたんだから』とアグモンⅩが1匹で全部始末してしまった。

そしてすぐに出ていこうとしたが、女子達全員が「そのままでいい」と言うことでそのまま混浴する流れとなった。

「……で明日からどうしようか?」

「どうしようって?」

温泉に浸かる結城とその隣に座る優嬢が会話をしていた。

「あぁ、また3班に分けて依頼を受けるのもいいけど、1班を灰原君の捜索に回すのもいいわね」

当然舞衣ちゃんは捜索班ね、と言い、

「何でそうなるんですか!!」

どこから聞いていたのやら、武美がそう叫んだ。

「理由、訊きたいの?」

「……うっ、えっと……」

「言っていいのね?」

「……すみません」

ジリジリと追い詰める優嬢に気圧され、諦めたように武美が呟いた。

そしてどこかへ行ってしまう彼女の見ながら、

「……一体何があったんだ?」

幻中が思わず呟くと、

「武美ちゃん、いつの間にかいなくなっちゃったんだって」

「勝手に灰原君を探しに行っちゃったんだって」

いつの間にやらこちらに翠奈と緑香が来ていた。

来ているのだが、

「あの……、2人とも近くない?」

ここは温泉、当然全員がタオル1枚だけである。

正直目のやり場に困る。

が、本人達は気にしないのか、

「そう?いつもと変わらないじゃない」

「うん……、私もそう思う」

この様子である。

そして失礼だが、つい2人を見比べてしまう。

翠奈はスラッとしていてスレンダー気味だが、少し大きい。

そして緑香は翠奈と違い、背が低いが、それが原因でより大きく見えてしまう。

その「大きく見えてしまう」何かに関しては、言うとお陀仏させられそうなので黙っておくとしよう。

そんな事を考えていると、「カコン」と言う音が辺りに響いた。

見ると、武美が顔を真っ赤にして胸元を押さえ、逆の手には桶を持っていた。

そして彼女の足元には、桑野が転がっていた。

どうやら彼が何か仕出かしたが武美の反撃にあったらしく、頭を抱えて痙攣していた。

「あっ、おいマイ!!何してるんだ!!」

事態に気付いた結城が声をあげる。

「こんなことしたら不味いだろ」

普段からしている桑野と速水の喧嘩は止めない結城が今回は仲裁に入っている。

いくらなんでも怪我人が出れば話は別か。

「やるならトドメまで差せ、後始末が大変なんだぞ」

違った。

『怪我をさせるな』ではなく『やるなら徹底してやれ』だったらしい。

武美も頷くと桑野に引導を渡すべく桶を両手で持って、大きく振りかぶり、

「まあまあ落ち着いて、マイちゃん」

「何を言われたか教えて、悩みぐらいは聞くから」

優嬢と御祓如の2人がかりで思い止まらせた。

すると武美は2人に耳打ちするように話す。

それを聞いた2人はそれぞれが1発ずつキックを見舞うと、

「最低」

「信じられない」

と言う一言を添えて、近くにいた虎川姉妹を連れて、別の温泉に浸かりに行ってしまった。

「……お前、一体何を言ったんだ?」

なんとか這ってきた桑野に結城はそう声をかけた。

「……『スタイルだけなら男と変わらないな』って」

「……」

それは怒るだろう。

触れないつもりだったが、武美は非常にスレンダーと言い切れるスタイルだ。

下手に触れば壊れてしまいそうな印象である。

正直、ヤマト出身ではないと言われても不思議はないほど、肌が白いのだ。

一方で優嬢、御祓如は共にスタイル抜群と言える。

出るところは出て締まるところは引き締まっている。

話は戻すが、近くにそんなスタイルの持ち主がいるからコンプレックスはあったのだろう。

それを指摘されたのだ、命があるだけ有難いだろう。

「まあいいさ、次からは気をつけてやりなよ」

次にしたら命はないだろうけど、と次元院がそう言った。

「そう言えば深紅。お前、最近ギャルゲーだっけ?それやってるのか」

「……リウに隠れてやってる」

「お前、彼女いるんだからそっち系のゲームは控えろよ」

「そっちも模型作りに夢中になりすぎて、彼女をほっとかないでな」

この2人も若干問題を感じるが、人前でいちゃつくカップルよりはマシ、か?

そう考えていると、

「それはそうと竜人。さっき何を相談しようとしてたんだ?」

「……明日から風呂はどうしようかって相談しようと思ったんだが」

その話は今されても、とその場にいた全員が思った。




という訳で、温泉回です。
次回の更新は一ヶ月後の予定です
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