デジタルモンスターDW   作:羽羊紅葉

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こちらではお久しぶりです
久々の投稿で、感じが大きく変わってるっぽいですけど、気にしないでください


完全体登場!!キメラモンを止めろ

先日の温泉騒ぎから数日後。

俺たちは、三チームに別れてミッションを達成、全員で温泉に浸かってから寝る、と言う生活習慣が組み上がってきた。

入浴の件だが、相談したところ、

「どうせ一回見られているのだから、二回三回も変わらない」

という事で、そのままとなった。

剛胆過ぎる女子達である。

 

そんなある日

「なあ、これが緊急依頼かな」

いつも通りに依頼を見て、班を決めようとして依頼板を見たとき、いつもは青いタグのところに一つだけ、赤いものが混じっていた。

全員で見てみると、

『緊急ミッション

暴走するキメラモンを討伐せよ』

と非常に簡潔に書かれたものだった。

「どうする?俺たちが最初から戦えば、楽に終わると思うけど?」

「いや、なるべく【クロス・トエルブ(俺たち)】だけで戦ってみよう」

結城(ゆうき)の提案に、勇崎(ゆうざき)が断りを入れた。

元々完全体にできるような人間に追い付くためには、できる限り戦って実力を着けるしかない。

その為には提案した通りにすることが一番だ。

それには【クロス・トエルブ】はおろか【超新星(スーパーノヴァ)】組も同意のようで、その進みとなった。

そして、それは正しい事になることを俺たちはまだ知らなかったが、

依頼の内容は、

「古代遺跡でキメラモンが暴れている。討伐してほしい」

と言うものだ。

キメラモン、確か完全体に当たるデジモンだ。

様々なデジモンのデータをかき集め、生まれたデジモン。

恐らく簡単に倒せる相手ではないだろう。

だが、格上の相手と戦う事に勝る経験値はないだろう。

 

古代遺跡のあるエリアに着いたとき、あることに気がついた。

DーNET(ここ)に来ると同時に姿を眩ませ、連絡が付かなかった唯一の人間、黒原(くろはら)がそこにいた。

「おい、黒音(くおん)

結城(ゆうき)がそう声をかける。

だが、

「敵、敵は倒す……」

まるで狂気に囚われたような声、おぼつかない足取りでこちらへ向かってくる。

間違えなくこっちを敵認識している。

幻中達は思わず後ずさってしまう。

だが、次元院(じげんいん)がふぅとため息をついてから、

「ここは僕たちに任せてよ」

そう言いながら俺たちを追い抜いて前に立つ。

その隣に結城(ゆうき)も立つと、

「だから先に行っててくれ」

そう言ってきた。

「分かった」

と次々に遺跡へ向かう【クロス・トエルブ】を見た後、かつての仲間を見据える。

「ありゃ、本当に怒ってるのかな?」

「かもな、だがアイツの相手は俺たちが勤めよう」

Dーモバイルを構えながら、結城(ゆうき)は言った。

「いえ、私達も戦います」

武美(たけみ)が前に出ながらそう言いきる。

見れば【超新星(スーパーノヴァ)】全員が協力するつもりのようだ。

「お前らまでこっちに来たら、誰が【クロス・トエルブ(むこう)】の手助けするんだ」

「それに俺らですら手が余る相手だ。お前らじゃ秒で跡形すら残らないぞ」

よっぽどの言われようだが、実力を知っている以上妥当な話だ。

つまり【超新星(スーパーノヴァ)】でもリーダー級でなければ一方的に制圧されてしまう、と言った所だろう。

さらに言えばそのリーダー級でも、仲間を庇いながらでは押しきられてしまう。

下手に手を出して余計なダメージを負い、緊急依頼に支障をきたせば本末転倒だろう。

ならば足止めに徹して黒音(くおん)の注意を引くことで、依頼の横槍を防ぐつもりなのだろう。

「それにお前らだけで」

「フォローしきれるでしょ?」

 

アグモンⅩ⇒メタルグレイモンⅩ

 

ギルモンⅩ⇒メガログラウモンⅩ

 

二人とも完全体に進化させつつ、

「気を抜くなよ」

「そっちこそ」

メタルグレイモンⅩは垂直に上昇し、

「『ギガデストロイヤー』!!」

胸部から二対のミサイルを、

「『アトミックブラスター』!!」

メガログラウモンⅩも同じく胸部から、熱線を発射する。

だが、ドルと呼ばれたデジモンは比較的小柄で、軽々と回避した。

 

「いた、あれがキメラモンか?」

勇崎(ゆうざき)の言葉に、天知(あまち)が「はい」と答える。

見ると、グレイモンの下顎から腹部、カブテリモンの頭、様々なデジモンの腕にガルルモンの足等、まさに合成獣だ。

「……全員、準備はいいか?」

勇崎(ゆうざき)の言葉に【クロス・トエルブ】全員が頷く。

仲間が心配な【超新星(スーパーノヴァ)】組をあてにするには、状況が悪い。

「今頼れるのは【クロス・トエルブ(おれたち)】の力だけだ。だが勝とうとするな、生き残れ」

おお、と声が上がると同時に、

「行くぞ!!」

物陰から飛び出した。

それに気付いたキメラモンがこちらを向く。

だが、動き出すより先に、

「『メガブラスター』!!」

カブテリモンの先制攻撃が直撃した。

あらかじめ全員が成熟期にしていた為にできた行動である。

不意討ちに驚いたのか、キメラモンが少しよろけた。

無論その隙を逃す訳がなく、

「『メガフレイム』!!」

「『フォックスファイヤー』!!」

グレイモンとガルルモンの連携攻撃で追撃した。

だが、それだけで倒せるほどの甘い相手ではない。

キメラモンは腕を振るう。

それだけで自分についていた火を全て消し、【クロス・トエルブ】の接近を防いだ。

そして全ての手を地面に着き、口を大きく開く。

その様子を見た勇崎(ゆうざき)が、

「全員横に逃げろ!!」

言われるまでもない、既に全員が横っ飛びに逃げる。

具体的には口の延長線上から、だが。

その一直線上を紫色の熱線が通りすぎ、直撃した壁に大穴が空いた。

「あれが、『ヒート・バイパー』……」

どう考えても直撃したらただでは済まないだろう。

だが、

「『エクスレイザー』!!」

横顔にエクスブイモンの必殺技が直撃した。

大きなダメージではなかっただろうが、少しよろめく。

だが四本の腕で、エクスブイモンを捉えようと腕を伸ばす。

次々と迫る腕を左右に避けていくエクスブイモンだが、

「しまっ……」

遂に捕まるが、

「『スパイキングフィニッシュ』!!」

スティングモンがすぐさま掴んだ腕に攻撃を仕掛け、拘束から抜け出す。

「助かった」

「礼は後だ!!」

またも腕を伸ばしてきたキメラモンを見ながら、スティングモンがそう叫んできた。

スティングモンと共にエクスブイモンも後退しつつ腕を掻い潜る。

そしてその二体の合間を縫うようにバードラモンが躍り出ると、

「『メテオウィング』!!」

その翼から燃えるような羽根をまるで流星群の如く放つ。

それはキメラモンの顔めがけて次々襲いかかる。

一本の腕で顔を押さえ、一本の腕を振り払うようにバードラモンを叩き落とした。

そのままバードラモンを踏みつけ、またも大きく口を開く。

キメラモンの必殺技、『ヒート・バイパー』だ。

問題なのは先ほどと異なり、頭を滅茶苦茶に振り回していることだ。

「『パープーンバルカン』!!」

「『ブルーフレアブレス』!!」

『ヒート・バイパー』が当たる直前、イッカクモンと青いコアドラモンが自身の必殺技を繰り出す。

それぞれが直撃するが、やはり大したダメージを受けたわけではないようだ。

そのまま紫色の熱線に焼かれ、二体は成長期にまで戻ってしまった。

さらに『ヒート・バイパー』を放つ際に、バードラモンを踏んでいた足に体重をかけたのかバードラモンまで退化してしまった。

だが、熱線がぶち壊した壁からその熱線を押しやるように飛んできた鉄球がキメラモンに直撃した。

それに吹き飛ばされ、反対側の壁に叩きつけられた。

「おい、嘘だろ……」

「さっきまで一歩すら動かせなかったのに……」

全員が驚いたように壁の向こう側を見る。

そこに居たのは、メタルグレイモンXとメガログラウモンX、そしてドルと呼ばれた三体だけだった。

口を開けてるのはドルだけなので、恐らくドルの仕業だろう。

もう協力し始めたのか、と思ったのだが、すぐさまメタルグレイモンX達に襲いかかったのを見ると、ただ邪魔だったので攻撃しただけのようだ。

たった一撃でダウン寸前まで追い込む所や、メタルグレイモンX達と互角に渡り合うのだ。

やはり完全体、もしくは究極体の可能性が、

「なあ、あれ成熟期じゃなかったか?」

(嘘だろ!?)

桑野の一言に全員が驚いたようにそっちを向いた。

X抗体なら完全体にダメージを与えたのは説明がつくが、X抗体二体まで相手取れる訳がない。

一体どういう腕をしてるんだ、と思っていると、

「まだ終わっていない!!」

武美(たけみ)がそう叫んだ。

キメラモンを見ると、中途半端にダメージを与えたのが原因か、怒り狂ってこちらに突進してきていた。

だが、

「甘いわよ!!」

翠奈(すいな)がそう叫ぶと同時に、踏み出した足が地面を突き抜けた。

「……一体何が?」

武美(たけみ)がそう呟くと同時に鈍い音が響き、キメラモンが苦痛の声をあげる。

が、キメラモンがそのまま腕を足元に突き刺すと何かを引きずり出す。

それはコアドラモン。

但し、鱗は先ほど倒された青ではなく、緑色。

「そうか、緑色のコアドラモンは……」

そう青いコアドラモンは飛行能力が高く、緑のコアドラモンは逆に地上での戦闘能力が高い。

地面に穴を掘って潜行できるのだ。

そして、

「仲間を放せぇ!!」

コアドラモンを掴んだ腕に、グレイモンとガルルモンが同時に攻撃を仕掛ける。

だが、キメラモンは掴んだコアドラモンをグレイモンとガルルモンめがけて叩きつける。

衝撃で身動きの取れない三体めがけ、またも口を大きく開く。

「そうはさせるかぁ!!」

エクスブイモンが真横から殴りかかる。

その一撃はキメラモンを吹き飛ばした。

「はぁ!?」

またも全員が驚きの声をあげる。

先ほどのドルはともかく、攻撃したのはエクスブイモンだ。

その上、先ほどまでろくにダメージを与えられていなかったはずである。

相手が弱っていると考えていても異常だ。

「一体何が……」

幻中がそう呟いて、気が付いた。

持っているDーモバイルの画面に、「JOGRESS EVOLUTION」と言う文字が浮かんでいた。

「何、コレ……」

見ると綾森(あやもり)のDーモバイルにも同じ文字が浮かんでいた。

天知(あまち)が「ちょっと見せてください」と言って、画面を覗き込むと、

JOGRESS(ジョグレス)……、合体進化見たいですね」

「分かった、綾森(あやもり)!!」

綾森(あやもり)も頷くと、

「ジョグレス進化!!」

 

エクスブイモン+スティングモン⇒パイルドラモン

 

パイルドラモン、【クロス・トエルブ】初の完全体デジモン。

新しい力で、キメラモンを叩く!!

そう判断して指示を出す。

まずは掴みかかってきた腕を掻い潜り、また殴り付ける。

衝撃で後ろに飛んだキメラモンが口を広げるが、パイルドラモンは両腰から伸びた砲門をキメラモンに向け、

「『デスペラード・ブラスター』!!」

エネルギー砲をぶつけた。

「コレが、完全体の力……」

【クロス・トエルブ】の面子が次々と同じように呟く。

先ほどまで圧倒的不利だった戦況をいっぺんにひっくり返した。

だが、まだキメラモンは倒れていなかった。

先ほど自分で開けた穴から飛び出して、逃走し始めた。

「パイルドラモン、お願い!!」

「分かった」

パイルドラモンはそう返すと、同じ穴から飛び出し、キメラモンを追いかけた。

 

「……」

空中でドルを相手取りながら、メタルグレイモンXとメガログラウモンXが睨み付けていた。

「深紅」

「分かってるよ」

その一言でメガログラウモンXが『アトミックブラスター』を放つ。

だが、またも回避するドルめがけて一気に接近すると、

「『トライデントアームver9.9』!!」

機械化した腕を叩き込もうとした。

だがそれさえもドルと呼ばれたデジモンはあっさりと回避した。

そしてその間を大型の何かが通りすぎていった。

全員がそちらを見る。

その正体はキメラモン。

そしてそれを追いかけるのはパイルドラモン。

「あれは……、パイルドラモン?」

「ということは完全体に進化できたのか」

二人で関心していると、キメラモンがパイルドラモンめがけて腕を伸ばす。

だが、パイルドラモンはそれを全てはたき落とすと、

「『エスグリーマ』!!」

両腕を使ったラッシュを叩き込む。

そしてそのまま、キメラモンのポリゴンが崩れ去った。

「よし」

結城(ゆうき)がそう言うと同時に古代遺跡から歓声が上がる。

「後は、黒音(くおん)を止めるだけ!!」

そう叫んで二人が黒音(くおん)の方を見ると、すでに姿はなかった。

よく見ればドルもいない。

キメラモンに気をとられた隙に逃げられたようだ。

「チッ、逃げられたか……」

「まあ、良かったんじゃない?ちょっと分かった事もあったし」

次元院(じげんいん)の言葉に「まあな」と結城(ゆうき)が答える。

そして、

(マイにはどう説明しよう)

目先の問題の解決方法を模索し始めた。

 

「済まなかったな、そっちを手伝う事ができなくて……」

集会所に戻るなり、結城(ゆうき)が申し訳なさそうにそう言ってきた。

「いや、いいさ。そっちの事情だって分かってるんだからさ」

勇崎(ゆうざき)の言葉に「そう言って貰えると有難い」と返してから近くのテーブルに着く。

「でもその黒原(くろはら)って奴は見境なく襲いかかるような危険人物なのか?」

話の話題は依頼の妨害を行った襲撃者の黒原(くろはら)についてだ。

「……以前からその傾向にあったと言えばそうなんだが……」

「状況が違うからな~」

結城(ゆうき)が考えてから吐いた言葉に次元院(じげんいん)が言葉を続けるが、

「そんな事ありません、彼はそう言う人間です!!」

机をバンッと叩きながら速水(はやみ)がそう言った。

何かあったのか、と訪ねると、

「彼は僕たちを攻撃したんですよ」

「そりゃ敵だからな」

「違います、団体戦で仲間の時ですよ!!」

その場にいた【超新星(スーパーノヴァ)】ほぼ全員が「あ~」と思い出したようにそう口にした。

団体戦とは複数のチームが一つのチームとなって戦う試合だ。

所謂大規模合戦と言うものだが、人が集まる以上起こる作戦も自体も桁違いとなる。

「……それは誤射じゃないのか」

「その『誤射』を何度もされてるんですよ!!」

その一言で今度は【超新星(スーパーノヴァ)】全員が顔を背けた。

恐らく一度や二度の事ではないのだろう。

「……それだからさっきのが普通なのか狂ってるのか、判断に迷っているんだ」

苦笑しながら言葉にした結城(ゆうき)

あれが平常運転では冗談では済まないだろう。

そう言った視線を向けると、

「少なくともさっきのアイツが、いつものアイツには見えなかったけどね」

「俺も同意見だよ」

全員が「えっ」と声をあげる。

「それは本当なのですか!!」

席を立って食いかかるように武美(たけみ)がそう言ってきた。

次元院(じげんいん)も「お、おう……」と若干引き気味に答えてから、

「アイツの戦い方がまるで違う。以前のアイツは相手と会話しながら、相手の隙を狙うやり方だが……」

「さっきのアイツは、自分の力を押し付けるような戦術とも言えない力まかせのやり方だった」

「そうなのですか?」

「ただの力押しで俺たちが負けると思ってるのか?」

そう言われるとその通りだ。

ただの力任せで、結城(ゆうき)次元院(じげんいん)の二人を負かせる訳がない。

噂に聞けば型破り戦術、と言えば聞こえはいいが、やってることはもはや破天荒戦術。

常識は通用しない、とまで言われたらしい。

だが、さっきはまるでそんなものは存在しなかった。

「だから、いつもと違うって思ったんだが……」

「そうは思わないか、速水(はやみ)

速水(はやみ)も「グッ」とうめき声を上げた。

どうやら速水(はやみ)も覚えがあるようだ。

「……原因が分かれば、解決方法も見えてくるが」

「それならアイツをとっちめた方が早いな」

「それ、以前提案しなかったっけ?」

そう、誰が提案したかは忘れたが一度叩きのめした方がいいと言ったが、実力差の問題でできないと言っていた筈だ。

「あの時と状況が違う」

「あの状態の黒音(くおん)なら倒せるさ」

二人は自信満々にそう答えた。

どうやらこの件の決着は近そうだ。

「さあ風呂入って、明日に備えようか」

当面の方向が決まった【超新星(スーパーノヴァ)】の提案で、いつも通りに依頼を受ける事にした。

「マイちゃんは体を磨かないとね」

「えっ!?あの、それって精神の方?それとも物理的な方?」

武美(たけみ)が不穏そうな気配を感じ取ったのか、優嬢(ゆうじょう)に問う。

が、後ろから肩を掴むように現れた御祓如(やごうら)が、

「決まってるじゃない」

と楽しそうな口振りで答える。

それと同時に、優嬢(ゆうじょう)と二人で武美(たけみ)を両脇から持つと、

「は、放して~」

悲鳴をあげる彼女の意思をガン無視で引きずっていってしまった。

その様子を見ながら笑う他の【超新星(スーパーノヴァ)】メンバー。

どんな時も平常心でいられる人間の強さ。

こちらもその強さに一歩近付く事ができたのだろうか?




ようやく完全体を出せました
そして黒音の実力が見える一話です
実は一度ディノビーモンに進化させてからこっちにするという案もあったのですが、素直な話「とんでもない文字数になること」と「ディノビーモンが好きな方に失礼」という事で却下にしました。
もしそういう展開を望んでいた方がいたらスイマセン
希望があって、余裕があればIFで書きましょうかね?
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