第4の月17の日
「えっと、今日も昨日と同じく実習授業…、というり学内戦までは毎日入れるから覚悟しなさい」
朝のショートルームからこの調子か、スゲーなここの教師と
何度呟いたかは覚えてないが、
ほとんどの者が呆れたり、欠伸をしたり(その直後に凄まじい速度のチョークがすっ飛んで来るのがお約束となっている)、もはやスルーする者まで出てきた。
そんな中でもやはり真面目に話を聴くものもいる。
無論、
「で、今日はいるの?我こそはって人。いないなら出席番号で行くわよ?」
先生、アンタ何時代の人間だ。
スルーを決め込んでいた人間まで心でツッコミを入れていると、すっと誰かが手を挙げた。
「えっと、あなたは…」
「あ、綾森…です」
何と手を挙げたのは綾森だった。
「あははっ、ゴメンなさいね。私、人を覚えるのが苦手で」
この人、実績云々よりそもそも教師自体向かないんじゃなかろうか、よく重要事項を伝え忘れるし…。
「倉田先生ってそもそも教師に向かねんじゃ…、イデッ!!」
桑野がボソッと呟くと、轟音と共にチョークが飛来、桑野の額に当たると同時に、木っ端微塵に砕け去った。
「何か言ったかしら、桑野?」
「いや、人を覚えんのが苦手じゃねかったのかよ!?」
ガタッと音を起てながら、桑野が立ち上がる。
「あははっ、普通はね。ただ悪戯っ子とかは覚えられるのよね、不思議と」
(それ、ただ単に印象の問題じゃ…)
その場にいた全員がそう思ったが、何か言えば桑野の二の舞だろう。
流石に口の軽い(と思われる)桑野も黙って席に着く。
今日もこうして
同日 D実習室
今回機械から出てきたのはトータモンではなく黒い球体に手足を生やしたようなデジモンだった。
「アレが、今回の
「うん…、そうだと思うよ。ワームモン」
既にデジモンコールで呼び出したパートナー、ワームモンを肩に載せ、綾森が言う。
その際中に、D-モバイルで相手のスキャンをする。
サンダーボールモン
世代:成熟期
“デジモン発電機”とも呼ばれ、マメモン系の一種と推測されている突然変異型デジモン。小さな体は磁石の性質を持ち、常に電気をまとって放電している。攻撃してくる敵には1000万ボルトにもなる放電球を発射する『サンダーボール』。(デジモンウェブ参照)
どこをどう見積もったところでトータモンより遅いことはなかろう(どっちかと言えばトータモンが遅すぎるだけな気もするが…)。
「頑張ってくるね、緑香」
「お願いね、エボリューション!!」
ワームモン⇒スティングモン
ワームモンは緑香の肩からジャンプしながら進化、エクスブイモンと同じ大きさの人形の昆虫へと姿を変える。
「準備できたわね、それじゃ開始!!」
この先生、せっかち過ぎるだろと思いながらも、全員が戦闘の方に集中した。
初手で動いたのは、サンダーボールモンだ。
手を突きだしながら、電気の球体を発射、おそらくアレが必殺技の『サンダーボール』なのだろう。
それがスティングモンに直撃し…たように見えた。
が『サンダーボール』はスティングモンの残像をかき消しただけだった。
そして、背後に現れたスティングモンが鋭い爪やスパイク、蹴りを見舞いながらのヒットアンドアウェイを始める。
「へぇ、あの娘スゲェじゃん」
「ホントね」
と桑野や
「オレなんて、辛うじてしか動いてるとこ見えないよ」
と
「な、何?」
「え、本当に見えるの?」
次元院の彼女こと
「あ、あぁ…。あそこからこういってあぁ行って」
そう言いながら次元院が指差していくが、全く目が追い付かない。
これも【超新星】派閥のリーダー級だから何だろうな~、等と思ってしまう。
「それでこういって、あぁ…危ない!!」
移動先を指差している途中で次元院が叫んだ。
見ると、もう何度となく繰り返された、ヒットアンドアウェイに対し、サンダーボールモンは自身を中心に電気を流したのだ。
唐突に行われた周囲への無差別範囲攻撃にその素早さを活かしたスティングモンは自らそれに飛び込む形となった。
「グッ…」
と僅かにうめき声を上げ、地面に着地する。
電気系統の攻撃を受けた影響か、スティングモンの体からは電気が見える。
間違いなく、痺れてしまったのだ。
その隙をサンダーボールモンが逃すはずもなく、連続して『サンダーボール』を発射、次々と直撃させていく。
まともに動けず、腕を交差させることで頭への直撃を防ぐしか術はなかった。
「たいへ~ん、早く助けないと~」
それ
そして、のんびりした口調で言っても説得力ないぞ、と前置きしてから、
「アレは勝ちを確信した目だから大丈夫だ」
とだけ言う。そして、その言葉は現実となった。
急にサンダーボールモンが動きを止めたのだ。
そして、それと同一タイミングで痺れが取れたスティングモンが立ち上がる。
「ふぅ、ようやく毒が回ったみたいだな」
ワームモンの頃とはうって変わって冷淡に話すスティングモンが頼もしいのやら恐ろしいのやら…。
そんな事を思ったが、
「えっ、それじゃあ結城は…」
「
龍希の発言を遮るように結城が言う。とりあえず、じゃあと前置きしてから、
「竜人は知っていたのか、スティングモンが毒を打ち込んだことを…」
その発言に結城は首を横に振る。
「オレが見てたのは、
と短く答える。
そして、スティングモンは空へ飛翔すると、宙返りを決め、
「“スパイキングフィニッシュ”」
と言い、一瞬で手の甲から出ていたスパイクでサンダーボールモンを刺し貫いた。
そして、『eliminate』の文字が浮かび、綾森達の勝利が決まった。
「それじゃあ今日はここまでよ、早く帰りなさいね」
とだけ言い残し、倉田先生は実習室を後にした。
あの教師はワガママだなぁ、等と思っていると、
「き、今日はどうだった?」
と急に声がした。振り返ると、そこには綾森が立っていた。
「あ、あぁうん。凄かったよ」
率直に当たり障りのない返事をしてから、
「でも、アレがよく分からなかったんだよな~」
と言う。流石にアレでは分からなかったのか綾森が首を傾げると、
「あぁ、実習前に『ちゃんと自分を見ていてくれ』って奴が…、何か新しいコンボでも見つけたのかと…」
そこまで言って綾森の顔が真っ赤になっていることに気づいた。
そして、
「ば…」
「ば?」
「馬鹿ぁぁぁ!!」
と叫びながら思いっきり叩かれた。
そしてツカツカと歩いていく綾森の背中を見ていると、
「なぁ今のってさ…」
「あ、分かる?」
「うん、何となく…」
結城、
「
と声を揃えて言った。
ついでにディバイスからもため息が聞こえた。
「え、ちょ!!どう言うこと、ねぇ!?」
慌てて3人に聴くも、取り合っても貰えなかった。
それでも必死に質問と抗議を述べながら、俺たちは帰路に着いた。
スティングモン
世代:成熟期
人型の形態を持つ、非常に珍しい昆虫型デジモン。昆虫型デジモン特有の硬い外骨格と素早い動きをもっている。暗殺者としての能力に長けており、俊敏な身のこなしと的確な判断力で敵の急所を狙い、一撃で敵を沈黙させる攻撃を得意とする。いたって冷静で知性は高く、クールな性格の持ち主だ。必殺技は両腕のスパイクで敵を串刺しにする恐ろしい技『スパイキングフィニッシュ』。
エクスブイモン
世代:成熟期
ブイモンが本来の力を得て進化した成熟期の幻竜型デジモン。エクスブイモンはブイドラモンの原種であり、その派生系の一種がブイドラモンであると言われている。その発達した腕力と脚力から繰り出される攻撃力は凄まじく、山ほどもある岩石など跡形も無く破壊できるほどである。その破壊力を持つために恐れられているが、実際は正義感が強くむやみにその力を使うことは無い。得意技は、強烈な噛み付き技『ストロングクランチ』。必殺技は胸のX字の模様から放射されるエネルギー波『エクスレイザー』。
龍希(以降龍)「今回もバトル回だ」
緑香(以降緑)「前回からしばらくバトル回を続けるそうです」
龍「しばらくって事はクラス全員で…、23話!?」
緑「流石にそこまでネタはないって事で、少し少ない17話でカタをつける、って言ってたけど…」
龍「まぁ、それまでに読者様が離れていかなければ、だな。それにしても今回は遅れに遅れたな」
緑「原因はまたイラストだって」
龍「作者、全く懲りてない…」
緑「今回は私の絵を描こうとして挫折。その後、『戦乱カグラ 黒白の姉妹(仮)』のメインキャラクターを書いてたらしいわよ」
龍「挫折した時点でこっち仕上げろ、ってか書き上がるんなら先こっち書いてしまえよ!!」
緑「後、IS(インフィニット・ストラトス)用のイラストもやってたらしい」
龍「…大半以上がその2つに費やされた、と思っておこう」
緑「確か、2日で折れたって」
龍「早っ、それより最初につっこむべき何だろうけど、何でスティングモンと一緒にエクスブイモンの情報載せてるの?」
緑「えっと、前回載せるのを忘れて、こっちに載せるようにしたって」
龍「ずいぶん適当だ…」
緑「えっと、次の後書きからゲストで1人来てくれるそうです」
龍「あぁ、台本にそう書いてた。それにしても今回長すぎね?」
緑「と言うわけで、そろそろ締めましょう、それではまた次回」